バイデン政権、国内電池製造及びサプライチェーンを強化するため、超党派インフラ法から31億6,000万ドルを投入

エネルギー省(Department of Energy)は5月2日、米国内の電池及び部品の製造強化、国内サプライチェーンの強化、良好賃金雇用の創出、米国世帯の費用低減支援に拠出することを目的として、資金提供公募(FOA)「電池マテリアルの加工と電池製造(Battery Materials Processing and Battery Manufacturing)」を発表した。本FOAに、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から31億ドルが拠出され、商業施設の新築、改築、増築、ならびに製造実証と電池のリサイクルを支援する。更にDOEは、電気自動車(EV)に使用された電池の再利用と、リサイクル・マテリアルが再び電池サプライチェーンに戻るための新たなプロセスを支援するため、別途6,000万ドルを提供するFOA「電気駆動自動車の電池リサイクル及び再利用(Electric Drive Vehicle Battery Recycling and Second Life Applications)」を発表した。いずれのFOAも、政権による政府全体によるサプライチェーン戦略の重要な要素である。 Department of Energy “Biden Administration Announces $3.16 Billion from Bipartisan Infrastructure Law to Boost Domestic Battery Manufacturing and Supply Chains” (5/2/22)

ミシガン州の気候計画、電気自動車のインセンティブやより早急な再生可能への移行を要請

ミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事(Gretchen Whitmer)の政権は4月21日、州全体の炭素ニュートラリティへ向けたロードマップを発表し、2050年までに化石燃料から離脱するため、電気自動車向けインセンティブやエネルギー部門のより強力な再生可能エネルギー目標、燃焼経済後の経済へ向けた労働力育成訓練、その他の取り組みを要請した。計画は、より短期的な目標として、2030年までに2005年の水準から52%の排出を削減することが掲げられている。計画のハイライトとして、①バイデン大統領の正義40イニシアチブ(Justice40 initiative)と同様、気候変動対策のための州政府資金の少なくとも40%は恵まれない地域に充当、②2030年までに州内の石炭火力発電所を全て閉鎖し、再生可能エネルギー基準を実施、③クリーン輸送選択肢(公共交通機関や電気自動車など)を年間15%増加させ、電気自動車インセンティブ・プログラムを創出、などが挙げられる。 Bridge Michigan “Michigan climate plan calls for EV incentives, faster renewable transition” (4/21/22)

フロリダ州、2050年までに再生可能電力100%を目指す

フロリダ州のニッキ・フリード農務長官(Nikki Fried)(Agriculture Commissioner)が4月21日に発表した規則提案によれば、州のユーティリティ機関は再生可能電力の割合を段階的に引き上げ、2050年までに100%とすることを目指す。規則提案は、「気候変動を促進する化石燃料の使用を推進し続けることで、州政府は有権者の権利を侵害している」と主張する数十名の若者との長期的な法廷闘争から派生したものである(同様の訴訟は他州でも行われている)。今回ほどの規模の措置は、フロリダ州としては初めてである。規則は最終的なものではなく、複数の試練に直面する可能性がある。また、それらを克服した後でも、農務・消費者サービス省(Department of Agriculture and Consumer Services)が主にできることは、その順守状況を追跡することであり、取り締まりではないだろう。それでもフリード長官(2022年の知事選挙に立候補している民主党員)は、気候を変更する温室効果ガスの削減において「重要な最初の一歩である」と発表している。 AP News “Florida seeks 100% renewable electricity by 2050” (4/21/22)

CIA、初の最高技術担当官を指名

中央情報局(Central Intelligence Agency: CIA)のウィリアム・バーンズ長官(William J. Burns)は4月29日、CIAの初の最高技術担当官(Chief Technology Officer: CTO)にナンド・ムルチャンダニ氏(Nand Mulchandani)を任命したと発表した。ムルチャンダニ氏は、シリコン・バレーで25年の経験がある他、国防総省(Department of Defense)に務めた経験もある。同氏は、民間セクターやスタートアップ、政府に関する大幅な専門性をCIAにもたらす。今後はCTOとして、CIAが最先端のイノベーションを活用していること、CIAのミッションを進展させるため、明日のイノベーションの方向性を見渡していることを確実にする。同氏は、CIAのCTOに就任する前には、国防総省の合同人工知能センター(Joint Artificial Intelligence Center)の長官代理(Acting Director)を務めていた。また、創立者及び最高経営責任者(CEO)として、複数のスタートアップ企業を成功させている。 Central Intelligence Agency “CIA Names First Chief Technology Officer” (4/29/22)

NSF、国家ロボティクス・イニシアチブを終了

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、「国家ロボティクス・イニシアチブ3.0:総合ロボティクス・イノベーション(National Robotics Initiative 3.0: Innovations in Integration of Robotics: NRI 3.0)」プログラムの終了を発表した。NRI 3.0及びその前身である国家ロボティクス・イニシアチブ(National Robotics Initiative: NRI)プログラムは、協調的ロボティクス科学の進展を目的として、米国内の基礎研究を支援した。プログラムが実施されてきたこれまでの12年間を通じて、NSF及び連邦のNRIパートナーは、人間の安全性や生産性、自立性の強化につながる300件以上のパイオニア研究プロジェクトに2億5,000万ドル以上を投資してきた。NSFは、ロボティクス研究コミュニティへの支援と育成に引き続きコミットしており、NRIプログラムの成功を基盤として、最近新たに「ロボティクスの基礎研究(Foundational Research in Robotics: FRR)」プログラムを立ち上げている。 National Science Foundation “Dear Colleague Letter: NRI Sunset Announcement” (5/3/22)

バイデン政権、米国の電力グリッドの強化及び現代化を目的とした23億ドルのプログラムを開始

エネルギー省(Department of Energy)は4月27日、米国の電力グリッドを山火事や異常気象、気候危機によって悪化したその他の自然災害から守り、これを強化、現代化することを目的とした約23億ドルのグラント・プログラムの構造について、一般からの意見を求める情報の要請(Request for Information: RFI)を発表した。新プログラムはバイデン大統領による超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)によって確立され、エネルギー省の「より良いグリッド構築イニシアチブ(Building a Better Grid Initiative)」によって運営される。クリーンで手頃な費用で信頼性の高いエネルギーをあらゆる場所であらゆる人に常時提供できるようにするため、良好賃金の雇用を創出する州及び部族政府によるプロジェクトを支援する。今回のRFIは、エネルギー省のグラントの構造について州及び部族政府からの意見を募集している。具体的には、予想される申請時の課題や技術援助支援、その他の重要データ資源について意見が求められている。 Department of Energy “Biden Administration Launches $2.3 Billion Program to Strengthen and Modernize America’s Power Grid” (4/27/22)

エネルギー省、産業技術イノベーション諮問委員会の設立を通知

エネルギー省(Department of Energy)は4月26日付けの連邦広報(Federal Register)で、産業技術イノベーション諮問委員会(Industrial Technology Innovation Advisory Committee)の設立を通知した。同委員会は、エネルギー長官に、産業排出削減技術開発プログラム(Industrial Emissions Reductions Technology Development Program)に関して助言を行う。具体的には、2007年エネルギー自立・安全保障法(Energy Independence and Security Act of 2007: EISA)に記載されている焦点分野に関連して民間部門が開発している技術の特定及び評価、それらの焦点分野における民間部門またはその他の連邦機関における技術の溝の特定とその是正方法の勧告、民間部門による排出削減技術の導入を阻止している要素の分析などを通じて、助言を行う。 Federal Register “Industrial Technology Innovation Advisory Committee” (4/26/22)

米国と世界の60のパートナーが「インターネットの未来のための宣言」を始動

インターネットは世界中の人々がつながり、表現するというかつてない機会をもたらし、世界経済を変革し続けるなどしているが、それと同時に、深刻な政策的課題も生み出している。我々は世界で、デジタル権威主義が台頭する傾向を目にしつつある。こうした中、民主的政府やその他のパートナーが立ち上がり、4月28日、米国は世界中の60のパートナーと共に、「インターネットの未来のための宣言(Declaration for the Future of the Internet)」を始動した。この宣言は、パートナー間でインターネット及びデジタル技術の前向きなビジョンの進展に取り組む政治的コミットメントを示すものである。宣言の原則として、①あらゆる人々の人権と基本的自由を守る、②情報の自由なフローの進展につながるグローバルなインターネットを推進する、③包含的で手頃な費用の接続性を発展させ、あらゆる人々がデジタル経済の恩恵を受けられるようにする、ことなどへのコミットメントが含まれる。 White House “FACT SHEET: United States and 60 Global Partners Launch Declaration for the Future of the Internet” (4/28/22)

インド、中国、カナダ、イスラエルでR&D活動を行う米国企業の約半分以上がIT関連

2019年の企業エンタープライズ研究開発(Business Enterprise Research and Development: BERD)アンケート調査の試算によれば、米国企業による海外研究開発(R&D)支出は、1,045億ドルであった(2019年)。これに対して、これらの企業の米国内でのR&D活動は4,930億ドルであった。2011~2019年の間に米国に拠点を置く企業による海外R&D活動は年間平均5%の成長率を記録した。また、これらの企業による海外での雇用は、同期間に年間平均1%増加した。米国に拠点を置く企業による海外R&D活動の大半を占める上位10カ国には、カナダ、欧州5カ国(英国、ドイツ、フランス、アイルランド、スイス)、アジア3カ国(中国、インド、日本)とイスラエルが含まれる。米国に拠点を置く企業の海外R&D活動が最も多いのは英国(118億ドル)で、インド、ドイツ、中国、カナダと続き、これら5カ国は米国に拠点を置く企業の海外R&D活動の44%を占める。米国科学財団(National Science Foundation: NSF)による本報告は、米国に拠点を置く企業の海外R&D活動及び雇用の地域及び産業分類に着目し、特に情報技術関連産業に特別な焦点が当てられている。米国企業の海外R&D活動のうち、IT関連産業のR&D活動が占める割合は、インド、中国、カナダ、イスラエルにおいて、全体のほぼ半分(中国の49%)またはそれ以上(中国以外)となっている。 National Center for Science and Engineering Statistics “Foreign R&D Reported by IT-Related Industries Account for About Half or More of U.S.-Owned R&D Performed in India, China, Canada, and Israel” (4/28/22)

研究開発:米国のトレンドと国際比較

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の2022年の科学工学指標(Science & Engineering Indicators)による「研究開発:米国のトレンドと国際比較(Research and Development: U.S. Trends and International Comparisons)」は、主要な考察点として、①米国の研究及び実験的開発(R&D)の活動は、2019年に6,670億ドルに達し、2020年は7,080億ドルとなり、全ての部門(企業、高等教育、連邦政府、非営利組織、その他)で増加したが、多くは企業部門での増加、②インフレ調整後の米国のR&D全体の増加率は2010~2019年の年間平均で3.8%となり、同期間の米国のGDPの増加率(2.2%)を大きく超過、③米国は引き続き世界的なR&D活動のリーダーで、世界のR&Dの28%を占め(2019年)、中国が2番目(5,260億ドル。世界のR&Dの22%)となっているが、中国の2010-2019年の年間平均増加率は米国のほぼ2倍、④世界のR&D活動は一部の国に集中しており、米国、中国、日本、ドイツ、韓国、フランス、インド、英国を合わせると世界のR&D活動の約75%を独占(2019年)、を挙げている。 National Center for Science and Engineering Statistics “Research and Development: U.S. Trends and International Comparisons” (4/28/22)