モノのインターネット(Internet of Things: IoT)の台頭により、アクセス性を持つ機器とそれらを可能にするために必要な複雑なチップ設計が急速に増大しており、敵対者の関心は商業及び防衛分野で複雑な能力を実現できるチップへとシフトしつつある。本件に対する認識は高まりつつあるものの、チップ・レベルで広範に利用されているセキュリティのツール/手法/ソリューションはない。これは主に、セキュアなチップ設計にしばしば伴う経済性の問題と技術的なトレードオフ(代償)が原因である。セキュリティをチップに組み込むことは、マニュアルの作業で費用高で、大幅な時間と専門性が求められる煩雑な業務であり、多くのチップ及びシステム企業が簡単に対応できるものではない。このような中、セキュアなチップの開発に伴う負担を軽減するため、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「セキュアなシリコンの自動導入(Automatic Implementation of Secure Silicon: AISS)」プログラムを立ち上げた。AISSは、スケーラブルな防衛メカニズムをチップ設計に組み入れるプロセスを自動化しつつ、設計者が経済性とセキュリティ上のトレードオフを比較し、設計の生産性を最大限化できるようにすることを狙いとしている。プログラムの目的は、設計ツールとIPのエコシステム(ツールのベンダー、チップの設計者、IP使用許諾者、オープン・ソース・コミュニティが含まれる)を開発し、これによってセキュリティが最小限の努力と専門性で高価ではない形でチップ設計に組み込まれるようになり、最終的にはスケーラブルなセキュリティ搭載チップが普及することである。
Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Seeks to Make Scalable On-Chip Security Pervasive” (3/25/19)