Category:その他
カリフォルニア州の仮想発電所プログラム、来年以降の存続が不明
カリフォルニア州の需要側グリッド支援(Demand Side Grid Support: DSGS)プログラムは、米国最大規模の消費者向け需要応答プログラムの一つで、2022年に開始以来、急速に拡大してきたが、来年以降の存続が不透明な状況に陥っている。ギャビン・ニューサム州知事(Gavin Newsom)は今月初めに発表した隔年予算案改訂版で、DSGSプログラムへの資金拠出を2026年末で終了し、今夏時点でDSGSプログラムの利用登録者を緊急負荷低減プログラム(Emergency Load Reduction Program: ELRP)へ移行させることを提案した。ELRPは、電力網に深刻な負荷がかかる期間を緩和するために設計された州プログラムで、現在は州内の投資家所有型電力会社の大手3社が運営している。クリーンエネルギー推進派は、「州のエネルギーの信頼性に悪影響を及ぼす」としてニューサム知事に対して計画の見直しを要請している。 Utility Dive “Funding for California’s signature virtual power plant remains uncertain” (05/20/26) https://www.utilitydive.com/news/funding-for-californias-signature-virtual-power-plant-remains-uncertain/820747/
トランプ級戦艦は原子力推進艦となる見通し
アクシオス(Axios)は5月20日、海軍作戦部長(Chief of Naval Operations)のダリル・コードル大将(Daryl Caudle)によれば、建造費が170億ドル以上と試算されるトランプ級戦艦は、原子力推進艦となる見通しであると報じた。この発言により、トランプ級戦艦がどのような方式で、またどの程度の速さで航行するのかを巡り、数か月に亘って続いた憶測に終止符が打たれた。本戦艦には、世界最大の軍艦である航空母艦「ジェラルド・F・フォード(Gerald R. Ford)」に搭載されているものと同じA1B原子炉が装備されるという。コードル大将は、「原子炉の観点から見ると、トランプ級原子力戦艦の設計に組み込まれる技術の全ては、フォード級の技術を転用したもので、戦闘システムやレーダーシステム、ミサイルシステムの多くも同様である。新しい点は船体形状である」と述べた。海軍は2056年までに15戦艦の調達を希望している。 Axios “Trump battleship will be nuclear-powered like Ford aircraft carrier” (05/20/26) https://www.axios.com/2026/05/20/trump-battleship-nuclear-power-navy
ロッキー国立研究所、大容量負荷の系統統合試験施設「アゴラ」を公開
ロッキー国立研究所(National Laboratory of the Rockies: NLR)は5月19日、国内初の大容量負荷試験施設「アゴラ(Agora)」の稼働を開始したと発表した。大規模データセンターの相互接続に伴う技術的な複雑性を再現できる国内唯一の施設で、エネルギー省(Department of Energy)が主導する「統合エネルギーシステムに関する先端研究(Advanced Research on Integrated Energy Systems: ARIES)」の一環である。これまでのデータセンターは主に大規模電力消費施設として運営され、一方の電力会社も系統安定化に向けた十分な情報が不足していたことから、新施設では既存系統を保護しつつ、需給逼迫時の電力削減などコスト削減と電力供給の信頼性維持を両立する運用手法を検証する。既にシュナイダーエレクトリック社(Schneider Electric)やベラス社(Verrus)などの企業が参加し、実社会の条件下での詳細な系統相互作用の研究が進められており、今後も公益事業体や事業者と提携を進め、進化する業界ニーズに合わせて機能を拡張していく方針である。 NLR “News Release: NLR Launches Agora, First-of-Its-Kind Large-Load Grid Integration Test Bed” (05/19/26) https://www.nlr.gov/news/detail/press/2026/news-release-nlr-launches-agora-first-of-its-kind-large-load-grid-integration-test-bed
トランプ大統領、フィンテック推進に向けて規制緩和要請
大統領府は5月19日、フィンテック(fintech、金融技術)のイノベーションや国際競争力の強化に向け、規制緩和や民間企業との連携強化を命じる大統領令を発表した。具体的に、規制当局に対して現行規制や監督慣行の見直しを求めており、連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board: FRB)には、保険未加入の金融機関や銀行以外の金融機関(ノンバンク)による連邦準備銀行の決済口座や決済サービスへのアクセスを管理する枠組みの評価報告を指示した。政府は現行決済サービスやサードパーティ(第三者)のリスク管理に関する規則が既存金融機関のみを優遇し、革新的な企業の業界参入を阻んでいるとし、技術進歩に見合うように規則を改定することで金融サービスのコストを引き下げるとしている。デジタル資産経済における地位確保に向け、トランプ大統領はこれまで戦略的ビットコイン備蓄(Strategic Bitcoin Reserve: SBR)の設立や電子決済への移行を推進しており、今回、デジタル資産などの新興技術を既存金融サービスや決済システムへ統合することで、国民の経済活動を支援していくと説明している。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Integrates Financial Technology Innovation into Regulatory Frameworks” (05/19/26) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2026/05/fact-sheet-president-donald-j-trump-integrates-financial-technology-innovation-into-regulatory-frameworks/
DARPA、戦略的材料の確保を目指しユタ州に拠点設立
国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は5月19日、ユタ州との間で、「戦略的材料のアクセラレータ及び研究試験場(Strategic Materials Accelerator & Research Test Bed: SMART)」をユタ大学(University of Utah)に設立する契約を締結したと発表した。SMARTは、重要鉱物やレアアース元素など戦略的材料の国内供給の強化を目標とする。これらの貴重な資源を特定・抽出・加工する新規かつ効率的な技術の開発と拡張を促進し、これらの材料の海外依存を低減していく。ユタ大学に設置される研究試験場においては、米政府が新興技術の試験・評価を行う能力が拡大され、特に国内供給網の強化を目的として戦略的材料の加工工程を推進することに重点が置かれる。 DARPA “A SMART approach to securing strategic materials” (05/19/26) https://www.darpa.mil/news/2026/smart-approach-securing-strategic-materials
JITAF401、対無人航空機システムを5億ドルで契約
国防総省(Department of Defense)は5月18日、省庁間合同タスクフォース401(Joint Interagency Task Force 401: JIATF 401)が、省の活動全体における対無人航空機システムの運用を支援するため、3年間で最大5億ドルの無期限・無制限数量(Indefinite- Delivery Indefinite-Quantity: IDIQ)契約を締結したと発表した。この契約により、米兵や国内外の軍事活動用プラットフォームを防護するため、低コストで消耗可能な空対空ドローン迎撃機の導入・大規模展開するという国防総省の能力を加速させる。契約を受注したのは、ペレニアル・オートノミー社(Perennial Autonomy)で、人工知能(AI)を活用した対無人航空機システムの幅広い分野が対象となっている。 Department of Defense “Joint Interagency Task Force 401 Awards $500 Million Counter-UAS Contract” (05/18/26) https://www.war.gov/News/News-Stories/Article/Article/4495165/joint-interagency-task-force-401-awards-500-million-counter-uas-contract/
NSFのSTRIDEベンチャーズ、AI効率性チャレンジを開始
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の技術・イノベーション・パートナーシップ局(Directorate for Technology, Innovation and Partnerships: NSF TIP)が資金を提供し、スタート2グループ(Start2 Group)が運営するイニシアチブ「STRIDEベンチャーズ(STRIDE Ventures)」は先般、AI効率性チャレンジ(AI Efficiency Challenge)を開始した。本チャレンジは、実装可能なソリューションの商用導入を加速させ、大規模な人工知能(AI)/機械学習(ML)システムやデータセンターの効率性を大幅に向上させることを目指す。AI/MLパイプライン全体で効率性の向上を迅速に実現するソリューションが優先され、助成金は2つのレベル(1件につき最大350万ドル、同最大175万ドル)で提供される。 NSF-supported STRIDE Ventures launches AI Efficiency Challenge to invest up to $13 million to accelerate deployment-ready innovations to strengthen U.S. AI infrastructure https://www.nsf.gov/tip/updates/nsf-supported-stride-ventures-launches-ai-efficiency
データセンターのサーバーによるエネルギー消費は商業建造物全体で増加
エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)の「2026年年間エネルギー見通し(Annual Energy Outlook 2026)」によれば、データセンターのサーバーによる電力消費は商業建造物全体で増加し、データセンター専用施設における消費の増加は、その他の全てのデータセンター室を合算した増加を上回る見通しである。2050年までに、サーバーによるエネルギー消費だけで4,460億~8,180億キロワット時(kWh)に到達すると予測される。データセンター専用施設は、EIAの報告で「その他の建造物」のカテゴリーに含まれ、2050年に5,810億kWhを消費すると予測されている(電力需要が最も高い筋書きの場合)。全ての筋書きにおいて、2025年にはサーバーが商業部門全体の電力消費の7%を占めていたと試算され、2050年までには、データセンターのサーバーによる電力消費量は、全ての筋書きにおいて、商業建造物の電力消費量の22~33%に拡大すると見込まれている。 Energy Information Administration “Data center server energy use grows across the commercial building stock” (05/19/26) https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=67704
エネルギー省、国内の重要鉱物・材料の供給網支援に4,500万ドル
エネルギー省(Department of Energy)の重要鉱物・エネルギー・イノベーション局(Office of Critical Minerals and Energy Innovation: CMEI)は5月19日、国内の重要鉱物及び材料の供給網(サプライチェーン)におけるギャップに対処することで米国のエネルギー・イノベーションの拡大を図る19件のプロジェクトに4,570万ドルを提供すると発表した。マグネシウム及びレアアース元素の加工を目的とした試験的規模の施設を設立し、重要材料の生産に使用される新規技術の開発を支援する。今回選出されたのは、連続的な小型試験設備から商業化前/商業生産へ移行する試験的な加工に取り組む2件のプロジェクトと、商業的に実行可能で持続可能性のある重要鉱物の国内供給源を多様化する技術及び手法の開発に取り組む17件のプロジェクトである。 Department of Energy “DOE’s Office of Critical Minerals and Energy Innovation Announces Over $45 Million To Support Reliable and Affordable Domestic Critical Mineral and Material Supply Chains” (05/19/26) https://www.energy.gov/cmei/articles/does-office-critical-minerals-and-energy-innovation-announces-over-45-million-support
ネクステラ・エナジーとドミニオン・エナジーが合併 巨大インフラ企業誕生へ
アクシオス(Axios)は5月18日、電力大手のネクステラ・エナジー社(NextEra Energy)とドミニオン・エナジー社(Dominion Energy)が合併計画を発表したと報じた。規制当局に承認されれば時価総額で世界最大の大手電力事業、かつ世界最大級のエネルギー・インフラ企業が誕生する。新会社はフロリダやバージニアなど計4州で約1,000万顧客を抱え、総発電容量は110ギガワットに達し、再生可能エネルギーと蓄電池で世界首位、総発電量で全米首位となる。合併の背景には製造業の国内回帰、人工知能(AI)や電気自動車(EV)普及に伴う国内の電力需要急増があり、規模拡大による資金調達や効率化が不可欠な現状から、ドミニオン社が管轄するバージニア州などの大規模データセンター群に対し、ネクステラ社の蓄電池技術投入により変革につながると期待されている。一方で電気料金への影響を巡る懸念もあり、ドミニオン社顧客への約22億5,000万ドル規模還元策も提示された。12〜18カ月以内の合併完了を目指すが法規制面での審査が今後の焦点となる。 Axios “NextEra, Dominion announce merger to create U.S. power behemoth ” (05/18/26) https://www.axios.com/2026/05/18/nextera-dominion-merger-power-electricity