OSTP、技術の説明責任を進展させ、米国民の権利を保護する取り組みを発表

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は10月4日、米国民の権利を保護することを目的とした人工知能(AI)やその他の自動化システムの設計、開発、導入を支援する一助として、「権利章典のための設計図(Blueprint for a “Bill of Rights”)」を発表した。バイデン大統領は特別な利益に対抗し、害をもたらす技術企業大手の説明責任を問いつめ、増大的に自動化する世界において米国一般市民を確実に保護すべきであると主張してきた。自動化技術は日常的に人々の権利や機会、あらゆることへのアクセスへの影響を高めつつある。これらの技術はイノベーションを促進する一方、AIによって機会が不平等に提示されたり、意思決定プロセスに先入観や偏見が植え付けられることを示す研究結果もある。「権利章典の設計図」はこうした急務の課題に対処するため、全ての米国民が受けるべき中核保護として、①安全かつ効果的な制度、②アルゴリズムに基づく差別からの保護、③データのプライバシー、④通知と説明、⑤代替の選択肢、を挙げている。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Announces Key Actions to Advance Tech Accountability and Protect the Rights of the American Public” (10/4/22)

GAO、炭素捕獲・活用・貯留(CCUS)の現状・課題などについて報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月29日、「脱炭素化:炭素捕獲・活用・貯留の現状と課題と政策選択肢(Decarbonization: Status, Challenges, and Policy Options for Carbon Capture, Utilization, and Storage)」と題する報告書を発表した。気候変動対策の一つとなる炭素捕獲・活用・貯留(carbon capture, utilization, and storage: CCUS)技術の多くは、より広範な実証または導入へ向けた用意ができているが、業界全体がまだ初期段階であることなどから、費用、インフラ開発、コミュニティの関与といった複数の課題に直面している。こうした中、GAOは、これらの課題への対処の一助となる、またはCCUS技術の恩恵の強化につながる7つの政策選択肢を提示している。 Government Accountability Office “Decarbonization: Status, Challenges, and Policy Options for Carbon Capture, Utilization, and Storage” (9/29/22)

GAO、医療診断向け機械学習技術の恩恵と課題について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月29日、「医療ケアにおける人工知能:医療診断のための機械学習技術の恩恵と課題(Artificial Intelligence in Health Care: Benefits and Challenges of Machine Learning Technologies for Medical Diagnostics)」と題する報告書を発表した。毎年、医療診断ミスによって、数百万人の米国民が影響を受け、数十億ドルの費用が発生している。機械学習(ML)技術は、診断データにおける隠れたパターン、もしくは複雑なパターンを特定することで、疾病の早期発見や治療の向上につながる可能性がある。しかし、こうしたML技術の開発と利用は、多様な臨床の場で実際の性能を実証する必要があるなど課題も抱えている。こうした中、GAOは、課題への対処の一助となり得る3つの政策選択肢を提示している。それらは、①ML診断技術の評価、②質の高いデータへのアクセスの開発・拡大、③共同作業の推進、である。 Government Accountability Office ” Artificial Intelligence in Health Care: Benefits and Challenges of Machine Learning Technologies for Medical Diagnostics” (9/29/22)

GAO、気候変動に関する報告書を発表

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は今般、「気候変動:連邦政府による温室効果ガス排出削減努力の監督(Climate Change: Oversight of Federal Greenhouse Gas Emissions Reduction Efforts)」と題する報告書を発表した。連邦政府は毎年、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出削減に関連する活動に数十億ドルを支出している。GAOは、連邦政府による温室効果ガス排出削減努力の監督を通じて発表してきたこれまでの報告書を振り返り、これまでの勧告で対処がなされていない点について記述し、新たに勧告を提示している。 Government Accountability Office ” Climate Change: Oversight of Federal Greenhouse Gas Emissions Reduction Efforts ” (9/29/22)

GAO、連邦機関のクラウド・コンピューティングについて報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月28日、「クラウド・コンピューティング:連邦機関は4つの課題に直面している(Cloud Computing: Federal Agencies Face Four Challenges)」と題する報告書を発表した。連邦機関は毎年、情報通信(IT)及びサイバーセキュリティの取り組みを支援するため、数十億ドルを支出している。これらの取り組みには、IT資源をセキュアでコスト効果の高い商業クラウド・サービスへ移行することも含まれる。こうした中、GAOは、連邦機関がクラウド・サービスへの移行の恩恵を全面的に実現するために克服しなくてはならない課題を4つ挙げている。それらは、①サイバーセキュリティを確実にすること、②クラウド・サービスの調達方法、③有技能労働力の維持、④費用と節約の追跡の4項目で、GAOは各項目について勧告を提示している。 Government Accountability Office “Cloud Computing: Federal Agencies Face Four Challenges” (9/28/22)

大統領府、社会的に恵まれない中小企業向け契約発注目標を引き上げ

行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)は、省庁機関に、社会的に恵まれない中小企業(small disadvantaged business: SDB)への政府契約発注金額の割合を2023年度に引き上げるよう指示する新たなガイダンスを通達した。これは、今後5年間に、少数派が経営する企業が1,000億ドルの新たな受注契約を得られるよう推進する政権の取り組みの一部である。OMBの10月4日付けのガイダンスは、連邦省庁及び中小企業庁(Small Business Administration: SBA)に対し、新たな契約目標について協議すること、2023年度には全ての連邦契約支出の少なくとも12%をSDBへ授与するよう指示している。SBAによれば、連邦機関は2021年度に全ての契約受注機会の少なくとも11%をSDBへ授与するという大統領府の目標を達成し、過去最大となる624億ドルが、少数派が経営する企業へ授与された。 Government Executive “The White House Has Raised Contract Spending Goals for Small, Disadvantaged Businesses” (10/5/22)

NIH、人間のあらゆる遺伝子の機能について体系的に研究・確立するイニシアチブを開始

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、人間のあらゆる遺伝子の機能についてより良い理解を得、各遺伝子の不活性化が分子や細胞にもたらす影響をカタログ化することを目的とした「細胞におけるヌル対立遺伝子の分子表現型(Molecular Phenotypes of Null Alleles in Cells: MorPhiC)」プログラムを開始する。同プログラムは、国立ヒトゲノム研究所(National Human Genome Research Institutes: NHGRI)が管理し、複数のフェーズを通じて各遺伝子の機能を体系的に研究する。MorPhiCプログラムには、初期資金として5年間で合計4,250万ドルが拠出される。フェーズ1では1,000個のたんぱく質コード遺伝子に焦点が当てられ、試験的フェーズとして機能する。本プログラムの下で選出されるプロジェクトは、機能的たんぱく質を生成しない遺伝子(ヌル対立遺伝子)を用いて研究に取り組む。 National Institutes of Health “NIH initiative to systematically investigate and establish function of every human gene” (9/27/22)

NIH、潜在的に変革的なバイオメディカル研究プロジェクト支援に2億ドル以上を提供へ

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)共通資金(NIH Common Fund)の支援を受け、ハイリスク・ハイリワード研究プログラム(High-Risk, High-Reward Program)は、先見的かつ広範な影響を及ぼす行動/バイオメディカル研究プロジェクトに取り組む極めて革新的な科学者に103件の新たな研究グラントを提供した。受益するプロジェクトには、水圧破砕への暴露が妊娠や受胎に及ぼす影響や、脳のメカニズムがどのように記憶力に影響するか、といった研究が含まれる。130件のアワードの合計は約2億8,500万ドルで、2022年から5年間にわたって実施される。ハイリスク・ハイリワード研究プログラムは4件のアワードで構成され、各アワードと今回の受益件数は次の通り。①NIH所長パイオニア・アワード(NIH Director’s Pioneer Award)8件、NIH所長新イノベーター・アワード(NIH Director’s New Innovator Award)72件、NIH所長トランスフォーマティブ研究アワード(NIH Director’s Transformative Research Award)9件、NIH所長早期独立アワード(NIH Director’s Early Independence Award)14件。 National Institutes of Health “NIH to award over $200 million to support potentially transformative biomedical research projects” (10/4/22)

米国アカデミー、米国科学技術グローバルリーダーシップを維持するには、特定技術へのアクセスを制限するだけは不十分と提言

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は今般、「米国の技術的優位を保護する(Protecting U.S. Technological Advantage)」と題する報告書を発表し、科学技術における米国の世界的なリーダーシップを維持するために、連邦政府が講じるべき様々な措置について勧告した。具体的に、米国政府はこれまで、競合国に特定技術にアクセスすることを防ぐことに重点を置いていたが、その政策をシフトさせ、米国独自のイノベーション力を保護するリスク管理手法を取るべきであると提言している。また、米国は、米国のリーダーシップ促進につながる「オープンな研究環境」で適切に実施できる取り組みを最大限にし、優秀な人材を引き付け、新たな技術につながる発見を強化することに努力すべきであるとしている。ただし、「研究関連の全ての取り組みがオープンな環境に適しているわけではなく、戦略的意義が米国の技術的リーダーシップやその他の国家的利益にもたらす脅威もしくは脆弱性を特定及び評価し、これらのリスクを管理する戦略を開発し、戦略の実行を監督するための省庁間プロセスが必要である」とも注記している。 National Academies “Maintaining U.S. Global Leadership in Science and Technology Requires Greater Focus on Strengthening Innovation, Not Solely on Restricting Access to Specific Technologies” (9/29/22)

COP27が近づく中、米国アカデミーは、世界排出情報クリアリングハウスの新設を勧告

今年11月に行われる第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)が近づく中、米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は、「意思決定者のための温室効果ガス排出情報:これからの枠組み(Greenhouse Gas Emissions Information for Decision-Making: A Framework Going Forward)」と題する報告書を発表した。報告書は、気候変動対策に取り組む意思決定者を支援するため、温室効果ガス排出情報に関する世界的なクリアリングハウスを設置すべきであると勧告している。こうしたクリアリングハウスは、新たな排出試算方法や研究結果をより早急に運用するための移行を促進するものとなる。排出に関する情報は、より利便性が高くタイムリーで、透明性があり、包含的で完全なものとなるよう改良される必要があり、意思決定者に有益な形で検証かつ伝達される必要があると報告書では記載されている。 National Academies “As COP27 Approaches, Report Recommends New Global Emissions Information Clearinghouse, Steps to Improve Accuracy and Usability of Information” (10/4/22)