CSET、半導体製造向けの規制改革の重要性を指摘

セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「許可がなければ工場はない:半導体製造向け規制改革の重要性(No Permits, No Fabs: The Importance of Regulatory Reform for Semiconductor Manufacturing)」と題する報告書を発表した。議会は、米国内の半導体製造及びサプライチェーンの対応力強化を狙いとした「米国チップ法案(CHIPS for America Act)」に520億ドルの予算を充当する動きを進展させている。しかし、米国の半導体へのアクセスを強化するために、製造のインセンティブ以外に可能なことは多くあるとされている。報告書は、米国を新たなチップ製造能力を構築するより魅力的な場所とし、半導体製造に必要な主要材料への継続的なアクセスを確実にすることができるインフラ投資及び規制改革について概説している。 Center for Security and Emerging Technology “No Permits, No Fabs: The Importance of Regulatory Reform for Semiconductor Manufacturing” (October 2021)

FAA、5Gネットワーク計画が航空の安全にもたらす影響を懸念

情報筋によれば、連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)は、5G無線ネットワークのためにスペクトラムを利用する計画が航空の安全性にもたらす影響について深く懸念しており、本件について正式な警告書簡を通達する計画である。航空業界は、Cバンド(C band)と呼ばれる無線周波数帯を使用する計画について、1年以上にわたって懸念を表明している。ネットワーク会社は、12月5日より、46の市場でこの周波数帯の使用を開始する見込みである。FAAのブラッドレー・ミムズ副長官(Deputy Administrator, Bradley Mims)は、10月6日付けの書簡(これまで報じられていなかった)で、「FAAは、Cバンドにおける5Gネットワーク事業から生じる電波高度計への障害の結果として、航空の安全性にもたらされる潜在的な影響への深い懸念を共有している」と述べている。FAAの広報官は10月29日、「FAAは、航空事業と新世代の5Gセルラー技術が安全に共存できるよう、他の機関との関与を継続する」と述べている。 Reuters “FAA has ‘deep concern’ about 5G network plan on aviation safety — letter” (10/29/21)

量子経済開発コンソーシアム(QED-C)、量子マーケットプレイスを公開

量子経済開発コンソーシアム(Quantum Economic Development Consortium: QED-C)(SRIインターナショナル社(SRI International)が管理運営)は、量子マーケットプレイス(Quantum Marketplace)を一般公開した。量子マーケットプレイスは、量子技術のプロバイダーとサービスを紹介し、顧客やパートナーと結びつけるサービスで、その狙いは、量子関連技術のニーズを持つ者が、サプライヤーや顧客、パートナーを見つけられるよう仲介することである。今年初めにQED-Cの会員向けにマーケットプレイスを開始して以来、量子業界の中で既に結びつきをもたらしている。量子マーケットプレイスでは、量子技術の商業化に関連がある具体的な分野で企業に焦点を当てたウェブセミナーが毎月開催されている。 PR Newswire “QED-C Goes Public with the Quantum Marketplace” (10/28/21)

アマゾン社、カリフォルニア工科大学に新たな量子センターを設置

アマゾン社(Amazon)が正式に量子コンピュータ開発競争に参入する。同社は、カリフォルニア工科大学(California Institute of Technology: Caltech)の構内に新たなセンサーを設置し、量子チームを作る。同センターは今週、正式に開設され、Caltechは、「このセンターは、企業とのパートナーシップによって大学構内に初めて設立されたビルである。本件は、基礎科学を市場へと移行させることに関するCaltechの関心を示す」と述べた。量子コンピュータに対する企業の関心は増大している。グーグル(Google)、IBM、ハネウェル(Honeywell)、マイクロソフト(Microsoft)、スタートアップのイオンQ(IonQ)の各社が、基礎研究を実施する数多くの大学と共に、量子コンピュータの構築を巡る米国競争を主導している。中国では、上海と合肥にある大学研究グループが中国政府の手厚い投資を受けながら研究を行っている。今回の場合、アマゾン社はCaltechの土地を賃貸して研究センターを建設、同センターを所有及び運営する。Caltechの教授2名が休職してアマゾン社に参加し、センターでの研究を担当する。ビル内の活動から発生した知的財産はアマゾン社が所有し、アマゾン社の支援を受けて行われたプロジェクトを通じてCaltechが生み出した知的財産は大学に所属する。一部のケースでは双方が知的財産を所有する。 Washington Post “Amazon joins race for quantum computer with new Caltech center” (10/26/21)

パシフィック・ノースウェスト国立研究所にエネルギー科学センター開館

エネルギー省(Department of Energy)のジェニファー・グランホルム長官(Jennifer Granholm)、ワシントン州のジェイ・インスレー知事(Jay Inslee)、科学者達は10月29日、パシフィック・ノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory: PNNL)に建設された9,000万ドルの研究施設「エネルギー科学センター(Energy Sciences Center)」のバーチャル除幕式に出席した。PNNLのスティーブン・アシュビー所長(Steven Ashby)は、「エネルギー科学センターは、自動車排出を削減し、次世代のエネルギー貯蔵技術を開発し、より効率的な製造手法を創出することで、米国が脱炭素化目標に到達することを支援する」と述べた。同施設は14万平方フィートで、52のラボ空間、柔軟な使用が可能な共同作業空間、会議室、オフィスを有する。連邦議会は2018年3月に、同施設の設計と建設に9,000万ドルの予算を承認した。ワシントン州は、クリーン・エネルギー基金(Clean Energy Fund)を通じて、先端科学機器の購入を目的とした800万ドルのマッチング資金を提供し、PNNLの管理運営会社であるバテル社(Battelle)は500万ドルを提供した。 Pacific Northwest National Laboratory “Energy Secretary, Washington Governor Dedicate Energy Sciences Center at PNNL” (10/29/21)

民間非営利組織のR&Dへの連邦予算、2019年度は83億ドル

2019年度における非営利組織による研究開発(R&D)へ提供された連邦予算(obligation)は、83億ドルに達した。これは、多くの連邦機関の予算に「米国景気対策法(American Recovery and Reinvestment Act of 2009: ARRA)」からの資金が盛り込まれていた過去最高の2010年度の81億ドルより多い。名目ドルベースで見ると、連邦機関から非営利組織のR&Dへの予算は、2000年度の35億ドルから2019年度には135%増加した。インフレ調整後の2019年度のR&D予算は合計74億ドルで、2000年度の45億ドルから63%の増加となる。しかし、2010年度(85億ドル)と比較すると12%の減少となる。資金拠出側で見ると、厚生省(Department of Health and Human Services)と国防総省(Department of Defense)の双方で、連邦全体の85%以上を占める。受益者側で見ると、非営利組織のR&Dへの連邦予算の受益機関の60%を25機関が占め、これらの非営利組織の多くは、医療及び生物科学に従事している。 National Center for Science and Engineering Statistics “Federal Obligations for R&D to Private Nonprofit Institutions Totaled $8.3 Billion in FY 2019” (10/28/21)

米国科学審議会(NSB)、科学協力における米国の主要な役割を強調

米国科学審議会(National Science Board: NSB)が10月28日に発表した報告書「出版物:米国の傾向と国際比較(Publications Output: U.S. Trends and International Comparisons)」内のデータによれば、中国は世界で最も多くの科学論文を出版している。また、米国内では、女性や社会的少数派が博士号を取得する前に論文を発表する割合は、白人/男性の同僚に比べてはるかに低い。この報告書は、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)による科学工学指標(Science & Engineering Indicators)(2022年版)の一部として発表されたもの。報告書によれば、2020年に発表された科学・工学出版物の23%を中国(1位)が占め、2位の米国は16%であった。欧州連合(EU)はグループ全体で見ると24%を占める。一方、共同執筆者の所属機関が2カ国以上である場合、「国際協力」として認識される。米国研究者の国際協力の割合は、2000年の「7論文中ほぼ1論文」から、2020年には「3論文中1論文以上」へと増加している。更に、こうした米国研究者の国際協力論文で最も頻繁なパートナーは中国であることから、米国にとって中国は主要な協力国であり競合国ともなっている。 National Science Foundation “NSB Report Highlights Key Role of United States in Scientific Collaborations” (10/28/21)

バイデン政権、強力な温室効果ガスであるメタンを規制へ

バイデン政権は11月2日、原油・天然ガス事業から排出され、短期的には二酸化炭素よりも80倍速く大気を暖める強力な温室効果ガス、メタン・ガスを厳しく規制していくと発表した。環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は、米国内に約100か所ある既存の原油・天然ガスのリグから排出されるメタン・ガスを規制する意向である。連邦政府はかつて、2015年以降に構築された油田・ガス田からのメタン・ガス漏洩を防止することを狙いとした規則を設定したが、それらはトランプ前政権によって撤回された。世界100か国以上が英国のグラスゴーで開催されている国連気候変動サミットに集結し、世界のメタン・ガス排出を2030年までに30%削減することを約束したのと時を同じくして、バイデン政権による今回の発表が行われた。バイデン政権は、温室効果ガスの排出量が最大である米国が気候変動の軽減にどれほど真剣であるのかを示すよう国内外から強い圧力を受けている。バイデン政権下、EPAの他、運輸省(Department of Transportation)と農務省(U.S. Department of Agriculture)もメタン・ガス排出削減に取り組んでいる。 New York Times “Biden Administration Moves to Limit Methane, a Potent Greenhouse Gas” (11/2/21)

エネルギー省、寒冷地用ヒートポンプの性能と効率性向上を目的として冷暖房業界と提携

エネルギー省(Department of Energy)は、11月1日、業界パートナー6社が、「寒冷地用ヒートポンプ技術チャレンジ(Cold Climate Heat Pump Technology Challenge)」に参加することを発表した。本チャレンジは、ホワイトハウスが5月に発表したもので、この分野における新たなヒートポンプの性能と費用の手頃さでの向上を通じて寒冷地における暖房ソリューションの炭素排出を削減することを狙いとしている。エネルギー省はこのパートナーシップを通じて、業界における最近の進展を土台に、消費者向けのより効率的でクリーンな寒冷地用ヒートポンプ市場への移行を加速させる。キャリア(Carrier)、ダイキン、三菱電機など冷暖房機器メーカー6社が、エネルギー省、カナダ天然資源省(Natural resources Canada)、米環境保護省(Environmental Protection Agency: EPA)、州政府、その他の効率プログラムやユーティリティ関係機関と提携し、プロトタイプ製品の性能実証、現場での実証開始、導入加速を目的としたパイロット・プログラムに取り組む。 Department of Energy “DOE to Partner with Heating Industry to Improve Performance and Energy-Efficiency of Cold Climate Heat Pumps” (11/1/21)

エネルギー省、自動車とトラックの排出削減に約2億ドルを投入

エネルギー省(Department of Energy)は11月1日、よりクリーンな自動車とトラックを国内に普及させることと、国内の電気自動車(EV)充電インフラの向上を目的として、25件のプロジェクトに1億9,900万ドルを提供すると発表した。これには、電池と燃料電池で稼働する長距離トラックも含まれる。2009年に大型トラック車両の燃費向上を目的として開始されたイニシアチブ「スーパートラック(SuperTruck)」の3回目となる「スーパートラック3」として、中型及び大型トラックの電気化と燃費向上及びゼロ排出を達成するための車両システム概念に取り組む大型自動車メーカー5社に、1億2,700万ドルを提供する。また、「低温室効果ガスに関する資金提供(Low Greenhouse Gas funding opportunity)」として、企業や学術機関、非営利組織による20件の研究/開発/実証プロジェクトに合計7,100万ドルを投資する。 Department of Energy “DOE Announces Nearly $200 Million to Reduce Emissions From Cars and Trucks” (11/1/21)