大統領府、商用核融合エネルギーに関するビジョンを発表

大統領府は3月15日、全ての米国民に恩恵をもたらすクリーンエネルギーを製造及び導入することで、賃金の良い雇用を創出し、エネルギー代を低減し、米国のクリーンエネルギーの未来を構築するために、今後十年で核融合を加速させる大胆なビジョンを開発中であることを発表した。そして、実行可能な商用核融合エネルギーを加速させるためのステップとして、①3月17日に、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)及びエネルギー省(Department of Energy)との共催で「大統領府核融合サミット(White House Fusion Summit)」を開催し、広範な関係機関を収集して、本技術の有望性や課題について模索、②エネルギー省が、民間部門と協力しながら、商用各融合エネルギーの実行可能性を加速させる十ヵ年戦略を策定する取り組みを開始、の2点を発表した。 White House “Fact Sheet: Developing a Bold Vision for Commercial Fusion Energy” (3/15/22)

エネルギー省、建造物の次世代改築を加速させるため、3,200万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は3月14日、手頃な費用の住宅技術を劇的に向上させる30件の建造物次世代改築プロジェクトに3,200万ドルを提供すると発表した。受益するのは、フラウンフォーファー米国製造イノベーション・センター(Fraunhofer USA Center for Manufacturing Innovation)や国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory)など7機関で、建造物の借主への影響を軽減しつつ、建造物のエネルギー及び環境面での性能を、より早く、より手頃な費用で効率的に改築する技法を試験する。こうした技法には、組み立て方式の壁や冷暖房・温水システムの簡単な一括置換が含まれ、建設や改築に変革をもたらす可能性がある。受益チームはまた、エネルギー省が支援する「先端建造物建設コラボラティブ(Advanced Building Construction Collaborative)」(組み立て式やモジュラー式、その他の産業建築技法に取り組む企業を、ビル所有者や開発事業者、資金提供者、ユーティリティ機関と結びつける取り組み)を進展させる。 Department of Energy “DOE Awards $32 Million to Accelerate Next-Generation Building Upgrades” (3/14/22)

MIT教授、ARPA-E長官に指名

バイデン大統領は3月8日、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)のエベリン・ワン教授(機械工学)(Evelyn Wang)(mechanical engineering professor)を、エネルギー省(Department of Energy)傘下のエネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)の長官に指名した。ワン氏は、エネルギー・システムにおける地熱管理の専門家で、2013年から2018年までMITのソリッド・ステート・太陽熱エネルギー転換センター(Solid State Solar Thermal Energy Conversion Center)でアソシエイト・ディレクターを務めた。このセンターは、エネルギー省科学局(Office of Science)のエネルギー・フロンティア研究センター(Energy Frontier Research Center)プログラムの支援を受けていた。ワン氏は、2006年にスタンフォード大学(Stanford University)で機械工学の博士号を取得し、2018年以来、MITの機械工学部(Department of Mechanical Engineering)の部長を務めている。 White House “President Biden Announces Key Nominees” (3/4/22)

DARPA、人間のエキスパートと同じように判断するアルゴリズムの開発へ

戦闘から医療トリアージ、災害救助に至るまで、軍事活動には、様々な状況で複雑かつ早急な意思決定が求められ、そうした場合の決まった回答は一つではないことが多い。例えば、二人の経験豊富な軍事部門のリーダーは、戦地で同じような場面に直面し、選択肢が厳しい状況である時、異なる方策を決定する可能性がある。このため、人工知能(AI)システムと人間の連携が進展していく中、AIの判断能力に人間の適切な信頼を構築することは重要である。このような中、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「イン・ザ・モーメント(In the Moment: ITM)」プログラムを発表した。本プログラムは、正当な回答について合意がない困難な状況で、アルゴリズムと信頼できる意思決定者(人間)との調整を定量化することを模索する。 Defense Advanced Research Project Agency “Developing Algorithms that Make Decisions Aligned with Human Experts” (3/3/22)

エネルギー省、先端原子炉からの廃棄物削減を目的としたプロジェクトに3,600万ドルを提供

エネルギー省(Department of Energy)傘下のエネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)は3月10日、信頼性の高いクリーンエネルギー源としての原子力の導入と利用を高め、先端原子炉(Advanced Nuclear Reactor: AR)から発生する廃棄物量を制限することを目的とした11件のプロジェクトに3,600万ドルを提供すると発表した。原子力は米国内で最も信頼性の高いエネルギーの一つであり、国内最大のクリーン・エネルギー資源であるが、それによって生じる廃棄物は安全に処理・貯蔵されなくてはならない。ARPA-Eの「原子力廃棄物と先端原子炉処理システムの最適化(Optimizing Nuclear Waste and Advanced Reactor Disposal Systems: ONWARDS)」を通じて選出されたプロジェクトは、AR燃料サイクルに伴う廃棄物と貯蔵の課題を解決できる技術の開発に取り組む。 Department of Energy “DOE Awards $36 Million to Reduce Waste from Advanced Nuclear Reactors” (3/10/22)

米国のイノベーション活動は地域的に集中

米国科学審議会(National Science Board: NSB)が3月8日に発表した「発明と知識移転とイノベーション(Invention, Knowledge Transfer, and Innovation)」によれば、特許及び商標活動は、米国内の一部地域に集中しており、東西両海岸、五大湖周辺、南西部の一部でその割合が最も高い。また、生物学及び生物医療科学、医療科学が、産官学全体で米国の特許活動の主要な牽引要素となっている。加えて、米国の特許活動は国際化を強め、米国内に居住する投資家が米特許商標局(U.S. Patent & Trademark Office: USPTO)の特許に占める割合は現在、50%以下となっている。日本、欧州連合(European Union: EU)の投資家が、外国人投資家へ付与された特許の最大シェアを占めている。更に、中国の投資家がUSPTOの特許に占める割合は比較的小さいが、その数はここ十年間で10倍以上増加した。 NSB News Release “U.S. innovation activities are concentrated in geographic regions” (3/8/22)

ブルッキングス研究所、パンデミックを原因とする技術の地理的な傾向・変化について報告

ブルッキングス研究所(Brookings Institution)は3月8日、「スーパースターと新星とその他:パンデミックを原因とする技術の地理的なトレンドとシフト(Superstars, rising stars, and the rest: Pandemic trends and shifts in the geography of tech)」と題する報告書を発表した。ここ数十年、米国内の技術産業は東西両海岸のスーパースター都市、サンフランシスコやシアトル、ニューヨークなどに極めて集中している。その一方、最近では、新型コロナ(COVID-19)のパンデミックによるリモート勤務の台頭で、技術系の仕事が米国中央部に拡散するとの期待が広がっている。本報告書は、その可能性を踏まえ、過去十年間及びパンデミックを通しての技術の地理的な最新トレンドについてまとめている。ファインディングとして、①過去十年間、主要技術産業は急速かつ柔軟に成長している、②技術部門は最近まで集中しており、分散化していない、③そうは言うものの、パンデミックにより、技術活動はより広範な地域に多少拡散しつつある、が挙げられている。 Brookings Institution “Superstars, rising stars, and the rest: Pandemic trends and shifts in the geography of tech” (3/8/22)

GM社とPG&E社、停電時における電気自動車の住宅への電力供給の可能性について試験

停電時に電気自動車(EV)をバックアップ電源として使用するという概念が最近注目を集めており、フォード自動車(Ford)は、その概念を、電気式ピックアップ・トラック「F150ライトニング(F-150 Lightning)」のセールスポイントとしている。自動車メーカーやEV充電製造事業者、エネルギー・サービス企業はそろって「自動車からグリッド(vehicle-to-grid)」技術を積極的に推進しているものの、この概念を消費者市場で実現するには、技術的及び規制面での課題が数多く残っている。こうした中、カリフォルニア州のパシフィック・ガス&エレクトリック社(Pacific Gas & Electric)とゼネラル・モーターズ社(GM)は、今年、GM社の複数のEVをバックアップ電源として利用することを目的としたパイロット・プロジェクトを実施する。最初はラボで、その後、実際の住宅で試験される。ただし両社は、こうしたバックアップ電源としてのEVの機能がいつ車両やユーティリティの標準となるのかや、EV充電と「自動車から住宅へ」の電力供給の費用の比較などについて発表できる状況ではないとしている。こうした双方向型の充電は日本国内で販売されるEVの標準となりつつあるが、急速充電技術の違いから、米国で日本の状況を再現することはできないとされている。 Canary Media “GM and PG&E to test how EVs can power homes during blackouts” (3/8/22)

EPA、商業トラックからの有害な排出削減を目指す

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は3月7日、主要都市におけるスモッグ及びその結果として生じる呼吸器系の健康被害への対策として、商業トラック及びバスから排出される大気汚染を削減する厳しい規則案を発表した。規則案によれば、トラクター/トレイラー規模のトラック、その他の配達トラック、セメント・ミキサー車、廃棄物収集車のエンジン製造者は、窒素酸化物の排出を低減することが義務付けられる。この規則は2027年に販売されるモデルから適用され、2031年まで段階的に実施される。業界の幹部は、本規則によって新車の費用が大幅に引き上げられる可能性があり、ひいては旧式車両の使用が長期化し、政権が目指す公衆衛生目標に反する可能性があるとしている。EPAの高官は、規則案は野心的な内容であるものの実行可能であり、喘息やその他の問題を削減することで国民に恩恵をもたらすとしている。EPAは、パブコメ期間を経た後、今年後半に最終取りまとめを行う計画である。 Wall Street Journal “EPA Aims to Cut Toxic Emissions From Commercial Trucks” (3/7/22)

GAO、連邦のデータセンター最適化取組について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は3月8日、「データセンターの最適化:OMB目標に向けた連邦機関の進捗は様々(Data Center Optimization: Agencies Continue to Report Mixed Progress Against Omb’s Targets)」と題する報告書を発表した。行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)は連邦データセンターの最適化と統合を政府全体で行う取り組みを管理している。2020年度には、24の機関が合計46のデータセンターを閉鎖する計画であった所、最終的に96のセンターが閉鎖され8億7,150万ドルの節約となった。しかし、既存のデータセンターを最適化するというOMB目標に向けた進捗状況は、連邦機関によって様々で、その原因として技術的及び予算上の制約が挙げられる。GAOはデータセンター最適化についてこれまでに25件の勧告を行っており、連邦機関がこれらの勧告に対処するよう引き続き要請している。 Government Accountability Office “Data Center Optimization: Agencies Continue to Report Mixed Progress Against Omb’s Targets” (3/8/22) …