CSET、中国の大学について報告

セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「中国の大学の競争時代:資金の増加がどのように道を切り開いているか(A Competitive Era for China’s Universities: How increased Funding Is Paving the Way)」と題する報告書を発表した。本報告書は、政府の主要組織と、「ダブル・ファースト・クラス(Double First Class)大学」と称される中国最高のエリート大学34大学の予算及び支出報告を分析し、高等教育・科学技術への中国政府による資金についてまとめたものである。中国の政治的リーダーは、こうしたエリート大学は、軍の近代化や経済成長、ソフトパワーにとって重要な要素であるとみなしており、これは海外のパートナーにとり安全保障上のリスクを呈する状況となっている。 Center for Security and Emerging Technology “A Competitive Era for China’s Universities How Increased Funding Is Paving the Way” (March 2022)

企業スポンサーによる臨床試験ランキング(2021年)

2020年における新型コロナ(COVID-19)のパンデミックの影響で混乱していた臨床試験の遅れが、2021年における企業スポンサーによる臨床試験の増加につながった。2020年に比べ、継続中及び計画されている臨床試験の数は大幅に増加し、停止/中止/撤退した臨床試験の数は減少した。これは、COVID-19のパンデミックで遅れが生じた後、臨床試験が通常再開されたことに起因する可能性が高い。2021年が開始日となっていた9,854件の臨床試験中、6,185件が継続中で参加者を募集しており、3,925件が計画段階、1,049件が完了、停止/中止/撤退となったのは319件であった(注:数字は出典からそのまま転載)。業界スポンサーの臨床試験の中では、ノバルティス社(Novartis)がトップで135件、次いでアストラゼネカ社(AstraZeneca)の125件、ジョンソン・エンド・ジョンソン社(Johnson & Johnson)の117件となっている。 Clinical Trials ARENA “Ranked: industry sponsors with the most clinical trials in 2021” (2/28/22)

内部告発者の苦情申し立てでOSTPにおける権力乱用、法規及び倫理規則違反が明らかに

政府説明責任プロジェクト(Government Accountability Project)は、議会監督委員会及び米国特別顧問室(U.S. Office of Special Counsel)宛ての17ページに及ぶ書簡の中で、元閣僚で大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)の元長官、エリック・ランダー氏(Eric Lander)及び上級管理職による職権乱用行為について、内部告発者からの追加情報を明らかにした。今回の一件は、政府説明責任プロジェクトの顧客であるレイチェル・ワラス氏(Rachel Wallace)(OSTPの法務顧問(General Counsel)及び首席倫理担当官(chief ethics officer)と、匿名を希望するOSTPのスタッフに代わって、政府説明責任プロジェクトが開示したもの。ランダー氏による再三の法規・規則・規制違反が詳述されており、それには権力乱用と利益相反が含まれている。 Government Accountability Project “Press Release: Whistleblowers’ Complaints Reveal Further Abuse of Authority, Violations of Law and Ethics Rules at the White House Office of Science and Technology Policy” (3/11/22)

国防総省、ディスラプティブな技術を模索

国防総省(Department of Defense)のハイディ・シュー国防次官(研究・工学担当)(Heidi Shyu)(Under Secretary of Defense for Research and Engineering)は3月8日、マカリース防衛会議(McAleese defense conference)で講演を行った。シュー次官は、「米国内の膨大な技術イノベーションを活用し、オペレーション上の厳しい課題を克服する飛躍的能力を実現する必要がある」と述べた。これにあたり、国防総省は、国内外のイノベーションを育成する必要があり、これには、大学関連の研究センターや連邦資金を受けた研究開発センター、国防産業、商業部門、同盟国、パートナーが含まれるという。シュー国防次官は、国防総省が獲得したいと考える潜在的にディスラプティブな能力として、①パンデミックを回避する一助となる早期検知のためのバイオ技術、②前代未聞の計算速度を実現し、極めて難しい分析的問題を解決する一助となる量子科学、③物流上の負担を軽減できる強力かつ軽量の先端マテリアル、などを挙げた。 Department of Defense “DOD in Search of Disruptive Technologies That Will Enable the Warfighter” (3/8/22)

デラウェア州、ゼロ排出自動車規制を採択へ

デラウェア州のジョン・カーニー知事(John Carney)は3月3日、デラウェア州が、カリフォルニア州のゼロ排出自動車規制(Zero Emission Vehicle (ZEV) regulations)を採択することを発表し、既に採択済みのその他13州の仲間入りを果たす。知事は、「デラウェア州は、2017年に、米国気候同盟(U.S. Climate Alliance)に署名し、炭素排出を2025年までに少なくとも26%削減することを誓約しており、ZEV規則の採択は、この目標へ向けた進展に寄与する」とした。ZEVプログラムは、デラウェア州天然資源・環境管理省(Delaware Department of Natural Resources and Environmental Control: DNREC)が管理する。電池式やプラグイン式ハイブリッド、燃料電池の自動車の商業化を加速させることを意図したプログラムで、州内で販売される自動車の一定の割合がZEV自動車であることが義務付けられる。メーカーは、販売用にデラウェア州へ配達された自動車の種類やその他の要素に基づいてクレジットを受益する。 Delaware News “Delaware to Adopt Zero Emission Vehicle Regulation” (3/3/22)

国防総省、5G及び将来世代の無線に関する機能横断型チームを発足

国防総省(Department of Defense)は3月9日、衝突地域のネットワークを含め、あらゆる所で効果的な軍及び事業活動を確実にするため、トランスフォーマティブな5G及び将来世代の無線の導入を加速させることを目的として、「5G及び将来世代の機能横断型チーム(5G and FutureG cross functional team)」の発足を発表した。議会は2021年国防授権法(2021 National Defense Authorization Act)でこうした機能横断型チーム(cross functional team: CFT)の設立を義務付けていた。CFTは、5G及び無線技術の将来世代に関連する国防総省の政策やガイダンス、研究開発、入手の責務を遂行する他、国防総省の対外関係を強化し、業界や省庁間、国際パートナーとの調整を進めながら相互互換性を確実にすることにも取り組む。ハイディ・シュー国防次官(研究・工学担当)(Heidi Shyu)(Under Secretary of Defense for Research and Engineering)がCFTの委員長を務める。 Department of Defense “DOD Establishes 5G and Future Generation Wireless Cross-Functional Team” (3/9/22)

ARPA-H設立決定ながらも、課題が蓄積

連邦議会は最近、医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)の新設を承認し、立ち上げ投資金として10億ドルを付与した。これはバイデン大統領の提案(65億ドル)に比べると小規模であるものの、ARPA-Hを開始するには十分であると提唱者はしている。ただし、2022年歳出法案は、「ARPA-Hを厚生省内(Department of Health and Human Services: HHS)内の独立型機関とするのか、それとも国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の一部とするのか」という大きな議論は解決していない。議会はこの件について、HHSのハビエル・ベセラ長官(Xavier Becerra)に30日以内に決断するよう猶予を与えている。2021年12月にNIH長官を退任し、現在は大統領府の科学補佐官代理を務めるフランシス・コリンズ氏(Francis Collins)は、サイエンス・インサイダー(Science Insider)によるインタビューの中で、ARPA-HをNIH内に設置することを支持すると語っており、これにより、ARPA-Hが、NIHの「専門家集団」を活用することができるとしている。しかし、多くの団体が、NIHのリスク回避型文化から離れ、革新的なリーダーを引き付けるためにも、ARPA-Hを独立機関とする必要があると考えている。 Science “The U.S. just created a big new biomedical research agency. But questions remain” (3/15/22)

2022年度包括歳出法におけるS&T予算、広範ながら小規模な増加

2022年度もほぼ半ばとなる中、議会はようやく本年度の残りの期間のための1.5兆ドルの包括的予算法案を可決した。包括的予算法案は、多くの連邦機関に予算増をもたらし、これには国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の5%(23億ドル)増、応用エネルギー技術予算の10%強の増加、国防基礎科学への押し上げが含まれる。その一方で、バイデン政権と議会歳出担当者が昨年想定していた大幅な予算増は著しく減少され、議会が大型イノベーション法案の中で確立を目指していた予算目標は大きく下回った。裁量支出で見ると、バイデン政権は昨年の予算要求で非防衛支出の大幅増を目指したが、多くの議員は、国防/非国防の増加比率に関する提案に反発し、その比率の差は縮小された。また、新設機関への充当の一例として、医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)には10億ドル(要求額は65億ドル)が、エネルギー省(Department of Energy)のクリーン・エネルギー実証局(Office of Clean Energy Demonstrations)には2,000万ドルの予算(要求額は4億ドル)が充当された。 American Association for the Advancement of Science ” Omnibus Review: Saga Ends With Broad, But Smaller, Increases” (3/11/22)

OSTP、スタッフが互いに録音することを禁止へ

現在、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)のトップを務めるアロンドラ・ネルソン氏(Alondra Nelson)は3月4日、全スタッフ宛てに、「ごく一部の例外を除き、対話を監視もしくは記録する電子機器・機械装置の使用を、即時禁止する」とした内部指令を通達した。指令は、「この方針を順守しない場合、連邦職員からの排除を含めた懲戒処分につながる可能性がある」としている。この通達が行われる前の3月2日には、ネルソン氏がスタッフに対し、内部の会話を録音し、記者と共有することを止めるよう話したことが、スタッフによって録音されている。この記録は、「OSTPは、先月辞任したエリック・ランダー氏(Eric Lander)の排除以上の組織改革が必要である」と考えるスタッフが行ったもの。現及び元スタッフの一部は、ランダー氏を巡って開始された調査は、同氏の周辺にいた少なくとも一部のリーダーにも影響すると指摘している。 Politico “Biden’s science office to staff: Stop recording each other” (3/10/22)

OMB、NISTのセキュアなソフトウェア枠組みを順守するよう連邦省庁に指示

行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)は3月7日、連邦機関は今後、ソフトウェアを調達する際には、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)によるセキュアなソフトウェア開発のための枠組みを順守する必要があると通達した。バイデン大統領は2021年5月に発令したサイバーセキュリティに関する大統領令で、NISTに対し、連邦機関がソフトウェアのサプライチェーンをより確実に利用できるようにするためのガイダンスを作成するよう指示した。NISTは2月4日にそのガイダンス及び「セキュアなソフトウェア開発の枠組み(Secure Software Development Framework)」を発表し、OMBが連邦機関がこれを順守することを指示するための待機期間(30日間)がスタートしていた。 Fedscoop “OMB orders agencies to comply with NIST framework for secure software” (3/8/22)