米国の直接投資に関する報告(2020年。国別・業界別)

経済分析局(Bureau of Economic Analysis: BEA)が発表した統計によれば、米国の対外海外直接投資累計は、2019年末の5兆9,100億ドルから2020年末の6兆1,500億ドルと2,449億ドル増加した。増加には、英国とオランダを中心とした欧州での直接投資の増加(1,588億ドル)が反映されている。一方、米国の対内海外直接投資は、2019年末の4兆4,400億ドルから2020年末の4兆6,300億ドルと、1,872億ドル増加した。これは主に、ドイツを中心とした欧州からの投資の増加(1,192億ドル)が反映されている。また、上位5か国が2020年末の対内海外投資全体の半分以上を占め、日本は1位の座を維持している。業界別に見ると、製造、金融、保険、卸売取引が増加の大半を占めている。 Bureau of Economic Analysis “Direct Investment by Country and Industry, 2020” (7/22/21)

NIH、マイクロソフト・アジュールの参加でバイオメディカル研究を拡大

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の「発見・実験・持続可能性のための科学・技術研究インフラ(Science and Technology Research Infrastructure for Discovery, Experimentation, and Sustainability: STRIDES)」イニシアチブに、新たなクラウド・サービス・プロバイダとしてマイクロソフト・アジュール(Microsoft Azure)が参加し、バイオメディカル研究を支援する。この新たな業界パートナーの参加により、バイオメディカル研究の経済的及びプロセス上の障害を削減し、クラウドのプラットフォームや訓練、専門家、クラウド上での研究を最適化させるベストプラクティスへのコスト効果の高いアクセスを提供することで、クラウドにおけるバイオメディカル研究を加速させるというSTRITEDSイニシアチブの狙いを進展させる。STRIDESイニシアチブにより、わずか数年で、重要インフラや最先端クラウド資源へのアクセスが拡大している。イニシアチブには、グーグル・クラウド(Google Cloud)、アマゾン・ウェブ・サービス(Amazon Web Services)が参加しており、今回、マイクロソフト・アジュールが新たに加わることになる。 National Institutes of Health “NIH expands biomedical research in the cloud with Microsoft Azure” (7/20/21)

バイデン大統領、技術大手の敵であるジョナサン・カンター氏を司法省独占禁止法部門のトップに指名へ

バイデン大統領は、弁護士として長い間、技術大手企業と対立しているジョナサン・カンター氏(Johnathan Kanter)を司法省(Department of Justice)の独占禁止法部門のトップに指名する計画であると発表した。グーグル社(Google)やアップル社(Apple)を含む技術大手の敵として知られているカンター氏は、カンター法律事務所(Kanter Law Group)のパートナー弁護士で、自ら「独占禁止法提唱店」と称している。政権が、技術部門を中心に経済における権力の集中を取り締まろうとより広範な努力をする中、カンター氏の指名により、重要な空席が埋まることになる。バイデン大統領は先月、連邦取引委員会(Federal Trade Commission)のトップにリナ・カーン氏(Lina Khan)を指名し、今年初めには大手技術について声高に主張するコロンビア大学(Columbia University)のティム・ウー教授(法律)(Tim Wu)を指名している。こうした指名は、技術業界と民主党の関係が劇的に悪化していることを示す。 Washington Post “Biden to nominate Big Tech adversary Jonathan Kanter to helm the Justice Dept.’s antitrust division” (7/20/21)

エネルギー省、中小企業の研究開発グラントに1億2,700万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は7月20日、先端科学的ツール及び米国民のためのクリーンでセキュアなエネルギーに取り組む多様な中小企業に、合計1億2,700万ドルを提供すると発表した。受益するのは23州で実施されている110件のプロジェクトで、サイバーセキュリティ、再生可能エネルギー、炭素管理、グリッドの信頼性、核融合エネルギーなど様々な分野で技術的ソリューションの追求を行っている。今回発表されたアワードは、エネルギー省の中小企業技術革新制度(Small Business Innovation Research: SBIR)及び中小企業技術移転制度(Small Business Technical Transfer: STTR)プログラムによるものである。 Department of Energy “DOE Announces $127 Million For Small Business Research And Development Grants” (7/20/21)

エネルギー省、パンデミック後におけるエネルギー部門の雇用成長に期待

エネルギー省(Department of Energy)は7月19日、「米国エネルギー部門への投資:回復、そしてより良い再建への機会(Investing in America’s Energy Sector: An Opportunity to Recover and Build Back Better)」と題する円卓会議を主催し、「2021年米国エネルギー雇用報告(2021 U.S. Energy Employment Report: USEER)」のファインディングを共有した。USEERは、主要エネルギー部門における雇用についてより良い追跡と理解を行うことを目的として2016年に開始された。報告書は2017年以来、外部で作成されていたが、今般、報告書の管理はエネルギー省へ戻された。COVID-19のパンデミック以前、エネルギー部門は米国内で急成長中の雇用市場の一つであった。米経済は2020年に広範な失業を経験したが、USEERの分析は、エネルギー部門が同年末までに回復途上となり、失われた雇用のほぼ半分が回復していることを示している。 Department of Energy “DOE Finds Strong Opportunity For Job Growth In Energy Sector Post-Pandemic” (7/19/21)

米国における2020年の石炭生産量は1965年以来の最低水準に

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は7月14日、米国における2020年の石炭生産量は、COVID-19のパンデミックを受けて世界的な需要が低下したことから下落し、1965年以来最低水準になったと発表した。EIAによれば、米国の2020年における石炭生産量は535百万ショート・トン(million short ton: MMst)で、2019年の706MMstから24%減少した。EIAはまた、石炭生産量減少の一因として、米国電力業界において非再生可能エネルギー資源の需要が低下していること、天然ガス価格の低下により石炭発電の競争力が低下したことを挙げている。 Reuters “EIA says U.S. 2020 coal output lowest since 1965″ (7/15/21)

バイデン大統領、対中技術戦略の主要ポジションに元国防総省高官を任命

バイデン大統領は7月13日、国防総省(Department of Defense)の元高官、アラン・エステベズ氏(Alan Estevez)を商務省(Department of Commerce)の次官(業界及び安全保障担当)(undersecretary for industry and security)に指名した。これは、米中間の技術競争において重要な役割を担うポジションである。かつては商務省内で不明瞭な存在であった産業・安全保障局(Bureau of Industry and Security: BIS)の人事は、近年、米国が輸出管理措置によって中国による米国技術の継続的な取得を阻止しようとする中、注目を集めつつある。トランプ政権時のBISは、米国による中国のファーウェイ社(Huawei Technologies)への販売を規制し、世界最大の通信機器メーカーに打撃を与え、国家安全保障上の懸念から通信インフラにおける中国企業を制限する上で主要な役割を担うようになった。エステベズ氏は現在、デロイト・コンサルティング社(Deloitte Consulting)の幹部で、国防総省で36年のキャリアを有している。 Reuters “Biden taps ex-Pentagon official for key China tech position” (7/14/21)

エネルギー省、スパコンを用いて科学的発見を進展させるため2,800万ドルを提供

エネルギー省(Department of Energy)は7月16日、クリーン・エネルギーの応用のための量子情報科学や化学反応といった分野で新たな進展をもたらすため、DOEのスパコンの潜在性を十分に解き放つソフトウェアの開発に取り組む5件の研究プロジェクトに合計2,800万ドルを提供すると発表した。エネルギー省の「先端コンピューティングを通じた科学的発見(Scientific Discovery through Advanced Computing: SciDAC)」プログラムを通じて助成が行われ、科学及びエネルギー研究、応用数学、コンピュータ科学といった主要分野の専門家が結集し、コンピューティング上の課題に対処し、エネルギー省のスパコンを最大限に活用することで科学的発見のペースを加速させることを目指す。 Department of Energy “DOE Provides $28 Million To Advance Scientific Discovery Using Supercomputers” (7/16/21)

DARPA、3Dビジョンの理解を目的として赤外線スペクトルの探査に取り組む研究者を発表

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、インビジブル・ヘッドライト(Invisible Headlights)プログラム(invisibleは「目に見えない」の意)に参加する業界及び大学の研究者チーム4件を選出した。同プログラムは、受動的なセンサーのみを使って完全な暗闇をナビゲーションできる自動車両が可能か否かを判断することに取り組む。現行の自動システムは、暗闇をナビゲーションするために能動的な照明(ヘッドライトやライダーなど)が必要であるが、これらは遠い場所から敵対者に検知される可能性がある。インビジブル・ヘッドライト・プログラムは、あらゆる環境下で周囲に存在する熱光を完全に受動的な3Dセンサーへ正確かつ早急に変換し、自動ナビゲーションに活用する方法を発見することで、現行システムの脆弱性を排除することを狙いとしている。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Announces Researchers to Exploit Infrared Spectrum for Understanding 3D Scenes ” (7/12/21)

DARPA、結束的な国内レアアース元素(REE)技術の開発に取り組む

米国は、国内に適切なレアアース元素(Rare Earth Element: REE)資源があるものの、これらの元素の分離と精製は海外の事業体に依存しているため、サプライチェーンは脆弱である。バイオマイニング(Biomining)は、微生物を使って様々なソースから金や銅などの金属を抽出もしくは分離する手法であるが、REEにはまだ有益となっていない。このようななか、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は「バイオエンジニアリング資源としての環境微生物(Environmental Microbes as a BioEngineering Resource: EMBER)」プログラムを立ち上げ、微生物及び生体分子工学の進展を活用し、十分に開発されていない国内資源を使ってREEを生物ベースで分離・精製する戦略の開発に取り組むことで、サプライチェーンの強化を目指すことになる。EMBERプログラムは、2つの技術分野で3つのフェーズに分かれ、4年間にわたって行なわれる。 Defense Advanced Research Project Agency “Developing Cohesive, Domestic Rare Earth Element (REE) Technologies” (7/13/21)