宇宙天気の研究及び予測に対処するため、NSFとNASAが提携

宇宙の天気(太陽風、コロナ質量放出、磁気嵐など)は、電力供給やコンピュータ・ネットワーク、無線通信などのインフラにダメージをもたらし、宇宙飛行士の健康を脅かす危険さえある。太陽と地球近傍の宇宙環境におけるエネルギー事象を正確に予測することは、国家安全保障や社会の福利厚生にとり重要である。こうしたニーズに対処することを目的として、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)と米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)は、6つのプロジェクトに資金を共同提供することを発表した。これらのプロジェクトには産官学の共同研究が含まれ、より早くより頑強な宇宙天気の予測能力の土台作りに取り組むことになる。 National Science Foundation “NSF and NASA partner to address space weather research and forecasting” (9/1/20)

アップル社とグーグル社のウィルス追跡技術の利用がより容易に

アップル社(Apple)とグーグル社(Google)は9月1日、スマートフォンを通じて、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)検査で陽性反応が出た人物と近くにいた人物のスマートフォンを検知し、ウィルスにさらされた危険性を警告するウィルス追跡技術の使用について、州がより容易に利用できるようにすると発表した。具体的には、両社の技術を採択した州政府は、住民のスマートフォンへ直接メッセージを送り、「追跡通知」をオンにするよう尋ねることができるようになる。従来の技術は、利用者が州公衆衛生機関のアプリを検索・入手する必要があった。この新たな手法により、ウィルス追跡技術が大きく普及する可能性がある。メリーランド、バージニア、ネバダ、ワシントンの各州とワシントンDCは既にこの新システムを利用する計画で、他に約25の州が以前のアプリ・バージョンの利用を検討しているという。 New York Times “Apple and Google to Make It Easier to Opt In to Virus Tracing” (9/1/20)

DARPA、室温での量子技術の育成に取り組む

量子研究は、情報科学及び検知の双方において、様々な新しい国防の応用に大きな有望性を示しているが、ラボでのブレイクスルーを実用的な使用に移行する上での大きな障害は、原子の量子的特徴を研究するために原子を冷却化し閉じ込めるために必要な膨大な機器である。こうした課題に対処するため、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は「新技術のための原子蒸気の科学(Science of Atomic Vapors for New Technologies: SAVaNT)」プログラムを発表した。SAVaNTプログラムは、室温の原子蒸気の性能を進展させることで、これまでにない低SWaP(サイズ、重量、電力)の性能を将来的に実現し、国防総省(Department of Defense)の様々な領域で活用できるようにすることを模索する。 Defense Advanced Research Project Agency “Harnessing Quantum Technologies at Room Temperature” (9/1/20)

CSIS、日本、欧州、米国の産業政策を分析

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミックや中国の台頭など、現在の経済的課題への対応として、米国の有力政策策定者や政治家、業界リーダーは、国内生産とイノベーションの強化を目的とした政府のより積極的な取り組みが必要であると主張している。しかし、その方法については大きな不和がある。こうした中、戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies: CSIS)は、日本、西欧、米国における歴史的な産業政策手法を検証し、「産業政策からイノベーション戦略まで:日本、欧州、米国からの教訓(From Industrial Policy to Innovation Strategy)」と題する報告書を発表した。CSISは報告書の中で、重要技術における米国のリーダーシップを再び確保するためのより積極的な米国イノベーション戦略のガイドとして「10の第一原則」を発表している。 Center for Strategic and International Studies “From Industrial Policy to Innovation Strategy: Lessons from Japan, Europe, and the United States” (9/1/20)

エネルギー省、核融合エネルギー技術の開発に2,900万ドルを投入

エネルギー省(Department of Energy)は9月2日、「ワット過多のための市場調整型核融合における進展の活性化(Galvanizing Advances in Market-aligned fusion for an Overabundance of Watts: GAMOW)」プログラムの一環として、14件のプロジェクトに2,900万ドルを提供すると発表した。GAMOWプログラムは、エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)と科学-核融合エネルギー科学局(Office of Science-Fusion Energy Sciences: SC-FES)が共同で実施している。GAMOWチームは、正味エネルギー利得(net-energy-gain)(核融合コア(fusion core))が実現した場合に、導入可能で商業的に魅力的な核融合システムと結びつける上で必要とされる、核融合特有の技術的溝(ギャップ)の是正に取り組む。 Department of Energy “Department of Energy Announces $29 Million in Fusion Energy Technology Development” (9/2/20)

EPA、石炭発電所からの有害廃棄物を制限する規則を緩和

トランプ政権は8月31日、石炭火力発電所が、鉛やセレン、ヒ素などの危険な汚染物質が混ざった廃水を処理する方法について、オバマ政権時代に制定された厳しい基準を緩和した。これに対して環境保護団体は、「川や水路を有害な汚染に脆弱にする」と批判した。環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)が発表した規則は、ユーティリティ機関が川やその他の水路を保護するために導入しなくてはならない廃水処理技術の種類を減らす他、順守期限を延長し、一部の発電所は行動を全く必要としない免除対象とした。今回の変更は、激しく落ち込んでいる石炭業界を救済しようとするトランプ政権の取り組みの一つで、老朽化した石炭火力発電所の寿命を延ばし、より安価な天然ガス及び再生可能エネルギーとより競争的にさせるものである。石炭業界の幹部は今回の変更を称賛している。 New York Times “E.P.A. Relaxes Rules Limiting Toxic Waste From Coal Plants” (8/31/20)

国防イノベーション・ユニット(DIU)、設立から5年間でトランスフォーマティブな影響をもたらす

2015年にアッシュ・カーター国防長官(Defense Secretary Ash Carter)(当時)が「国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)」を発足させた際、そのゴールは明白で、「商業技術における投資と進展のスピードを国防総省(Department of Defense)にもたらす」というものであった。それから5年が経過した今、シリコンバレーに本部を置くDIUは、ワシントン、ボストン、オースティンにオフィスを構え、通常、国防総省との契約で予想されるよりも早いスピードで160件以上の契約を民間企業と締結している。DIUは、72件のプロジェクトを立ち上げ、33件が完了、20件の商業ソリューションを国防総省向けに移行させている。DIUのマイク・ブラウン所長(Mike Brown)は、「我々は、軍、戦闘指令部、機関全般に影響をもたらすプロジェクトに増大的に取り組んでおり、これをトランスフォーマティブな影響と呼んでいる」とコメントしている。 Department of Defense “DIU Making Transformative Impact Five Years In” (8/27/20)

米国アカデミー、COVID-19ワクチンの平等な分配のための枠組み草案を発表、パブコメを模索

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)及び米国医学アカデミー(National Academy of Medicine)は9月1日、「新型コロナウィルス感染症(COVID-19)ワクチンの平等な分配に関する予備的枠組みのディスカッション草案(Discussion Draft of the Preliminary Framework for Equitable Allocation of COVID-19 Vaccine)」を発表した。この枠組み草案を開発した委員会は、去る7月に、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)と疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)の要請を受けて発足した。草案は、過去の大規模なワクチン活動における分配の枠組みから得た教訓と、COVID-19のパンデミックの間における希少資源(医療資源や供給品)の分配に関する最近のガイダンスを基に、基本的原則や、主要目標、平等な分配枠組みを決定するための基準について定義している。パブコメの提出期限は9月4日で、秋には最終報告が発表される予定である。 National Academies “National Academies Release Draft Framework for Equitable Allocation of a COVID-19 Vaccine, Seek Public Comment” (9/1/20)

ITIF、「スタートアップと連邦機関の協力:エネルギー・イノベーションの意外なソリューション」報告書発表

ITイノベーション財団(Information Technology Innovation Foundation: ITIF)は今般、「スタートアップと連邦機関の協力:エネルギー・イノベーションの意外なソリューション(Collaboration Between Start-Ups and Federal Agencies: A Surprising Solution for Energy Innovation)」と題する報告書を発表した。報告書によれば、社会的ゴールを達成するには気候技術のスタートアップ企業が緊急に必要とされているものの、これらはその他の部門のスタートアップに比べ、様々な障害に直面している。スタートアップが障害を克服する上であらゆる協力が不可欠となっており、特に、政府機関との協力は、民間企業や大学とのそれよりも好ましい結果をもたらしているという。こうしたことから、連邦機関とスタートアップの提携を育成する政策は強化される必要があると報告書では分析している。 Information Technology Innovation Foundation “Collaboration Between Start-Ups and Federal Agencies: A Surprising Solution for Energy Innovation” (8/24/20)

エネルギー省、炭素捕獲技術に7,200万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)は9月1日、2つの資金提供公募(FOA)の下、炭素捕獲技術の開発及び進展を支援するため、合計で約7,200万ドルの連邦資金を提供すると発表した。1つ目のFOAでは、コスト分担型研究開発(R&D)の下、石炭・天然ガス発電及び産業資源に関する9件の新規プロジェクトに5,100万ドルを提供する。また、2つ目のFOAでは、大気から二酸化炭素を排除する技術(いわゆる「直接空気回収(direct air capture)」)について18件のプロジェクトに合計2,100万ドルを提供する。 Department of Energy “Department of Energy Invests $72 Million in Carbon Capture Technologies” (9/1/20)