連邦エネルギー規制委員会(FERC)のニール・チャタジー委員長が降格

連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)のニール・チャタジー委員長(Neil Chatterjee)が、大統領府により突如降格されたが、この背景には、多様性に関する研修の廃止についてトランプ政権が発した政府布告に従うことに消極的であったことがあるとされている。そのほかに、チャタジー委員長が炭素税へのFERCの関与を推進したことも降格につながったと考えられている。インド系米国民であるチャタジー氏は、警察によるマイノリティーへの暴力事件が続いたことを受け、人種差別是正に積極的な姿勢を見せていた。大統領府は、チャタジー委員長の後任に、FERC保守派委員であるジェームズ・ダンリー氏(James Danly)を指名した。 EE News “White House demoted Chatterjee over diversity training” (11/6/20)

接戦となった大統領選におけるジョー・バイデン氏の当確に科学者は安堵

ジョー・バイデン氏が間もなく米国の大統領になることが決まり、世界中の科学者は大きな安堵を覚える中、約半分の票がトランプ大統領に投じられたことは懸念として残っており、バイデン氏は、政治的に二極化した国を統治することになる。バイデン氏が2021年1月20日に大統領に就任した暁には、トランプ政権によって導入された多くの政策(それらは科学と公衆衛生に損害をもたらしていた)を撤回する機会を得る。これには、気候変動、移民、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)対策が含まれる。研究者は、これまでのダメージの多くが修復されることを期待している。 Nature “Scientists relieved as Joe Biden wins tight US presidential election” (11/7/20)

DARPA、疾病予防を目的として皮膚の微生物叢の改変に取り組むチームを選出

人体の皮膚微生物叢(human skin microbiome: HSM)は、人体と外部環境の間のバリアとして機能し、人体を感染から守るが、それと同時に蚊を引き付ける分子を作り出している可能性がある。国防総省(Department of Defense: DOD)は、病原菌を媒介する蚊を特に懸念している。こうした中、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)による「リベクター(ReVector)プログラム」は、地域特有の風土病がある場所で活動する軍人の健康を守るため、蚊との関与を削減し、蚊を媒介とする疾病への接触を削減することを狙いとしている。DARPAは今般、リベクター・プログラムのフェーズ1の受益機関として、スタンフォード大学(Stanford University)とギンコー・バイオワークス(Ginkgo Bioworks)を選出した。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Selects Teams to Modify Skin Microbiome for Disease Prevention” (11/6/20)

リサ・ゴードン-ハガーティNNSA長官が退任

エネルギー省(Department of Energy)は11月6日、国立核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)の長官でエネルギー次官(核安全保障)(Under Secretary of Energy for Nuclear Security)を務めるリサ・ゴードン-ハガーティ氏(Lisa E. Gordon-Hagerty)が退任したと発表した。ゴードン-ハガーティ氏は、2018年2月15日に上院に承認され、初の女性NNSA長官となった。当面、これまで1年半にわたり、NNSAの主席副長官(Principal Deputy Administrator)を務めていたウィリアム・ブックレス氏(William Bookless)がNNSA長官代理を務める。 Department of Energy “Lisa E. Gordon-Hagerty resigns as NNSA Administrator” (11/6/20)

バイデン次期大統領、COVID-19移行諮問委員会に13名の医療専門家を指名

ジョー・バイデン次期大統領は11月9日、自身の「新型コロナウィルス感染症移行諮問委員会(Transition COVID-19 Advisory Board)」のメンバーとして13名の医療専門家を指名し、自身の計画を進展させた。ただし、選挙結果をめぐる法的闘争が継続される中、トランプ政権がどの程度協力するかは不明である。移行諮問委員会は、①デービッド・ケスラー氏(David Kessler)(元食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)長官)、②ビベック・マーシー氏(Vivek Murthy)(元公衆衛生総監(Surgeon General))、③マルセラ・ヌネズ-スミス氏(Marcella Nunez-Smith)(イェール大学(Yale)の医薬・疫学教授)の3名が共同委員長を務める。バイデン氏は大統領選挙期間中、COVID-19をキャンペーンの中心に位置づけ、より強力かつ協調的な連邦対応を訴えていた。移行諮問委員会は、パンデミックを管理下に置くための計画を策定する。 NPR “Biden Names 13 Health Experts To COVID-19 Transition Advisory Board” (11/9/20)

移民の審査にIQテストの使用を提唱した人物がNISTの上級ポストに指名される

サイエンスインサイダー誌(ScienceInsider)は、無所属の公共政策アナリスト、ジェイソン・リッチワイン氏(Jason Richwine)が、商務副次官(標準・技術)(deputy undersecretary of commerce for standards and technology)に任命されたというニュースを入手した。同氏は、米国に法的に移住できる人を選出するためにIQテストを使用することを提唱した人物である。早々に商務副次官に就任する可能性がある。これは新設された役職で、NISTのウォルター・コパン長官(Walter Copan)に報告する。同長官の役職名も同じく「商務副次官(標準・技術)」である。リッチワイン氏がこれまでに執筆した移民に関する論文は論争的な内容となっている。 Science “Proponent of using IQ tests to screen immigrants named to senior NIST post” (11/9/20)

選挙におけるクリーンエネルギー投票の総括

先の選挙では、全国各地で主要な再生可能エネルギー問題を巡る住民投票も行われた。コロラド州ボールダー市では、エクセル・エナジー社(Xcel Energy)から離れ、同社と20年間のフランチャイズ契約を結び、地元に市が運営するユーティリティ機関を作るという、市の十年間の取り組み(住民投票2C)が実を結ぶ見通しである。同州デンバー市では、売上税を0.25%を引き上げて8.81%とし、市内の炭素排除に充当するという住民投票(2A)が承認される見通し。ミネソタ州シャコピー市では、市の地方自治体ユーティリティ機関であるシャコピー公益委員会(Shakopee Public Utilities Commission: SPUC)を解散するという住民投票が否決される見通しである。ネバダ州では、再生可能エネルギー利用割合基準(regional portfolio standard: RPS)について、「2030年までに再生可能エネルギーを50%へ引き上げる」という取り組みが成功しそうな様相である。オハイオ州とウィスコンシン州でもクリーン・エネルギー問題に関する住民投票が行われた。 PV magazine “Clean energy election roundup: Nevada to go 50% renewable by 2030, Columbus 100% by 2023” (11/4/20)

複数の米ユーティリティ機関が新規の原子力発電所建設計画から手を引く

革新的な新しい原子力発電所を建設し、低迷する米国原子力産業を活性化させようという計画が、ここ数週間に打撃を受けている。ニュースケール・パワー社(NuScale Power)の小型モジュラー原子炉を用いた「カーボン・フリー・パワー・プロジェクト(Carbon Free Power Project)」への参加に署名していた36の公益機関のうち8機関が同プロジェクトから撤退することを表明したのだ。その数か月前には、12基の小型モジュラー原子炉を含む発電所を購入する意向であるユタ州地方自治体電力システム同盟(Utah Associated Municipal Power Systems: UAMPS)が、プロジェクトの完成は3年遅れて2030年になる見通しであること、試算費用は42億ドルから61億ドルになることを発表していた。 Science “Several U.S. utilities back out of deal to build novel nuclear power plant” (11/4/20)

NIH全体のCOVID-19研究戦略計画に関するアイデアを募集

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は去る7月、「NIH全体の新型コロナウィルス感染症(COVID-19)研究戦略計画(NIH-Wide Strategic Plan for COVID-19 Research)」を公表したが、公衆衛生上のニーズの変化からバイオメディカルにおける発見の前代未聞のペースに至るまで、コロナウィルスへの対応に関するあらゆることが進化していることから、本計画を更新するため、NIHは現在、本計画における次のアイデアを求めている。具体的に、10月28日に「情報の要請(Request For Information)」を発表し、現行計画に関する一般からのフィードバックを募集している。 National Institutes of Health “Seeking Your Ideas on the NIH-Wide Strategic Plan for COVID-19 Research” (10/29/20)

エネルギー省、政府と重要インフラの提携を強化するプログラムを開始

エネルギー省(Department of Energy)は11月4日、米国の安全保障と繁栄を下支えする重要インフラの支援に向けて、「運用技術(Operational Technology: OT)防衛者フェローシップ(OT Defender Fellowship)」を開始した。このフェローシップは、エネルギー省傘下のアイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory: INL)と民主主義防衛財団(Foundation for Defense of Democracies: FDD)の「サイバー及び技術イノベーション・センター(Center for Cyber and Technology Innovation: CCTI)」による共同活動で、米国最前線の主要な重要インフラ防衛者のサイバーセキュリティ知識を深めるものである。OT防衛者フェローシップは、エネルギー部門全般の運用技術セキュリティ・マネジャーを対象とした1年間のプログラムで、米国政府のサイバー及び国家安全保障専門家と関与する。参加者は、米国の敵対者の戦略及び戦術と、米国政府のサイバー・オペレーターがどのようにして米国を防衛しているかについて理解を深める。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Launches Program to Enhance Partnerships Between Government and Critical Infrastructure” (11/4/20)