NSFとNVIDIA、AIモデル開発で提携

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は8月14日、エヌビディア社(NVIDIA)と提携し、科学イノベーションの加速に向け、オープンソースの人工知能(AI)モデル開発を支援すると発表した。大統領府のAI行動計画(AI action plan)に基づき、官民投資を推進し、アレンAI研究所(Allen Institute for AI: Ai2)が主導する「オープンマルチモーダルAIインフラストラクチャ(Open Multimodal AI Infrastructure: OMAI)」プロジェクト支援に向け、NSFが7,500万ドル、NVIDIA社が7,700万ドルを拠出する。科学データや文献に基づくオープンソースのAIモデルを構築することで、研究者による迅速なデータ分析や新発見を加速し、材料科学や生物学などの分野で革新を促すのが目的である。NVIDIA社のジェンスン・フアンCEO(Jensen Huang)は、AIは現代科学の原動力であるとし、NSF側も「AIの科学研究への導入は、ゲームチェンジャーとなり得る」として、解決不可能とされている課題に取り組むことを明らかにした。 NSF “NSF and NVIDIA partnership enables Ai2 to develop fully open AI models to fuel U.S. scientific innovation” (08/14/25) https://www.nsf.gov/news/nsf-nvidia-partnership-enables-ai2-develop-fully-open-ai

商務省、トランプ政権の労働力開発戦略を発表

商務省(Department of Commerce)は8月13日、労働省(Department of Labor)、教育省(Department of Education)と共に、トランプ政権の労働力開発戦略「米国の人材戦略:黄金時代に向けた労働者の育成(America’s Talent Strategy: Equipping American Workers for the Golden Age)」を発表した。大統領の「米国第一主義(America First)」経済政策を基に、経済成長の新たな黄金時代の実現に向け、労働者を育成する包括的な計画で、5つの戦略的柱を基盤としている。大統領の「Make America Skilled Again (米国を再び熟練させる)」政策のもと、国民が高収入の仕事に就けるよう支援するため、需要産業に従事する熟練技術者の育成やAI駆動経済への適応などを重点とする取り組みで、ハワード・ラトニック商務長官(Howard Lutnick)は「労働者の力を解き放つ革新的な戦略」と強調、チャベス・デレマー労働長官(Lori Chavez-DeRemer)やリンダ・マクマホン教育長官(Linda McMahon)も労働者第一の姿勢を示し、雇用確保に向けた準備を進めると言及している。 Department of Commerce “U.S. Departments of Commerce, Labor, Education Unveil Workforce Development Strategy to Fuel ‘Golden Age’ of the American Economy” (08/13/25) https://www.commerce.gov/news/press-releases/2025/08/us-departments-commerce-labor-education-unveil-workforce-development

エネルギー省、OCEDの不適切な資金執行を指摘

エネルギー省(Department of Energy)は8月11日、クリーンエネルギー実証局(Office of Clean Energy Demonstrations :OCED)が数十億ドル規模の産業実証プログラム(Industrial Demonstrations Program: IDP)資金を適切に管理できていないとする同省監察総監(Inspector General: IG)の報告書を発表した。報告書は、OCEDがインフレ抑制法(Inflation Reduction Act: IRA)に基づく58億ドル規模のIDPを監督するための内部統制が不十分で、目標の未達や不適切な経費精算、詐欺、浪費、利益相反の問題が生じるリスクがあると指摘している。また、水素ハブプログラムやグリッド耐久性・革新パートナーシッププログラム(Grid Resilience and Innovation Partnership Program: GRIP)における内部統制の欠如も問題視し、税金の浪費や国家安全保障への懸念が浮上しているという。これを受け、クリス・ライト長官(Chris Wright)は問題解決に向け、財政支援の見直しを進めており、トランプ大統領のエネルギー政策に沿った責任ある管理を目指すと強調している。 Department of Energy “Inspector General Report Highlights Lack of Accountability in Green New Scam” (08/11/25) https://www.energy.gov/oced/articles/inspector-general-report-highlights-lack-accountability-green-new-scam

エネルギー省、重要鉱物の供給網確保へ約10億ドルを提供  

エネルギー省(Department of Energy)は8月13日、重要鉱物・材料の国内供給網の確保に向け、総額約10億ドルに上る資金提供機会(notice of funding opportunity: NOFO)を通知する意向と発表した。トランプ大統領の大統領令「米国のエネルギーを解き放つ(Unleashing American Energy)」に沿い、エネルギー安全保障と産業競争力の基盤となる資源の安定的供給を目指すもので、クリス・ライト長官(Chris Wright)は「重要材料の供給と加工を長らく外国に依存してきた」と言及し、国内での加工を再興し、供給源を拡大すると表明した。計画には、製造・エネルギーサプライチェーン室(Office of Manufacturing and Energy Supply Chains: MESC)による最大5億ドルの電池材料加工・製造・リサイクル助成プログラムや、1億3,500万ドルのレアアース実証施設プログラムが含まれ、化石エネルギー・炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management)への産業施設からの副産物として重要鉱物を回収する技術実証にも、約2億5,000万ドルを支援する。 Department of Energy “Energy Department Announces Actions to Secure American Critical Minerals and Materials Supply Chain” (08/13/25) https://www.energy.gov/articles/energy-department-announces-actions-secure-american-critical-minerals-and-materials-supply

トランプ大統領、民間宇宙産業の規制を緩和

大統領府は8月13日、トランプ大統領が民間宇宙産業の規制を緩和し、競争促進を図る大統領令に署名したと発表した。打ち上げ・再突入ライセンスに関する環境審査の廃止・迅速化に加え、「時代遅れで過度に制限的な規制を撤廃する」とし、沿岸域管理法(Coastal Zone Management Act: CZMA)に基づく州の規制が宇宙港開発を妨げていないかなどの評価や、審査プロセスの統一と重複規制の排除についても、国防総省(Department of Defense)や航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)などの各関連機関に指示している。さらに、既存の規制枠組みにおける新規宇宙活動の承認プロセスの合理化に向け、連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)内に民間宇宙輸送担当の副長官職を新設する内容も含めるなど、同産業に対する取り組みを強化する。大統領は第1期政権時に宇宙軍(Space Force)を創設しており、今期は「火星に宇宙飛行士を送る」と就任演説で述べるなど、宇宙における世界的リーダーシップの維持を強調している。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Enables Competition in the Commercial Space Industry” (08/13/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/08/fact-sheet-president-donald-j-trump-enables-competition-in-the-commercial-space-industry/

FTC、カリフォルニア州のトラック排ガス協定を無効化

ザ・ヒル(The Hill)は8月13日、連邦取引委員会(Federal Trade Commission: FTC)がカリフォルニア州と大手トラックメーカー4社間の排ガス削減協定について、執行不能であるとの決定を下したと報じた。同協定は、メーカーが州独自の排ガス基準に従う見返りに一定の譲歩を受ける内容で、今回の決定により、連邦基準より厳しい州の環境規制は事実上、遵守が不要となる道が開かれることになる。この決定は、カリフォルニア州大気資源局(California Air Resources Board: CARB)とトラックやエンジン製造業者の間での自主協定である「クリーン・トラック・パートナーシップ(Clean Truck Partnership)」に関連するもので、FTCは独占禁止法違反に関する調査を行ってきたが、今般、ダイムラー・トラック社(Daimler Truck)など4社が同協定の破棄に合意したことで、独占禁止法違反に関する調査自体は終了されることとなる。FTC競争局(Bureau of Competition)は、CARBの規制は行き過ぎで、独占禁止法上の懸念があったとの見解を示した。これに先立ち、トランプ大統領が連邦レベルで州の規制を覆しており、メーカー各社も州には規制の執行権限がないとして、提訴していた。 The Hill “Trump administration invalidates California’s emissions reduction agreement with truck manufacturers” (08/13/25) https://thehill.com/policy/energy-environment/5450798-california-truck-emissions-ftc/?stream=top

ワン・ビッグ・ビューティフル法を受け、再生可能電力購入契約価格が上昇

レベルテン・エネルギー社(LevelTen Energy)の電力購入契約(power purchase agreement: PPA)マーケットプレイスのデータによれば、風力及びソーラーのPPAの平均価格は、7月にワン・ビッグ・ビューティフル法(One Big Beautiful Bill Act)が成立して以来、4%上昇している。再生可能エネルギーの購入者は、調達スケジュールを早めようとしており、レベルテン社が8月13日に発表したアンケート調査結果によると、調達担当チームの68%が、「エネルギー供給を確保するために今すぐ行動する必要があると感じている」と回答している。一方、開発事業者のほぼ3分の1が、「調整法案の結果を受け、プロジェクトの停止または中止を計画している」としており、価格は税控除が終了した後も上昇を続けると予測される。レベルテン社によれば、PPA契約の平均価格は、第1四半期末から第2四半期末の間にわずか1%しか上昇しておらず、最近の価格上昇はワン・ビッグ・ビューティフル法の動きと関連していると考えられる。 Dive Brief “Renewable power purchase agreement prices rising in wake of One Big Beautiful Bill Act” (08/13/25) https://www.utilitydive.com/news/wind-solar-power-purchase-ppa-prices-obbb-levelten/757516/

リン・パーカーOSTP首席副長官、AI行動計画の発表を終え、退任

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)のリン・パーカー首席副長官(Lynne Parker, principal deputy director)が、トランプ政権によるAI行動計画(AI Action Plan)が発表されたことを受け、退任した。8月12日のリンクドイン(LinkedIn)への投稿で、トランプ政権の始動を支援するという自身の使命を果たしたと述べ、AIイノベーション及び教育のイニシアチブの立ち上げ、ドローンに関する政策等に言及した。退任後はテネシー州でのリタイヤ生活に戻るという。パーカー氏は1月にトランプ政権に参加し、OSTP首席副長官の他、大統領科学技術評議会(President’s Council of Advisors for Science and Technology)のエグゼクティブ・ディレクターにも指名された。OSTPの上級政策顧問であるディーン・ボール氏(Dean Ball)もAI行動計画発表後、退任した。 FedScoop “Lynne Parker exits White House following publication of AI plan” (08/12/25) Lynne Parker exits White House following publication of AI plan

連邦判事、停止されたUCLA向けの助成金を再開するようNSFに命じる

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が7月30日にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California, Los Angeles: UCLA)向けの約300件の助成金を停止すると発表した件で、サンフランシスコの地方裁判所で8月12日に口頭弁論が行われた。リタ・リン判事(Rita Lin)は、「過去に行われた同様の裁判で、NSFによる助成金の凍結を差し止めたリン判事の判断(6月23日)は、本件には適用されない」という政府側の主張を退け、UCLAへの助成金を復活させるよう命じた。口頭弁論で政府側は、「6月23日のリン判事の判断は、NSFが打ち切り(cancel)にした助成金に適用されるものであり、停止(suspend)となった今回の助成金には適用されない」と主張したが、リン判事は、その主張を却下した。 Science “Judge tells NSF to reinstate suspended UCLA grants” (08/13/25) https://www.science.org/content/article/judge-tells-nsf-reinstate-suspended-ucla-grants

任意の炭素市場で連邦政府の役割は限定的 GAO報告

企業や個人は、任意の炭素市場を通じて炭素クレジットを購入することで、二酸化炭素やその他の温室効果ガス排出を相殺することができるが、炭素クレジットが環境的恩恵を実際にもたらしているのかを懸念する声もある。このような中、政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は8月13日に発表した報告書の中で、炭素市場の完全性を推進するために連邦政府が取り得る策について分析した上で、炭素市場で連邦政府が果たす役割は小さく、連邦による監督の役割について明確な総意はないと報告している。 Government Accountability Office “Carbon Credits: Limited Federal Role in Voluntary Carbon Markets” (08/13/25) https://www.gao.gov/products/gao-25-107128