オークリッジ国立研究所とテネシー・バレー公社、脱炭素化促進と炭素フリー技術の探索で提携

エネルギー省(Department of Energy)傘下のオークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)とテネシー・バレー公社(Tennessee Valley Authority: TVA)は、新たな覚書(memorandum of understanding: MOU)を通じて、発見から導入に至るまでの脱炭素化技術の進展で協力する。TVAは、地元の153の企業へ電力を供給し、その利用者数は1,000万人に上る。新たなMOUの下、双方は、①発電所の排気装置などからの直接空気回収(ダイレクト・エアー・キャプチャー、Direct Air Capture: DAC)、②二酸化炭素を価値のある製品への転換、③水素の生成と活用、④静的及び動的な電気自動車の充電及び応用、などの探索に取り組む意向である。 Oak Ridge National Laboratory “ORNL, TVA partner to drive decarbonization, explore carbon-free technologies” (3/1/22)

国立エネルギー技術研究所、炭素捕獲・隔離(CCS)報告を発表

国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)は2月24日、「炭素の捕獲と輸送と貯留、サプライチェーンに関する見直し(Carbon Capture, Transport and Storage, Supply Chain Review)」と題する報告書を発表した。報告書は、「炭素捕獲・隔離(carbon capture and storage: CCS)技術の進化は、特筆すべき雇用増の可能性を秘めている。また、これによるサプライチェーンの大幅なリスクは呈されていない」としている。報告書の執筆者は、サプライチェーンのリスクが低い大きな理由として、CCSのインフラは米国生産の部品で供給できる点を指摘している。また、CCS業界を構築することで、中西部州、アパラチアン山脈沿いの州、南部の州を中心に、建設、運用、維持管理を通じて、最高180万人の雇用が創出される可能性があるとしている。 National Energy Technology Laboratory “NETL CCS REPORT SEES MAJOR JOB GROWTH POTENTIAL AND NO SIGNIFICANT SUPPLY CHAIN RISKS” (2/24/22)

国防総省、官民マイクロエレクトロニクス・コモンズについて情報を模索

国防総省(Department of Defense)は、マイクロエレクトロニクスのイノベーション推進を目的として、地域的なハブを創出する官民パートナーシップを追求するにあたり、学術機関やスタートアップ、中小企業、政府研究所、国内半導体製造事業者からの情報を求める情報の要請を通知した。これは、「マイクロエレクトロニクス・コモンズ(Microelectronics Commons)」と呼ばれ、国防次官(研究工学担当)(Under Secretary of Defense for Research & Engineering)主導の横断型機能チームの構想によるアイデアで、①研究室から製造へつながる試験/プロトタイプ作成のハブを創出し、マイクロエレクトロニクス技術の成熟化に焦点を当てたネットワークを構築、②これらのプロトタイプ作成ハブへの広範なアクセスを提供、③地元の大学に通う学生を対象としたマイクロエレクトロニクスの教育及び訓練を促進し、地元の半導体経済を強化する労働力の潜在的パイプラインを構築、を狙いとしている。 Department of Defense “DoD Seeking Information for Public-Private Microelectronic Commons” (2/25/22)

90以上の組織が十年以内の排出半減を誓約

エネルギー省(Department of Energy)は2月28日、90以上の企業及び団体が、エネルギー省の「より良い気候チャレンジ(Better Climate Challenge)」を通じて、2030年までに炭素排出を50%削減することを誓約した」と発表した。この全国的な官民パートナーシップは、国内の組織に、事業全体で大胆な温室効果ガス排出削減目標を設定し、その革新的なソリューションやベスト・プラクティスをパートナーや業界内で共有するよう要請するもの。「より良い気候チャレンジ」の創立パートナーには、米国イケア(IKEA Retail U.S.)、ヒルトン(Hilton)、メリーランド州などが含まれる。 Department of Energy “DOE Announces Pledges from 90+ Organizations to Slash Emissions by 50% Within Decade ” (2/28/22)

エネルギー省、国内の重要元素供給を強化する技術の開発に4,400万ドルを拠出

エネルギー省(Department of Energy)は2月24日、クリーンエネルギーへの移行に必要とされる重要元素の国内供給強化へ向け、正味ゼロもしくは正味マイナス排出の道筋を米国にもたらす技術の開発に、最高4,400万ドルを提供すると発表した。この資金提供プログラム「マイナス排出資源の回収につながる採鉱イノベーション(Mining Innovations for Negative Emissions Resource Recovery: MINER)」は、エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)によるプログラムで、銅やニッケル、リチウム、コバルト、レアアース元素、その他の重要元素の国内供給の強化を可能にし、商業的に拡張可能な技術を開発することを狙いとしている。 Advanced Research Projects Agency-Energy “U.S. Department of Energy Announces $44 Million to Develop Technologies that Sustainably Increase Domestic Critical Elements Supplies” (2/24/22)

バージン・ハイパーループ社、人員を半減し、貨物輸送に軸足を変換

米企業のバージン・ハイパーループ社(Virgin Hyperloop)は2月18日、従業員111名を解雇し、同社が開発を進めている実験的な輸送システム(ポッド型車両が低圧管内を最高時速670マイルで走行)について、これまでに計画してきた乗客輸送ではなく、貨物輸送を中心とすることを発表した。人員はほぼ半減されたことになる。バージン・ハイパーループ社は、「(人員削減により)コスト効果の高い形で機敏に対応することが可能になる。方向性の転換は、世界的なサプライチェーン問題と新型コロナの影響に関連するものである」とする。同社の支援者には、アラブ首長国連邦ドバイにある政府物流プロバイダー及び港湾事業者のDPワールド社(DP World)とリチャード・ブランソン氏(Richard Branson)のバージン・グループ(Virgin Group)が含まれ、これまでに、4億ドル以上の資金を調達している。 Financial Times “Virgin Hyperloop axes half its staff to focus on freight” (2/21/22)

DARPA、フォールトトレラントな量子コンピュータを開発

量子コンピュータについては現在、「重要な問題を解決できる完全にフォールトトレラント(システムに障害が生じても、自動的に修正することで正常に稼働を続けられること)の量子コンピュータが登場するのは数十年先」という見方が優勢である。しかし、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、有益なフォールトトレラントな量子コンピュータはそれよりもかなり早期に構築できるという考えを積極的に評価したいと考えている。DARPAは今般、「ユーティリティ規模の量子コンピューティングのための未踏のシステム(Underexplored Systems for Utility-Scale Quantum Computing: US2QC)」プログラムを発表した。US2QCプログラムは、量子コンピューティングに関する未踏の手法を使うことで、従来型の予想よりも大幅に早くユーティリティ規模の運用を実現できるかどうかを判断することを狙いとしている。 Defense Advanced Research Project Agency “Are Fault-Tolerant Quantum Computers on the Horizon?” (2/22/22)

エネルギー省、研究開発及びパートナーシップのパイロットに150万ドルを投入

エネルギー省(Department of Energy: DOE)は2月23日、エネルギー省の気候/地球/環境科学関連プログラムからの助成をあまり受けていない大学(以下、「助成が少ない学術機関」)へ150万ドルを提供し、これらの学術機関へ技術支援を提供することでその参加を拡大する計画を発表した。今回の資金提供公募(FOA)の目標は、助成が少ない学術機関において、気候/地球/環境科学における研究と訓練の能力開発を育成することである。そのために、FOAは、助成が少ない学術機関と、国立研究所及び、現在、エネルギー省の生物学・環境研究(Biological and Environmental Research: BER)プログラムによる気候/地球/環境科学の研究に参加する大学との間の提携を奨励している。資金提供には、助成の少ない学術機関が、国立研究所や大学で行われているエネルギー省プロジェクトと連携するための支援、将来の研究能力の開発、エネルギー省のユーザー施設の活用などが含まれる。 Department of Energy “Department of Energy Announces $1.5 Million for Research Development and Partnership Pilots” (2/23/22)

蚊を寄せ付けない技術を開発するDARPAプログラム、第2段階へ

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)では、「ReVector」プログラムを通じて、正確かつ安全、効果的に、人間ができるだけ蚊を寄せつけず、刺されないような技術を開発することで、疫病が多発する地域での軍関係者の健康を維持することを狙っている。同プログラムの第1段階で、研究者は、人間の皮膚微生物を変更し、これらの微生物が作り出す揮発性物質を調節する技術を開発した。現在、ReVectorプログラムは第2段階へ入り、スタンフォード大学(Stanford University)の研究者らが、動物モデルの開発とより複雑な微生物コミュニティでの実験を行うことが予定されている。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Program to Reduce Mosquito Attraction and Biting Moves into Second Phase” (2/16/22)

科学工学学位取得者数、全てのレベル及び多くの学問分野で増加

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)による2022年の科学工学指標(Science & Engineering Indicators)の「科学工学における高等教育(Higher Education in Science and Engineering)」の主要なファインディングとして、次のような点が挙げられている。①科学工学(S&E)の学位取得者数は全てのレベル及び多くの学問分野で増加が継続。S&Eの学位は、準学士、学士、修士、博士のレベルで、2019年から2000年の間に増加(数及び全体に占める割合とも)。②有技能技術労働力の雇用へ向けた学生の準備という点で、コミュニティ・カレッジは2019年にS&E技術分野(S&E technology fields)で多くの学位と認定を付与しており、その重要性を強調。③学位取得者に女性が占める割合(2019年)は、心理学、生物科学、社会科学で約3分の2を占めるが、工学、コンピュータ科学ではわずか約4分の1、その他のS&E学問分野ではほぼ半分。④新型コロナの影響で米国入国が難しくなったため、2020年に米国高等教育機関に入学した海外留学生の数は前年比で約23%減少。 National Science Foundation “Higher Education in Science and Engineering” (February 2022)