GAOの科学技術スポットライト:COVID-19モデリング

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は、「科学技術スポットライト:新型コロナウィルス感染症モデリング(Science & Tech Spotlight: COVID-19 Modeling)」と題する報告書を発表した。感染症のモデルは、COVID-19への対応で医療ケア資源をどのように配分するかといった政策決定を支援するガイドとなり得る。しかし、データ・インプットの限界と仮定は、モデル試算の大幅な不透明性につながる可能性があり、これらの試算の解釈には、その目的、限界、仮定を理解することが必要である。例えば、モデルでは、過去のトレンドが継続するとの前提に基づいて病院のベッド数のニーズを予測できるかもしれない。しかし、人間の行動が変わると、その予測の正確性は低くなる可能性が高い。「新しい疾病への対応の早期において、モデルは最も有益な情報となる可能性があり、対応の後半においてはモデルはより正確になる可能性が高い」と、GAOは分析している。 Government Accountability Office “SCIENCE & TECH SPOTLIGHT: COVID-19 Modeling” (6/4/20)

2019年に米国特許を取得した世界の上位100大学発表

米国発明者アカデミー(National Academy of Inventors: NAI)と知的財産所有者協会(Intellectual Property Owners Association: IPO)は、「2019年 米国特許を取得した世界の上位100大学(100 Worldwide Universities Granted U.S. Utility Patents in 2019)」を発表した。それによれば、1位から順に、カリフォルニア大学(University of California)(631件)、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)(355件)、テキサス大学(The University of Texas)(276件)、キング・ファハド石油・鉱物大学(King Fahd University of Petroleum and Minerals)(サウジアラビア)(225件)、スタンフォード大学(Stanford University)(217件)となっている。 PR Newswire “Top 100 Worldwide Universities Granted U.S. Utility Patents in 2019 Announced” (6/2/20)

2021年のCESは、ラスベガスで対面とデジタルの双方で開催へ

世界最大の影響力を持つ技術イベント、CESの主催者であるコンシューマー・テクノロジー協会(Consumer Technology Association: CTA)は先月、コロナウィルスのパンデミックによる課題に対処しつつ、来年ラスベガスで対面式のCESを進める計画であると発表した。今年、イベントが相次いで中止される中、CTAは、毎年1月に開催されるCESイベントについて、参加者の健康をできるだけ維持するためのステップ案の一部を概説している。会場全体でより広範な公衆衛生管理が行われる他、通路のスペースが拡大され、プログラムでは参加者の座席と座席の間のスペースが広く取られるなどする。更に、広範なライブストリーム・コンテンツやその他のデジタル及びバーチャルな機会が取り入れられ、展示者は、新しい製品や技術、アイデアを、物理的及びデジタル的に披露することができる。一方、5月には欧州最大の年間エレクトロニクス・ショーであるIFAが、9月にベルリンで行われる展示会を予定通り開催すると発表した。 Cnet “CES 2021 plans to be live in Las Vegas physically and digitally” (6/3/20)

トランプ政権、中国の航空会社の米国飛行禁止計画を撤回

トランプ政権は、6月16日から中国の航空会社が米国へ飛行することを禁止する計画であったが、中国政府が米国の航空会社に一部の飛行再開を認めた(コロナウィルスのパンデミックのせいで停止とされていた)ことから、運輸省(Department of Transportation)は6月5日、禁止計画を撤回すると発表した。6月3日に発令された当初の禁止命令は、「中国政府は、両国間の飛行の合意を順守せず、米国の航空会社の運航権利を損なった」と主張していた。 CNET “Trump administration backs off plans to ban Chinese passenger airlines from US” (6/5/20)

NASA、ミッション進展につながる革新的アイデアを模索するコンペを発表

米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)は、「アントレプレナー・チャレンジ(Entrepreneurs Challenge)」と題するコンペを試験的に開始し、NASAの科学探査目標を進展させる新たな機器及び技術の開発を支援する新しいアイデアと参加を呼び掛けた。本コンペを実施するのは、NASAの科学ミッション総局(Science Mission Directorate: SMD)で、3段階のプロセスで最高10万ドルの賞金を授与する計画である。今回、第一回目のコンペの関心分野として、①自律型宇宙船ならびに地球観測、災害管理のための先端機械学習及び人工知能(AI)、②生命検知及びその他の科学的応用のための先端質量分析、③重力や磁場、暗黒エネルギー、その他の高精度の量子センサー、が挙げられている。 National Aeronautics and Space Administration “NASA Announces Challenge Seeking Innovative Ideas to Advance Missions” (6/3/20)

トランプ政権、コロナウィルス・ワクチンの最終候補薬として5つを選出

トランプ政権は、コロナウィルスのワクチンを生産する最も有望な企業として5社を選出した。年末までに米国内で広範なワクチン摂取を開始できるようにするという大統領府の約束を果たす上で、重要なステップとなる。選出される5社は、モデルナ社(Moderna)(来月に最終段階の臨床試験に入る見込み)、オックスフォード大学(Oxford University)とアストラゼネカ社(AstraZeneca)(同様のスケジュール)、残りの3社は、ジョンソン&ジョンソン社(Johnson & Johnson)、メルク社(Merck)、ファイザー社(Pfizer)で、それぞれ異なる手法を取っている。トランプ大統領は、米国がロックダウンを徐々に解除し、自身の再選の見通しの課題が大きくなりつつある中、速やかな進展を示すことを切望している。しかし、早期の有望な結果と、官民パートナーシップの育成に政権が強い関心を持っているにもかかわらず、大きな障害は引き続き存在し、多くの科学者が、トランプ大統領の目標は非現実的、もしくは楽観的であると考えている。 New York Times “Trump Administration Selects Five Coronavirus Vaccine Candidates as Finalists” (6/3/20)

オレゴン州の5大学、共同所有する知的財産の規則を合同で設定

オレゴン健康科学大学(Oregon Health & Science University: OHSU)、オレゴン大学ユージーン校(University of Oregon in Eugene)、オレゴン州立大学(Oregon State University)、ポートランド州立大学(Portland State University)、オレゴン工科大学(Oregon Institute of Technology)の5大学は、大学間の共同研究プロジェクトから生まれた知的財産の所有と、大学間の相互雇用について明確にする3つの合意を介して、イノベーションを強化する協調モデルを開始した。本モデルの目標は、共同研究を停滞させる可能性がある費用及びその他の障害を削減することである。3件の合意のうち、2件は共同研究から発生する知的財産を管理する枠組みについて、1件は共同研究から生じる費用面での障害について対処する内容となっている。 Tech Transfer Central “Oregon universities band together to set the rules for co-owned IP” (6/3/20)

米国、過去130年間で初めて、再生可能エネルギーの消費が石炭の消費を抜く

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)の月間エネルギー概況(Monthly Energy Review)によれば、米国は2019年に、再生可能由来のエネルギー消費(11.5quadrillion Btu)が石炭の消費(11.3quadrillion Btu)を上回った。これは、木材が米国の主要エネルギー源であった1885年以来初めてのことで、過去10年間における発電を目的とした石炭の使用減少と、風力とソーラーを中心とした再生可能エネルギーの増加を反映している。2018年に比べ、米国内の石炭の消費は約15%減少し、再生可能由来のエネルギー消費は1%増加した。 Energy Information Administration “U.S. renewable energy consumption surpasses coal for the first time in over 130 years” (5/28/20)

EU、R&D支出が不況にあえぐ経済に雇用をもたらすと期待

欧州連合(European Union: EU)は、大規模な研究支出を行うことで、歴史上最悪となる可能性がある不況から抜け出そうとしている。欧州委員会(European Commission)は先週、1兆8,500億ユーロの予算とパンデミックからの回復案の一部として、「ホライゾン欧州(Horizon Europe)」と呼ばれる研究開発(R&D)プログラムに向こう7年間で944億ユーロを研究活動に注入する計画を明らかにした。これは当初予定されていた予算より約110億ユーロ多い。欧州委員会は、「R&D支出は、生産性、雇用、競争力を高める」と述べている。しかし、ニューヨーク大学(New York University)でR&D支出の効果について研究するエコノミスト、ジュリア・レーン氏(Julia Lane)は、「欧州は、その予測を正当化するのに必要なデータの追跡を行っておらず、数値は信用できない」と述べている。 Science “Europe bets R&D spending will bring jobs to battered economy” (6/3/20)

米国の風力プラントの長期的パフォーマンスに関する調査結果発表

ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)のエネルギー分析・環境的影響部門(Energy Analysis & Environmental Impacts Division)の研究者チームは、米国内にある917件の陸上風力プロジェクトのパフォーマンスについて分析調査を行った。それによれば、米国の風力プラントは、稼働から17年経過した後も、ピーク・パフォーマンスの87%を維持しており、より新しいプラントは最初の10年間でパフォーマンスの損失がほとんどないことが明らかになっている。欧州の風力プラントに関する類似の調査結果と比べると、米国の風力プラントの損失は緩やかである。報告書の責任著者は、「調査結果は、稼働年数に伴うパフォーマンスの損失は、プロジェクト運営者による技術の選択と費用便益の判断に影響される可能性があることを示す」と述べている。 Berkeley Lab “New Research Evaluates How U.S. Wind Plant Performance Changes with Age” (6/3/20)