気候同盟、炭素税への支持を巡るロビイストの発言を受け、エクソンモービル社の会員権を停止

超党派の気候リーダーシップ評議会(Climate Leadership Council)は、エクソンモービル社(ExxonMobil)のロビイストが、去る6月に「広報目的から炭素税を支持しているだけである」との発言をしたことを受け、8月6日、同社の会員権を一時剥奪すると発表した。同評議会のCEOであるグレッグ・バーテルセン氏(Greg Bertelsen)は、「慎重な検討の結果、気候同盟リーダーシップ評議会及び炭素ディビデンド(Carbon Dividends)の双方における同社の会員権を停止する」と述べた。エクソン社は2017年に設立された同評議会の創立メンバーであった。エクソン社は、「気候リーダーシップ評議会の決定は失望的かつ逆効果である。また、本件によって、炭素価格付けの進展に向けた当社の取り組みが抑止されることはない」と声明した。 The Hill ” Climate alliance suspends Exxon over lobbyist’s comments on carbon tax support” (8/6/21)

NSF、生物科学におけるカルチャー改善を目指す学会を支援

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、より多様な科学的労働力を確立し、生物科学への参加を拡大し、同分野の科学学会とのパートナーシップを形成することを目的として、「科学コミュニティ宛ての書簡:生物学の専門学会を通じたカルチャー変化の主導(Dear Colleague Letter: LEAding cultural change through Professional Societies (LEAPS) of Biology)」の下、新たに5件のアワードを発表した。合計450万ドルで3件の研究調整ネットワーク(Research Coordination Network: RCN)及び2件のワークショップを支援する。経済・健康・国防を支える先端研究とブレイクスルーの発展には、全ての学問分野が含まれる多様な科学的労働力が必要とされる。受益するRCNの一つは、生物学研究の専門職における先住民の割合を向上させることに焦点を当てた複数の組織の取り組みをまとめる。また、ワークショップ・シリーズの一つは、一連の会合とワークショップを通じて、包含性・多様性・公平性・アクセスに関する監査ツールの開発に焦点を当てている。 National Science Foundation “New NSF awards support societies in changing culture in biological sciences” (8/5/21)

NSF INCLUDES、公平性の強化とSTEMへの参加拡大に焦点を当てた新たな同盟を発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、歴史的に恵まれない層の個人がSTEM教育に包含されるようにするための準備の強化やSTEMへの参加の強化などを目的として、新たに5つのNSF INCLUDES同盟(NSF INCLUDES Alliance)に投資すると発表した。これは、全国規模でSTEMにおける多様性、包含性、参加に関する課題に対処するためのNSF全体の取り組みの一部で、投資額は5,000万ドルとなっている。今回設立されるのは、①先住民コミュニティ内及び同コミュニティとの食料・エネルギー・水システムにおけるキャリアパスの拡大、②身体障害のある学生のSTEMへの参加、ネットワーキング、移行機会、など5つのNSF INCLUDES同盟である。これらの5つのNSF INCLUDES同盟は、従来の8つのNSF INCLUDES同盟と、3,000件以上のパートナーで構成されるNSF INCLUDES全国ネットワーク(NSF INCLUDES National Network)に仲間入りする。 National Science Foundation “NSF INCLUDES announces new Alliances focused on increasing equity and broadening participation in STEM” (8/3/21)

科学出版組織と国立研究所、過去の出版論文の氏名変更プロセスに関して協力(トランスジェンダーの包含)

17の米国国立研究所と多くの大手出版社、専門誌、その他の科学出版組織は7月28日、過去の出版論文について研究者から氏名変更の要請があった場合にそれを支援するパートナーシップを開始すると発表した。ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)がこの取り組みを調整している。今回の合意を受け、過去の出版論文の氏名変更を望む研究者は、キャリアのあらゆる段階における自分の活動をより容易に主張できるようになる。具体的には、一部のトランスジェンダーの研究者が過去の学術活動に関連した自分の氏名を変更するよう要請する際の手続き的及び心理的な苦痛に対処する。従来は、研究者個人が、氏名変更の要請に関するあらゆる負担を負っていたが、今回のパートナーシップにより、研究者個人がその都度行っていたプロセスが合理化される。 Lawrence Berkeley Laboratory “Scientific Publishing Organizations and National Laboratories Partner on Transgender-Inclusive Name-Change Process for Published Papers” (7/28/21)

NIH全般の2021-2025年度戦略的計画発表

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は7月30日、「NIH全般の2021-2025年度戦略的計画(NIH-Wide Strategic Plan for Fiscal Years 2021-2025)」を発表した。今後5年間におけるNIHの最優先事項を示したもので、バイオメディカル及び行動研究の将来の方向性や能力、管理に関するNIHのビジョンが概説されている。計画は、①バイオメディカル及びバイオ行動科学の進展、②科学的研究能力の開発と維持管理と更新、③科学の実施における最高水準の科学的完全性、公共への説明責任、社会的責任の模範と推進、という3つの主要目的の枠組みを中心に構成されている。 National Institutes of Health extramural NEXUS “NIH-Wide Strategic Plan for FY 2021-2025 Now Available” (7/30/21)

全国防衛産業協会(NDIA)、新興技術研究所を立ち上げ

戦場における米軍の優位を維持することを狙いとし、全国防衛産業協会(National Defense Industrial Association: NDIA)は7月26日、新たに「新興技術研究所(Emerging Technologies Institute: ETI)」を始動した。「ETIは、NDIAの独立した関連組織として、米国の経済競争力のニーズと成功に最も重要な技術的進展を特定及び推進する」と、NDIAの理事会議長でプナロ・グループ(Punaro Group)の最高経営責任者(CEO)であるアーノルド・プナロ氏(Arnold Punaro)はコメントした。ETIは、マーク・ルイス・エグゼクティブ・ディレクター(Mark Lewis)(Executive Director)が率い、人工知能や自動化、バイオテクノロジー、サイバー、指向性エネルギー、コマンドといった主要技術分野に焦点を当てる。ETIの正式な発足は7月26日であるが、それに先立って6月には国防近代化に関するワークショップを行っており、その内容に基づいた報告書も発表している。 National Defense Magazine “JUST IN: NDIA Launches Emerging Technologies Institute” (7/26/21)

大統領府、「公平なデータに関する作業部会」からの更新情報を発表

バイデン=ハリス政権発足の初日に、大統領令13985(Executive Order 13985)によって設立された「公平なデータに関する作業部会(Equitable Data Working Group)」の代表者は7月27日、更新情報を発表した。連邦データは、人種や民族、性的指向、性別、身体障害、所得、その他の人工統計学的変数に基づいて利用することが難しいことがしばしばあることから、公平なデータに関する作業部会は、既存の連邦データ収集のインフラにおける不適当性を特定し、連邦政府内の公平なデータ慣行改善のための戦略を策定することを任務としている。本作業部会は2021年秋までに、スーザン・ライス大統領補佐官(内政担当)(Susan Rice)(Assistant to the President for Domestic Policy)に最初の報告書を提出する。報告書では、公平なデータに関するケーススタディや関連機関及び外部関係者との直接協議を通じて特定された具体的な障害や溝について伝える予定である。 White House ” An Update from the Equitable Data Working Group” (7/27/21)

ベンチャーキャピタル投資:歴史的水準ながら、取引案件のファネルに変化

ピッチブック社(PitchBook)と全米ベンチャーキャピタル協会(National Venture Capital Association: NVCA)による2021年上半期のベンチャーキャピタル・モニター(Venture Capital Monitor)は、市場が様々な記録を破る勢いであることを示しているが、特筆すべき点として、記録的水準の投資活動は皆、後期段階の投資によるものとなっている。ファネル(じょうろ)のもう一方の端(初期段階)では、活動は増加しているものの、全体と比べるとさほどの増加ではない。今年上半期のベンチャーキャピタル投資市場は、3,000億ドルの投資(2020年のほぼ2倍)、1万6,000件以上の投資案件(同25%増)となる見込みで、ベンチャーキャピタル投資の取引規模の中央値は、2020年のほぼ50%増となる見込みである(エンジェル及びシード投資の取引規模はこれより遥かに小さい)。こうした投資活動の急増は、間違いなく過去最大になると考えられるエグジットによって支えられている。上半期のエグジットの規模は3,720億ドルで、これは既に2020年の記録(2,870億ドル)を上回っている。 SSTi “VCs invest at historic levels, but deal funnel shifting” (7/29/21)

農務省、米国のバイオベース製品業界の経済的影響分析報告を公開

農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)のジャスティン・マクソン副次官(農村開発担当)(Justin Maxson)(Deputy Under Secretary for Rural Development)は7月29日、USDA認定のバイオベース製品表示の10周年を記念し、「米国のバイオベース製品業界の経済的影響分析報告(Economic Impact Analysis of the U.S. Biobased Products Industry)」と題する報告書を公開した。報告書は、バイオベースの業界が、大幅な経済活動及び雇用をもたらしていること、それらが環境に大幅に前向きな影響をもたらしていることを示している。また、バイオベースの製品業界は、2017年に、①直接的及び間接的貢献を通じて、460万人の米国雇用を支えた、②4,700億ドルを米経済へ寄与した、③バイオベース雇用1件につき、経済のその他の部門で2.79人の雇用をもたらした、ことなどが提示されている。 U.S. Department of Agriculture “USDA Releases Economic Impact Analysis of the U.S. Biobased Products Industry” (7/29/21)

NSF、初となる包括的なイノベーション調査発表(2017年年間ビジネス調査)

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)が発表した「2017年の年間ビジネス調査(Annual Business Survey: ABS)」のデータは、米国内に拠点を置く企業によるイノベーション事例について、初めて包括的な概況を示すものとなっている。2017年ABSによれば、2015-2017年の間に、少なくとも1人の従業員のいる営利目的企業約460万社のうち、3分の2以上(43%)の企業が、何らかのイノベーションを実施した。ここでのイノベーションは、新規もしくは大幅に改善された製品もしくはプロセス、新規のマーケティング手法、新規の組織手法、の実践と定義される。調査結果によれば、16%の企業が「1つ以上の製品イノベーション」、16%が「1つ以上のプロセス・イノベーション」、23%が「マーケティング・イノベーション」、26%が「組織イノベーション」を実践した(企業は複数のイノベーションを報告することができる)。NSFの記事は更に、製造業界、性別/人種別/民族別、州別、製品イノベーション及び研究開発活動、製品イノベーションの新規性、などの項目別に記述している。 National Center for Science and Engineering Statistics “First Comprehensive Innovation Survey for the United States: Data from the 2017 Annual Business Survey” (7/28/21)