米国とアラブ首長国連邦、クリーン・エネルギーへの移行を加速させるパートナーシップ(PACE)

米国とアラブ首長国連邦は11月1日、アブダビにて、新たなクリーン・エネルギーの主要枠組みに署名した。両国は、クリーン・エネルギーへの迅速かつ円滑な移行と、化石燃料からの離脱を確実にする頑強なパートナーシップを発表し、バイデン大統領は世界的なクリーン・エネルギー未来への深いコミットメントを示した。米国とアラブ首長国連邦の「クリーン・エネルギー加速のためのパートナーシップ(Partnership for Accelerating Clean Energy: PACE)」は、資金や投資、その他の支援に1,000億ドルを促進し、2035年までに世界で100ギガワットのクリーン・エネルギーを導入することを目標とする。PACEの野心的な計画は、①クリーン・エネルギー・イノベーションと導入とサプライチェーン、②炭素とメタンガスの管理、③原子力エネルギー、④産業及び輸送の脱炭素化、という4つの支柱を基に構築されている。 White House “FACT SHEET: U.S.-UAE Partnership to Accelerate Transition to Clean Energy (PACE)” (11/1/22)

ピッチブック、アントレプレナー出身大学上位100校を発表

ピッチブック社(PitchBook)による年間の大学ランキングは、ベンチャー・キャピタル(VC)の支援を受けた企業を創立したアントレプレナーの出身大学に関するデータを基に大学を順位付けしている。順位は、大学及び大学院別に発表されており、それによれば、スタンフォード大学(Stanford University)の同窓生が、大学と大学院のランキングの双方でトップとなっている。また、カリフォルニア大学バークレー校(University of California at Berkeley)が大学プログラムのランキングの2位、ハーバード大学(Harvard University)がMBA及びその他の大学院プログラムで2位となっている。米国以外では、イスラエルのテル・アビブ大学(Tel Aviv University)(7位)とテクニオン(Technion)(15位)が大学ランキングでの高順位を占め、英国のケンブリッジ大学(Cambridge University)とオックスフォード大学(Oxford University)が大学院ランキングの上位10大学に入った。 PitchBook “PitchBook Universities: Top 100 colleges ranked by startup founders” (10/31/22)

「宇宙のインターネット」のためのデジタル及びハードウェア・インフラの創出

現在の老朽化した階層的な通信インフラにおいて、地上及び宇宙におけるレガシー通信システムは、膨大なデータ・トラフィックのための帯域幅が不十分で、通信の真の対応力を阻害している。その一方、新しい商用宇宙システムは、速度や待機時間、拡張性、相互運用性の向上につながるデジタル及びハードウェアの情報システム・インフラを提供している。国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)の「ハイブリッド宇宙アーキテクチャ(Hybrid Space Architecture: HSA)」プロジェクトは、これらの問題への解決策として、商業部門と政府の能力を統合して運用及び情報のセキュリティを保持しつつ、サービス間及び米国の同盟やパートナーとの間の共同作業を実現することを目指す。HSAは、利用可能なリンクを活用しながら、複数の地上通信システムと多様な衛星ネットワークをリンクさせようとするものである。DIUは今般、HSAの第2フェーズとして、機敏かつ対応力のある通信アーキテクチャの構築という本プロジェクトの目標を集合的に追求する4社に契約を発注した。受益するのは、スパイダーオーク・ミッション・システムズ(SpiderOak Mission Systems)、アマゾン・ウェブ・サービス(Amazon Web Services)、アマゾン社のプロジェクト・カイパー(Project Kuiper)、マイクロソフト・アジュール・スペース(Microsoft Azure Space)の4社。 Defense Innovation Unit “Creating the Digital and Hardware Infrastructure for the Internet of Space” (11/2/22)

サイエンス/サイエンス・キャリア、バイオ・製薬トップ雇用企業発表

サイエンス誌(Science)及び・サイエンス・キャリア(Science Careers)の2022年トップ雇用主に関するアンケート調査(2022 Top Employers Survey)は、バイオテクノロジー、バイオ製薬、及び関連業界の従業員を対象にアンケート調査を行い、雇用主の上位20社とその特徴について調査した。ウェブベースのアンケート調査で、回答者は、革新的なリーダーシップ、従業員への敬意、社会的責任など21の特性に基づいて企業を順位付けした。その結果、世界で最も尊敬されている雇用主として、ニュージャージー州ブリッジウォーターにあるインスメッド社(Insmed)が1位の座に就いた。アンケート調査は、雇用主として最も評判の高い企業を特定するために実施され、前年に続いて行われた。 Eureka Alert! “Science/Science Careers’ survey ranks top biotech, biopharma, and pharma employers” (10/27/22)

アリゾナ州立大学、新たな量子研究コラボレーティブを開始

アリゾナ州立大学(Arizona State University: ASU)は、新たな主要イニシアチブとなる「量子コラボレーティブ(Quantum Collaborative)」を開始した。先端量子技術における発見と応用を通して、社会及び米国経済に大きな影響をもたらすことを想定している。州の資金を得た世界的なイニシアチブとして、量子という重要技術の理解を推進し、それを進展させるためのパートナーシップの形成を目指す。創立業界パートナーとして、クオンティニューム社(Quantinuum)、グーグル・クオンタムAI社(Google Quantum AI)、サンドボックスAQ社(SandboxAQ)、CR8DL社が、創立学術パートナーとして、パーデュー大学(Purdue University)、モンテレイ工科大学(Tecnológico de Monterrey)(メキシコ)、バージニア工科大学(Virginia Tech)、テキサス大学サンアントニオ校(University of Texas at San Antonio)が参加している。 Arizona State University “ASU launches new quantum research collaborative” (11/1/22)

NSF、公平性を狙いとして一部のグラント・プログラムで費用分担義務を廃止

米政府による複数の研究プログラムは、グラントや新たな機器の調達費用を申請する際、参加機関による経済的な負担を義務付けている。こうした費用分担(アワードの金額の半分に達することもある)の目的は、連邦資金を最大限に活用することと、全ての受益者がプロジェクトにコミットすることを確実にすることであるが、農村地域にある機関や科学分野で少数派の学生を対象とした機関を中心に、多くの機関がグラント獲得で競争するための資金を調達することができずにいる。こうしたことから、連邦議会は今年、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)に、費用分担を義務付けているNSFの5つのプログラムのうち、2つのプログラムでその義務付けを廃止し、様子を見ることを指示した。今後5年間、NSFによる大型研究機器(major research instrumentation: MRI)プログラムのアワードに義務付けられている30%の負担と、数学と科学の教員を訓練する「ロバート・ノイス教員スカラーシップ・プログラム(Robert Noyce Teacher Scholarship Program)」の一部に義務付けられている50%の費用負担が廃止される。費用分担廃止の提唱者は、今回の措置を歓迎しているが、一部の専門家は、NSFがMRIとノイス・プログラムの費用を全て負担することになり、議会が各プログラムの予算を引き上げない限り、グラントの件数もしくはその金額が減少するのではと懸念している。 Science “NSF to end cost-sharing mandate for some grants to level the playing field” (10/28/22)

NSF、半導体の設計及び製造労働力の育成支援を目的として、マイクロン社と1,000万ドルのパートナーシップ

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は10月28日、マイクロン・テクノロジー社(Micron Technology, Inc.)と分野横断型のパートナーシップを組み、半導体製造が抱える課題と労働力不足に対処する大胆かつ変革的な可能性のあるソリューションの開発に取り組むと発表した。NSFとマイクロン社がそれぞれ500万ドルを投資し、半導体設計及び製造の研究、教育、インフラ能力強化、労働力開発を支援する。全国的な半導体不足と世界的なパンデミックにより、半導体業界はチップをベースとする製品の需要増加に対応することが困難になっている。また、米国でのこうした需要は高水準であるものの、世界的なチップ供給のうち米国内で生産されているのはわずか約10%である。 National Science Foundation “NSF announces $10 million partnership with Micron to support semiconductor design and manufacturing workforce development” (10/28/22)

AIリーダーシップ:先行した米国がインドに後れ

ピーク社(Peak)が発表した「判断知能(Decision Intelligence: DI)の成熟度指数(DI Maturity Index)」によれば、米国は人工知能(AI)導入の初期のリーダーであったが、「企業によるAI導入」という点で、現在はインドの市場の方が成熟している。6年前、米国企業の28%がAIを導入し、インドの25%、英国の20%を上回っていたが、同社のDI成熟度指数によれば、インドは64点(全100点中)、米国は52点、英国は44点となっている。インドの企業が際立っている背景には、社内のコミュニケーションと教育を通じてAIが広範な支持を得ている点がある。米国労働者の18%が、「自分の企業がAIを使用しているかどうか不明である」と回答しているのに対し、インドのその割合はわずか2%である。更に、インドの若手スタッフの78%が、「今後5年間に、AIは労働者に前向きな影響をもたらす」と期待している。これに対して、米国のその割合は47%となっている。報告書によれば、企業がデータ・チームを構成する方法もAI導入を成功させる上で重要な要素なっている。更に、歴史的にカリフォルニア州が技術イノベーションのメッカと見られているが、AIリーダーシップにおいてはニューヨーク州が上回っており、その要因として同州が金融サービス・センターのトップであることが挙げられている。 Venture Beat “Report: U.S. loses AI leadership to India despite a 6-year head start” (10/28/22)

DARPA、コンピュータ・ネットワークを強化するCASTLEプログラムを開始

拡大し続けるサイバー攻撃の脅威、不定期で行われるコンピュータの脆弱性スキャン、負担の大きいセキュリティ手順により、重要なコンピュータ資産の保護は偏ったものになっているようである。それに加えて、費用高のサイバーセキュリティ評価はしばしば実行可能なフィードバックに欠けているようである。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、こうした状況を変えるべく、自動的で反復可能かつ測定可能なサイバーセキュリティ評価を加速させる技術に焦点を当てた新たなプログラムを開始する。この新プログラム「セキュリティ検査と学習環境のためのサイバー・エージェント(Cyber Agents for Security Testing and Learning Environments: CASTLE)」プログラムは、現実的なネットワーク環境を事例化し、先端的かつ継続的なサイバー脅威に対抗するAIエージェントを訓練する。チームは、強化学習(reinforcement learning)と呼ばれる機械学習を使って、ネットワーク内の脆弱性を軽減するプロセスを自動化することに取り組む。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA’s CASTLE to Fortify Computer Networks” (10/24/22)

DARPA、レーダー信号処理に革命をもたらす取り組み

レーダー・システムは、第二次世界大戦の頃に登場して以来、アパーチャー(アンテナ)や関連するハードウェア、ソフトイェアで数多くの技術改良が見られているが、数十年間に大きな変化が見られずにいるのは、アパーチャーと検出器の間で依然として線形信号処理を使用している点である。こうした中、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「線形処理を超えて(Beyond Linear Processing: BLiP)」プログラムを通じて、革新的な信号処理手法を適用してレーダーの性能を向上させることに取り組む。BLiPは、ハイパワーのコンピュータ処理を活用して、新規の非線形かつ反復信号処理技法の研究を行い、より軽量かつ小型でさほど高価でなく、しかも同等の能力を備えたレーダー・システムへとつなげることを目指す。 Defense Advanced Research Project Agency “Revolutionizing Radar Signal Processing” (10/25/22)