大統領府でCOVID-19対策を主導したザイエンツ氏が退任、民間へ復帰

大統領府は3月17日、バイデン大統領の新型コロナ(COVID-19)対応首席調整官(chief COVID-19 response coordinator)であるジェフ・ザイエンツ氏(Jeffrey Zients)氏が退任すると発表した。ザイエンツ氏は、バイデン大統領が就任して以来、大統領府のCOVID-19対策チームを指揮し、連邦政府によるパンデミック対策努力の主導役を務めてきた。同氏はバイデン大統領の上級補佐官も務めた他、オバマ元大統領の下、行政管理予算局(Office of Management and Budget:OMB)や国家経済会議(National Economic Council: NEC)のトップを務めた経験もある。4月に現職を退任した後は民間セクターに戻る計画であるという。ザイエンツ氏の後任には、内科医でブラウン大学公衆衛生大学院(Brown University School of Public Health)の学部長であるAshish Jha博士(アシシュ・ジャー)が就任する。 UPI “White House COVID-19 response leader Jeff Zients leaving post to return to private life” (3/17/22)

米欧、電池技術のサプライチェーン強化を目的として協力

エネルギー省(Department of Energy)と欧州委員会(European Commission)は3月15日、リチウム・イオン電池及び次世代電池の頑強なサプライチェーン開発を加速させることを目的として、欧州電池同盟(European Battery Alliance)と米国リチウム・ブリッジ同盟(U.S. Li-Bridge alliance)の間の共同作業を支援すると発表した。その対象には、重要原材料部門も含まれる。クリーンエネルギー経済ならびに電池のバリューチェーンを強化することは、米国と欧州連合(EU)にとり優先事項となっている。両者は、電池サプライチェーンの対応力を合同で確実にするため、①輸送及びエネルギー・システムの電池需要増大に対応できる持続可能な産業能力の開発、②高性能かつ持続可能な次世代電池技術の研究、③重要原材料の持続可能で倫理的な供給源の確保、などに取り組む。 Department of Energy “DOE and European Commission Support Collaboration Between the U.S. Li-Bridge Alliance and European Battery Alliance to Strengthen Supply Chain for Battery Technologies” (3/15/22)

スタンフォード大学、再生可能資源による発電の割合が100%に到達

今週、スタンフォード大学(Stanford University)で新たにソーラー発電所が稼働開始となったことを受け、大学構内の温室効果ガス排出は80%削減された。同大学は大学内のエネルギー・システム全体の改革に取り組んでおり、2050年までに正味ゼロ排出を達成することを目指している。こうした中、100%の再生可能電力を達成したことは、大きなマイルストーンとなる。スタンフォード大学は、2016年に67メガワット(MW)のスタンフォード・ソーラー発電ステーション1号(Stanford Solar Generating Station #1)が稼働し、2017年には5MWの屋根上発電システムを設置した。そして今週、88MWのスタンフォード・ソーラー発電所2号(Stanford Solar Generating Station #2)が稼働の運びとなった。スタンフォード大学がこうした取り組みに着手したのは1980年代で、当時、施設内でエネルギー使用の場所と方法について理解することを目的として、ネット・メータリングを導入した。そして2009年に、長期的な「エネルギー及び気候行動計画(Energy Climate Action plan)」を発表した。現在、その計画は第3版となっている。 pv magazine “Stanford University now running on 100% renewables” (3/16/22)

NSF、技術・イノベーション・パートナーシップ総局を新設

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)のセスラマン・パンチャナサン長官(Sethuraman Panchanathan)は3月16日、NSF内に技術・イノベーション・パートナーシップに焦点を当てた新しい総局「技術・イノベーション・パートナーシップ総局(Directorate for Technology, Innovation and Partnerships (TIP))」を設立すると発表した。NSF内で総局が新設されるのは30年以上ぶり。NSFはTIPを通じて一連の統合的イニシアチブを立ち上げる計画で、これらのイニシアチブを通じて、重要かつ新興技術の進展、ラボの研究結果を市場及び社会へ移行させることの加速、研究者や実践者、技術者、アントレプレナーで構成される将来の多様かつ有技能労働力につながる新たな教育経路の育成が期待されている。 National Science Foundation “NSF establishes new Directorate for Technology, Innovation and Partnerships” (3/16/22)

スタンフォード大学、「2022年AI指標」を発表

スタンフォード大学(Stanford University)の「人間中心のAI研究所(Stanford Institute for Human-centered Artificial Intelligence)」は「2022年人工知能(AI)指標(2022 AI Index)」を発表した。AIの影響と進展についてまとめられた年次報告書によれば、AIは、グローバル化と産業化が急速に高まる一方、倫理と規制面の問題は増幅しており、現在、重要な岐路にある。報告書は、具体的な進展事項として、①AIへの民間投資は2020年以来、倍増した、②AIは手頃な費用で高度なパフォーマンスを利用できるようになりつつある、③米中両国が、AIに関する国際共同研究を独占し、AIの出版論文数は増加し続けている、などが、具体的な数値と共に挙げられている。その一方で、倫理面に関する研究と懸念の増加、規制面での関心の増加も指摘されている。 Stanford University Human-Centered Artificial Intelligence “The 2022 AI Index: Industrialization of AI and Mounting Ethical Concerns” (3/16/22)

公平で責任あるデジタル資産のイノベーションに向けた取り組み

現在、かつてないほど多くの米国民がデジタル資産を利用しているが、技術が拡大し、人々の生活や私たちの社会、地球との関係が生じる中、重大なリスクが発生する可能性が指摘されている。特にデジタル資産は、消費者や地域社会、気候、国内外の金融の安定性に深刻な影響を及ぼす可能性がある。こうした中、バイデン大統領は3月9日、消費者や金融の安定性、国家安全保障を守り、気候リスクに対処することを目的として、責任あるデジタル資産のイノベーションを政府全体で推進する戦略を概説した大統領令(Executive Order)に署名した。大統領令は、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)が主導役となり、国家経済会議(National Economic Council: NEC)や国家安全保障会議(National Security Council)、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)などの大統領府機関から、国務省(Department of State)、財務省(Department of Treasury)などの省庁、連邦純制度理事会(Federal Reserve)などの金融規制当局など、様々な関係機関の知識と専門性を活用しながら実践される。 White House “The Path Toward Responsible and Equitable Digital Assets Innovation” (3/9/22)

大統領府、サプライチェーンのデータフローを向上させる新しいイニシアチブを発表

バイデン=ハリス政権は発足以来、サプライチェーンの脆弱性と混雑に対処することに焦点を当てており、それには短期的及び長期的な策が含まれる。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)によって、港湾や高速道路、その他の物理的なインフラへの大型投資が行われつつあるが、米国はサプライチェーンを結びつけるデジタル・インフラにも同様の抜本的向上を行うことで、物品のサプライチェーンを強化できる。その最初のステップとして、米政権は、「貨物物流最適化業務(Freight Logistics Optimization Works: FLOW)」の立ち上げを発表した。FLOWは、物品移動のサプライチェーンの各パート間で主要な貨物情報を試験的に交換する情報共有イニシアチブである。FLOWの初回参加企業として、民間企業や倉庫業、物流企業、港湾など、サプライチェーンの多様な部門を代表する18組織が参加する。これらの主要関係機関は、政権と協力して概念実証となる情報交換を開発し、サプライチェーンの混雑を緩和し、物品の移動を迅速化し、最終的に米国消費者のための費用削減を目指す。また、この取り組みは、運輸省(Department of Transportation)主導で行われる。 White House “Fact Sheet: Biden-⁠Harris Administration Announces New Initiative to Improve Supply Chain Data Flow” (3/15/22)

米国アカデミー、ポーランドに移住するウクライナ人研究者への支援を開始

ロシアによるウクライナ侵攻は、欧州に難民危機をもたらし、ウクライナを脱出した数百万人のウクライナ人の中には数多くの科学者・研究者も含まれる。こうした科学者が研究活動を安全に継続できるよう支援するため、米国科学アカデミー(National Academies of Sciences)は、家族と共にウクライナを離れてポーランドに移住するウクライナ人研究者を支援するポーランド科学アカデミー(Polish Academy of Sciences)を支援するため、「安全通路基金(Safe Passage Fund)」を立ち上げた。このイニシアチブは、タリバンによるアフガニスタン制圧後、米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicines)がアフガニスタン人研究者グループの避難・移住を助けるために行った過去の取り組みを基盤としている。NASは、ウクライナ人研究者を支援する共同作業に加わり、現在、ポーランド及びウクライナのアカデミーと共に、米国内外の個人や財団からの寄付を収集している。 National Academies of Sciences, Engineering, and Medicines “NAS Launches Effort to Help Support Ukrainian Researchers as They Resettle in Poland” (3/15/22)

上院、OMB長官を承認

バイデン政権の行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)長官候補がようやく承認された。上院は3月15日、61票対36票で、シャランダ・ヤング氏(Shalanda Young)のOMB長官就任を承認した。ヤング氏は2021年3月からOMB長官代理を務めており、アフリカ系女性として初めてのOMB長官となる。上院多数党院内総務(Senate Majority Leader)のチャック・シューマー議員(Chuck Schumer)(ニューヨーク州選出民主党)は、「ヤング氏は予算及び歳出のプロセスを熟知しており、共和、民主の両党と同様に協力する能力を有している」と称賛した。 Government Executive “The Senate Confirms Biden’s OMB Director” (3/15/22)

IARPA、新たなバイオメトリック技術研究プログラムを開始

情報高等研究開発活動(Intelligence Advanced Research Projects Activity: IARPA)は3月11日、「高度及び距離からの生体認証及び特定(Biometric Recognition & Identification at Altitude and Range: BRIAR)」プログラムについて発表した。BRIARプログラムは、複数年にわたって行なわれるプログラムで、大幅な高度及び長距離から身体全体の生体認証を行う能力のある新たなソフトウェアシステムを開発する研究事業である。その先端研究及び技術によって、諜報コミュニティ及び国防総省(Department of Defense)は、無人航空機上で遠く離れた状態など、厳しい条件下でも個人を認識もしくは特定できるようになる。受益するのは、アクセンチュア・フェデラル・サービス社(Accenture Federal Services LLS)やミシガン州立大学(Michigan State University)など、計7機関。 Office of the Director of National Intelligence “IARPA LAUNCHES NEW BIOMETRIC TECHNOLOGY RESEARCH PROGRAM” (3/11/22)