Category:その他
カリフォルニア州のデジタル民主主義プログラム AI政策に住民の声反映
カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(Governor Gavin Newsom)は5月7日、人工知能(AI)政策に全ての州民の声を反映させ、経済や労働者への影響を評価するデジタル民主主義プログラム「エンゲージド・カリフォルニア(Engaged California)」を展開すると発表した。全住民の意思決定参加を目指す取り組みで、まず第1段階の公募でAIを使った業務経験や政府対応策への提案を募った後、今夏後半に開始予定の第2段階で労働環境を反映した少数の代表者による生討論を行い、政策策定に向けた共通認識を見出していく。同州は世界トップ50のAI企業のうち33社が拠点を置く技術ハブで、これまでも安全指針の策定や生成AIの行政活用を進めてきた。今回の取り組みは2025年に行われた災害復興対応や、州職員を対象とした過去2回の試験運用で高い信頼と成果を得られた実績に基づくとし、州政府は今後、寄せられた意見を集約して最終報告書を作成し、倫理的かつ責任あるAI政策や共同規制の策定に役立てる方針を示している。 Governor Gavin Newsom “Governor Newsom launches Engaged California statewide for the first time to give all Californians a stronger voice in AI policy” (05/07/26) Governor Newsom launches Engaged California statewide for the first time to give all Californians a stronger voice in AI policy
SEMI、FHE開発の提案募集開始
国際半導体製造装置材料協会(Semiconductor Equipment and Materials Institute: SEMI)は5月19日、傘下の技術戦略連合「フレックステック(FlexTech)」が、最先端材料や積層造形プロセスの開発を含むフレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクス(Flexible Hybrid Electronics: FHE)技術の進歩に向けた提案募集(Request for Proposal: RFP)を開始したと発表した。募集領域は、成形可能な柔軟性電子機器、高度接合信頼性、柔軟性のある新型蓄電システム、二次元(2D)材料の4分野で、審査委員会は妥当性や予算に加え、産業と軍事両用の適用性などを評価する。陸軍研究所(Army Research Laboratory: ARL)の資金提供を受ける本プログラムでは、採択案件へ25万〜50万ドルの支給に加え、受賞者も拠出して運営される。同連合は応募者に対し、企業や研究機関、大学の連携を推奨しており、革新的またはリスクのある技術アプローチを支援しつつ、開発した知的財産権は、開発にあたる企業や大学側に帰属する仕組みとした。提案は7月6日まで受け付ける。 SEMI “SEMI FlexTech Solicits Proposals for Advancing the Future of Flexible Hybrid Electronics” (05/19/26) https://www.semi.org/en/semi-press-release/semi-flextech-solicits-proposals-for-advancing-the-future-of-flexible-hybrid-electronics
米国アカデミー、エネルギー・水インフラ統合技術開発の推進を提言
米国科学・工学・医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine: NASEM)は5月19日、エネルギー・水システム強化に向け、エネルギー省(Department of Energy)による実証プログラムを通じた革新的技術やインフラ開発推進を促す報告書を発表した。寒波による停電で給水が寸断された2021年のテキサス州豪雪災害の例を挙げ、混乱事象が両システムに即座に影響し、国民生活や安全保障へ与えるリスクを指摘している。また各システムは多くの場合個別に管理されていることに加え、データセンターの台頭による電力や水への需要急増など地域ごとに課題が異なるため、一律の国家戦略では対応が難しいとし、報告書は地方制約や住民ニーズを最優先とする実証計画を構築し、分散型インフラの費用対効果検証やデータ収集、リスク管理システムを構築するよう提案した。さらに、水管理を統括する連邦機関の不在も政策策定の阻害要因とし、同省が調整役として地域権限に配慮しつつ各界との連携を主導するよう提言している。 NASEM “New Technologies and Approaches Needed to Shore Up Interconnected U.S. Energy and Water Systems, Says New Report” (05/19/26) https://www.nationalacademies.org/news/new-technologies-and-approaches-needed-to-shore-up-interconnected-u-s-energy-and-water-systems-says-new-report
核ごみ処分、エネルギー省の専門人材不足が深刻化 GAO報告
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は5月19日、核廃棄物処分や環境浄化を担うエネルギー省(Department of Energy)環境管理事務局(Office of Environmental Management: EM)において、専門人材の不足が深刻化しているとする報告書を発表した。同局職員数は2023年度の1,272人から856人へと33%減少し、2025年度末時点で欠員率が45%に達している。欠員のほぼ半数は核安全専門家や原子力工学など事業に不可欠な汚染建物、土壌、地下水への対処、放射性廃棄物などの処理などの「重要職種」で、大量離職に加え、残留職員の35%が2030年までに高齢化による退職予定となっている。2026年度には174人の新規採用を計画しているものの、GAOは2024年の前回調査で指摘した「人員不足に伴う計画の遅延やコスト超過、労働災害の発生」などのリスクが一段と高まっていると強調した。その上で、同省が同意しながらも未着手のままとなっている長期的な人員計画の策定など、10項目の勧告を早期に実行するよう強く求めている。 GAO ” Nuclear Waste Cleanup: DOE Shortages in Mission-Critical Positions Have Continued to Increase” (05/19/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-108674
データ漏洩防止にプライバシー強化技術導入を GAO報告
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は5月19日、人工知能(AI)などの技術向上に伴う個人データ漏洩リスクを低減するため、秘密計算(Secure multi-party computation)などの「プライバシー強化技術(Privacy Enhancing Technologies: PET)」の導入が有効であるとする報告書を発表した。同技術はデータを変更、隠蔽、処理して機密情報へのアクセスを困難にするもので、導入により個人情報を識別しにくくする「データ難読化」や、暗号化したままのAI解析が可能になる。さらにデータを分散管理する秘密計算などを用いることで、安全な共同研究の実現が期待されており、既に医療データの連携や、スマートフォンのテキスト予測変換機能の学習などに活用され始めている。一方で、実用化については暗号化したままのデータ解析に通常の最大100万倍の計算時間がかかる場合があると指摘し、複雑なシステムを扱う専門人材の不足や政府による一元的な運用指針の欠如が、幅広い分野への普及や効果的な導入を阻む要因と説明している。 GAO “Science & Tech Spotlight: Privacy Enhancing Technologies” (05/19/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-109063
中国製監視機器、連邦機関がリスク対策 GAO調査
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は5月19日、6つの連邦機関が中国企業に関連する通信・監視機器のリスク排除に向けた対策を講じていると発表した。2018年の法律でこれら機器の調達は禁止されており、国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)や司法省(Department of Justice)、国務省(Department of State)、財務省(Department of Treasury)の4機関ではネットワーク上に対象となる機器は確認されなかった。一方で、国防総省(Department of Defense)とエネルギー省(Department of Energy)の一部で対象機器が検出された。国防総省では3件を特定し、外部アクセスの遮断や撤去を進めた上、潜在的なリスクに対処した。中国は連邦政府にとって最も活発かつ継続的なサイバー脅威先であるとして、各機関は網羅的なネットワーク・スキャンなどの複数手法で調査を展開してきたが、製造元が供給網(サプライチェーン)の機密情報を開示しないことや、企業の系列情報が不足しており、課題として指摘されている。 GAO “Telecommunications: Selected Agencies Have Taken Steps to Address Risks of Equipment Linked to China” (05/19/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-107668
PNNL、2名の上級職を任命 科学及び国家安全保障戦略促進へ
パシフィック・ノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory: PNNL)は5月18日、研究所の能力や研究を促進し、PNNLにおける基礎科学及び国家安全保障戦略を形成する2つの上級職の任命を発表した。ダグラス・マンズ氏(Douglas Mans)は、PNNLの科学任務分野(物理科学、コンピュテーショナル科学、地球科学、生物科学)担当のアソシエイト・ディレクター(associate laboratory director)に就任する。また、ダニエル・スティーブンス氏(Daniel Stephens)が、PNNLの国家安全保障局(National Security Directorate)担当のアソシエイト・ディレクターに就任する。いずれも5月17日付けで就任し、両氏は、最近任命されたエネルギー・環境担当のアソシエイト・ディレクター、アンジェラ・ベッカー-ディップマン氏(Angela Becker-Dippmann)と共に、PNNLの上級研究リーダーシップチームを形成し、PNNLの研究ポートフォリオの形成と戦略的計画の推進に取り組む。 PNNL “PNNL Appoints Senior Leaders to Help Drive Science and National Security Strategies” (05/18/26) https://www.pnnl.gov/news-media/pnnl-appoints-senior-leaders-help-drive-science-and-national-security-strategies
国立ロッキーズ研究所のスパコン及びAI、応用エネルギー研究を加速 2025年報告書
国立ロッキーズ研究所(National Laboratory of the Rockies: NLR)が発表した「2025年度先端コンピューティング年次報告(Fiscal Year 2025 Advanced Computing Annual Report)」は、同研究所のスパコンや人工知能(AI)、モデリング能力が、エネルギー省(Department of Energy)のプログラムにいかに貢献しているか、そして研究所の研究ポートフォリオ全般において科学的発見を促進できるかを示している。報告書によれば、NLRのスパコンシステム「ケストレル(Kestrel)」及びその他の資源は、500以上のモデリングやシミュレーション・プロジェクトを進展させ、800名以上のユーザーを支援し、それらは700点以上の技術成果につながり、そのうち293件は2025年度に査読付き論文として発表された。報告書は、「これらの成果は、マテリアル科学や統合エネルギーシステム、製造、液体力学等の取り組みの進展につながった」としている。 National Laboratory of the Rockies, “ADVANCED COMPUTING ANNUAL REPORT 2025” https://docs.nlr.gov/docs/fy26osti/99402.pdf 参考:https://www.nlr.gov/news/detail/program/2026/how-high-performance-computing-and-ai-accelerated-applied-energy-research-in-2025
NNSA、カンザスシティ非核拡張変革プロジェクトの第一フェーズを完了
エネルギー省(Department of Energy)傘下の国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)は5月18日、カンザスシティ非核拡張変革(Kansas City Non-Nuclear Expansion Transformation: KC NExT)プロジェクトの第一フェーズが完了し、予定の期日及び予算内で本不動産の所有権を取得したと発表した。第一フェーズには、700座席規模の機密オフィスビルの調達が含まれる。KC NExTは、カンザスシティ国家安全保障キャンパス(Kansas City National Security Campus)に200万平方フィートの最先端オフィス及び製造空間を追加する複数年の不動産調達戦略として2024年に開始された。第二フェーズとしての最初の製造施設建設は2025年末近くに開始し、第三フェーズ向けの支援施設の契約も締結済みである。カンザスシティ国立安全保障キャンパスは、米国の核安全保障事業の重要な要素であり、米国の核抑止力を目的とした非核の機械部品、電子部品、工学材料部品の80%以上を生産している。 Department of Energy “NNSA Celebrates First-Phase Achievement of Major Infrastructure Project in Kansas City” (05/18/26) https://www.energy.gov/nnsa/articles/nnsa-celebrates-first-phase-achievement-major-infrastructure-project-kansas-city
大統領府、米中首脳会談における合意を発表
大統領府は5月17日、先日行われた米中首脳会談で、トランプ大統領と習近平国家国家主席が複数の点で合意に達したと発表した。両首脳は、米中両国が公平性と相互主義に基づき、戦略的安定性による建設的関係を構築すべきであるとの認識で一致した他、今年後半に行われるG20サミット及びアジア太平洋経済協力(Asia-Pacific Economic Cooperation: APEC)サミットにおける主催国として相互に支援することを約束した。両国はまた、イランは核兵器を保有できないという認識で合意し、ホルムズ海峡の再開放を呼びかけ、いかなる国・組織も通航料を徴収することは認められないとの意見で一致した。米中首脳は北朝鮮の非核化という共通の目標も確認した。更に両首脳は、両国間で貿易委員会(Board of Trade)と投資委員会(Board of Investment)を設立することで合意した。この他、大統領府は、中国が、レアアース及び重要鉱物の供給網(サプライチェーン)不足に関する米国の懸念に対処すること、ボーイング社(Boeing)の航空機200機を購入すること、2026~2028年に年間170億ドル以上の米農産物を購入する計画であること等を発表した。 White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Secures Historic Deals with China, Delivering for American Workers, Farmers, and Industry” (05/17/26) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2026/05/fact-sheet-president-donald-j-trump-secures-historic-deals-with-china-delivering-for-american-workers-farmers-and-industry/