エネルギー省、2050年までに大気からギガトンの炭素汚染を排出する炭素ネガティブ・地球ショットを開始

エネルギー省(Department of Energy: DOE)のジェニファー・グランホルム長官(Jennifer M. Granholm)は11月5日、大気からギガトンの二酸化炭素を排出し、それらを正味二酸化炭素相当量1トンにつき100ドル以下で永続的に貯留するという新たな目標を発表した。この「炭素ネガティブ・ショット(Carbon Negative Shot)」は、エネルギー省による「エネルギー地球ショット(Energy Earthshots)」イニシアチブ内の3番目の目標で、政府による初めての主要な二酸化炭素排出(carbon dioxide removal: CDR)努力となる。CDRは、2050年までにネットゼロ排出を達成する計画において主要な一面である。米国は、炭素ネガティブ・ショットを通じて、CDRのイノベーションを加速させ、研究/製造/実証のリーダーとして自らを位置づける。 Washington Post “Amazon joins race for quantum computer with new Caltech center” (10/26/21)

米国、民間企業大手雇用主に適用されるワクチン接種の義務付け期限を1月4日に設定

バイデン政権は11月4日、大手企業が従業員に新型コロナウィルスのワクチン接種を義務付けるか週間の検査を開始する期限を2022年1月4日に設定した。民間企業を新型コロナ対策に取り込むための政府の最大の取り組みとなる。新たな規則は、従業員が100名以上の企業に適用され、8,400万人の労働者をカバーし、そのうち約3,100万人が未接種と考えられている。また、これとは別の措置として、メディケア(Medicare)及びメディケイド(Medicaid)の資金を受けている介護施設、その他の医療施設は、全職員が1月4日までにワクチン接種を完了していることを確実にする必要がある。こちらは週間検査の選択肢はなく、1,700万人の労働者に影響すると見られている。バイデン大統領は、連邦政府職員及び連邦契約企業にもワクチン接種を義務付けている。しかし、大手企業への義務付けは、最も広範囲に及び、論争的な措置となる可能性がある。 New York Times “U.S. Sets Jan. 4 Vaccination Deadline for Big Private Employers” (11/4/21)

サンディエゴ市、2035年までに炭素排出の「ネットゼロ」を目指す

カリフォルニア州サンディエゴ市のトッド・グロリア市長(Todd Gloria)は10月27日、市の気候行動計画(Climate Action Plan)の更新版の特徴は、2035年までに温室効果ガス排出の「ネットゼロ」を達成し、これに法的拘束力をもたせることであると発表した。これは、車両やビルに化石燃料を用いてエネルギーを供給することで生産される排出は全て、大気から同量の温室効果ガスを排出することで相殺されることを意味する。グロリア市長は、市がどのようにネットゼロ排出を達成するのかについて正確な説明は行わなかったが、これまでには知られていなかった気候行動計画の更新版に関する詳細を説明した。例えば、市の排出の最大シェアを占める交通部門に関する既存の気候計画(自動車による通勤・通学者の割合を全体の50%に削減し、残りは自転車や徒歩、公共交通機関を利用する)は、主要公共交通機関の停留所・駅から0.5マイル範囲内の住民に限定されていたが、新たな目標として市全体の通勤・通学者が対象となる。 National Renewable Energy Laboratory “News Release: NREL Researchers Point Toward Energy Efficiency for Achieving 100% Renewable Grid” (11/2/21)

米国、世界のエネルギー・システムの脱炭素化加速を目指し、「ネットゼロ世界イニシアチブ」を立ち上げ

米国は11月3日、「ネットゼロ世界イニシアチブ(Net Zero World Initiative)」の立ち上げを発表した。ネットゼロ世界イニシアチブは、気候に関する野心的な誓約の実践に取り組む国どうしの新たなパートナーシップで、ネットゼロで対応力と包含性のあるエネルギー・システムへの移行を加速させる。エネルギー省(Department of Energy)が「より良い世界の再建(Build Back Better World)」イニシアチブの一環として本イニシアチブを主導し、気候問題に取り組む国々は、米政府及びエネルギー省傘下の国立研究所と協力し、高度かつ具体的に調整され行動可能な技術ロードマップと投資戦略を作成及び実践する。創立パートナー国は、アルゼンチン、チリ、エジプト、インドネシア、ナイジェリア、ウクライナで、その他の国も参加する予定である。 Department of Energy “U.S. Launches Net-Zero World Initiative to Accelerate Global Energy System Decarbonization” (11/3/21)

エネルギー省、高エネルギー物理学における「先端コンピューティングを通じた科学的発見(SciDAC)」パートナーシップに3,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は11月3日、高性能コンピュータの効果的な利用を可能にする共同作業を通じて、宇宙を理解するためのコンピュテーション及びシミュレーション技法ならびにツールの研究に3,000万ドルを提供する計画を発表した。「先端コンピューティングを通じた科学的発見(Scientific Discovery through Advanced Computing: ScieDAC)」プログラムを通じて、科学とエネルギー研究の主要分野における専門家と、ソフトウェア開発や応用数学、コンピュータ科学の専門家が結集し、高性能コンピューティング資源を最大限に利用する。今回は、高エネルギー物理学(High Energy Physics: HEP)における5回目のScieDACパートナーシップ(SciDAC Partnership)募集となる。応募できるのはエネルギー省傘下の国立研究所で、複数機関による学際的なコンソーシアムのプロポーザルを提出する。 Department of Energy “Department of Energy Announces $30 Million for Scientific Discovery through Advanced Computing (SciDAC) Partnership in High Energy Physics” (11/3/21)

大統領府、米国最高データ科学者にデニス・ロス氏を任命

公共利益に関する技術の専門家であるデニス・ロス氏が、新たな米国最高データ科学者(U.S. Chief Data Scientist)に任命された。ロス氏は、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)に入局する。ロス氏は自身の採用について、「米国最高データ科学者のミッションは、データが持つパワーを全ての米国民に恩恵をもたらすよう責任ある形で解放すること」と自身のブログに投稿している。最高データ科学者には広範囲の権限があり、連邦データの社会的リターンを最大限化するためのビジョンの提供や、省庁機関と協力した上でデータ管理のベスト・プラクティスの確立、データ科学の優秀な人材の採用・維持が含まれる。 Fedscoop “White House appoints Denice Ross as US chief data scientist” (11/3/21)

国立再生可能エネルギー研究所(NREL)、水力発電所にサイバーセキュリティと節約をもたらすツールを開発

エネルギー省(Department of Energy)の水力技術局(Water Power Technologies Office)の支援を受けて、国立再生エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)とアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory: ANL)が開発した新たなツール「サイバーセキュリティ予想最大損失額の枠組み(Cybersecurity Value-at-Risk Framework: CVF)」は、水力発電所事業者にサイバーセキュリティのリスクを評価し、様々な投資によって全体的な対応力を向上させる方法を実証するものである。オンライン・ツールであるCVFは、水力発電事業の詳細な分析を通じて利用者にガイドを提供する。CVFは現在、デルタ・モントローズ電力協会(Delta Montrose Electric Association)の水力発電施設で初期ケーススタディを通じて検証が行われている。 National Renewable Electric Laboratory “NREL Tool Provides Cybersecurity and Savings for Hydropower Plants” (10/29/21)

コロラド・マウンテンの住宅で自動エネルギー管理の試験プログラムを実施へ

コロラド州バサルトにある山に位置するバサルト・ビスタ・コミュニティ(Basalt Vista community)で、エネルギー効率と再生可能エネルギー統合に関する極めてスマートな取り組みが実施される。国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は、コミュニティ内の住宅に、R&D100アワード(R&D 100 Award)を受賞した「フォアシー(foresee)」ソフトウェアを導入し、スマートエネルギー管理とコミュニティ・レベルのエネルギー集合体及び調整について現場試験を行う。これは、「スマート・コミュニティ(Smart Community)」プロジェクトの一環として行われるものである。フォアシー・ソフトウェアは、物理学ベースのモデリング、機械学習アルゴリズム、先端データ分析を用いてバサルトの住宅所有者に、快適さや利便性、グリッドへの恩恵とのバランスを図った住宅全体のエネルギー費用の節約をもたらす。 National Renewable Energy Laboratory “Colorado Mountain Homes Prepare To Pilot Autonomous Energy Management” (11/1/21)

ホワイトハウス、気候・環境チームを拡大

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は10月29日、新設された「気候・環境部(Climate and Environment Division)」に5名が加わることを発表した。それらは、①アシスタント・ディレクター(気候・生物多様性担当)のパトリック・ゴンザレス博士(Assistant Director for Climate and Biodiversity Dr. Patrick Gonzalez)、②アシスタント・ディレクター(災害準備・対応担当)のケイト・ダーガン・マルキス氏(Assistant Director for Disaster Preparedness and Response Kate Dargan Marquis)、③アシスタント・ディレクター(生物多様性・保全科学担当)のヘザー・タリス博士(Assistant Director for Biodiversity and Conservation Science Dr. Heather Tallis)、④米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science: AAAS)レヴェル・フェロー(Revelle Fellow)のアン・マリー・カールトン博士(Dr. Ann Marie Carlton)、⑤・ジュニア政策補佐官のヘイリー・ケース-スコット氏(Junior Policy Advisor Haley Case-Scott)の5名。こうした動きは、気候危機と生物多様性の損失に対して、様々な見解から導き出された健全な科学をもって対処するというバイデン=ハリス政権のコミットメントを強調する。 White House “White House …
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リチウム電池のサプライチェーンの溝を埋める新同盟が発足

広範な電気化によって電気自動車及び定置型貯蔵のためのリチウム・ベースの電池の需要が増大しており、米国内の電池サプライチェーンは拡大する必要があるなか、電池エコシステム全般をつなぐ橋を構築するべく、エネルギー省(Department of Energy)傘下のアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)は、新たな官民同盟「Li-ブリッジ(Li-Bridge)」の発足を発表した。Li-ブリッジは、頑強かつセキュアなリチウム・ベース電池の国内サプライチェーンの開発を加速させることにコミットし、主要なステークホルダーをつなぎ、サプライチェーンの向上につなげることに焦点を当てている。米国電池業界でのこうした共同作業は本件が初となる。アルゴンヌ国立研究所が、民間業界と連盟先端電池コンソーシアム(Federal Consortium for Advanced Batteries: FCAB)の間の促進役として機能する。FCABは、リチウム電池の国内供給を確実にすることに関心のある連邦機関の集まりで、先般、「2021-2030年のリチウム電池の国家設計図(National Blueprint for Lithium Batteries, 2021-2030)」を発表している。 Argonne National Laboratory “Bridging the lithium battery supply chain gap — a new alliance in the U.S.” (10/27/21)