米AAASと中国のCASTが覚書を更新

米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science: AAAS)の最高経営責任者(CEO)であるスディップ・パリク氏(Sudip Parikh)は2月28日、中国科学技術協会(China Association for Science and Technology: CAST)の上級副社長兼最高経営秘書(Executive Vice President and Chief Executive Secretary)である張玉卓氏(Zhang Yuzhuo)とオンライン会談を行い、両組織間の継続的協力に関する覚書(Memorandum of Understanding: MOU)の更新を行った。CASTは、非政府組織としては中国で最大規模の科学・技術専門家組織で、中国共産党及び中国政府との関係も深い。AAASとCASTは2007年にMOUに署名し、2016年に更新されているが、両組織間の関係は1978年に、AAASの幹部が中国視察の際にCASTの前身である組織と会合したことに遡る。 American Association for the Advancement of Science “AAAS and CAST Renew Memorandum of Understanding” (3/4/22)

バイデン大統領、デジタル資産の責任ある開発に向けた大統領令に署名

クリプトカレンシー(暗号通貨、仮想通貨)を含むデジタル資産は近年、急成長しており、その時価総額は昨年11月に3兆ドルとなった(その5年前は140億ドルであった)。また、調査結果によれば、米国成人の約16%がクリプトカレンシーの投資、取引、使用を行っている。デジタル資産の台頭は、世界の金融制度及び技術最前線における米国のリーダーシップを強化する機会をもたらすが、消費者保護や金融の安定性、国家安全保障、気候リスクへの影響も大きい。こうした中、バイデン大統領は3月9日、政府全体で、デジタル資産及びそれを下支えする技術の潜在的可能性を育成し、リスクに対処する手法を概説した初の大統領令(Executive Order)に署名した。大統領令は、6つの主要優先事項(消費者と投資家の保護、金融の安定性、違法な金融、世界金融制度及び経済競争力における米国のリーダーシップ、金融の包含性、責任あるイノベーション)を取り巻くデジタル資産の国家政策について概説している。 White House “FACT SHEET: President Biden to Sign Executive Order on Ensuring Responsible Development of Digital Assets” (3/9/22)

マサチューセッツ州、ハーバード大学とボストン大学の補助的ロボティクス及びウェアラブル技術の研究支援に300万ドルを提供

マサチューセッツ州は3月2日、ハーバード大学(Harvard University)とボストン大学(Boston University)による次世代ロボティクス及びウェアラブル技術の開発を支援するため、305万7,320ドルのグラントを提供すると発表した。研究者は、神経運動障害を持つ人々の生活向上と、意欲的な運動目標を持つ人の目標達成を支援することを狙いとし、リハビリや診断、補助機器などの新たな分野におけるイノベーションを加速させる。プロジェクトは、ハーバード・ジョン・ポールソン工学・応用科学大学院(Harvard John A. Paulson School of Engineering and Applied Sciences)主導の下、ボストン大学のカレッジ医療&リハビリテーション科学(College of Health & Rehabilitation Science: Sargent College)、及び業界パートナーの協力の下で行われる。最初の業界パートナーとして、リウォーク・ロボティクス社(ReWalk Robotics, Inc.)など2社が参加する。 Massachusetts Technology Collaborative “Baker-Polito Administration Awards Harvard and Boston University $3 Million for Assistive Robotics and Wearable Technology Research” (3/2/22)

大統領府、科学的完全性の枠組み開発策定に情報を要請

連邦省庁全体で、バイデン大統領による「科学的完全性に関する政策と将来へ向けた慣行の定期的な評価と反復的な改善」というビジョンに合致する「連邦による科学的完全性の枠組み(Federal Scientific Integrity Framework)」の策定が行われており、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)がこの取り組みを主導している。「科学的完全性作業部会(Scientific Integrity Task Force)は2022年1月に、「政府の科学の完全性の保護(Protecting the Integrity of Government Science)」と題する報告書を発表しており、OSTPは3月3日、科学的完全性の政策と慣行の定期的評価及び反復的改善の枠組み開発という次の重要なステップへ進むにあたり、一般からの情報の要請を発表した。本記事には、情報を模索している主要な要素が記載されている。 White House “Join the Effort to Develop a Scientific Integrity Framework” (3/3/22)

EPA、政策立案を支える科学の強化を目的として科学諮問委員会のプロセスを改新

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は2月28日、科学諮問委員会(Science Advisory Board: SAB)が、EPA規則案に関する判断において利用できる情報としての科学を評価する新方法を導入したことを発表した。この新たな「EPAの判断を支える科学(Science Supporting EPA Decisions)」プロセスにより、ピアレビューの機会が復活し、委員会の独立性が強化される。具体的に、①SABは、EPAが策定した重要な科学的・技術的措置のピアレビューを実施する構造的機会を得ることでその役割を復活、②EPAの判断についてピアレビューの必要性を調査・特定することでSABの独立性を強化、③EPAが規則策定開発プロセスの早期にピアレビューされた科学を検討・開発、などにつながり、EPAにおけるピアレビューが強化されることになる。 Environmental Protection Agency “EPA Announces New Science Advisory Board Process to Strengthen Science Supporting EPA Decisions” (2/28/22)

CSET、国家人工知能研究開発戦略的計画についてOSTPへ提言

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)が、国家人工知能研究開発戦略的計画(National Artificial Intelligence Research and Development Strategic Plan)の更新にあたり、情報の要請を行っていた件で、セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は、OSTPの検討事項として15の勧告をまとめた文書を提出した。具体的には、①「多目的(general purpose)」もしくは「人間のような(human-like)」人工知能(AI)をもたらす可能性がある長期的なAI研究を追求する際には慎重になること、②人間とAIの安全かつ効果的な共同作業を実現するため、そのAIシステムをどれほど信用できるか(または信用できないか)を測定するツールの開発を推進すること、③米国科学財団(National Science Foundation: NSF)と国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、オートメーションによる大規模な顔認識監視システムの代替として、プライバシー保護を考慮したコンピュータ・ビジョン研究に資金拠出すること、などの勧告が提示されている。 Center for Security and Emerging Technology “Recommendations to OSTP on the National Artificial Intelligence Research and Development Strategic Plan” (3/3/22)

ランド研究所、論文「マイクロエレクトロニクスのサプライチェーンを確保」発表

ランド研究所(Rand Corporation)は今般、「マイクロエレクトロニクスのサプライチェーンを確保する(Securing the Microelectronics Supply Chain)」と題する論文を発表した。世界の半導体製造能力における米国の市場シェアは、1990年の約38%から2020年の12%へ下落し、2030年には10%未満にまで減少することが予想されている。論文は、米国政策を促進する4件の優先的問いかけを特定し、提示している。それらには追加のデータや洞察が求められ、執筆者はこれらの問いかけについて検討を行っている。具体的には、国防総省(Department of Defense)はどのようにして、マイクロエレクトロニクスのサプライチェーンのリスクを軽減するため、どのように協調的な取り組みを創出することができるかという点について分析を試みている。 Rand Corporation “Securing the Microelectronics Supply Chain” (February 2022)

CSIS、「イノベーションと国家安全保障のための知的財産保護」報告書発表

戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies: CSIS)は3月3日、「イノベーションと国家安全保障のための知的財産の確保(Securing Intellectual Property for Innovation and National Security)」と題する報告書を発表した。司法省(Department of Justice: DOJ)の反トラスト部(Antitrust Division)は昨年12月、「公正かつ合理的で非差別へのコミットメントの対象となる標準必須特許のライセンシング交渉と修正に関する政策声明草案(Draft Policy Statement on Licensing Negotiations and Remedies for Standards-Essential Patents (SEP) Subject to F/RAND Commitments)」を発表している(F/RANDは、fair, reasonable, and non-discriminatoryの略)。これは、誠意に基づくライセンス交渉を奨励し、必須技術をF/RAND規約に基づいてライセンス供与することに合意した特許所有者が利用可能な修正策の範囲に対処する取り組みとして推進されたもので、政策草案は無害な行政上の変更のように見えるが、米国のイノベーション・エンジン、ひいては国家安全保障を大幅に損なう可能性を秘めている。こうした中、国防、国家安全保障、特許、規格標準の有力リーダーらは、超党派で結集し、この政策変更案に異論を唱えた。具体的に、「SEPの保護を弱めることで米国のリーダーシップが減退する」と指摘し、更には、「提案は、人工知能(AI)や5Gネットワーク、量子コンピューティングなど、米国の国家安全保障にとって重要な先端技術の支配を目指す中国を援助することにつながる」と主張している。 Center for Strategic and International Studies “Securing Intellectual Property for Innovation and National Security” (3/3/22)

シーメンス社、米国内での製造基盤拡大

バイデン大統領とシーメンスUSA(Siemens USA)のバーバラ・ハンプトン社長兼最高経営責任者(Barbara Humpton)(President and CEO)は3月4日、シーメンス社が5,400万ドルを投資して国内生産を拡大し、300人の製造雇用を創出する計画を発表した。同時に、国際電気工組合(International Brotherhood of Electrical Workers: IBEW)のロニー・スティーブンソン国際社長(Lonnie Stephenson)(International President)が、米政権のメイド・イン・政策がどのようにして良好賃金で労働組合の雇用を支援しているかについて発言した。こうした発表の前には、インテル社(Intel)やゼネラル・モーターズ社(General motors)が、それぞれ大型投資計画を発表している。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Delivers on Made in America Commitments” (3/4/22)

エネルギー省、2035年までにゼロ排出の中・大型電気トラックはディーゼル式トラックよりも安価になると予測

エネルギー省(Department of Energy: DOE)は3月7日、「中・大型自動車の脱炭素化:ゼロ排出自動車費用分析(Decarbonizing Medium- & Heavy-Duty On-Road Vehicles: Zero-Emission Vehicles Cost)」と題する報告書を発表した。それによれば、2030年までに、中・大型トラックのほぼ半分は、ゼロ排出車両の方が、ディーゼル式内燃エンジン車両よりも、購入/運用/維持管理の費用が安価になるという。報告書は、エネルギー省傘下の国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)が作成したもので、調査結果によれば、ゼロ排出車両及び燃料技術の継続的な向上により、今後十年間で、クリーンなトラックの方がより安価で利用可能になるという。エネルギー省は、中・大型車両の電気化進展の促進に取り組んでおり、21世紀トラック・パートナーシップ(21st Century Truck Partnership)や、スーパートラック3(SuperTruck 3)などを実施している。 Department of Energy “FACT SHEET: President Biden to Lay Out Bold Commitments on Rebuilding America’s Crumbling Infrastructure Over the Next year” (2/28/22)