ニューヨーク州電力局(NYPA)とアルゴンヌ国立研究所、気候変動の対応力モデリング研究で提携

州が所有するユーティリティ機関として初めて、ニューヨーク電力局(New York Power Authority: NYPA)は、エネルギー省(Department of Energy)傘下のアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)とパートナーシップを組み、気候リスクに関する包括的な評価を実施するため、100万ドルを投資する。本評価研究の目的は、NYPAが、サービス対象地域における気候の影響を定量化し、システムを気候関連の事象(暴風雨や海面の上昇、熱暑など)から守るためのインフラ投資計画を策定できるようになることである。パートナーシップにはこの他に、電力研究所(Electric Power Research Institute: EPRI)とコロンビア・グローバル・エネルギー政策センター(Columbia Center on Global Energy Policy)が参加する。アルゴンヌ国立研究所による気候モデリング手法は、極めて限定的な地域で将来の気候を予測できる点などが特徴である。 Environment + Energy Leader “NYPA, Argonne Lab Partner On Climate Change Modeling For Resiliency” (8/10/21)

2021年の米国エネルギー部門の二酸化炭素排出、前年比7%増と予想

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)が発表した8月の「短期エネルギー概況(Short-Term Energy Outlook: STEO)」によれば、経済活動の増加と電力部門における燃料混合の変化により、2021年はエネルギー関連の二酸化炭素排出が大幅に増加する見通しである。米国のエネルギー関連の二酸化炭素排出は、2020年に11%減少した後、2021年は7%増加して、49メトリックトンに達する見込みである。EIAは、石炭関連の二酸化炭素排出は2021年に17%増加すると見ている。STEOではこの他に、①米国の天然ガス消費は2021年に1.0%減少する見込み(天然ガスによる発電が減少することが主因)、②7月のガソリン価格は1ガロン当たり3.14ドルで2014年10月以来、最も高い月間平均となっている、などが指摘されている。 Energy Information Administration “EIA expects 7% increase in U.S. energy-sector carbon dioxide emissions as economic activity increases during 2021” (8/10/21)

ベライゾン社とチューリッヒ・インストルメント社、Q-NEXT国立量子科学センターに参加

Q-NEXTに、ベライゾン社(Verizon)とチューリッヒ・インストルメントUSA社(Zurich Instruments USA, Inc.)の2社が企業パートナーとして参加する。Q-NEXTは、国立量子情報科学研究センター(National Quantum Information Science Research Center)の略で、エネルギー省(Department of Energy)傘下のアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)が主導し、3つの国立研究所、9大学、12の米国量子技術企業大手(今回の2社を含む)とのパートナーシップで行われている。Q-NEXTは、量子情報を、その拡散距離に関係なく、制御、保存、伝送する科学及び技術を開発することをミッションとし、Q-NEXTの共同作業者は、現行技術の性能を上回る新規の量子マテリアル及びインストルメントを開発することでこの目標へ向けて共に取り組んでいる。 Argonne National Laboratory “Verizon and Zurich Instruments join Q-NEXT national quantum science center” (8/4/21)

米国におけるAIサマーキャンプの現状

セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「米国におけるAIサマーキャンプ(U.S. AI Summer Camps)」と題する報告書を発表した。人工知能(AI)教育は、米国内で重要なトピックとなりつつあり、教育者や業界リーダー、政策策定者は、AI教育イニシアチブを優先し始めている。一方、サマーキャンプは、多くの米国の学生向け教育で肝要な要素であるが、AI教育に重点を当てたサマーキャンプはほとんど知られていない。本報告書は、米国内におけるAIサマーキャンプの現状をマッピングし、キャンプの開催地、ターゲット層、価格、主催機関の種別について概説している。 Center for Security and Emerging Technology “U.S. AI Summer Camps” (August 2021)

中国におけるSTEMの博士号取得者数、米国を超過

セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「中国におけるSTEMの博士号取得者数は米国を上回り続けている(China is Fast Outpacing U.S. STEM PhD Growth)」と題する報告書を発表した。報告書は、米国と中国におけるSTEM分野の博士号取得者の人材育成を比較したもので、それによれば、中国では、2000年代半ばから、米国よりも多くの学生がSTEM分野の博士号を取得している。そしてその差は今後5年間で拡大する見通しである。2025年までに、中国の大学で毎年、7万7,000名以上がSTEM分野の博士号を取得し、米国では約4万人と予想されている。STEM分野の博士号取得者数は、同分野における将来の競争力を示す重要な指標である。 Center for Security and Emerging Technology “China is Fast Outpacing U.S. STEM PhD Growth” (August 2021)

NOAA、気候科学とサービスの強化を目的として新たに気候評議会を創設

国立海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)は7月21日、新しく「NOAA気候評議会(NOAA Climate Council)」を創設すると発表した。同評議会は、NOAAの資源と専門性を使って、気候危機に対する政府全体の取り組みを支援する。評議会は、NOAAの最上級レベルの上級リーダーで構成され、NOAAの気候関連のミッション、資源、政策の優先事項に関して、NOAA長官へ助言を提供する。また、初期の優先事項として、①NOAAの気候科学及びサービスが米国の適応、軽減、対応力に関する取り組みの基盤となることを確実にする、②NOAAの気候製品及びサービスが全てのコミュニティに公平に提供されるよう進展する(特に気候変動の影響に最も脆弱なコミュニティ)、③NOAAの気候ポートフォリオを商務省(Department of Commerce)やその他の機関、パートナーとの間で調整し、互いの専門性を活用し、共同作業の価値とイノベーションを強化する、の3点を挙げている。 National Oceanic and Atmospheric Administration “New NOAA Climate Council to enhance delivery of climate science and services” (7/21/21)

アイダホ国立研究所の報告書、マイクロリアクターに将来の市場を見出す

エネルギー省(Department of Energy)傘下のアイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory)は、マイクロリアクター市場とマイクロリアクターに関し、2030-2050年における具体的な世界市場での導入に関する能力と可能性を分析した報告書「マイクロリアクターの世界市場分析(Global Market Analysis of Microreactors)」を発表した。マイクロリアクターは、小型モジュラー原子炉(small modular reactor: SMR)の一部で、1~20Mwe(メガワット・エレクトリカル)の能力を持ち、「原子力電池」と呼ばれることもある。報告書は、短期・中期的なマイクロリアクターの導入は、一部のエネルギー市場を支援する可能性があるが、新規市場のシェアを獲得するには克服すべき大きな障害があるという。また、長期的には、脱炭素化の取り組みに貢献できる可能性があるという。 World Nuclear News “US study sees future markets for microreactors” (7/22/21)

エネルギー省、廃棄物と藻類バイオエネルギー技術の進展に約3,400万ドルを拠出

エネルギー省(Department of Energy)は8月3日、バイオ燃料、バイオ電力、バイオ製品を改良及び生産するための高インパクトな研究開発に取り組む11件のプロジェクトに、約3,400万ドルを提供すると発表した。これらのバイオマス資源は、自治体の固形廃棄物や藻類から生産され、低炭素燃料に転換することができる。この低炭素燃料は、電気化が難しい輸送部門(航空や海上)の脱炭素化に大きく貢献することができる。11件の受益プロジェクトは、①廃棄物のエネルギー転換に関する研究開発(1,500万ドル)と、②藻類の養殖慣行を改善し、生産を強化する(1,870万ドル)、に取り組む。 Department of Energy “DOE Announces Nearly $34 Million to Advance Waste and Algae Bioenergy Technology” (8/3/21)

英国の主要科学資金提供機関、受益者に論文の即時無償公開を義務付け

英国は現在、オープン・アクセス論文の割合が世界で最も高い国の一つであるが、同国の主要資金提供機関である英国研究及びイノベーション(UK Research and Innovation: UKRI)は8月6日、UKRIから資金提供を受ける全ての研究に対し、出版と同時に誰でも無償で読めるようにすることを義務付ける新たな方針を発表した。従来のUKRIの方針では、受益する研究者は、①専門誌に「ゴールド」オープン・アクセスの費用を支払い、論文は出版社のウェブサイト上で無料で読めるようにする、②「グリーン」ルートとして、最長1年間の待機期間を経た後に論文を公共のリポジトリへ預け入れる、の2種類が認められていた。しかし、2022年4月から、1年間の待機期間は認められなくなり、②を選択する研究者は論文の出版と同時に論文をリポジトリに預け入れることが義務付けられ、出版社はUKRIが資金提供して作成された論文の著作権を頼りとすることはできなくなる。 Science “Major U.K. science funder to require grantees to make papers immediately free to all” (8/6/21)

DARPA、軍事システムが不測の事態に適用できるようにする取り組み

多くの複雑な軍事用サイバー物理システムは、数十年間持続するよう設計されているが、期待される機能性と能力は時間の経過と共に進化し、変更と適用が必要とされる。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)のプログラム・マネジャーによると、「軍事システムに変更が伴うことは明白であり、米国軍隊にはより大幅な適用能力が必要とされる」という。こうした中、DARPAは、「内省的制御の学習(Learning Introspective Control: LINC)」プログラムを開始した。本プログラムの狙いは、機械学習ベースのイントロスペクション(内省的)技術を開発することで、物理的なシステムが不測の事態にリアルタイムで適用し、人間及び人工知能(AI)のオペレーターにシステムの変更について効率的にコミュニケーションできる能力を提供することを目指す。 Defense Advanced Research Project Agency “Enabling Military Systems to Adapt to the Unexpected” (8/3/21)