エネルギー省、工業用熱排出を85%削減する新たなエネルギー地球ショットを開始

エネルギー省(Department of Energy)は9月21日、食料やセメント、鉄鋼など、あらゆるものを生産する際に使用される熱に伴う費用、エネルギー使用、炭素排出を劇的に削減することを狙いとした新たな取り組みとして、「工業用熱ショット(Industrial Heat Shot)」の開始を発表した。エネルギー省によるエネルギー地球ショット・イニシアチブ(Energy Earthshots Initiative)の新たな一つとなる工業用熱ショットは、工業熱に関して、コスト競争力のあるソリューションの開発に取り組み、2035年までに温室効果ガスの排出を少なくとも85%削減することを目指す。工業用熱ショットには、目標を達成するための主要経路として、①熱関連業務を電気化する(機器の電気化、クリーン電力の使用など)、②低排出の熱資源を統合する(低排出熱資源への移行、地熱貯留の拡大など)、③低熱もしくは熱を使わないプロセス技術のイノベーション(新たな化学や新興バイオテクノロジー加工の開発など)の3つが挙げられている。 Department of Energy “DOE Launches New Energy Earthshot To Cut Industrial Heating Emissions By 85 Percent” (9/21/22)

DAPRA、環境主導型の概念学習プログラム開始

国防総省(Department of Defense)及び諜報コミュニティは、大量のマルチメディアを頑強かつ自動的に分析するコンピュテーショナル・システムを必要とし、これらのシステムはまた、時間の経過と共に曖昧さを解決し、性能を向上させるため、人間とコミュニケーション及び協力する必要がある。しかし、現在の機会学習手法でもたらされる人工知能(AI)エージェントは、限定的な形を除き、会話を通じて人間と相互やり取りすることができないなどの問題がある。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)による「環境主導型の概念学習(Environmental-driven Conceptual Learning: ECOLE)」プログラムは、言語及び視覚的なインプットから継続的に学習する能力を持つAIエージェントを創出することで、こうした技術の劇的な改善を目指す。ECOLEプログラムの目標は、国防総省のミッションに重要で、一刻を争う分析業務の間、画像や映像、マルチメディア文書の分析を人間と機械が協調的に行えるようになることである。 Defense Advanced Research Project Agency “Today’s Analysts Require More from Machines, New AI Program Aims to Teach Them How” (9/19/22)

大統領府、「米国CHIPS」の上層部を発表

大統領府は9月20日、新たに発足した「米国CHIPS(CHIPS for America)」の複数部署の上層部を発表した。部署は、大統領府内と商務省(Department of Commerce)内に設置される。これらの部署は、「2022年CHIPS及び科学法(CHIPS and Science Act of 2022)」(通称CHIPS法)に基づく半導体業界への500億ドルの投資の実践を責務とする。発表された上層部は次の通り。①国家経済会議(National Economic Council: NEC)の大統領府CHIPS実践調整官(White House Coordinator for CHIPS Implementation)に、ロニー・チャタルジー氏(Ronnie Chatterji)が就任する。同氏は、CHIPS実践運営評議会(CHIPS Implementation Steering Council)の活動を管理すると共に、関連省庁・組織と協力する。②商務省では、CHIPSプログラム局(CHIPS Program Office)の局長にマイケル・シュミット氏(Michael Schmidt)が、CHIPS研究開発局(CHIPS Research and Development Office)の暫定局長にエリック・リン氏(Eric Lin)が、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)内に設置されるCHIPSプログラム局(CHIPS Program Office)の暫定上級顧問にトッド・フィッシャー氏(Todd Fisher)が就任することなどが発表された。 White House “Biden-⁠Harris Administration Announces CHIPS for America Leadership” (9/20/22)

NIST、プラスチック廃棄物を削減する循環型経済の教育プログラム開発に資金を提供

商務省(Department of Commerce)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、増大するプラスチック廃棄物問題を解決することに関心を持つ学生向けに新たな教育カリキュラムの開発に取り組む5つの大学に、各50万ドルを提供すると発表した。新たなカリキュラムは化学、経済、ビジネス経営、アントレプレナーシップ、及び関連トピックに焦点を当てる。これは、「プラスチック循環強化のための訓練(Training for Improving Plastics Circularity: TIPC)」グラント・プログラムで、プラスチックの循環型経済を成長させるために必要な将来の労働力を育成することを狙いとしている。受益するのは、アリゾナ州立大学(Arizona State University)、ピッツバーグ州立大学(Pittsburg State University)(カンザス州)、マサチューセッツ大学ローウェル校(University of Massachusetts at Lowell)、サザン・カリフォルニア大学(University of Southern California)の5大学。 National Institute of Standards and Technology “NIST Awards Funding for Educational Programs on a Circular Economy to Reduce Plastic Waste” (9/20/22)

NSF、14件の新たな「仕事の未来」研究プロジェクトに資金を提供

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、米国の労働者の機会を高め、地域と国の双方のレベルで、前向きな社会的及び経済的影響をもたらすことを意図した研究プロジェクトに2,900万ドル以上を提供する。研究者は、建設現場における健康と安全、児童保育業界における訓練と福利厚生、一刻を争う医療の意思決定といった問題について調査研究する。これらのプロジェクトは、NSFの「10のビッグ・アイデア(10 Big Idea)」イニシアチブの一つである「人間と技術のフロンティアにおける仕事の未来(Future of Work at the Human-Technology Frontier)」プログラムの支援を受ける。研究者は、人間に焦点を当てた広範な研究を行う14件のプロジェクトで協力し、これらは、公衆衛生と福利を強化する新たな手法と技術、労働者の安全性向上、建設/教育/輸送などの分野における新たなキャリア経路の開放につながる可能性がある。プロジェクトは、17州内にある23の機関及び組織によって、3年間にわたって実施される。 National Science Foundation “Exploring how future tech can benefit people in the workplace — NSF greenlights 14 new ‘Future of Work’ research projects” (9/19/22)

GAO、国防総省の代替契約権限(OTA)について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月20日、「代替契約権限:国防総省はコンソーシアム助成計画を改善可能(Other Transaction Agreements: DOD Can Improve Planning for Consortia Awards)」と題する報告書を発表した。国防総省(Department o Defense)は、「代替契約権限(Other Transaction Agreement: OTA)」を通じて、国防総省がそれまで共に取り組んだことがない契約事業者との間で、従来の契約に比べてより柔軟な形で契約を交わすことが可能になっており、個々の組織(契約事業者など)、もしくは特定に技術分野に特化した組織のグループで構成されるコンソーシアムへOTAに基づく発注契約をすることができる。国防総省は現在、従来よりも頻繁にコンソーシアムへのOTAを発注しているが、国防総省はコンソーシアムに関するデータを体系的に追跡しておらず、ひいてはどの技術分野がこれらの資金を受益しているのかも追跡されていない。GAOは、国防総省がこうした問題に対処するための勧告を行っている。 Government Accountability Office “Other Transaction Agreements: DOD Can Improve Planning for Consortia Awards” (9/20/22)

エネルギー省、使用済み核燃料の同意に基づく立地支援に1,600万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は9月20日、同意に基づく立地作業、使用済み核燃料の管理、暫定的な貯蔵施設の立地検討について関心があり、詳しく学ぶことを望むコミュニティへ1,600万ドルの資源を提供すると発表した。炭素フリーで信頼性の高い電力を生産する原子力発電所は、バイデン大統領の排出削減及び気候変動目標に到達する上で必要であるものの、それには使用済み核燃料の適切な管理が求められる。使用済み核燃料の管理施設への支援とその透明性を最大限にするため、エネルギー省は、コミュニティ主導型でそれぞれの周囲の具体的なニーズに対応する、同意ベースの手法にコミットしている。エネルギー省は、最大で8件の受益者を選出する計画で、受益機関は18~24か月となる。受益者は、コミュニティ内の相互の学習を進め、情報への容易なアクセスを提供し、オープンな議論の育成に取り組む。 Department of Energy “DOE Announces $16 Million to Support Consent-Based Siting for Spent Nuclear Fuel” (9/20/22)

米国内の零細企業は52億ドルの研究開発を実施(2019年)

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)のインフォブリーフ(InfoBrief)によれば、2019年に米国内の零細企業(国内の従業員が1~9名)は研究開発(R&D)費用として63億ドルを支出した。このうち、52億ドルは、零細企業自身によるR&D実施であった。零細企業による国内のR&D費用(R&D実施及び実施以外の支出を含む)の半分強(55%)は、給与、賃金、福利厚生の費用であった。外注されたR&D(他者によるR&Dへの支払いでR&Dサービスの購入を含む)はR&D費用全体の17%を占め、15%はその他の経費(コンサルタントや契約、旅費、賃貸料など)、8%はマテリアル及びサプライ品、3%は機械・設備費、1%はR&D資産及び機器の減価償却であった。記事ではこの他に、零細企業によるR&Dの特徴(業界別、R&Dの種別、資金源別、人口動態別)、総雇用とR&D従業員などについて記述している。 National Center for Science and Engineering Statistics “Microbusinesses Performed $5.2 Billion of R&D in the United States in 2019″ (9/20/22)

高等教育への連邦科学・工学支援は2020年度に3%増加

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)の発表によれば、連邦機関による大学の科学・工学(S&E)活動への支援(obligation)は、2020年度に前年度比3%増加し、391億ドル(現行ドル)の高水準となった。ただし、インフレ調整後の数値(2020年度)は344億ドルで、2009年度(378億ドル)及び2010年度(374億ドル)より低い。2009年度及び2010年度は、米国景気対策法(American Recovery and Reinvestment Act of 2009: ARRA)の追加資金によって連邦研究開発(R&D)予算が増加したのと同様に、2020年度の景気刺激資金による14億ドルによって、連邦の高等教育S&E予算は増加した。パンデミック関連の刺激資金の注入がなければ、2020年度の高等教育のS&E予算は378億ドルで前年度比1%減であった。記事はこの他に、大学全体を対象としたS&E予算、一部の少数派機関を対象としたS&E予算、歴史的に黒人の多い大学を対象としたS&E予算などについて記述している。 National Center for Science and Engineering Statistics “Federal Science and Engineering Support to Higher Education Increased 3% in FY 2020” (9/20/22)

エネルギー省、低エネルギー核反応の研究に最高1,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は9月13日、「低エネルギー核反応(low-energy nuclear reaction: LENR)は、潜在的に変革的な炭素フリーのエネルギー源となり得るか否か」を判断するための明確な慣行を確立することを目的として、最高1,000万ドルを提供すると発表した。この資金提供は、エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)がこの分野での研究の行き詰まり状態を打開することを目的として行うLENR実験的トピック(LENR Exploratory Topic)の一部である。LENR実験的トピックの受益者は、大手科学専門誌に出版が可能なLENRの証拠を生成することを目指し、仮説に基づいた手法を追求する。 Advanced Research Projects Agency-Energy “U.S. Department of Energy Announces Up to $10 Million to Study Low-Energy Nuclear Reactions” (9/13/22)