バイデン政権、商業温水器について費用削減につながる新たなエネルギー効率基準を提案

エネルギー省(Department of Energy)は5月5日、商業温水設備(ガス貯蔵、瞬間湯沸かし器などを含む)向けに、新たな省エネ基準を提案した。これらの基準(案)は、商業温水設備の燃焼プロセスから余剰熱を回収することで消費エネルギーを大幅に削減する凝縮技術を取り入れることを義務付ける。最終的にまとまれば、提案されている基準によって、企業や運用事業者は、年間1億4,000万ドルの運用費用を節約できる。そして向こう30年間で24億ドルが節約される他、年間で480万世帯分相当の炭素排出などが軽減される。DOEが提案している通りに採択されれば、新基準は2026年に発効となる。 Department of Energy “Biden Administration Proposes New, Cost-Saving Energy Efficiency Standards for Commercial Water Heaters” (5/5/22)

NSF、地域の経済成長とイノベーションの促進を目的とした地域イノベーション・エンジン・プログラムを始動

国内のイノベーション能力を拡大するには、あらゆる地域の資源や創造性、創意工夫を活用する必要があるが、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が今週発表した新たなプログラム「NSF地域イノベーション・エンジン(NSF Regional Innovation Engines)(通称NSFエンジン・プログラム)」は、そうした取り組みを支援するものと位置付けられている。本プログラムでは、業界や学術機関、政府機関、非営利組織、市民社会などによる地域的な同盟を創出し、科学的及び技術的イノベーションを強化し、地域経済に効果をもたらすパートナーシップを形成することを奨励することになる。具体的に、イノベーション・エコシステムが十分に確立されていない地域を対象とし、最長10年間で最高1億6,000万ドルを提供する。プログラムは、イノベーション・エコシステムの成長について、①開発(development)、②発生(Nascent)、③新興(Emergent)、④成長(Growth)、⑤成熟(mature)の5段階に分けている。 SSTi “NSF launches Regional Innovation Engines program developed to stimulate regional economic growth and innovation” (5/5/22)

国防総省、癌研究イニシアチブを再活性化

政府全体で行われている大統領府イニシアチブ「癌ムーンショット(Cancer Moonshot)」が再活性化され、国防総省(Department of Defense)による取り組みが5月4日のイベントで開始された。このイベントは、国防総省のユニフォームド・サービス医療科学大学(Uniformed Services University of the Health Sciences)(メリーランド州ベセスダ)がスポンサー及び主催者となって行なわれたものである。この取り組みは、2016年に国防総省が、退役軍人省(Department of Veterans Affairs)、国立癌研究所(National Cancer Institute)と共に、「応用プロテオゲノミクス組織学習及びアウトカム(Applied Proteogenomics Organizational Learning and Outcomes: APOLLO)ネットワーク(APOLLO Network)」を創出して以来の大規模な拡大となる。APOLLOネットワークは、国防総省及びVAの13の病院によるネットワークで、癌を具体的な対象とした8件のプログラム(肺、乳房、前立腺、卵巣、すい臓、精巣、脳の癌の研究を含む)と共に開始された。その後、新たな癌ムーンショット・イニシアチブでAPOLLOネットワークが拡大され、全ての国防医療局(Defense Health Agency: DHA)の病院と、全ての種類の癌研究が含まれた。5月4日のイベントでは、癌ムーンショット・オンライン円卓会議が実施された。 Department of Defense “DOD Reignites Cancer Research Initiative to ‘End Cancer as We Know It Today’” (5/3/22)

NIST、室内の捜索及び救援活動における無人航空機システムの利用を向上させるため、賞金コンペを開始

商務省(Department of Commerce)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、室内での捜索及び救援活動を行う第一応答者が使用する無人航空機システム(unmanned aircraft system: UAS)の進展を目的とした新たな賞金コンペを開始する。「第一応答者による室内チャレンジ(First Responder UAS Indoor Challenge)」と呼ばれるコンペで、捜索・救援チームが建物に入る前に室内の状況についてより良い理解を得られるよう、コスト効果が高く容易に飛行できるドローン・ソリューションの設計、作成、飛行を競う。参加者は、GPSが利用できず、照明が限定的、もしくは建物の構造が完全でないという室内でUASを操作するという困難な状況に対処する。コンペは3段階で行われ、最高68万5,000ドルの賞金が提供される。 National Institute of Standards and Technology “NIST Launches Prize Challenge to Improve Unmanned Aircraft in Indoor Search and Rescue Scenarios” (4/27/22)

陸軍長官、陸軍将来コマンドの管理を明確にする新たな指令に署名

陸軍のクリスティン・ウォーマス長官(Christine Wormuth)(Army Secretary)は5月3日、新たな指令に署名し、陸軍将来コマンド(Army Futures Command: AFC)の事業に新たな領域を設定すると共に、陸軍の調達権限を改めて主張した。2018~2020年の間に発令された指令により、陸軍将来コマンドは「現代化事業を主導する部門」として確立されてきたが、今回の指令により、こうした過去の指令が覆される。また、新たな指令は、陸軍の科学・技術部門は、陸軍将来コマンドの傘下ではなく、陸軍次官補(調達・物流・技術担当)(Assistant Secretary of the Army (Acquisition, Logistics and Technology): ASAALT)の管轄下になるとしている。陸軍の広報担当官(Army Public Affairs)は、「AFCの発足を受け、陸軍はその発展を加速させ、陸軍の現代化努力におけるAFCの役割に関連する数多くの政策指令を発令した。それらは善意に基づくものであったが、長期的に確立されてきた調達権限について曖昧さを生み出すという不測の事態を招いた。今回の管理的変更は、こうした曖昧さを排除し、法令に則った明確な役割を確認し、我々の現代化と装備化の事業の間の共同作業をより良く促進するものである」と述べた。陸軍将来コマンドについては、「調達事業に関する高度な力を含め、現代化に関して過度な権限を持っている」と批判の声が上がっていた。 Defense News “In new directive, US Army reins in Army Futures Command” (5/4/22)

NIST、サプライチェーン・リスク管理のためのサイバーセキュリティ・ガイダンスを更新

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は今般、更新版の「システム及び組織のためのサイバーセキュリティ・サプライチェーン・リスク管理慣行(Cybersecurity Supply Chain Risk Management Practices for Systems and Organizations)」を発表した。この更新版は、サイバーセキュリティに関する大統領令へのNISTの対応の一部を構成するものである。ガイダンスは、組織が技術製品及びサービスを入手及び使用する際に自らを守る助けとなることを狙いとしている。更新版には、組織がサプライチェーン全般において、自らのサイバーセキュリティのリスク管理能力を開発する際に、導入が推奨される主要な慣行を提示している。ガイダンスは、組織が使用しようとしている最終製品の脆弱性だけでなく、その要素(別の場所で開発された可能性がある)、そしてそれらの要素が最終目的地に到着するまでにたどる経路についても考慮するよう奨励している。 National Institute of Standards and Technology “NIST Updates Cybersecurity Guidance for Supply Chain Risk Management” (5/5/22)

ボーイング社、世界本社をシカゴからワシントンDC地域へ移転へ

2001年に本社をシアトルからシカゴへ移転してから20年以上が経過した今、ボーイング社(Boeing)は5月5日、世界本社をワシントンDC地域(バージニア州アーリントン)へ移転し、同地域で研究・技術ハブを開発すると発表した。同社の最高経営責任者(CEO)であるデイブ・カルホーン氏(Dave Calhoun)は、「我々の顧客や関係機関に距離的に近いバージニア州北部は、世界本部を築く場所として理に適う」と述べた。世界本部は移転するものの、シカゴで大幅な存在感は維持していくという。 UPI “Boeing to move global headquarters from Chicago to Washington, D.C., area” (5/6/22)

DARPA、宇宙での原子力熱ロケットの実証につながるプロポーザルを募集

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「月と地球の間のアジャイルな運用を目的としたロケット実証(Demonstration Rocket for Agile Cislunar Operations: DRACO)」プログラムのフェーズ2及び3として、原子力熱ロケット・エンジンの設計、開発、製造、組み立てに取り組むプロポーザルを募集している。DARPAは、2026年度に、宇宙で原子力熱推進飛行の実証を行うことを目標としている。DRACOプログラムのフェーズ1では、2つのリスク削減活動が平行して進められ、トラックAはロケットエンジン原子炉の予備的設計開発に、トラックBは軌道上での実証システムに関する概念設計開発に、それぞれ焦点が置かれた。フェーズ2及び3では、軌道上での原子力熱ロケットエンジンの運用の開発と実証に焦点が当てられる。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Seeks Proposals Leading to In-Space Demonstration of Nuclear Thermal Rocket” (5/4/22)

ウィスコンシン州知事、「クリーンエネルギー投資は雇用を創出し、電気代を低減」と発言

ウィスコンシン州のトニー・エバース知事(Tony Evers)は、ウィスコンシン州は、クリーンエネルギー技術へ投資することで、4万人以上の雇用を創出し、電気代を引き下げ、気候変動に対策を講じることができると語った。4月19日に州として初めて発表された「クリーンエネルギー計画(Clean Energy Plan)」は、2050年までに炭素フリーの電力生産を実現するという知事の目標に到達し、2030年までに全ての温室効果ガス排出を半減するという州のコミットメント到達を支援する設計図として機能することを意図したものである。エバース知事が発表した本計画は、単なる勧告であるが、行動可能な枠組みとなるものであり、4つの主要経路として、①州の1億ドルの「フォーカス・オン・エネルギー(Focus on Energy)」プログラムにおけるインセンティブを拡大してクリーン・エネルギー技術を推進、②新たなエネルギー効率基準とフォーカス・オン・エネルギー・プログラムへの資金強化を通じて、全部門でエネルギー需要を削減、③商業ビル基準を更新する、④唯一最大の温室効果ガス排出源である輸送部門に対処、が挙げられている。 Madison.com “Gov. Tony Evers says clean energy investments can create jobs, lower bills” (4/20/22)

国立再生可能エネルギー研究所、米国内の埋立地に廃棄されたプラスチックで損失した価値を計算

プラスチック廃棄物が埋立ごみ処理場で山積みされ、2050年には海洋にいる魚類よりも多くの重量のプラスチックが浮遊すると試算されている。科学コミュニティが十分に理解していない点は、それによって失われるエネルギー機会である。つまり、プラスチックごみはエネルギーの無駄でもある。エネルギー省(Department of Energy)傘下の国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)の科学者が発表した論文「米国内のプラスチックごみの定量化と評価(Quantification and evaluation of plastic waste in the United States)」によれば、2019年に埋立ごみ処理場に廃棄されたプラスチックごみのエネルギー価値は、米国の輸送部門が使用するエネルギーの5%、もしくは産業部門が使用するエネルギーの5.5%を供給するのに十分であった。また、NRELの試算によれば、米国内のプラスチックごみの総量は4,400万メトリック・トンとなっている。更に、米国内でリサイクルされているプラスチックごみは約5%で、86%は埋立ごみ処理場行きとなっている(2019年)。 National Renewable Energy Laboratory “NREL Calculates Lost Value of Landfilled Plastic in U.S.” (4/28/22)