AEIC報告書「エネルギー・イノベーション:脱炭素化の技術開発」

アメリカン・エネルギー・イノベーション評議会(American Energy Innovation Council: AEIC)は今般、「エネルギー・イノベーション:脱炭素化の技術開発(Energy Innovation: Developing the Technologies for Decarbonization)」と題する報告書を発表した。AEICは、「最近の有望な技術開発にもかかわらず、米国が世界的な経済大国としての位置付けを維持し、国内に新規雇用を創出し、環境及び安全保障の課題に対処するための国際的な努力で米国のリーダーシップを取り戻すには、エネルギー分野の更なるイノベーションが必要」とした上で、いくつかの政策勧告を行った。具体的には、①米国のクリーン・エネルギー・イノベーションへの投資を3倍(年間250億ドル)とする、②エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)の予算を年間10億ドルとする、③大規模なパイロット・プロジェクトを構築するため、新エネルギー・チャレンジ・プログラム(New Energy Challenge Program)を確立する、などを要請している。 American Energy Innovation Council “Energy Innovation: Developing the Technologies for Decarbonization” (12/17/20)

中国のDJI社、商務省の「事業者リスト」に追加

商務省(Department of Commerce: DOC)は12月18日、ドローン大手の中国企業、DJI社を「事業者リスト(Entity List)」に加えた。14年前に設立された中国企業DJI社は、ドローン部門で圧倒的な支配勢力となっており、米国内では市場の77%を占めると試算されている。米中間の緊張は、米国内におけるDJI社の存在に対する懸念と共に増大しつつあり、特に同社の偵察能力は障害となっている。DJI社は消費者ドローンで広く成功している他、産業及び政府分野へも手を広げている。なお、今回新たに77社が事業者リストに加えられた。 Tech Crunch “DJI added to Commerce Department ‘entity list’” (12/18/20)

NIH、COVID-19の全国的な検査と監視の新しい手法を支援へ

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の検査と監視におけるギャップに対処するため、新規で非在来型の手法と既存のツールの新たな利用に取り組むプロジェクトに、1億700万ドル以上を提供する。また、将来、COVID-19及びその他の感染症がまん延した際に導入できるプラットフォームの開発にも取り組む。今般の助成は、「診断のラピッド加速(Rapid Acceleration of Diagnostics: RADx)」イニシアチブの一環として、「RADxラディカル(RADx Radical)」プログラムの下、43機関で行われる49件の研究プロジェクトへの支援と補完グラントとして提供される。本プログラムは、生物学的もしくは生理学的マーカー、新規の化学物質もしくは工学による新たな分析プラットフォーム、早急な検知戦略、医療現場用機器、自宅でできる検査技術など、非在来型のウィルス検査手法に焦点を当てている。 National Institutes of Health “NIH to support radical approaches to nationwide COVID-19 testing and surveillance” (12/21/20)

GAO、化学兵器の発生源特定に関する報告書を発表

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は12月21日、「科学技術スポットライト:化学兵器の発生源を追跡する(Tracing the Source of Chemical Weapons)」と題する報告書を発表した。犯罪科学の化学帰属プロセスは、攻撃に使用された化学剤を追跡するもので、捜査官は、被害者または現場から物質の試料を採取し、その物理的及び化学的特性を分析する。それらのデータを「化学的指紋」として利用すれば、その物質がどのように製造されたかに関する情報を得られる可能性がある。GAOは、犯罪科学による化学帰属プロセスを実施する上での機会と課題についてまとめている。 Government Accountability Office “SCIENCE & TECH SPOTLIGHT: Tracing the Source of Chemical Weapons” (12/21/20)

バイデン次期大統領、ノースカロライナ州のトップ環境規制官、マイケル・リーガン氏をEPA長官に選出

バイデン次期大統領は、ノースカロライナ州の環境品質省(Department of Environmental Quality)長官であるマイケル・リーガン氏(Michael Regan)を環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)の長官に指名する計画である。上院で承認されれば、リーガン氏は、黒人男性として初のEPA長官になる。また、トランプ大統領が4年間にわたってオバマ前政権の環境保護措置を積極的に撤回させようとした後の環境基準強化を担うことになる。リーガン氏がリンクドイン(LinkedIn)に記している経歴によれば、同氏は2010年代に環境防衛基金(Environmental Defense Fund: EDF)で複数の上級職の役割を務めている。また、キャリア早期には、ビル・クリントン及びジョージ・W・ブッシュ両元大統領の下、EPA内の大気質に関する職務に就いた経験がある。複数の環境保護グループは、リーガン氏の選出を歓迎している。 Axios “Biden picks North Carolina environmental regulator Michael Regan to lead EPA” (12/17/20)

米国の州の気候コミットメントは排出目標達成に遠く

環境防衛基金(Environmental Defense Fund: EDF)は今般、「気候コミットメントを結果に変える:州主導の気候行動に関する進捗(Turning Climate Commitments into Results: Progress on State-led Climate Action)」と題する報告書を発表した。ロジウム・グループ(Rhodium Group)による排出データを使用したもので、それによれば、米国州政府による気候へのコミットメントは、2030年へ向けた科学をベースとする排出削減目標を達成するための軌道から外れているという。25州とプエルトリコによる2030年までの集合的な排出は2010年水準の11%減となる見通しで、これは同年までに必要とされる45%減を下回る。報告書によれば、これらの州政府はまた、パリ気候協定(Paris Agreement)における米国の当初のコミットメントを達成するための軌道からも外れているという。EDFは、州政府がそれぞれのコミットメントを達成するための気候政策手法の開発について勧告を提示している。 Environmental Defense Fund “Report: U.S. States with Climate Commitments Off Track to Reach Science-based Emissions Goals” (12/8/20)

3州とワシントンDC、クリーン輸送戦略の進展加速で協力

コネチカット、マサチューセッツ、ロードアイランドの3州とワシントンDCは12月21日、輸送部門からの気候汚染削減を意図した規制を開発することを記した超党派の覚書(memorandum of understanding: MOU)に署名した。このMOUは、1年間にわたるパブコメ期間と、州政府が地域で最大の排出源からの気候汚染対策へコミットを示したことを受け、締結された。最終的に規制が採択されれば、これらの州及びワシントンDCは、ミシシッピ川以東で初めて、輸送部門からの炭素排出に総合的な制限を導入する自治体となる。 Environmental Defense Fund “Three States and District of Columbia Collaborate to Accelerate Progress on Clean Transportation Strategies” (12/21/20)

国防総省、新たなエネルギー管理プログラムを開発へ

国防総省(Department of Defense)は、エネルギーの管理及び分析のための新規かつ革新的な手法の開発に取り組む。新たなプラットフォームは、複数ソースからのデータを統合し、エネルギーの効率、対応力、安全保障の強化のための実用可能な情報へと転換する。これは、施設省エネ及び安全保障技術(Facility Energy Saving and Security Technology: FEST)プロジェクトの一環として行われる。国防総省は、ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory: LLNL)、XENDEEコーポレーション(XENDEE Corporation)、そしてミシガン大学ディアボーン校(University of Michigan – Dearborn)を含むチームを選出し、ホワイトサンズ・ミサイル発射場(White Sands Missile Range)の支援を受ける。 Environmental Leader “US Department of Defense to Develop New Energy Management Program” (12/21/20)

大学の研究スペース、2017年度から2019年度の間に610万平方フィート増加

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)が隔年で行う科学・工学研究施設調査(Survey of Science and Engineering Research Facilities)によれば、研究を実施する大学の2019年度における科学・工学研究スペースは2億2,730万平方フィート(割り当て可能な正味の平方フィート(net assignable square feet: NASF))であった。これは、2017年度に比べて610万NASF(3%)の増加となった。工学部門の研究スペースは、2017年度から2019年度の間に290万NASF(8%)増加し、NASFで見た場合に全ての部門の中で最大の増加となった。2番目に大きな増加を示したのは医療科学部門の研究スペースで、140万NASF(4%)増加した。全体的には、5つの部門が研究スペース全体の84%を占めており、それらは、生物・生物医学科学(全体の26%)、医療科学(18%)、工学(17%)、農業科学(12%)、物理科学(10%)となっている。記事はこの他に、研究スペースの新規建設、修繕及び改築、大手機関の研究スペースについて報告している。 National Science Foundation “University Research Space Increased by 6.1 Million Square Feet between FY 2017 and FY 2019” (12/21/20)

エネルギー省、エネルギー貯蔵グランド・チャレンジ・ロードマップを公表

エネルギー省(Department of Energy)は12月21日、省として初の本格的なエネルギー貯蔵戦略となる「エネルギー貯蔵グランド・チャレンジ・ロードマップ(Energy Storage Grand Challenge Roadmap)」を公表した。ダン・ブルイエット長官(Dan Brouillette)は2020年1月に、「エネルギー貯蔵グランド・チャレンジ(Energy Storage Grand Challenge: ESGC)」を発表し、エネルギー貯蔵における米国のリーダーシップの創出と維持を模索した。今回発表されたロードマップには、協調的な研究努力に加え、ラボから市場への技術移行の加速、米国内で大規模な技術を競争的に製造する方策への焦点、国内製造を実現するためのサプライ・チェーンの確保に関する手法や、積極的で実現可能な目標などが含まれている。エネルギー省はまた、ESGCに関連する2つの報告書もあわせて公表した。 Department of Energy “Department of Energy Releases Energy Storage Grand Challenge Roadmap” (12/21/20)