エネルギー省、建造物統合型太陽光発電について情報を要請

エネルギー省(Department of Energy)のソーラーエネルギー技術局(Solar Energy Technologies Office: SETO)及び建造物技術局(Building Technologies Office: BTO)は合同で、建造物統合型太陽光発電(building-integrated photovoltaic: BIPV)システムに関する技術的及び商業上の課題と機会について、関係機関の見解を求める「情報の要請(request for information: RFI)」を発表した。建造物の屋根上に設置されるソーラー・システムは一般的であるが、BIPVシステムは、例えばソーラー・モジュールを屋根やファサードと直接統合するなど、ソーラー技術を建造物に設置するその他の手法を示す。ソーラー発電を建造物へ直接統合することで、マテリアルとサプライチェーンの効率性を向上させ、システム費用を軽減できる可能性がある。BIPV製品は十年以上にわたって市場化されているが、その導入は予想より遅れている。今回のRFIの目的は、BIPV導入における障害を特定、定量化し、今後の戦略やプログラム開発への情報提供とすることである。 Department of Energy “DOE Seeks Input on Building-Integrated Photovoltaics” (3/7/22)

ロシアのウクライナ攻撃を受け、ニューヨーク州は州全体のサイバー司令センターを立ち上げ

ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事(Kathy Hochul)とニューヨーク市のエリック・アダムス市長(Eric Adams)は、オールバニー、シラキュース、バッファロー、ロチェスター、ヨンカースの市長と共に、2月22日、「合同セキュリティ・オペレーション・センター(Joint Security Operations Center: JSOC)の創設を発表した。州全体でサイバーセキュリティの調整を行う初めてのセンターとなる。アダムス市長はまた、ニューヨーク市内の全ての当局に、サイバーセキュリティの情報を共有し、脅威を監視し、ベスト・プラクティスを採択するため、サイバー司令リエゾンを指定するよう求める行政命令に署名した。カリフォルニア大学バークレー校(University of California at Berkeley)のアリソン・ポスト准教授(政治科学及び世界都市研究)(Alison Post)(associate professor of political science and global metropolitan studies)は、「米国の地方自治体は、ロシアによるウクライナ侵攻を警鐘と見るべきだ。地方自治体が運営している様々な重要インフラ・システムが攻撃の対象となり得る」と述べる。ホークル知事は、「サイバーセキュリティに対するニューヨーク州の協調的手法は、他の市や地域、州の潜在的なモデルとなり得る」と語っている。 Smart Cities Dive “New York rolls out statewide cyber command center amid Russian attacks in Ukraine” (2/25/22)

CRISPRのノーベル賞受賞者チーム、ゲノム編集に関する主要な特許論争で敗訴

CRISPRの主要な使用方法に関する特許権を巡り、7年にわたって行なわれてきた法廷論争で、ノーベル賞化学賞を受賞した研究者のチームが敗訴した。これにより、数百万ドルのライセンス料が発生する可能性がある。米特許商標局(U.S. Patent & Trademark Office: USPTO)の控訴委員会の裁定によれば、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)とハーバード大学(Harvard University)が共同運営するブロード研究所(Broad Institute)を中心とする別のグループが、真核細胞を改変するCRISPRの能力を開発したと裁定した。これは、CRISPRをベースとする医薬品の開発を行っている企業は、ブロード研究所、及びそのパートナーであるMITならびにハーバード大学との間で、改変技術の使用について交渉しなくてはならないことを意味する。敗訴したチームは通称「CVCグループ」と呼称され、CRSPRの取り組みで2020年にノーベル化学賞を受賞した2名の研究者が含まれる。CVC側は、裁定に失望を示すと同時に、この裁定に挑戦する様々な選択肢を検討していると述べた。 Science “CRISPR’s Nobel Prize winners defeated in key patent claim for genome editor” (3/1/22)

NIST、サイバー攻撃後の産業制御システムの復旧を目的としたガイドにフィードバックを模索

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、製造分野の産業制御システムがサイバー攻撃を受けた後、設備を回復させ、運用を復旧させるためのステップを示した「サイバーセキュリティ慣行ガイド(Cybersecurity Practice Guide)」を策定している。NISTの「国立サイバーセキュリティ・センター・オブ・エクセレンス(National Cybersecurity Center of Excellence: NCCoE)」と通信技術研究所(Communications Technology Laboratory: CTL)」は、一般的な製造プロセスを模した作業セル内で、サイバー事象の報告、ログのレビュー、事象の分析、事故の扱いと対応、根絶と復旧に、市販製品の技術を利用する方法を示したいと考えている。これにあわせて、NISTは、プロジェクトの内容を向上させる一助として業界からのフィードバックを要請している。 Fedscoop “NIST wants help with guide for restoring industrial control systems after cyberattacks” (3/1/22)

DARPA、軍人の精神衛生向上に向けて認知科学ツールを模索

2001年9月11日以来、3万人以上の現役・退役軍人が自ら命を落としているが、現在、精神衛生上のリスク要因を早期発見する手法は、自己申告と質問によるスクリーニングに依存しており、自殺の可能性を予測する手段としての信頼性は高くない。このため、効果的な精神衛生評価は、ミッション上の重要な能力であり、リスクにある人々を特定し、支援する新規のツールが求められている。このようななか、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は3月2日、「神経系エビデンスの集成ツール(Neural Evidence Aggregation Tool: NEAT)」プログラムを発表した。NEATは、前意識の脳信号を利用することで、自殺のリスクがある人々を見つける新たな認知科学ツールの開発を狙いとしている。プログラムは2つの技術分野で構成され、3年半をかけて行われる計画である。 Defense Advanced Research Project Agency “New Cognitive Science Tool to Shed Light on Mental Health” (3/2/22)

ミシガン大学の研究、2021年にミシガン州経済に約1億ドルの経済効果をもたらす

ミシガン大学アナーバー校(University of Michigan in Ann Arbor)のイノベーション・科学研究所(Institute for Research on Innovation and Science: IRIS)が発表した報告書によれば、ミシガン大学の研究活動は、これまでの1年間、州経済に9,700億ドルをもたらした。報告書は、大学の研究支出が経済にもたらした影響について詳述し、ミシガン州で、同大学の研究や学術活動を支援するための物品やサービスを提供している企業について地理的に説明している。IRISのエグゼクティブ・ディレクターであるジェイソン・オーエン=スミス氏(Jason Owen-Smith)は、「IRISのデータは、大学の研究事業がミシガン州経済に様々な形で貢献していることを示している」と語った。 D Business “U-M Research Contributed Nearly $100M in 2021 to Michigan’s Economy” (2/28/22)

バイデン大統領、今後1年での米国インフラ再建に向けてコミット

バイデン大統領が超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)に署名してから106日間、大統領府のインフラ実践チーム(White House Infrastructure Implementation Team)は、米国民に確実な成果をもたらすべく、全力で取り組んでいるとのプレスリリースが大統領府から発表された。具体的に、1,000億ドルが州や準州、部族政府向けに提供されている他、約500億ドルの資金提供通知が発表され、空港の改善から港湾の改良、スーパーファンドによる汚染浄化など、これまでに4,000件以上のプロジェクトが発表されている。超党派インフラ法の資金の90%以上は、非連邦のパートナーに拠出される。バイデン大統領は一般教書演説で、6万5,000マイルの道路と1,500か所の橋梁の修復から始まる歴史的なインフラ連邦投資によって、今年、米国民の生活に明らかな影響が創出されることを強調した。報道発表ではこの他に、輸送、高速インターネット、気候/クリーン・エネルギー/環境について記述している。 White House “FACT SHEET: President Biden to Lay Out Bold Commitments on Rebuilding America’s Crumbling Infrastructure Over the Next year” (2/28/22)

パンデミックに促される形で、米政府はリスクの高いウィルス研究への連邦方針を見直しへ

新型コロナのパンデミックを受け、米政府は、病原体を人により有害な形で修正することを伴う実験の監督方針について見直しを行う。大統領府と国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は2月28日、専門家部会であるバイオセキュリティ国家科学諮問委員会(National Science Advisory Board for Biosecurity: NSABB)に、連邦資金によって行われるウィルス及びその他のパンデミックの原因となり得る微生物の研究が安全に行われることを確実にするための連邦方針の迅速かつ広範な見直しを要請した。NSABBは今後10カ月間をかけて見直す。これには、「中国で米国の資金提供を受けて行われている論争的なコロナウィルスの研究は、厳しい精査の対象とすべきかどうか」や、「NIHの規則取り締まり権限が低くなる海外でのこうした病原体の研究に米政府は資金を提供すべきかどうか」といった点の検討が含まれる。潜在的にリスクの高い研究への連邦の監視は緩すぎると考える研究者は、今回の見直しを歓迎するが、NSABBの一部のメンバーや外部の科学者の中には、SARS-CoV-2や将来のパンデミック対策に重要な研究への米政府の支援を制限する勧告が行われる可能性があると懸念している。 Science “Spurred by pandemic, U.S. government will revisit federal policies on risky virus research” (3/1/22)

バイデン大統領の一般教書演説でイノベーションが注目

バイデン大統領として初の一般教書演説が3月1日に行われ、イノベーション政策は、演説の初め、そして演説の間を通じてしばしば言及された。大統領は、半導体製造のインセンティブに最大の関心を寄せたが、医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)や大学の学費問題、クリーンエネルギー技術、先端産業のサプライチェーン問題についても発言した。大統領は、議会にイノベーション法案を可決することを要請した。演説中、「超党派イノベーション法案(Bipartisan Innovation Act)」と呼称されたこの法案は、上院の「イノベーション及び競争法案(U.S. Innovation and Competition Act)」、下院の「米国競争法(America COMPETES Act)」の新しい名称である。法案には、半導体インセンティブのための資金に加え、地域技術ハブ(Regional Technology Hub)プログラムへの数十億ドルの拠出、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の拡大などが含まれている。 SSTI “Innovation holds a high place in Biden’s State of the Union address” (3/3/22)

商務省、先端製造の機会へのアクセス向上を目的として5,400万ドルの米国救済法グラントを提供

商務省(Department of Commerce)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、パンデミックへの応答として、合計13件の高インパクトな研究・開発・試験台プロジェクトに約5,400万ドルを提供した。この資金は、米国救済法(American Rescue Act)によって拠出されたもので、製造USA(Manufacturing USA)ネットワーク内の8つの製造イノベーション研究所で実施されるプロジェクトを支援する。受益機関は、先端製造技術を使って、個人防護具(personal protective equipment: PPE)や医療機器の製造、新規で持続可能な国内サプライチェーンの創出、既存のサプライチェーンの対応力強化、などに取り組む。 National Institute of Standards and Technology “Commerce Department Awards $54 Million in American Rescue Act Grants to Increase Access to Advanced Manufacturing Opportunities” (2/28/22)