NIST、水道施設でのサイバーセキュリティ強化を目的としたプロジェクトを提案

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、水道及び廃水施設が直面する一般的なサイバーセキュリティ・リスクへのソリューションに取り組むパイロット・プロジェクト案について関係者からのフィードバックを募集している。「国家サイバーセキュリティ・センター・オブ・エクセレンス(National Cybersecurity Center of Excellence)」から生まれたプロジェクト「水道及び廃水施設の安全保障(Securing Water and Wastewater Utilities)」で、商用的に利用可能な資産管理、データ完全性、遠隔アクセス、ネットワーク分割に関するソリューションをまとめ、水道部門の参照アーキテクチャの開発に取り組む。このパイロット・プログラムは、昨年、ハッカーが遠隔アクセスしてフロリダ州の水処理場のコンピュータに侵入し、水供給に混乱をもたらそうとした事件を受けて高まった懸念に対処するものである。 Fedscoop “NIST proposes project to improve cybersecurity at water utilities” (11/9/22)

エネルギー省、リチウムの国内資源拡大支援に1,200万ドル投入

エネルギー省(Department of Energy)は11月9日、地熱塩水から電気自動車用電池などに使用されるリチウムを抽出及び転換することを支援するため、1,200万ドルの資金提供公募(FOA)を発表した。リチウムのサプライチェーンを強化、多様化するプロジェクトを支援する。FOAは、①地熱塩水から水酸化リチウムを生産する現場実証、②地熱塩水からリチウムを直接抽出するための応用研究開発、という2つのトピックに焦点が当てられている。これらはまた、エネルギー省のエネルギー貯蔵グランド・ロードマップ・チャレンジ(Energy Storage Grand Roadmap Challenge)、リチウム電池のための先端電池国家計画に関する連邦コンソーシアム(Federal Consortium on Advanced Batteries National Blueprint for Lithium Batteries)、米国電池マテリアル・イニシアチブ(American Battery Materials Initiative)にも整合している。 Department of Energy “Department of Energy Announces $12 Million to Help Expand Domestic Sources of Lithium” (11/9/22)

オークリッジ国立研究所とアルゴンヌ国立研究所、水素駆動の鉄道で鉄道業界の脱炭素化を目指す

米国内で化石燃料の燃焼による自動車からのシフトが進む中、エネルギー省(Department of Energy)傘下のオークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)とアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory: ANL)の研究者は、鉄道という別の選択肢に注目している。彼らの研究は、鉄業業界向けに、ディーゼルに代わる実行可能な代替燃料として、ゼロ炭素の水素及びその他の低炭素燃料に焦点を当てている。ORNLにある国立輸送研究センター(National Transportation Research Center)で11月9日、学際的チームの研究者達が、鉄道技術会社ウェブテック社(Webtec)の単気筒デュアル燃料ロコモーティブ・エンジン(single-cylinder dual-fuel locomotive engine)を設置し、プロジェクトの開始を祝った。研究者は、同ロコモーティブ・エンジンのためのハードウェア及び制御戦略の開発に取り組み、ロコモーティブに代替燃料を使用することの実行可能性を実証することに取り組む。両国立研究所は、ウェブテック社と共同研究開発契約を交わし、ANLとウェブテック社の契約には、ソフトウェア開発事業者のコンバージェント・サイエンス社(Convergent Science, Inc.)も含まれている。プロジェクトは4年間の計画で行われる。 Oak Ridge National Laboratory “Oak Ridge, Argonne national laboratories collaborate with Wabtec on hydrogen-powered trains to decarbonize rail industry” (11/9/22)

バイオ産業は活況、約3兆ドルの経済効果との報告

バイオテクノロジー・イノベーション協会(Biotechnology Innovation Organization: BIO)と州バイオ科学協会評議会(Council of State Bioscience Associations: CSBA)は10月26日、「米国バイオ科学業界:イノベーションの育成と米国の経済進展の促進(The U.S. Bioscience Industry: Fostering Innovation and Driving America’s Economy Forward)」と題する報告書を発表した。バイオ科学業界の経済効果と全国及び各州におけるコロナ禍の活動について報告したものである。それによれば、主要な考察点として、①米国のバイオ科学業界は2021年に12万件以上の米国企業において210万人を雇用した、②2018年以来、経済全般で雇用基盤の1.5%が削減された中、バイオ科学業界の雇用は11%増加した、③バイオ科学業界が米経済にもたらした経済効果は合計2兆9,000億ドルに達した(2021年。生産高合計に基づく)、④バイオ企業は、中小企業を中心に、新型コロナのワクチン及び治療法の開発に重要な取り組みを行った、が挙げられている。 Biotechnology Innovation Organization “Biotech Sector Thrives, Generating Nearly $3 Trillion Economic Impact – New Report Shows” (10/26/22)

ジョン・ケリー氏、COP27で新たな炭素クレジット計画を発表

バイデン政権の気候特使であるジョン・ケリー氏(John Kerry)は11月9日、エジプトで行われた国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)で、民間資本を活用して、中所得国が石炭から離脱し再生可能エネルギーへと進むことを支援する新しい炭素クレジット・プログラム計画を発表した。「エネルギー移行アクセラレータ(Energy Transition Accelerator)」と呼ばれる計画で、ベゾス地球基金(Bezos Earth Fund)とロックフェラー財団(Rockefeller Foundation)との連携で発表された。ケリー氏は、「目標は、このプログラムをCOP28(来年、デュバイで開催)までに稼働させることである」と述べた。アクセラレータ・プログラムの下、企業は炭素クレジットを購入することができ、それらの資金は開発途上国における再生可能エネルギー・プロジェクトに充当される。購入した企業は、排出削減を正味ゼロ目標の到達へ向けて数えることができる。こうした炭素クレジット・プログラムは歴史的に様々な理由から批判されているが、ケリー氏はこうした批判や懐疑を鎮めるためのセーフガードとして、化石燃料企業はプログラムに参加できないなどの案を発表している。国務省(Department of State)の報道発表によれば、チリやナイジェリア、マイクロソフト社(Microsoft)やペプシ社(Pepsi)などが初期の関心を表明している。 Protocol ” John Kerry just announced a new carbon credit plan at COP27″ (11/9/22)

半導体業界が持続可能性に関する独自のコンソーシアムを立ち上げ

半導体業界は今般、「半導体気候コンソーシアム(Semiconductor Climate Consortium: SCC)」を立ち上げ、持続可能性に対する業界としてのコミットメントを正式な形で示した。業界団体のSEMIがSCCイニシアチブを管轄する。SEMIの上級ディレクター(環境/健康/安全/持続可能性担当)(senior director of environment, health, safety and sustainability)であるジェームズ・アマノ氏(James Amano)は、「近年、持続可能性は、業界及び2,500の加盟企業の主要な焦点先となっている。多くの加盟企業が独自の持続可能性イニシアチブを持っているが、個々の活動よりも会員企業と共に業界として活動することでより強力になる」と述べる。SCCには、①協力、②透明性、③野心の3つの柱があり、会員企業は、温室効果ガス排出の継続的な削減を目的とした共通の手法や技術イノベーション、通信チャンネルを通じて「協力」、整合できるようになる。また、進捗状況に関する年間報告を発表することで「透明性」を図る。更に、「野心」は、2050年までの正味ゼロ排出達成を狙いとして、短期的及び長期的な脱炭素化目標を設定することである。 EE Times “Chip Sustainability Efforts Get Their Own Consortium” (11/4/22)

大統領府、正味ゼロ排出の画期的イニシアチブを発表

大統領府は11月4日、「2050年の気候目標に到達するための米国イノベーション:初期の研究開発機会の評価(U.S. Innovation to Meet 2050 Climate Goals: Assessing Initial R&D Opportunities)」と題する報告書を発表した。報告書は、「2030年までに温室効果ガスを50~52%削減し、2050年までに正味ゼロ排出を達成する」というバイデン大統領の目標に達することができるよう、初期の優先事項として、①ビルの効率的な冷暖房、②正味ゼロ航空、③正味ゼロの電力グリッドと電気化、④正味ゼロかつ循環経済のための産業製品及び燃料、⑤大規模な核融合エネルギー、の5点を特定している。そして、これらの技術のイノベーションを促進するため、政権は「正味ゼロの画期的イニシアチブ(Net-Zero Game Changers Initiative)」を開始した。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Makes Historic Investment in America’s National Labs, Announces Net-Zero Game Changers Initiative” (11/4/22)

大統領府、気候変動対策、コミュニティの強化、地域経済支援を目的に、自然ベースのソリューションに関するロードマップを発表

大統領府は11月8日、エジプトで行われている国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)で、「自然ベースのソリューション・ロードマップ(Nature-Based Solutions Roadmap)」を発表した。気候変動や自然の損失、不平等に対処する自然ベースのソリューションの可能性を全面的に解放するための経路を示した戦略的勧告の概説である。ロードマップには、①自然ベースのソリューションを加速させるための政策の刷新、②自然ベースのソリューションのための資金の解放、③連邦施設及び資産との共同主導、④自然ベースのソリューションの労働力訓練、⑤研究、イノベーション、知識、適用学習の優先付け、を「行動のための5つの戦略的分野(Five Strategic Areas for Action)」としている。こうしたロードマップやそれに整合された行動は、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)とインフレ低減法(Inflation Reduction Act)を通じて行われる主要投資に基づいている。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Announces Roadmap for Nature-Based Solutions to Fight Climate Change, Strengthen Communities, and Support Local Economies” (11/8/22)

エネルギー省、高性能コンピューティング研究に最高300万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は11月4日、現在の製造業が直面している最も困難な課題に対処することを目的として、業界パートナーとエネルギー省傘下の国立研究所の高性能コンピューティング資源及び専門家とを結びつけるため、最高300万ドルを拠出すると発表した。「エネルギー・イノベーションのための高性能コンピューティング(High Performance Computing for Energy Innovation: HPC4EI)」イニシアチブを通じて選出されたチームは、先端モデリングやシミュレーション、データ分析を、マテリアルの性能や製造の効率性の向上につながるプロジェクトに適用する。HPC4EIイニシアチブの公募により、「製造業向け高性能コンピューティング(High Performance Computing for Manufacturing: HPC4Mfg)」及び「マテリアルのための高性能コンピューティング(High Performance Computing for Materials: HPC4Mtls)」の両プログラムの下で行われるプロジェクトに資金が提供される。公募は、大学やコミュニティ・カレッジ、非営利組織など多様な組織と提携して申請することを奨励している。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Announces up to $3 Million for High-Performance Computing Research” (11/4/22)

エネルギー省、国立研究所の強化を目的としてインフレ低減法から15億ドルを拠出

エネルギー省(Department of Energy)は11月4日、米国内の国立研究所の構築及び改良を目的としてインフラ低減法(Inflation Reduction Act: IRA)から15億ドルを拠出すると発表した。この資源を基に、エネルギー省の科学局(Office of Science)が管理する国立研究所の科学施設の改良、インフラの整備、延び延びとなっている維持管理プロジェクトに対処する。科学局は、エネルギー省傘下の国立研究所の大半ならびに様々なプログラムや施設を監督しているが、ここ数十年、エネルギー省の国立研究所ネットワーク全般で資金不足となっており、科学局のミッションは危機に陥り、米国の科学的及び技術的競争力が脅かされてきた。こうした資金不足に対処すべく、科学局はIRAから新たに15億5,000万ドルを受領することとなった。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $1.5 Billion From Inflation Reduction Act to Strengthen America’s National Laboratories” (11/4/22)