テスラ社とLG社、ミシガン州で43億ドル規模の電池工場建設へ

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は3月19日、テスラ社(Tesla)とLGエナジー・ソリューション社(LG Energy Solution)がミシガン州ランシングに43億ドル規模のリン酸鉄リチウムイオン電池セル(Lithium-iron-phosphate cells: LFP)製造工場を建設すると報じた。2027年に稼働開始予定で、テスラ社の大型蓄電システム「メガパック3(Megapack 3)」向けセルを供給し、ヒューストン近郊の大型蓄電池工場(メガファクトリー)で組み立てられる計画である。テスラ社は2025年のエネルギー事業売上が約128億ドルに達し、前年比26.6%増を記録したとし、2026年もメガパック3とメガブロックなどによる強い需要を見込んでいる。一方、LG社も送電網規模の蓄電システムなどで90GWhを受注し、北米での生産能力を60ギガワット時(GWh)以上に拡大させる見込みであるという。この合意は、インド太平洋諸国とのエネルギー安全保障会合を受けた民間投資560億ドルの一環で、国内の重要エネルギー供給網確保に向けた取り組みとなっている。 Utility Dive “Tesla, LG to build $4.3B battery plant as part of supply agreement” (03/19/26) https://www.utilitydive.com/news/tesla-lg-to-build-43b-battery-plant-as-part-of-supply-agreement/815200/

地熱増産システム導入で西武電力需要への対応が可能に CPE提言

公共企業センター(Center for Public Enterprise: CPE)は3月16日、地熱増産システム(Enhanced Geothermal Systems: EGS)の導入により、100~500メガワット(MW)規模の商業運転を3~6年以内に可能にすることができるとの報告書を発表した。掘削装置と人員確保により開発期間は3年未満へも短縮が可能で、西部で急増する電力需要を満たすことができると提言している。EGSは水平掘削と水圧破砕技術を用いて人工的な亀裂(貯留層)を作って地熱を引き出す技術で、燃料購入費が必要なく、年間80%を超える安定した設備稼働率に加え、2035年までの税額控除も享受できると指摘した。7~10年かかっていた従来型に対し、開発期間も70~75%短縮できるとし、許認可取得や送電網への接続が迅速に行われれば、各社の短期統合資源計画にも組み込めると強調した。さらに、EGSは石炭火力の代替として約1.8倍の炭素排出削減効果があり、電力会社にとっても資本効率の高い選択肢であると説明している。 CPE “The Firm Frontier” (03/16/26) The Firm Frontier 参照記事: Utility Dive “Enhanced geothermal deployment could be compressed to under 3 years: report” (03/19/26) https://www.utilitydive.com/news/enhanced-geothermal-deployment-could-be-compressed-under-three-years-repor/815227/

一般調達局とNIST、導入前AI評価で連携

FEDSCOOPは3月19日、一般調達局(General Services Administration: GSA)が米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)傘下の人工知能(AI)標準・イノベーションセンター(Center for AI Standards and Innovation: CAISI、旧AI安全研究所)と連携し、政府機関導入前のAIシステムを評価すると報じた。NISTの評価専門性とGSAの政府全体への影響力を融合してAI導入強化を図るとし、信頼性とセキュリティ向上に向け、GSAの「USAi」基盤を通じた各機関のモデル試験を支援する。CAISIはベンチマークの選定や実環境でのテストに関するツールや指針を提供し、各機関が活用できるガイドラインやチェックリストを策定する。一方、GSAは複数契約制度を通じてAIシステム契約に関する条項案を公表した。知的財産権や政府データの利用、セキュリティ事故に関する報告などの基準策定を進め、評価においてはバイアスや安全性、思想的内容の有無などを確認する方針で、政府意向に沿った技術統合を求めていくという。 FEDSCOOP “GSA, NIST team up to evaluate AI before agency deployments” (03/19/26) GSA, NIST team up to evaluate AI before agency deployments

NSF、AI教育拡充に1,100万ドルを助成 

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は3月19日、コンピューターサイエンス教師協会(Computer Science Teachers Association: CSTA)に1,100万ドルを付与したことを発表した。教員の人工知能(AI)とコンピューター科学教育の指導力を高めることが目的で、大統領令「米国の若者のためのAI教育の推進(Advancing Artificial Intelligence Education for American Youth)」に基づく取り組みである。インディアナ州、サウスカロライナ州、ミネソタ州など複数州における約2,500~3,000名の教員を対象に、データやアルゴリズムなどのコンピューターサイエンスの基礎概念に加え、AIの倫理的側面や授業内での活用など、夏期研修とコミュニティ支援を組み合わせた2年間に亘る専門性開発を実施するもので、AI教育を通じた次世代イノベーター育成に向け、AIリテラシーを拡大する。この取り組みにより、1教員あたり約200名の生徒が恩恵を受けるとし、最大60万人の学生に高品質なAI学習機会が提供されることを見込んでいる。 NSF “NSF invests $11M to expand AI professional development for K-12 teachers nationwide” (03/19/26) https://www.nsf.gov/news/nsf-invests-11m-expand-ai-professional-development-k-12

エネルギー省、エネルギーインフラ強化に向けた5カ年計画を発表

エネルギー省(Department of Energy)傘下のサイバーセキュリティ・エネルギーセキュリティ・緊急対応局(Office of Cybersecurity, Energy Security, and Emergency Response: CESER)は3月18日、国内エネルギーインフラ強化に向けた初の5カ年戦略計画を発表したと明らかにした。2026~2030年の5年間に亘り、世界最高水準のセキュリティ技術開発、国内エネルギーインフラ整備に加え、インシデント対応・復旧強化を柱とするもので、同局はエネルギー分野のリスク管理機関として、自然災害やサイバー攻撃などの緊急事態に備えた対応体制を整備する。これに伴い、業界パートナーに対しタイムリーで実践的な情報を提供し、脅威に対し先手を打つ支援を行なっていくとも説明した。特にサイバー攻撃や物理的脅威からの保護を重視し、国家サイバー戦略の一環として重要インフラ保護や技術優位性維持、人材育成にも注力していく。 Department of Energy “CESER Prioritizes American Energy Dominance and Infrastructure Hardening in New Strategic Plan” (03/17/26) https://www.energy.gov/ceser/articles/ceser-prioritizes-american-energy-dominance-and-infrastructure-hardening-new

連邦航空局、サイバー・量子脅威対策で民間情報収集開始

FEDSCOOPは3月17日、連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)がサイバー攻撃や量子脅威に対する防衛力強化のため、民間企業からの情報収集を開始したと報じた。2028年末までの航空管制システム(Air Traffic Control: ATC)導入期限を控え、昨年の首都ワシントン国際空港での墜落事故でFAAの技術的失敗が指摘されたことが背景にあり、数十億ドル規模のシステム整備計画の中核となる国家航空システム(National Airspace System: NAS)とATCに関する情報セキュリティとインフラ改善について業界からの提案を求めている。サイバーセキュリティ分野では侵入テスト、脆弱性評価、インシデント対応調整などの運用改善に関する提案を募集し、量子分野では将来の量子コンピューター攻撃に備えたポスト量子暗号(Post-Quantum Cryptography: PQC)への移行計画も進める。同局は量子耐性と暗号機動性を備えたセキュリティ整備が急務とし、締め切りはサイバーセキュリティ市場調査が3月18日で、PQCを4月10日とした。 FEDSCOOP “FAA aims to build better defenses against cyber, quantum threats” (03/17/26) FAA aims to build better defenses against cyber, quantum threats

宇宙軍ミサイル防衛計画「ゴールデン・ドーム」の予想コスト、1,850億ドルに

NEXTGOV/FCWは3月17日、宇宙軍(United States Space Force: USSF)の大規模ミサイル防衛プロジェクト「ゴールデン・ドーム(Golden Dome)」のコスト予測が1,850億ドルとなったと報じた。従来計画の1,750億ドルから100億ドル増加した。宇宙配備型迎撃ミサイルシステム開発が開発費を押し上げているとみられ、特に拡張性とコスト効率が関係しているという。専門家らは長期運用・補充費用は含まれておらず、実際のコストはさらに膨らむと見ており、議会予算局(Congressional Budget Office: CBO)は20年間で5,420億ドルから8,310億ドルに膨らむと予測し、アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所(American Enterprise Institute: AEI)は最高水準の構成では最大3兆6,000億ドルに達する可能性があるとの報告書を発表した。同軍は2028年夏までに作戦能力を実証する必要があるとし、同計画にはロッキード・マーチン社(Lockheed Martin)やアール・ティー・エックス社(RTX)、ノースロップ・グラマン社(Northrop Grumman)が参画するという。 NEXTGOV/FCW “Golden Dome’s projected cost just jumped $10 billion. Experts fear that’s just for starters.” (03/17/26) https://www.nextgov.com/defense/2026/03/golden-domes-projected-cost-just-jumped-10-billion-experts-fear-s-just-starters/412185/?oref=ng-homepage-river

連邦政府、ハンドルなし車両の規制整備へ

アクシオス(Axios)は3月18日、連邦政府がハンドルやペダルのない完全自動運転車の普及の後押しに向け、規制や車両基準を整備すると報じた。国内で運行中のロボットタクシーは自動運転技術を搭載した従来型車両をベースにしており、連邦政府による統一的な法律もなく州ごとに規定されている。これらを背景に、暫定措置として米国道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration: NHTSA)がアマゾン社(Amazon)傘下のズークス社(Zoox)によるロボタクシーの特例配備に向けた審査を進めている。また、ワイパーなど手動を前提とした車両基準の撤廃や、新たな安全ガイドラインを年内にも公表する予定で、これに併せ、連邦議会でも自動運転法案(Self-Drive Act)や自動車近代化法案(Motor Vehicle Modernization Act)の議論が活発化している。ショーン・ダフィー運輸長官(Sean Duffy)は中国製の自動運転車が世界を席巻しつつある現状から、技術進化に合わせた法整備によって、技術競争における覇権維持を強く訴えている。 Axios “U.S. paves road for vehicles with no steering wheel” (03/18/26) https://www.axios.com/2026/03/18/robotaxi-autonomous-av-steering-wheel

政府、NIH研究費の保留を解除 助成支給と人事が正常化へ

サイエンス誌(Science)は3月17日、大統領府が国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の2026年度予算に関する研究助成の支出保留を解除し、停滞していた資金提供や人事が正常化に向かうと報じた。同日の下院公聴会で、ジェイ・バタチャリアNIH所長(Jay Bhattacharya)は行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)による予算承認を認め、今年度末までに全額を科学研究へ支出する方針を明言した。記事は、トランプ氏の大統領復帰に伴い、予算保留などの影響でNIHの助成支給がこれまで遅れをとっていた背景について触れており、大規模な人員削減による幹部職の空席補充については、同所長が人員を増強中であると伝えた。その上で、最終的な任命権は厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)のロバート・ケネディ・ジュニア長官(Robert F. Kennedy Jr.)にあるとし、今後の動向が注視されている。 Science “White House lifts hold on NIH research spending” (03/17/26) https://www.science.org/content/article/white-house-lifts-hold-nih-research-spending

CATF、バイオマス炭素除去プロトコルの策定強化を提言

クリーン・エア・タスクフォース(Clean Air Task Force: CATF)は3月18日、バイオマスによる二酸化炭素除去(Biomass Carbon Dioxide Removal: Biomass CDR)が気候変動対策に有効であるとし、業界が持続可能な規模拡大を図るには強力な基準が必要であると発表した。植物を用いて大気中の炭素を回収し、それを数世紀以上に亘って安全に貯蔵する技術システムを用いることで、ギガトン規模の気候変動緩和を実現する可能性があるとし、専門家らと共同で実施した調査の結果、既存のバイオマスCDRクレジット・プロトコルのうち28%が十分な評価を得た。半面、全てのプロトコルに少なくとも一つの根本的な欠陥が含まれ、評価スコアのばらつきから一貫性の欠如も浮き彫りになった。この結果を受けCATFは、市場の信頼を高め気候変動への成果を保証するためには基準の改善が不可欠と強調し、業界の持続可能な規模拡大に向けた強力な基準策定が必要であると提言しており、政府や投資家に対してプロトコル強化のロードマップも提示している。 CATF “New study shows biomass carbon removal can help tackle climate change, and strong standards are needed for the industry to scale sustainably” (03/18/26) New study shows biomass carbon removal can help tackle climate change, and strong standards are needed for the industry to scale …
Read more