NIH長官、「新たな研究部門が成功するには、失敗への備えが必要」

バイデン政権が提案している「医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)」の新設について、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)のフランシス・コリンズ長官(Francis Collins)が、インタビューに答えた。同長官は、ARPA-Hの下で実施されるプロジェクトが失敗する可能性はあるとし、大きく成功するためには、リスクを取る必要があるとコメントしている。「国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は多くの偉業を達成したが、それと同時に見事な失敗も経験している。人々は、その成功ゆえにそれらの失敗を容認している」と長官は述べた。コリンズ長官はまた、ARPA-Hの批判者の多くが主張する「多くの場合において、NIHは過度にリスク回避指向になっている」という指摘も率直に受け入れている。ARPA-Hに関する政権のビジョンは最近注目を集めているものの、最初の大きな障害にもぶつかっている。具体的に、バイデン政権はARPA-Hの予算として65億ドルを要請したが、下院民主党が最近明らかにした予算案で示された額はその半分以下であった。また、一部の連邦議員は、「ARPA-HはNIHと明確に異なる文化を創り出すべきである」との警告を発している。 STAT “NIH’s Francis Collins: For Biden’s new research agency to succeed, it should prepare for some projects to fail” (7/215/21)

国防総省、付加製造に関する新たな指示書を公表

国防総省(Department of Defense)は2021年6月、研究・工学担当次官室(Office of the Undersecretary for Research and Engineering)を通じて、国防総省の事業活動全般で付加製造(additive manufacturing: AM)を推進する国防総省指示書(DoD Instruction: DoDI)を発表した。DoDI 5000.93「国防総省における付加製造の使用(Use of Additive Manufacturing in the DoD)」は、この先端製造技術の使用と実践について、政策を確立し、責務を割り当て、ガイダンスを提供するものである。また、①調達におけるAM、②研究及び工学、③AMのサプライチェーンへの統合、④データ管理、⑤データ及び設備の安全保障、といった主要なトピックにも対応している。 Office of the Under Secretary of Defense for Research and Engineering ” DoD Releases New Instruction on Additive Manufacturing” (6/10/21)

CSET、中国のサイバーAI人材パイプラインに関する分析報告

セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「中国のサイバーAI人材パイプライン(China’s CyberAI Talent Pipeline)」と題する報告書を発表した。CSETの報告書によれば、中国におけるサイバーセキュリティ及び人工知能(AI)に関する人材育成は、他国との競争力という点で、現在のところ優勢のようで、中国にある世界クラスのサイバーセキュリティ・スクール11校が提供しているAI及び機械学習のクラスは、米国で「サイバー・オペレーションにおける学術エクセレンス・センター(Center of Academic Excellence in Cyber Operations)」と認定されている20大学で提供されているクラスより多い。報告書は、AIをサイバーセキュリティ・カリキュラムへ統合することを試みる米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の13件の研究グラントを追跡することを勧告している。 Center for Security and Emerging Technology “China’s CyberAI Talent Pipeline” (July 2021)

NIST、信頼できるAIを特定するためのガイダンスについてパブコメを募集

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、米政府内外で信頼できる人工知能(AI)へ向けた経路の規則を設定するため、今後発表が予定されているガイダンスに含めるべき内容について、一般からの意見を募集している。NISTは、「AIに関する国家安全保障委員会(National Security Commission on AI)」の勧告を受け、「AIリスク管理枠組み(AI Risk Management Framework)」の策定に取り組んでいる。この枠組みは、政府機関及び業界がAIソリューションを採択する際に検討すべき任意の標準を設定するものである。パブコメは8月19日まで募集しており、①正確性、②説明可能性と解釈可能性、③信頼性、④プライバシー、⑤頑強性、⑥安全性、など、AI標準に関連する様々な概念を定義する最善の方法について意見を募集している。 Federal News Network “NIST seeks input on guidance to pin down trustworthy AI” (7/28/21)

エネルギー省、ゼロ排出自動車の進展加速に6,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は7月28日、乗用車及びトラックによる二酸化炭素排出を削減することを狙いとした24件の研究開発プロジェクトに6,000万ドルを提供すると発表した。受益するのは大学主導及び業界主導のプロジェクトで、①電気自動車(EV)の電池及び電気駆動システムのイノベーションの加速、②商業及び消費者の利用を目的とした新しいモビリティ・システム技術への準備、③乗用車及び商業自動車の効率性向上を目的とした軽量マテリアルの開発、④排出の削減と商業自動車のエンジンの効率性強化、に取り組む。 Department of Energy “DOE Awards $60 Million to Accelerate Advancements in Zero-Emissions Vehicles” (7/28/21)

エネルギー省、製造業のエネルギー効率強化を目的として6,000万ドルの投資を発表

エネルギー省(Department of Energy)は7月26日、大学ベースの産業評価センター(Industrial Assessment Center: IAC)として最大規模の大学コホートに合計6,000万ドルを投資すると発表した。IACは、炭素排出削減とエネルギー費用の低減に取り組む中小企業を支援しつつ、エネルギー効率に関する次世代労働者の育成に取り組む。この画期的な投資を通じて、製造部門全般で脱炭素化のための障害の排除を助け、クリーン・エネルギー経済を達成するというバイデン政権の目標を支援する。今般、28州で32大学がIACとして選出された。 Department of Energy “DOE Announces New $60 Million Investment to Increase Energy Efficiency in Manufacturing” (7/26/21)

カリフォルニア州、干ばつにより、水力発電が減少、地熱と輸入への依存が増大

カリフォルニア州で進行している干ばつにより、同州における水力発電の水準が大幅に低下している。今後も平年以上の気温が予測され、消費者が冷房を利用し、需要が最大となる夏の後半には危険な状態となる可能性がある。カリフォルニア州の独立系統運用機関(Independent System Operator: ISO)の広報担当者は、「ISOにおける水力発電量は毎年異なる。今年の生産量は、水力発電の歴史的な平均を下回るだろう」と述べている。州の大半が、米国干ばつモニター(US Drought Monitor)によって「異常干ばつ」とされている中、ISOのデータによれば、燃料混合全体に水力発電が占める割合は、2020年の7.3%から2021年は5%未満と低下した。干ばつにより水力発電の有用性が低下したことから、その差は天然ガスや輸入電力、再生可能資源といったその他の電力資源で補填されなくてはならない。ISOのデータによれば、再生可能や地熱発電が燃料混合全体に占める割合はそれぞれ増加している。 S& P Global Platts “Drought shrinking California hydro, increasing reliance on thermal, imports” (7/23/21)

グランホルム・エネルギー長官、ジル・フルービーNNSA長官の就任承認を受け、声明を発表

エネルギー省(Department of Energy)のジェニファー・グランホルム長官(Jennifer M. Granholm)は7月22日、上院が、エネルギー次官(核安全保障担当)(Under Secretary for Nuclear Security)及び国立核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)の長官として、ジル・フルービー氏(Jill Hruby)を承認(79対16)したことを受け、声明を発表した。長官は、就任の承認に感謝を述べた上で、「フルービー氏は、エネルギー省における最大のサクセス・ストーリーの一つである。サンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)の職員から出発し、この国家安全保障研究所を主導する最初の女性となり、今後は、安全かつ信頼性の高い核抑止を維持し、我々の国家安全保障を保護する取り組みを主導することになる」と述べた。フルービー氏は1983年に技術スタッフとしてサンディア国立研究所に入所し、2017年に同研究所所長を引退した。 Department of Energy “Statement by Energy Secretary Granholm on the Confirmation of Jill Hruby as NNSA Administrator” (7/22/21)

職員の訓練などに仮想現実を利用する連邦政府機関

陸軍の訓練にマイクロソフト社(Microsoft)のホロレンズ(HoloLens)ヘッドセットを使用する国防総省(Department of Defense)や米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)などでは、拡張現実(AR)・仮想現実(VR)による試験や訓練が既に一般的に行われているが、こうした技術は非軍事部門でも急速に利用されつつある。まだまだ散在的な状況ではあるが、様々な集約的要素により、政府によるAR及びVRの利用が最前線になるかもしれない。「ソフトウェアの改良、モバイル電話技術の向上、そして5Gネットワークの導入により、これらの市場で爆発的な成長がもたらされるだろう」と、デロイト社(Deloitte)の政府・公共セクター部の幹部は述べる。農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)による大学生リクルート・イベントでは、学生はVRヘッドセットを利用し、食品安全検査官として働くことを経験できる。米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)の公共安全通信研究部門(Public Safety Communication Research Division)のユーザー経験チームは、第一応答者がモノのインターネットやハードウェア、ソフトウェア、ブロードバンドを使って活動をより円滑に行えるよう取り組んでおり、そこでもVR及びARが活用されている。 Fed Tech ” NIOSH, NIST, USDA Turn to Virtual Reality to Train Employees” (7/2/21)

エネルギー省、重要生態系の研究と気候・地球システムのモデリング向上に1,100万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は7月22日、森林や乾燥地、沿岸の環境などの重要な生態系が、洪水や干ばつ、熱波などの異常気象の影響をどのように受けているかを研究する17件の新規プロジェクトに合計1,100万ドルを提供すると発表した。これらのプロジェクトは大学が主導し、エネルギー省傘下の国立研究所やその他の政府機関との共同作業が含まれる。地球における最も複雑な環境について調査を行い、気候及び環境の変化の進化的影響を正確に予測する能力の向上に役立てる。受益プロジェクトは、エネルギー省の環境システム科学プログラム(Environmental System Science Program)の下で行われた資金提供公募(FOA)の下、ピアレビューによって競争的に選出された。 Department of Energy “DOE Announces $11 Million to Study Critical Ecosystems and Improve Climate and Earth System Modeling” (7/22/21)