エネルギー省、コミュニティによる地熱プロジェクト支援に1,300万ドルを提供の意向

米国のコミュニティのエネルギー負担(世帯の総収入に対するエネルギー費用の割合)と化石燃料への依存を軽減する一助として、エネルギー省(Department of Energy)は、「コミュニティの地熱冷暖房設計及び導入(Community Geothermal Heating and Cooling Design and Deployment)」資金提供公募(FOA)を発表する意向を明らかにした。地熱エネルギーを使い、地下の配線ネットワークを通じて住宅や企業の建造物へ気候コントロールを提供する地熱地区型冷暖房システムは、米国外では比較的一般的である。今回意向を示したFOAは、地域社会や労働力、設計/分析、導入の専門家で構成されるコミュニティ同盟がこうしたシステムを導入することを支援するものである。FOAは現時点ではあくまでも予定であり、変更されたり、実施されない場合もある。 Department of Energy “DOE Announces Intent to Release $13 Million to Support Community Geothermal Projects” (5/3/22)

大統領府、量子に関する2件の指示を通達、インフラ強化を目指す

バイデン政権は、量子コンピューティング技術を米国のサイバーセキュリティ・インフラ及び政策に統合させることに焦点を当てた新たな指示を2件通達した。新興技術に関する連邦政府の新たな措置となる。5月3日に通達された指示の一つは、量子科学技術開発を進展させる政府の監督委員会を設立するもので、暗号化に関連する量子コンピューティング技術のイノベーションを強調したものとなっている。この委員会は、量子分野の最新の展開について、政策策定者及び一般市民へ情報を拡散し、政策策定のガイド役を務める。委員会は大統領府直轄の組織となる。2つ目の指示は、量子と国家安全保障の関連性に焦点を当てたもので、「国家安全保障メモランダム(National Security Memorandum)」と呼ばれる。連邦機関やその他の組織がそれぞれのシステムを耐量子暗号技術へと移行させる上でガイドブックとなるものである。 Nextgov “White House Issues Two Quantum Directives Set To Bolster American Infrastructure” (5/4/22)

大統領府、米国の炭素汚染削減に23億ドル以上の投資を発表

エネルギー省(Department of Energy)は5月5日、二酸化炭素汚染を削減し、気候変動の影響に対処し、地域社会の関与と環境正義を優先付けつつ、良好賃金の雇用創出につながる多様な炭素管理手法を発展させる3つの取り組みに23億ドル以上の投資を発表した。一つ目は、地質的炭素貯蔵プロジェクト(各プロジェクトは少なくとも5,000万メトリック・トンの二酸化炭素を恒久的に貯留できる能力を持つ)の加速を目的とした22億5,000万ドルの公募の意向通知(notice of intent: NOI)である。その資金は、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から拠出される。二つ目は、商業規模で陸上及び海上の二酸化炭素貯留について、安全で効率的かつ手頃な費用で定義と評価を行えるよう手順を改良することを意図した資金提供公募(4,500万ドル)である。そして三つ目は、ユーティリティ機関及び産業の排出源もしくは大気から二酸化炭素を排除、捕獲、転換、もしくは貯蔵するための技術開発を目的とした資金提供公募(4,600万ドル)である。これらの機会は、エネルギー省の化石エネルギー・炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)が管理する。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces Over $2.3 Billion Investment To Cut U.S. Carbon Pollution” (5/5/22)

GAO、国家地震災害軽減プログラムについて報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は今般、「地震:リスク評価、対応力構築、研究に関する対話を進展させる機会は存在(Earthquakes: Opportunities Exist to Further Assess Risk, Build Resilience, and Communicate Research)」と題する報告書を公表した。国家地震災害軽減プログラム(National Earthquake Hazards Reduction Program: NEHRP)は、一般市民へ地震のリスクについて学びを提供したり、コミュニティが建築基準を更新したり、設計・建設慣行を向上させたりすることを支援するなどして、米国のコミュニティが地震への対応力を強化することを助ける。NEHRPは、全国2万2,000地区における建築基準導入について追跡するなど進展評価を開始しているが、全国的な評価は実施されていない。GAOは、「全国的な評価を行うことで、州や地方自治体、準州、部族による地震リスク軽減方法の不一致に戦略的に対処する助けとなり得る」など、7つの勧告を提示している。 Government Accountability Office “Earthquakes: Opportunities Exist to Further Assess Risk, Build Resilience, and Communicate Research” (5/4/22)

NSFとエネルギー省、科学及び工学研究でのパートナーシップを発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)とエネルギー省(Department of Energy)のエネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)は3月23日、覚書(Memorandum of Understanding)に署名し、国家エネルギー政策の強化を目的とした科学及び工学研究での共同作業に関する長期的なパートナーシップの継続を確認した。覚書により、相互に恩恵をもたらす機会がある分野で両機関が新たに協力することが可能になる。NSFとエネルギー省のEEREは、米国の研究及びイノベーションの育成において補完的な役割を担うことが多々あり、共に研究室の発見を商業化へと進展させる。共同研究のトピックには、バイオエネルギー、建築及び水質処理技術、水素及び燃料電池、再生可能エネルギー技術、農業、重要鉱物及びマテリアル、製造、そして新技術やエネルギー関連政策の社会的/行動的/経済的側面が含まれる。 National Science Foundation “NSF and DOE announce partnership for science and engineering research” (5/13/22)

クリアビューAI社、米国内のほとんどの企業への顔認識ソフトウェア販売が不可に

数十億枚の顔写真(その多くは、本人が知らないうちにソーシャル・メディアから抽出された)へのアクセスを販売し、悪評を得ていたクリアビューAI社(Clearview AI)は、5月9日、「本人の同意を得ずに個人の生体認証データを使用することを禁じるイリノイ州法に違反している」として、米国人権同盟(American Civil Liberties Union: ACLU)から提訴されていた件で、和解に同意した。対象となっている法律は、「生体認証情報プライバシー法(Biometric Information Privacy Act: BIPA)」で、イリノイ州民のプライバシーを保護する法律であるが、今回の和解は、全国的な論争で消費者保護を強化するために法律がどのように活用されるかを明確に示唆するものとなる。和解の条件によれば、クリアビューAI社は、米国内で同社の顔認識データベースを民間の企業及び個人へ売却もしくは譲渡することを禁じられる。 Tech Crunch “Clearview AI banned from selling its facial recognition software to most US companies” (5/9/22)

エネルギー省、米国製チャレンジ賞金プログラムにおける付与額、1億ドルを突破

エネルギー省(Department of Energy)は4月22日、2つの新たな賞金コンペを発表した。一つは、「ジオホン・プライズ(Geophone Prize)」で、強化地熱システム(enhanced geothermal system: EGS)のシミュレーションの際に表面化の変化についてリアルタイムでデータを収集する高温地震センサー(ジオホン)の開発に、365万ドルのインセンティブを提供する。もう一つは、「水素ショット・インキュベーター(Hydrogen Shot Incubator)」コンペで、イノベーターはクリーン水素の費用を十年間で1キログラム当たり1ドルにするという「水素ショット(Hydrogen Shot)」の目標に到達する助けとなり得るクリーン水素生産技術の実証を競う。賞金総額は320万ドル。エネルギー省は更に、ソーラー・エネルギー技術のイノベーションを進展させるコンペの競争者に450万ドルを授与した。これらの賞金は、エネルギー省の「米国製チャレンジ(American-Made Challenge)」プログラムの一環で、エネルギー省は、2018年に米国製チャレンジ賞金プログラムを開始して以来、合計で約1億ドルの賞金及びインセンティブを授与している。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Passes $100 Million Milestone in American-Made Challenges Prize Program” (4/22/22)

MIT、研究コンピューティング及びデータ局を新設

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)は、研究コミュニティにおけるコンピューティングとデータのニーズが増大し続けていることとを受け、研究者が最善の活動をする上で必要とする先端のコンピューティング資源及びデータ管理サービスへのアクセスを確実に得られるよう、新たな取り組みを開始する。その取り組みの中心は、「研究コンピューティング及びデータ局(Office of Research Computing and Data: ORCD)」の新設である。物理学部(Department of Physics)部長のピーター・フィッシャー教授(Peter Fisher)が、同職を退任して、ORCDの初代所長に就任する。ORCDの正式なオープンは9月で、MITの研究コンピューティング・プロジェクト(MIT Research Computing Project)の後継機関となる。ORCDは、ハードウェアやソフトウェア、クラウド・ソリューションに至る幅広い分野で、MITの研究コミュニティへサービスや助言、訓練、文書化作業などを提供する。 Science Blog “MIT To Launch New Office Of Research Computing And Data” (5/5/22)

NSF、サイバーインフラのアクセス性に関するイノベーション、ユーザー・サポート、総合サービスの進展を目的としたACCESSアワードを交付

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は今般、「先端サイバーインフラストラクチャ調整エコシステム:サービス&サポート(Advanced Cyberinfrastructure Coordination Ecosystem: Service & Support: ACCESS)」プログラムを通じて、5,200万ドルの追加投資を行うと発表した。ACCESSは、全国サイバーインフラ・センターのアクセス性を向上させ、米国内のキャンパスにおける研究コミュニティとシステムの統合を強化する。2022年のACCESS受益者チーム(5件)は、71名の研究者、学生、スタッフと、90以上のパートナー機関で構成される。NSFでは、研究のサイバーインフラ・エコシステムは、科学工学分野における米国のリーダーシップを確実にするための重要な発見及びイノベーションの触媒となるものであり、全国的な研究サイバーインフラに投資することで、研究コミュニティの進化し続けるニーズに対応し、経済競争力と機会を高め、国家安全保障の強化につながると期待している。 National Science Foundation “NSF ACCESS awardees will advance innovations in cyberinfrastructure accessibility, user support and integration services” (4/22/22)

スタンフォード大学、新学部「ドアー・スクール・オブ・サステナビリティ」を開設

スタンフォード大学(Stanford University)はこの秋、ここ70年間で初となる新たな学部「スタンフォード・ドアー・スクール・オブ・サステナビリティ(Stanford Doerr School of Sustainability)」をスタートする。ジョン・アンド・アン・ドアー夫妻(John and Ann Doerr)による11億ドルの寄付(同大学の歴史史上最大規模)と、その他の寄付者からの寄付金を受け、世界中の人々及び生態系が直面している急務の気候及び持続可能性の課題に対する学際的取り組みを促進する。スクールの初代学長(dean)には、元ARPA-E長官のアルン・マジュムダール氏(Arun Majumdar)が任命されている。 Stanford Univeristy ” Stanford Doerr School of Sustainability, university’s first new school in 70 years, will accelerate solutions to global climate crisis” (5/4/22)