米国は、コロナウィルス・ワクチンの世界的なイニシアチブに参加せず

米国政府は9月1日、「米国は世界保健機関(World Health Organization: WHO)の主導により行われている、コロナウィルス・ワクチンの開発、製造、流通の世界的な取り組みには参加しない」と発表した。この決定は、トランプ政権によるギャンブルとなる。もし実行可能な最初のワクチン候補が他国で開発された場合、米国は取り残される危険性がある。ほぼ全ての国が、WHO、欧州連合(European Union)、ドイツ、日本、複数の大規模な非政府組織が合同で関与するCOVAXプロジェクトの初期対話に参加している。このプロジェクトは、WHOが先頃発表したもので、最終的にワクチン候補は各国のハイリスク住民の数に基づいて配布される。しかし、大統領府は、「米国はそれらの国の一つにはならない。米国は引き続き、国際パートナーとの関与を続け、このウィルスに勝つことを確実にするが、腐敗したWHOと中国に影響されている国際組織に制約されない」と述べた。 The Hill “US won’t join global coronavirus vaccine initiative” (9/1/20)

国防総省、リキッド社からAI重点型スパコン2基を注文

国防総省(Department of Defense)は、データ分析及び人工知能(AI)コンピューティングにおける大型投資として、同省の「高性能コンピューティング現代化プログラム(High Performance Computing Modernization Program: HPCMP)」の下、合計15ペタフロップスのコンピューティング・パワーをもたらすスパコン・システム2基を購入する。具体的に、競争入札を経て、「組み立て可能インフラ」を提供するリキッド社(Liquid Inc.)(コロラド州)がハードウェアの調達及びソフトウェアの維持管理契約として約3,200万ドルを受益することが決定された。両スパコン・システムは、「ジーン(Jean)」と「カイ(Kay)」と呼称され、メリーランド州にある陸軍研究所(U.S. Army Research Laboratory: ARL)の「国防総省スパコン資源センター(DoD Supercomputing Resource Center: DSRC)」に設置され、国防総省施設内における従来型のスパコン及びデータ分析作業を支援することになる。 HPC Wire “DOD Orders Two AI-Focused Supercomputers from Liqid” (8/24/20)

上院民主党の気候委員会、新たな報告書を発表

上院民主党院内総務(Senate Democratic Leader)のチャック・シューマー議員(Chuck Schumer)(民主党、ニューヨーク州選出)及び気候危機に関する特別委員会(Special Committee on the Climate Crisis)は、「気候行動のための主張:米国民のためにクリーン経済を構築(The Case for Climate action: Building a Clean Economy for the American People)」と題する報告書を発表した。報告書は、複数の公聴会や会合、専門家、労働組合、市長、環境正義のリーダーなどから得た意見収集を経て作成されたもので、議会による大胆な気候行動によって、新たな雇用や米経済の成長、国民の生活向上をもたらす方法について詳述している。委員会は、議会に対して、①2050年までに世界的な100%のネットゼロ排出を達成するために、米国の排出を大幅に削減する、②気候行動に関する連邦支出を増加(年間で国内総生産の少なくとも2%とする)することで経済成長を促進し、その投資の恩恵の少なくとも40%は、有色人種や低所得者層、社会的に恵まれない地域などのへ支援に行き届くことを確実にする、③少なくとも1,000万人の新規雇用を創出する、を要請している。 Senate Democrats “Senate Democrats’ Climate Committee Releases New Report On Climate Action, Plan To Build Clean Economy For American People” (8/25/20)

OSTPとエネルギー省、国家量子イニシアチブ諮問委員会のメンバーを発表

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)とエネルギー省(Department of Energy:)は8月28日、国家量子イニシアチブ諮問委員会(National Quantum Initiative Advisory Committee: NQIAC)のメンバーを発表した。NQIACは、量子情報科学における米国の継続的なリーダーシップを確実にする方策について、政権に助言する。OSTPの国家量子調整局(National Quantum Coordination Office)量子情報科学担当アシスタント・ディレクター(Assistant Director for Quantum Information Science and Director)のチャールズ・タハン氏(Charles Tahan)と、スタンフォード大学(Stanford University)の研究部長(Dean of Research)であるキャサリン・アン・モラー氏(Kathryn Ann Moler)が共同議長を務め、業界や大学、国立研究所、その他の連邦政府機関の代表者で構成される。 Department of Energy “White House Office of Science and Technology Policy and the U.S. Department of Energy Announces the National Quantum Initiative Advisory Committee” (8/28/20)

バテル・エネルギー・アライアンス社、多目的試験原子炉の設計及び建設を支援する業界チームとの交渉を開始

エネルギー省(Department of Energy)傘下のアイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory)の運営を委託されているバテル・エネルギー・アライアンス社(Battelle Energy Alliance, LLC: BEA)は、多目的試験原子炉(Versatile Test Reactor: VRT)の設計及び建設段階の支援について、ベクテル・ナショナル社(Bechtel National Inc.)が主導する業界チームとの契約交渉を開始した。この業界チームには、テラパワー社(TerraPower)及び日立GEニュークリア・エナジー社(GE Hitachi Nuclear Energy)も参加している。VRTは、革新的でクリーンな原子力エネルギー技術の研究開発を支援する独自の施設である。 Idaho National Laboratory “NEGOTIATIONS START WITH INDUSTRY TEAM TO SUPPORT DESIGN AND BUILD OF VERSATILE TEST REACTOR” (8/24/20)

インテル社のつまづきにより、注目のスパコンが遅延

エネルギー省(Department of Energy)は昨年、総額5億ドルのスパコン構築の支援企業として、インテル社(Intel)を選出した際、米国製のコンピューター・チップが、中国による技術的挑戦への対抗策となることを期待した。インテル社のチップを搭載したスパコン「オーロラ(Aurora)」はアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)」に2021年に導入され、「エクサスケール・コンピューティング」として知られる技術的頂点に最初に到達する米国システムとなる予定とされ、インテル社は、国内工場から同システムに3種類のチップを提供することを約束していた。しかし、同社の技術的遅れにより、この計画はつまづき、外国製半導体への依存を逆転させようと努力する米国の政府及び業界が直面する向かい風の一つとなりつつある。また、重要な半導体製造技術でのリード奪回を目指す米国にとり、試練が待ち受けていることも示す。 New York Times “Intel Slips, and a High-Profile Supercomputer Is Delayed” (8/27/20)

ランド研究所、「脳とコンピューターのインターフェース」を発表

ランド研究所(Rand Corporation)は今般、「脳とコンピューターのインターフェース(Brain-Computer Interfaces)」と題する報告書を発表した。国防総省(Department of Defense)は人間の脳が機械と直接コミュニケーションすることを可能にする技術の開発に投資しており、これには埋め込み可能な神経インターフェース(脳とデジタルの間でデータの移行ができる)の開発も含まれる。こうした技術は、「脳とコンピューターのインターフェース(brain-computer interface: BCI)」と呼ばれ、いずれは兵士の認識作業の監視やドローン・スワームのコントロールなどに使用される可能性がある。しかし、この技術が広く導入される前に、数々の政策や安全性、法律、倫理的問題が評価される必要がある。本報告書では、新興技術の潜在的な応用を調査する手法を紹介した上で、軍事目的の現行及び潜在的なBCI応用が実際のニーズや現実、法律、及び倫理的側面に対応できるかの評価を行っている。 Rand Corporation “Brain-Computer Interfaces” (August 2020)

エネルギー省、水の安全保障進展に関する公募を発表

エネルギー省(Department of Energy)は8月28日、全国水イノベーション同盟(National Alliance for Water Innovation: NAWI)ハブとのパートナーシップにより、高濃度塩分の水路を対象とした強化塩水管理ソリューションのイノベーションについて、プロポーザルの要請(Request for Proposal: RFP)を発表した。このRFPは、賞金やコンペ、研究開発(R&D)、その他のプログラムを介して、安全で確実で手頃な費用の水の世界的なニーズに対応する革新的技術及びイノベーションを進展させる「水安全保障グランド・チャレンジ(Water Security Grand Challenge: WSGC)」を支えるものである。NAWIハブは今回のRFPで、脱塩の知識に関する溝に直接対処する5つの分野でプロポーザルを募集している。 Department of Energy “Energy Department Announces Funding to Advance Water Security” (8/28/20)

国防総省、ビクトリア・コールマン氏のDARPA長官就任を発表

国防総省(Department of Defense)は8月31日、ビクトリア・コールマン氏(Victoria Coleman)を国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の長官として任命した。これに伴い、DARPAの長官代理を務めていたピーター・ハイナム氏(Peter Highnam)は以前のDARPA副長官に戻る。コールマン氏は、学術機関、民間セクター、政府で30年以上のキャリアを持ち、DARPAのマイクロシステム調査評議会(Microsystems Exploratory Council)の初代委員長としての任務や、国防科学委員会(Defense Science Board)の理事も含まれる。また、技術セクター全般で先端の研究開発を主導してきた。 Department of Defense “Department of Defense Announces New DARPA Director Dr. Victoria Coleman” (8/31/20)

エネルギー省、米国製ソーラー・プライズ・ラウンド2の優秀者を発表

エネルギー省(Department of Energy)のダニエル・シモンズ次官補(エネルギー効率・再生可能エネルギー担当)(Daniel R Simmons)(Assistant Secretary for Energy Efficiency and Renewable Energy)は8月28日、米国ソーラー製造の競争力を強化することを意図した米国製ソーラー・プライズ(American-Made Solar Prize)の第2次ラウンドの優秀者として2チームを選出した。選出されたのは、レジリエント・パワー・システムズ社(Resilient Power Systems)(テキサス州)と、サンフレックス・ソーラー社(SunFlex Solar)(アリゾナ州)で、両チームはそれぞれ50万ドルの賞金を受益する他、国立研究所及び米国製ネットワーク(American-Made Network)の施設で使用可能な7万5,000ドルのバウチャーを受け取る。 Department of Energy “Energy Department Announces Grand Prize Winners of American-Made Solar Prize Round 2” (8/28/20)