CDC、新たな疾病予測センターを立ち上げ

疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)は8月18日、公衆衛生の意思決定における予測・勃発分析の使用を進展させることを目的とした新たなセンターを設立すると発表した。新たに設立される「予測・勃発分析センター(Center for Forecasting and Outbreak Analytics)」は、次世代の公衆衛生データ、専門の疾病モデル作成、公衆衛生緊急応答者、高品質のコミュニケーションを結集して、意思決定者のニーズに対応する。米国救済計画(American Rescue Plan)から資金拠出を受けて設立され、①予測、②接続(コネクト)、③情報提供、の3つの主要な機能に焦点を当てて取り組む。 Centers for Disease Control and Prevention “CDC Stands Up New Disease Forecasting Center ” (8/18/21)

NSF、EPSCoRの将来に関する委員会のメンバーを発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は8月12日、「NSF EPSCoRの将来に関する委員会(Committee on the Future of NSF EPSCoR)」のメンバーとして19名の専門家を選出した。19名の専門家は、指名推薦を受けた70名以上の優秀な候補者の中から選出され、多様な経験を持つメンバーで構成されている。EPSCoRは、「競争的研究を促進するための確立されたプログラム(Established Program to Stimulate Competitive Research: EPSCoR)」で、将来に関する委員会は、外部の関係コミュニティと関与しながらNSF EPSCoRの投資戦略の影響についてより良い理解を得、更なる成功のための新しい機会を特定することで、EPSCoRの展望活動をガイドする。 National Science Foundation ” The National Science Foundation Committee on the Future of EPSCoR” (8/12/21)

大統領府、研究の安全保障と研究者の責任に関する明確な規則策定予定

トランプ前政権は退任直前、「国家安全保障大統領通達(National Security Presidential Memorandum)」(NSPM-33)を通達した。これに関して、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)のエリック・ランダー長官(Eric Lander)は8月10日、「90日以内にNSPM-33の実践ガイダンスを策定する」ことを発表した。NSPM-33は、政府内の研究安全保障政策の最低限の基準を確立したものであり、グラントの応募者及びグラント受益者が、資金提供機関へ開示すべき活動について詳述しており、これには外国政府による人材リクルート・プログラムへの参加などが含まれる。ランダー長官は、NSPM-33の論拠について、具体的に中国政府を挙げ、「米国の研究・技術を不正に取得、さらには直接窃盗することに精力的に取り組んでいる」と述べた。ただし、こうした行動への対策として、米政権は、外国嫌いや偏見を助長するような策は避ける狙いであること、新たな安全保障要件は、善意ある科学者にとり、順守する障壁を下げるために明確かつ統一されたものであるべきであるとも述べている。 White House “Clear Rules for Research Security and Researcher Responsibility” (8/10/21)

アルゴンヌ国立研究所、新たな輸送技術の費用対効果について最も包括的な調査報告を発表

アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)は今般、「異なる車種及びパワートレインの自動車所有総コストに関する包括的定量化(Comprehensive Total Cost of Ownership Quantification for Vehicles with Different Size Classes and Powertrains)」と題する調査報告書を公表した。報告書は、自動車の購入コスト、減価償却、資金調達、燃料費用に加え、従来の技術分析で欠けていた側面(保険や維持管理、修理、税、手数料に関する費用)を加え、自動車所有の全体的な費用を算出している。従来型の乗用車から最先端技術の車までが対象となっており、一般的に先端自動車技術は従来型技術に比べると費用高であるが、運用コストは低くなることがしばしばある。本報告書は、自動車を所有及び運用するための費用、それらの費用がパワートレインによってどのように異なるかを包括的に示している。 Argonne National Laboratory “Argonne study on costs and benefits of new transportation technologies the most comprehensive to date” (8/12/21)

エタノール・プラント、2050年までにネットゼロ排出を誓約

再生可能燃料協会(Renewable Fuels Association)に加盟する40以上のエタノール・プラントは7月27日、バイデン大統領宛てに書簡を送り、「2030年までに50%の温室効果ガス排出削減を、2050年までにネットゼロを達成するという目標を支持する」と表明し、大統領による気候目標への到達を支援すると誓った。書簡は、「2008年以来、エタノールやその他の再生可能燃料の使用により、約10億メトリック・トンの温室効果ガスが大気中に放出されることを防いだ」としている。ガソリンのみの使用に比べると、エタノールを使用することで温室効果ガス排出は52%削減される。しかし、気候目標に到達するには、2030年までに少なくとも70%削減する必要がある。また、エタノール業界は今夏、連邦裁判所による複数の裁定で打撃を受けており、そこからの回復に取り組んでいる。 Farm and Dairy “Ethanol plants pledge to hit net zero emissions by 2050″ (7/28/21)

エネルギー省の主要エネルギー問題に対処する「エネルギー・イノベーション・ハブ」が終了へ

エネルギー省(Department of Energy)による来年度の予算要請によれば、エネルギー・イノベーション・ハブ(Energy Innovation Hub)のほとんどを終了させる意向のようである。エネルギー・イノベーション・ハブは、2009-2013年にオバマ政権下でエネルギー長官を務めたスティーブン・チュウ氏(Steven Chu)が当時、エネルギー関連の問題を解決し、硬化したエネルギー省を活性化させるために考案したものである。チュウ元長官は、これらのハブを、第二次世界大戦中に原子爆弾の開発に奮闘したマンハッタン・プロジェクトとなぞらえ、その他の爆弾プロジェクトと同様に、単発で一時的な取り組みを行うものとした。一部のエネルギー省高官は、エネルギー・イノベーション・ハブが組織内の境界を越えて活動することを嫌ったが、「ハブは、エネルギー省の研究をより応答的で関連性のあるものにすることに成功した」との評価がエネルギー省内外で高い。 Science “Department of Energy’s ‘mini–Manhattan Projects’ for key energy problems wind down” (8/11/21)

「水素経済には10カ年年計画が必要」との主張

8月11日に出版された論文「水素経済への枠組み(A framework for a hydrogen economy)」は、エネルギー研究者は、グリーン経済には水素が必要であり、水素経済には10カ年計画が必要であると主張している。論文は、持続可能な水素経済を展開するために必須な要素として、インフラや輸送、貯蔵、使用に関する詳細を策定すること、経済的な実行可能性のために目標とベンチマークを作ることを概説している。水素経済は既に存在している一方で、現在は、ソーラーや風力によるエネルギーの導入が中心となっている。多くのエネルギー専門家や政策策定者らは、「工業熱や長距離大型輸送、長期的なエネルギー貯蔵のためには、環境に優しい燃料が必要」であり、水素がその燃料となり得ると考えている。 UPI “The hydrogen economy needs a 10-year plan, researchers argue” (8/11/21)

エネルギー省、ソーラーの製造とグリッド技術の進展に4,500万ドルを提供

エネルギー省(Department of Energy)は8月11日、クリーンなエネルギー資源を、継ぎ目なくグリッドに統合することを支援するプロジェクトに4,500万ドルを提供すると発表した。2035年までに発電部門の脱炭素化を目指すバイデン政権を支える取り組みの一つとなる。ソーラー及びその他の再生可能エネルギーが急速に米国内で導入される中、今回受益するプロジェクトは米国の電力グリッドの対応力を強化する新技術及び能力の開発に取り組む。受益プロジェクトは、①グリッド統合技術に関する官民コンソーシアムの設立(2,500万ドル)、②屋根上ソーラー発電に関するより良いデータをユーティリティ機関へ提供するプロジェクト(2件)(600万ドル)、③米国製ソーラー・イノベーションの商業化進展(9件)(1,400万ドル)となっている。 Department of Energy “DOE Awards $45 Million to Advance Solar Manufacturing and Grid Technologies” (8/11/21)

「連邦資金を受益する全てのプロジェクトについて、輸送インフラの環境対応力を評価すべき」との報告

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は、最近発表した報告書「輸送対応力への投資:情報に基づく選択のための枠組み(Investing in Transportation Resilience: A Framework for Informed Choices)」の中で、輸送投資において、気候対応力に常に慎重な注意が払われることを確実にするため、議会は、連邦資金を受益する可能性がある全てのプロジェクトに、対応力評価を義務づけることを検討すべきであるとした。こうした評価は、気候変動を起因とする自然災害やリスクの説明責任を持たせることが目的である。輸送の意思決定に対応力基準を統合することは、過去十年間で大幅な進展が見られたものの、対応力の測定と評価は一貫していないと報告書は指摘している。さらに、「運輸省(Department of Transportation)が、プロジェクトを正当化することを目的として、費用便益分析(benefit-cost analysis: BCA)に対応力の恩恵を含めることを推進すべきである」ともしている。 National Academies ” Environmental Resilience of Transportation Infrastructure Should Be Assessed for All Federally Funded Projects, Says New Report” (8/5/21)

空軍研究所、空軍及び宇宙軍のための量子情報科学研究センターに指定

空軍研究所(Air Force Research Laboratory: AFRL)は、米国の空軍(U.S. Air Force)及び宇宙軍(U.S. Space Force)のための量子情報科学研究センター(Quantum Information Science Research Center)として指定された。指定は、4月23日付のメモでジョン・ロス空軍長官代理(John P. Roth)の署名によって行われた。これによりAFRLは、量子情報科学に基づく軍事能力をより早急に実現する権限を得たことになる。AFRLは、量子情報科学における深い技術的専門性で知られており、AFRL情報総局(Information Directorate)の副所長は、「今回の指定を受け、AFRLは空軍内での量子技術の応用を更に進展させることに取り組む」と述べている。 Air Force Research Laboratory “Air Force Research Laboratory designated as Quantum Information Science Research Center for U.S. Air Force and U.S. Space Force” (8/9/21)