Category:その他
ARPA-E、未来の電気化空港に関するビジョンを概説
エネルギー省(Department of Energy)傘下のエネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)は4月3日、サンアントニオ市の航空省(Aviation Department)及び市公共サービス委員会(City Public Service Board: CPS Energy)、テキサス大学サンアントニオ校(University of Texas at San Antonio)と共に、持続可能な航空、電池技術、革新的な電池貯蔵ソリューション、電気自動車の充電強化、電力需要管理技術などに関する技術の開発及び推進を目的とした集合的取り組みを概説した覚書(Memorandum of Understanding: MOU)に署名した。この合意は、航空部門の脱炭素化を目的とした新しいエネルギー技術の開発と導入を加速させるため、国際空港が初めてARPA-Eと協力する機会となる。テキサス州サンアントニオ市のスティンソン自治体空港(Stinson Municipal Airport)で行われた署名式では、この歴史的なマイルストーンを記念して、ARPA-Eの資金提供を受け、未来の電気化空港に統合される可能性があるイノベーションに取り組むいくつかのプロジェクト・チームが紹介された。 Advanced Research Projects Agency-Energy “ARPA-E Announces Innovation Agreement Outlining Vision for the Future of Electrified Airports at Technology Expo Hosted in San Antonio” (4/3/24)
米国医学アカデミー、健康・医療におけるAI使用に関する行動規範草案を概説
医療や医薬、研究における人工知能(AI)の使用は急速に拡大し、研究と医療に新たな機会と経路をもたらしている。AIは、医療ケアに革命をもたらし、健康のアウトカムを向上させる大きな有望性を持っている一方、大きなリスクがないわけではない。こうした中、米国医学アカデミー(National Academy of Medicine)が4月8日に発表した、「健康、医療、生物医療科学における人工知能:AIの行動規範原則とコミットメントのディスカッション草案(Artificial Intelligence in Health, Health Care, and Biomedical Science: An AI Code of Conduct Principles and Commitments Discussion Draft)」と題する論説は、健康や医療、生物医療科学に変革をもたらすことができる正確で安全で信頼性が高く、倫理的なAIの進展を達成するための枠組み草案を概説している。執筆者は、AIのガイドラインや枠組み、原則に関する既存の文献を包括的に調査した結果に基づき、AIが人間の健康と福利にもたらす恩恵を最大限にしつつ、潜在的なリスクを最小限にするベスト・プラクティスを確実にするための10件の規範原則(Code Principles)と6件の規範コミットメント(Code Commitments)を特定している。 National Academy of Medicine “New Paper Outlines Draft Code of Conduct to Ensure That the Use of AI In Health and Health Care Meets Its Full Potential Reliably and Safely” (4/8/24)
環境保護庁、クリーンエネルギーと気候ソリューションのコミュニティ利用を目的として200億ドルを発表
環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は4月4日、総額270億ドルの温室効果ガス排出削減基金(Greenhouse Gas Reduction Fund: GGRF)内で行われた2つのグラント・コンペの下、合計200億ドルのグラント提供を発表した。国家クリーン投資基金(National Clean Investment Fund)(総額140億ドル)の下で3つの組織が、また、クリーン・コミュニティ投資アクセラレータ(Clean Communities Investment Accelerator)(総額60億ドル)の下で5つの組織が選出された。これにより、様々な部門を対象にクリーン・エネルギー及び気候ソリューションのための全国クリーン資金ネットワークが形成され、コミュニティがよりクリーンで持続可能な経済に参加し、その恩恵を得るために必要な資本へのアクセスを得ることを確実にする。選出された組織は、プログラムの目的へ向けて集合的に大幅な影響をもたらすことにコミットしている。これらの組織はこれまでに、数千件の個人、企業、コミュニティ組織が気候及びクリーン・エネルギー・プロジェクトのための資金にアクセスすることを支援しており、今回の受益を受け、更に数万件のプロジェクトを支援する計画である。 Environmental Protection Agency “Biden-Harris Administration Announces $20 Billion in Grants to Mobilize Private Capital and Deliver Clean Energy and Climate Solutions to Communities Across America” (4/4/24)
米国の精製所と化学製造事業者が水素の生産と消費を先導
化学と精油を専門とする米国の製造事業者は、伝統的に、水素の消費と生産の双方において最大の割合を占めており、その費用は最少となっている。エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)による「製造エネルギー消費調査(Manufacturing Energy Consumption Survey: MECS)」データは、4年ごとに収集・発表されており、米国内の製造企業を対象としたエネルギー関連の特徴や消費、支出の試算を全国的に示す唯一のデータである(現在、2022年のMECSデータが収集されており、2025年夏から2026年春にかけて発表される予定)。2021年に発表されたMECSデータによれば、製造部門の中で、精油事業者と化学製造事業者は、その他の下部部門に比べると購買力があり、平均すると、化学製造事業者の水素購買価格は$6.18/MMBtuで、石油・石炭製品製造事業者(製油業者が大半を占める)の購買価格は$6.77/MMBtuとなっている。一方、電気設備・器具・コンポーネントを製造する業界(より純度の高い水素を使う)の購買価格は$86.19/MMBtuとなっている。2018年以来、水素の生産を増加させることと、米国内の異なる地域で水素流通ネットワークを拡大させることを目的とした連邦政策が進められており、こうした新たな政策を受け、水素の供給と流通、そして現行及び新たな産業による消費は更に増大していくと予測されている。 Environmental Protection Agency “U.S. refiners and chemical manufacturers lead hydrogen production and consumption” (4/8/24)
NETLエネルギー・データ・エクスチェンジ、米国の潜在的な地下貯蔵密閉層に関するカタログを発表
炭素の地質学的貯蔵プロジェクトの持続的な成長により、プロジェクトの計画や、地質学的特性、リスク分析を支援する包括的なデータ資源の必要性が高まっている。国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)のエネルギー・データ・エクスチェンジ(Energy Data eXchange)は最近、新たなデータ・セット、「米国の潜在的な地下貯蔵密閉層のカタログ(Catalog of U.S. Prospective Subsurface Storage Reservoir Sealing Formations)」を発表した。これは、米国内の陸上及び海盆の双方で潜在的な貯蔵密閉層に関する資源を集約させたものである。NETLの地質学者、ペイジ・モークナー氏(Paige Morkner)は、「カタログは、二酸化炭素の貯蔵を目的とした密閉システムの関連文献およびデータ資源について、ユーザーのためのガイドとなるものである。こうしたシステムは、2050年までにエネルギー部門と経済の正味ゼロ炭素排出を達成するミッションにおいて重要な要素である」と述べる。 National Energy Technology Laboratory “NETL’s Energy Data eXchange Releases Catalog of U.S. Prospective Subsurface Storage Reservoir Sealing Formations” (4/4/24)
ニューヨーク州、電子・イオン衝突型加速器プロジェクトとしてブルックヘイブン国立研究所に1億ドルを投資
ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事(Kathy Hochul)は4月9日、ブルックヘイブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory)での変革的な「電子・イオン衝突型加速器(Electron-Ion Collider: EIC)」プロジェクトに関して、エンパイア・ステート開発局(Empire State Development)が1億ドルのグラント支出契約(Grant Disbursement Agreement)を執行したと発表した。エネルギー省(Department of Energy)との契約に基づくもので、同州のロングアイランドで世界で唯一となる次世代EICの開発へ向けた大きなマイルストーンとなり、これによってエネルギー、科学、技術、医薬のブレイクスルーを支援する取り組みへのニューヨーク州の投資が開始される。エネルギー省は、世界で唯一の次世代偏極電子イオン衝突型加速器(polarized Electron-Ion Collider)の拠点としてブルックヘイブン国立研究所を選出し、エンパイア・ステート開発局とエネルギー省の交渉を経て、2024年2月にニューヨーク州による1億ドルの投資が取りまとめられた。今後4年間にわたり、この資金は、EICプロジェクトの一部として検討されている14棟の建造物のうちの最初の4棟に関する設計、建設、ハードウェア・インフラの導入を支える。 Brookhaven National Laboratory “Governor Hochul Launches $100 Million Investment in Brookhaven National Lab for Transformative Electron-Ion Collider Project” (4/9/24)
エネルギー省、「より良い建造物イニシアチブ」を発表
エネルギー省(Department of Energy)は4月3日、「より良い建造物、より良い工場サミット(Better Buildings, Better Plants Summit)」で、米経済のあらゆる部門の組織がエネルギーを節約しつつ、費用と排出を削減できるよう支援する新たな「より良い建造物イニシアチブ(Better Building Initiatives)」を複数発表した。そのうちの一つは、「より良い建造物商業建造物ヒートポンプ・アクセラレータ(Better Buildings Commercial Building Heat Pump Accelerator)」で、製造事業者は効率性に優れライフサイクルのコスト効果が高いヒートポンプの屋根上ユニットを製造し、商業組織が次世代のヒートポンプ技術の評価及び導入を行うというもの。アマゾン(Amazon)やイケア(IKEA)などの商業エンドユーザーと共に開発され、AAONなどの製造事業者も含まれている。アクセラレータは、より効率的で手頃な費用の次世代ヒートポンプ屋根上ユニットを、早ければ2027年にも市場化することを目指す。「より良い建造物サミット」では次のような発表も行われた。①40以上の組織が「より良いプロジェクト、より良い慣行と気候金融イノベーター・アワード(Better Project, Better Practice and Climate Finance Innovator award)」を受賞するなど、リーダーシップを示した組織への表彰、②脱炭素化に関する新たな作業部会の発足、③「より良い建造物ソリューション・センター(Better Buildings Solution Center)」の刷新。 Department of Energy “DOE Announces Better Buildings Initiative to Accelerate Heat Pump Manufacturing and Adoption, Reducing Energy Waste and Lowering Energy Bills” (4/3/24)
エネルギー省、コミュニティ支援に向け2,700万ドルを発表
エネルギー省(Department of Energy)は4月4日、「エネルギー未来グラント(Energy Future Grants: EFG)」プログラムを通じて、州政府や地方自治体、部族など、40のパートナー・チームに2,700万ドルの経済的及び技術的援助を提供すると発表した。ジョージア工科大学(Georgian Institute of Technology)を視察したエネルギー省のジェニファー・グランホルム長官(Jennifer M. Granholm)が発表した。31の地方自治体、7つの州、2つの部族が資金を受益し、253の二次受益者にはその他の政府パートナー、コミュニティ利益団体、非営利組織、大学、部族事業体、中小企業などが含まれる。受益チームは、コミュニティの対応力強化や輸送及び建造物の電気化、クリーン・エネルギー・マイクログリッドの普及、社会的に恵まれないコミュニティでのソーラー開発、公平なエネルギー移行のための頑強な地域関与などの活動計画に資金を充当する。 Department of Energy “DOE Announces $27 Million to Help 40 State, Local and Tribal Communities Lead America’s Equitable and Resilient Clean Energy Future” (4/4/24)
OSTP、天文標準時に関する政策を発表
遠隔の宇宙における運営体制において、時間に関する知識は、科学的発見や経済開発、国際的協力にとって根本的なものであり、宇宙における米国のリーダーシップの基盤を形成するものである。大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は4月2日、地球以外の天体やその周辺における標準時に関する米政府の政策メモを初めて通達した。これは、バイデン政権の「国家シルスナー科学技術戦略(National Cislunar Science and Technology Strategy)」を基盤とするものである。OSTPの国家安全保障担当副ディレクター(Deputy Director for National Security)は、「米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)や民間企業、世界中の宇宙当局が月や火星などへのミッションを開始する中、天文標準時を確立することは、安全と正確さのために重要である」と述べる。統一された標準時となる「協定月面時(Coordinated Lunar Time: LTC)」は、シスルナ―事業を実現するため、確立された標準時として機能し、協定世界時(Coordinated Universal Time)と連動させることができる。政策メモはまた、NASAに対して、商務(Commerce)、防衛(Defense)、国務(State)、運輸(Transportation)の各省と協力して、LTCを実践するための戦略を2026年12月31日までに策定するよう指示している。 White House “White House Office of Science and Technology Policy Releases Celestial Time Standardization Policy” (4/2/24)
NIST、コミュニティベースのサイバーセキュリティ労働力開発に360万ドルを提供
商務省(Department of Commerce: DOC)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、サイバーセキュリティ・リスクから事業活動を保護するために必要な労働力を構築することを狙いとして、合計で約360万ドルを提供する共同契約を発注した。有技能のサイバーセキュリティ従事者不足対策に取り組む合計18件(15州)の教育及びコミュニティ組織が選出され、各約20万ドルのグラントが提供される。共同契約は、NICE(NISTが主導する産官学のパートナーシップでサイバーセキュリティの教育、訓練、労働力開発に焦点を当てている)が監督する。サイバーセキュリティ雇用市場のデータ分析ツール「サイバーシーク・ツール(CyberSeek tool)」によれば、2023年1月から2024年1月の間に約45万件のサイバーセキュリティ求人があり、この間、100件の求人に対してその職に就くことができる労働者はわずか82名であったという。今回、受益する組織は、「刺激のための地域的同盟と複数の関係機関によるパートナーシップ(Regional Alliance and Multistakeholder Partnerships to Stimulate: RAMPS)」によるサイバーセキュリティの教育及び労働力開発プロジェクトの構築に取り組む。 National Institute of Standards and Technology “NIST Awards $3.6 Million for Community-Based Cybersecurity Workforce Development” (4/3/24)