Category:その他
バイデン政権、サムスン電子のテキサス半導体工場に最大64億ドルの補助
バイデン政権は4月15日、米国内での半導体製造を支援するCHIPS 法に基づいてサムスン電子(Samsung Electronics)に最大64億ドルの補助金を支給すると発表した。サムスン電子は400億ドル以上を投じてテキサス州中部のテイラーに最先端の半導体工場を建設する計画を進めており、それによって今後5年間に17,000件以上の建設関連の雇用と4,500件以上の製造関連の雇用の新規創出が見込まれている。同州オースティンに既に工場を持つ同社は、この新しい投資によって、4ナノメートルと2ナノメートルのロジック半導体の量産を行う2つの最先端工場、研究開発施設、先進パッケージング施設などを含む包括的な半導体生産エコシステムを形成する計画であるほか、補助金の一部をオースティン工場の拡張に充てて、国防総省(Department of Defense)と協力しながら米国の航空宇宙、国防、自動車などの産業を支援する。バイデン大統領はこの補助金の支給によって「サムスンから400億ドルを超える投資を引き出し、最先端半導体エコシステムとしてのテキサス中部の役割が確固たるものになる」と述べている。 U.S. Department of Commerce “Biden-Harris Administration Announces Preliminary Terms with Samsung Electronics to Establish Leading-Edge Semiconductor Ecosystem in Central Texas” (4/15/24)
バイデン政権、TSMCのアリゾナ第3工場建設に最大66億ドルの補助
バイデン政権は4月8日、半導体世界大手の台湾積体電路製造の米国子会社であるTSMCアリゾナコーポレーション(TSMC Arizona Corporation)に最大66億ドルの補助金と約50億ドルの融資を提供する計画を発表した。米国内での半導体製造を支援するCHIPS 法に基づいて支給されるこの補助金は、同社がアリゾナ州フェニックスに建設中の2工場に加え、新たに第3工場を建設するのに役立てられる。第3工場では、顧客の需要により2ナノメートルかそれより更に先進的なプロセス技術など世界最先端の半導体を生産する。これら3工場の建設に同社は総額650億ドル以上を投じる。3つの工場が全面的に稼働するようになれば、5G、6Gのスマートフォンや自律走行車、AIデータセンターサービスなどに使われる何千万もの最先端の半導体を量産できるようになり、約6, 000件の製造関連の直接的な雇用が創出される。ジーナ・レモンド商務長官(Gina Raimondo)は「世界最先端の半導体を米国で製造することがCHIPS法の主な目標のひとつであったが、TSMCがアリゾナ工場への投資を増やしたことで、その目標の実現に向かっている」と述べた。 U.S. Department of Commerce “Biden-Harris Administration Announces Preliminary Terms with TSMC, Expanded Investment from Company to Bring World’s Most Advanced Leading-Edge Technology to the U.S.” (4/8/24)
ARPA-H、リンパ系医学の革新的な進歩を促すプログラムを開始
厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)傘下の医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health: ARPA-H)が、リンパ系機能障害の診断に革命をもたらす包括的な診断ツールづくりを目指す、「リンパ画像、ゲノミクス、フェノタイピング技術プログラム(Lymphatic Imaging, Genomics, and pHenotyping Technologies: LIGHT)」を立ち上げたことを発表した。リンパ系機能障害は目に見えず、進行するまで無症状であるため、誤診や不適切な治療、長期の入院、障害、死などにつながることがある。同プログラムは近く、(1)バイオマーカーの発見による診断とモニタリング、(2)全身のリンパ系構造と機能を評価するための画像技術、(3)遺伝学、エピジェネティクス、リンパ機能障害のモデルによる予防、予測、診断の確認、の3分野について研究公募を実施し、複数のアワードを支給する計画である。 ARPA-H “ARPA-H launches program to catalyze transformative advances in lymphatic medicine” (4/11/24)
ARPA-H、室内空気質改善システムづくりを目指すBREATHEプログラムを開始
厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)傘下の医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health: ARPA-H)が、室内空気質のモニタリングと改善のためのプラットフォームづくりを目指す「空気と健康のための回復力ある環境構築プログラム(Building Resilient Environments for Air and Total Health: BREATHE)」の開始を発表した。同プログラムを通じ、室内空気質を継続的に評価、計量して報告し、換気の強化や消毒などの措置をリアルタイムで講じることができる、次世代のスマートビルディング向けの統合システムづくりを促す。同プログラムは近く、(1)空気中の生物学的脅威を迅速に検出するバイオセンサー、(2)健康に影響する可能性を判断する呼吸器系リスク評価ソフトウエア、(3)健康の改善とエネルギーの効率化につながる建物制御の最適化、の3分野について研究公募を実施し、複数のアワードを支給する計画である。 ARPA-H “ARPA-H launches BREATHE to monitor and improve indoor air quality” (4/10/24)
エネルギー省、海藻から低炭素バイオ燃料をつくる技術を公募
エネルギー省(Department of Energy)のバイオエネルギー技術局(Bioenergy Technologies Office: BETO)と化石エネルギー炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)は、混合藻類変換研究プログラム(Mixed Algae Conversion Research Opportunity: MACRO)の公募内容を公表した。海藻を用いて国内の輸送、産業、コミュニティの炭素低減につながるバイオ燃料やバイオプロダクトを作るための研究に最高1,880万ドルのアワードを支給する。海藻は新たなバイオマス資源として注目されているものの、変動性や特有の化学組成、保存の不安定性などのためにまだ十分に活用されていない。MACROはそうした課題を克服し、藻類のバイオマスサプライチェーンを構築して、究極的には持続可能な航空燃料を増やして米国のバイオエコノミー推進に役立てることを目指している。BETOは海藻を低炭素燃料に変換する技術の研究に対して、24カ月から36カ月のアワードを5-6件提供する計画で、FECMは藻類のバイオマスを低炭素農業バイオ製品に変換する技術の研究に対して最長24カ月のアワードを3-4件提供する計画である。 Department of Energy “DOE Announces $18.8 Million to Advance Mixed Algae Development for Low-Carbon Biofuels and Bioproducts” (4/10/24)
エネルギー省、エネルギーイノベーションのためのHPCイニシアティブで協業募集
エネルギー省(Department of Energy)は、エネルギーイノベーションのためのハイパフォーマンスコンピューティングイニシアティブ(High Performance Computing for Energy Innovation: HPC4EI)を通じ、製造とマテリアルの両分野の炭素排出量低減化課題の克服に向けて、同省傘下の国立研究所のスーパーコンピュータを用いたモデリング、シミュレーション、データ分析などを行う短期間の協業パートナーを募集すると発表した。製造分野については化学、鉄鋼、セメント・コンクリート、食品・飲料、木材、アルミニウム、ガラスなどエネルギー集約型産業の排出低減、マテリアル分野では産業施設や発電施設からの排出削減に必要な国内の材料サプライチェーン増強のための戦略づくりを目指す。マテリアル分野のプログラムは同省の化石エネルギー炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)、製造分野のプログラムは同省の産業効率脱炭素局(Industrial Efficiency and Decarbonization Office: IEDO)が予算を出す。協業に応募できるのは米国の製造業者、大学、研究機関、非営利団体などで、応募者には様々な大学やコミュニティカレッジ、非営利団体などと提携して応募することが推奨される。 Department of Energy “DOE Announces Opportunity for Industry to Connect to High Performance Computing Resources at National Laboratories” (4/15/24)
国防総省、2024年商業宇宙統合戦略を発表
国防総省(Department of Defense)は4月2日、「2024年国防総省商業宇宙統合戦略(2024 DoD Commercial Space Integration Strategy)」を発表した。本戦略は、国家安全保障戦略(National Security Strategy)及び2022年国家防衛戦略(2022 National Defense Strategy)に沿う形で、国防総省の取り組みを調整し、商業宇宙ソリューションを国家安全保障の宇宙アーキテクチャに効果的に統合させることを促進することを目指す。国防総省が、商業宇宙ソリューションの統合による恩恵を最大限にするために追求する上位優先事項として、①衝突の範囲全般において商業ソリューションへのアクセスを確実にする、②危機の前に統合を達成する、③商業宇宙ソリューションを統合するための安全保障条件を確立する、④統合軍が使用する新たな商業宇宙ソリューションの開発を支援する、の4点を挙げている。商業宇宙ソリューションを統合するため、国防総省は商業事業体と共に、必要に応じてリスクの軽減に取り組み、適切な場合はリスクを受け入れる。 Department of Defense “DoD Releases 2024 DoD Commercial Space Integration Strategy” (4/2/24)
フェルミ国立研究所、米国内の半導体生産の進展に向けて民間と協力
エネルギー省(Department of Energy)傘下のフェルミ国立加速器研究所(Fermi National Accelerator Laboratory)(フェルミ研究所)は、xライト社(xLight, Inc.)との間で、米国内の半導体製造において鍵となる重要なコンポーネントを共同開発する共同研究開発契約(cooperative research and development agreement: CRADA)を締結したと発表した。このCRADAの最初のプロジェクトの下、超電導高周波空洞と、クライオモジュールの開発及び試験に焦点を当てた活動が実施される。これらは、フェルミ研究所の研究者が長年にわたり経験と専門性を有している分野である。同研究所は、超電導高周波技術において世界的なリーダーであり、同技術は、現在フェルミ研究所で建設中のプロトン工場計画II(Proton Improvement Plan II)プロジェクトのような先端粒子加速器の中核となるものである。フェルミ研究所のリア・メルミンガ所長(Lia Merminga)と、シリコンバレーのスタートアップ企業、xライト社の最高経営責任者であるニコラス・ケレズ氏(Nicholas Kelez)は、4月4日に会合し、待望の長期的共同作業を正式に開始した。双方は、米国内の半導体製造を目的として、極端紫外光源の開発に共同で取り組む。 Fermi National Accelerator Laboratory “New collaboration sheds bright light on advancing semiconductor production in the U.S.” (4/4/24)
DARPA、生物療法の投与方法を合理化し、患者アウトカムを向上
新規の生物療法を開発する取り組みは、兵士の準備態勢と、既存及び新興の生物脅威に対抗することを可能にする重要な資源となりつつあるが、現行の投与方法は生物製剤の有効性と早急な導入を制限している。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の新しいプログラム「エルメス(Hermes)」のゴールは、全身に分散され、否定的な副作用を限定的とする新たな投与方法を開発することで、生物製剤を多様な細胞や組織へ届ける広範な細胞間投与に伴う課題を克服することである。従来型の小分子製剤と異なり、生物製剤は大型で複雑な分子で極めて効果的になり得るが、体内の必要な細胞や組織に十分な量を投与することは困難である。エルメス・プログラムを通じて開発される次世代の柔軟な投与プラットフォームは、これまでにない有効性と最小限の有害性及び免疫原性をもたらすものとなるだろう。 Defense Advanced Research Project Agency “Streamlining Delivery Modalities for Biologic Therapeutics to Improve Patient Outcomes” (4/5/24)
「2023年宇宙産業基盤の現状」報告、宇宙における持続的優位性構築のための行動を要請
先般、「2023年宇宙産業基盤の現状(State of the Space Industrial Base: SSIB)」報告が発表された。宇宙軍(U.S. Space Force)、空軍研究所(Air Force Research Laboratory)、国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit)によって作成されたもので、「経済的安全保障と集合的安全保障を目的として、宇宙における持続的な優位性を構築することは重要である」という点が本報告の中心的テーマである。今年で5年目の報告で、複数回の作業部会で収集された商業宇宙部門からのフィードバックを収集し、それらに基づいて政府の検討事項及び行動について勧告を提示している。作業部会からの主要なファインディングとして、①国内及び同盟国の双方において、信頼性と対応力のあるサプライチェーンを構築すること、②許認可の遅延につながっている官僚的プロセスを合理化すること、③宇宙を経済への寄与者として一般化するために必要な金融ツールへのアクセスを改善すること、といったニーズが挙げられている。 Defense Innovation Unit “SSIB’23 Report Calls For Action To Build Enduring Advantages in Space for Economic Prosperity and Collective Security” (4/8/24)