NSF、実世界の課題に基づく気候変動及びクリーン・エネルギー研究に投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、13件の新しい「国際研究・教育パートナーシップ(Partnerships for International Research and Education: PIRE)」に合計1,900万ドル以上を投資すると発表した。PIREコンペは、気候変動やクリーン・エネルギーに関連した世界の社会的課題に焦点を当てたコンペである。PIREアワードは、先見的で野心的かつ学際的で、実世界の課題に基づく(use-inspired)研究プロジェクトで、国際的な共同作業を必要とするプロジェクトに授与される。プログラムの主たる目標は、早急な拡大と成長の明らかな可能性を示す高度な研究プロジェクトを支援することである。今回、テキサスA&M大学(Texas A&M University)、イリノイ大学アーバナ-シャンペーン校(University of Illinois at Urbana-Champaign: UIUC)、クレムソン大学(Clemson University)など13大学が主導するPIREプロジェクトが選出された。 National Science Foundation ” NSF invests in use-inspired climate change and clean energy research” (9/9/22)

NSF、インテル社と1,000万ドルのパートナーシップを組み、有技能の半導体製造労働力を訓練・構築へ

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は9月8日、インテル社(Intel Corporation)と協力し、国内の半導体製造労働力の教育・訓練、公平なSTEM教育の進展に取り組むことを発表した。「CHIPS及び科学法(CHIPS and Science Act)」(通称CHIPS法)の可決を受け、インテル社とNSFは、1,000万ドルを投資し、生産の全てのレベルにおける質の高い製造労働力の開発と、イノベーションの支援に資金を提供する。その公募内容は、「科学コミュニティ宛ての書簡:工学技術と先端半導体製造技術者教育の強化(Dear Colleague Letter: Enhancing Engineering Technology and Advanced Semiconductor Manufacturing Technician Education: ETSTE)」に記されている。この協力を通じてNSFとインテル社は、工学技術を強化し、半導体の製造・設計のための先端教育・訓練を強化する様々なイノベーションに投資する他、2年制大学や4年制大学(少数派を対象とする大学を含む)におけるより公平なSTEM教育を実施及び改良することに取り組む。 National Science Foundation “NSF announces $10 million partnership with Intel Corporation to train and build a skilled semiconductor manufacturing workforce” (9/8/22)

NIH、次世代のCOVID-19診断を模索

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、診断検査薬製造事業者向けに、利用可能性(accessibility)に主要な焦点を当てた次世代の新型コロナ(COVID-19)の検査薬開発に関する資金提供公募(FOA)を2件発表した。このFOAは、国立画像生物医学・生物工学研究所(National Institute of Biomedical Imaging and Bioengineering: NIBIB)が管理する「診断のラピッド加速(Rapid Acceleration of Diagnostics: RADx)」テック・プログラムの一環である。両プログラムを通じて、COVID-19のパンデミック及びその後における検査の加速的開発と規制ガイダンスの提供を支援するため、2021年米国救済計画法(American Rescue Plan Act of 2021)から最高3億ドルの資金が提供される。公募の一つは、身体障害者(具体的には、盲目、低視力、微細運動機能障害、加齢関連の障害)が利用できる市販検査薬の開発に関するもので、もう一つは、市販検査薬及び治療現場での検査薬の性能向上や、使い勝手の良さを確実にするためのユニバーサル・デザインの統合に焦点を当てたものである。 National Institutes of Health “NIH seeks the next generation of COVID-19 diagnostics” (9/8/22)

エネルギー省、過去最大数の水力発電所支援を目的として1,350万ドルを配分

エネルギー省(Department of Energy)は9月9日、水力発電生産インセンティブ・プログラム(Hydroelectric Production Incentive Program)を通じて、55か所の水力発電施設へ1,350万ドルのインセンティブを提供したと発表した。水力発電生産インセンティブ・プログラムは、米国内のダムやその他の水インフラによる電力の生産と販売に資金を提供することで、水力発電生産能力を追加及び拡大し、水力発電の発展を支援するものである。今回発表されたインセンティブを受益する機関の数は過去最大で、そのうち18件は新規申請者であった。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)には、水力発電生産インセンティブ・プログラムの拡大を目的とした1億2,500万ドルが含まれ、今後、同プログラムの管轄局は、エネルギー省の水力発電技術局(Water Power Technologies Office)から新設されるグリッド導入局(Grid Deployment Office)へ移行する。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Distributes $13.5 Million to Support Record Number of Hydroelectric Facilities” (9/9/22)

エネルギー省、地熱電力の費用を削減するため、新たなエネルギー地球ショットを開始

エネルギー省(Department of Energy)のジェニファー・グランホルム長官(Jennifer M. Granholm)は9月8日、「2035年までに、強化地熱システム(enhanced geothermal systems: EGS)の費用を90%削減し、1メガワット当たり45ドルとすることで、米国の広範な再生可能エネルギー選択肢の一つにする」というエネルギー省の新たな目標を発表した。エネルギー省によるこの「強化地熱ショット(Enhanced Geothermal Shot)」は、ほぼ無尽蔵の地球の熱資源を活用し、信頼性が高くクリーンな電力を米国のコミュニティへ供給し、国内地熱業界の機会を拡大することを模索する。エネルギー省は、研究開発に投資を行い、米国が地熱の可能性へ十分なアクセスを得、強化地熱ショットの目標に到達できるよう支援する。エネルギー省による最近の投資として、現地ラボである「地熱エネルギー研究フロンティア観測所(Frontier Observatory for Geothermal Energy Research: FORGE)」のイノベーション促進を目的とした4,400万ドルの投資や、石油や天然ガスのベストプラクティスをEGSと従来型の地熱の双方の進展に移行させる取り組みに最高1億6,500万ドルの投資などが行われている。強化地熱ショットは、エネルギー省のエネルギー地球ショット・イニシアチブ(Energy Earthshots Initiative)として4件目のショットとなる。 Department of Energy “DOE Launches New Energy Earthshot to Slash the Cost of Geothermal Power” (9/4/22)

エネルギー省、米国産業部門全般の排出削減を目的とした大胆なロードマップを発表

エネルギー省(Department of Energy)は9月7日、米国製造部門の産業排出を削減するための4つの経路を特定した包括的な報告書「産業の脱炭素化ロードマップ(Industrial Decarbonization Roadmap)」を発表した。本ロードマップは、産業部門における劇的な炭素排出及び汚染削減が急務であることを強調した上で、業界及び政府のための段階的な研究・開発・実証議題を提示している。報告書が示す4つの経路とは、①エネルギ―効率の強化、②産業の電気化、③低炭素の燃料・原料・エネルギー資源、④炭素捕獲・活用・貯留(carbon capture, utilization, and storage: CCUS)である。また、業界及び政府が大幅な脱炭素化を達成するために実施できるR&D投資や行動として、①初期段段階の研究・開発・実証、②複数の経路戦略への投資、③モデリング/システム分析の実施、などを挙げている。 Department of Energy ” Biden-Harris Administration Releases Bold Agenda to Reduce Emissions Across America’s Industrial Sector” (9/7/22)

NSFと国防総省がパートナーを組み、5G技術と通信の進展に取り組む

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、国防総省(Department of Defense)の国防次官室(研究・工学担当)(Under Secretary of Defense for Research and Engineering)と提携し、NSFの「コンバージェンス・アクセラレータ(Convergence Accelerator)」プログラムの2022年コホートとして、「トラックG:5Gインフラを通じたセキュアな運用(Track G: Securely Operating Through 5G Infrastructure)」の下、16件の学際的チームに合計1,200万ドルの投資を行う。トラックGは、5Gの脆弱性の評価及び軽減、頑強な研究を通じた5Gの基準及び政策への情報提供、技術開発の推進を通じて、米軍及び連邦政府のための5G通信を進展させることを目的とした国防総省の5Gイニシアチブを基盤としている。今回選出されたチームは、それぞれの初期アイデアを概念実証へとつなげ、新たなチームメンバーやパートナーを見つけ、「コンバージェンス・アクセラレータ・イノベーション・カリキュラム」に参加する。イノベーション・カリキュラムには、人間を中心とした設計の基礎、チーム科学、ユーザー中心型の研究、初期ステージのプロトタイプなどが含まれている。 National Science Foundation “NSF, DOD partner to advance 5G technologies and communications for U.S. military, government and critical infrastructure operators” (9/7/22)

米政府、中国とロシアへの高度なチップの輸出を規制

バイデン政権は、高度なコンピュータ・チップの対中国・ロシア輸出に新たな規制を課した。米政府は、高性能コンピュータや人工知能といった分野で競合国の進展を阻むツールとして半導体を利用しており、今回の一件はその新たな取り組みである。対象となるのは、グラフィック・プロセッシング・ユニット(graphics processing unit: GPU)として知られるチップのハイエンド・モデルで、エヌビディア社(Nvidia)とアドバンスト・マイクロ・デバイス社(Advanced Micro Devices: AMD)によって販売されている。これらの製品は、当初はビデオゲームの画像描画を目的として開発されたが、ここ十年間に大型スパコンで導入され、音声認識や写真の目的物判読などにも応用されている。また、こうしたスパコンは、兵器開発や諜報情報の収集といった応用にも利用されており、中国の一部の大規模システムは国内のイスラム教徒少数派の監視と結びつけられている。 New York Times “U.S. Restricts Sales of Sophisticated Chips to China and Russia” (8/31/22)

国防総省、革新的な製造パイロット・プログラムを開始

国防総省(Department of Defense)の産業基盤政策局(Industrial Base Policy Office)は、国防生産法(Defense Production Act: DPA)第三章プログラム(Title III Program)を通じて、オースティン製造イノベーションセンター(Austin Center for Manufacturing and Innovation: ACMI)(テキサス州)と共に、革新的な製造パイロット・プログラムを開始した。本プログラムは、商業及び軍事応用のための先端製造技術に焦点を当てるもので、早急に生産拡大につなげられるようになることを目指す。この手法は、その他の重要技術分野でも再現されることが期待されている。こうした取り組みの強調すべき点は、新興技術を早急に拡大し、より頑強で対応力のある産業基盤に貢献するという新たなモデルである。今回のパイロット・プログラムは24カ月間にわたって行なわれ、軍事及び商業部門で使用されている不活性化学物質に焦点が当てられている。 Department of Defense “Defense Department Launches Innovative Manufacturing Pilot Program” (8/29/22)

NREL、2035年までに正味ゼロの電力部門を目指す経路について報告

国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は、「2035年までに100%のクリーン電力を達成するためのサプライ側の選択肢に関する調査(Examining Supply-Side Options to Achieve 100% Clean Electricity by 2035)」と題する報告書を発表した。2035年までに100%のクリーン電力を実現するという米国の変革的な目標へ向けた機会と課題を特定した報告書である。NRELは、この目標を達成し、大幅な恩恵をもたらすための経路を複数挙げているが、実際の技術混合と費用は、今後十年間における研究開発(R&D)活動や製造、インフラ投資に関する判断次第であるとしている。報告書は、目標達成へ向けて、技術費用を低減させる必要がある他、今後十年間に対処されるべき課題として、①需要側における電力化の劇的な加速と効率性の向上、②新たなエネルギー・インフラの早急な普及、②クリーン・エネルギーの製造及びサプライチェーンの拡大、④新興技術の市場化を支援する研究・開発・実証・導入の継続、の4点を挙げている。 National Renewable Energy Laboratory “Exploring the Big Challenge Ahead: Insights on the Path to a Net-Zero Power Sector by 2035” (8/30/22)