サイエンス誌(Science)は3月2日、国防総省(Department of Defense)が国家安全保障に重要な社会科学研究を支援する「ミネルバ研究イニシアティブ(Minerva Research Initiative: MRI)」を縮小すると報じた。テロや麻薬密輸、気候変動などの脅威に関する研究を行っていた数十人の研究者に対する助成金の打ち切りが通知されたという。2001年同時多発テロの教訓から、軍事力だけではなく、国際的な安全保障の脅威に対処するための社会・行動科学研究の推進に向けて2008年、MRIが設立された。以来、国防総省は3~5年に亘る助成金を大学の研究者に対して提供してきたが、2024年8月の助成金ラウンドで選ばれた19チームのうち少なくとも9つのプロジェクトが終了通知を受けた。台湾の防衛改革を研究するプロジェクトなども含まれているが、国防総省は終了の理由などについて同誌からの質問に回答していない。F-16戦闘機1機分のためにMRIの全プログラムを放棄することは最も費用対効果の低い措置という意見もあるとも伝えている。
Science “Pentagon guts national security program that harnessed social science” (03/02/25)
https://www.science.org/content/article/pentagon-guts-national-security-program-harnessed-social-science