クラリベイト社、「高被引用論文著者リスト」(2022年版)を発表

イノベーションを加速させるための情報と洞察を提供するクラリベイト社(Clarivate Plc)は11月15日、「高被引用論文著者(Highly Cited Researchers)」2022年版リストを発表した。同社は、過去十年間にわたり、ある分野または研究領域で重要かつ広範な圧倒的影響力を実証した研究者(及びその所属大学、研究機関、商業組織)として、世界で6,938の研究者を高被引用論文著者として分類している。それらの研究者の所在国・地域は69に及び、科学及び社会科学の多様な研究領域に広がっている。「高被引用論文著者」とされた研究者が最も多かった国は米国で、2,764名となっている。これは全リストの38.3%で、2018年の43.3%から低下した。2番目に多かったのは中国で1,169名がリストに記載された。所属機関別で見ると、最も多かったのはハーバード大学(Harvard University)で233名となっている。 Clarivate “Clarivate Names World’s Influential Researchers with Highly Cited Researchers 2022 List” (11/15/22)

米英によるプライバシー強化技術賞金チャレンジの第1フェーズ勝者発表

米国と英国の両政府は11月10日、米英のプライバシー強化技術(privacy-enhancing technologies: PET)賞金チャレンジの第1フェーズにおける勝者を発表した。大西洋を挟む両国のイノベーターは、PETを使った金融犯罪検知の向上とパンデミックにおける個々の感染リスク予測、もしくは双方のシナリオに合致するソリューションの設計という2つのチャレンジ・トラックに参加している。提出された76件の技術論文の中から、12件の論文が選出され、合計15万7,000ドルの賞金が授与される。チャレンジの第2フェーズは11月初旬に始まっており、参加チームはそれぞれの技術論文で想定されたソリューションの構築に取り組んでいる。第2フェーズでは規制当局や政府機関との関与もあり、賞金総額は91万5,000ドルとなっている。更に、米英両政府は、第2フェーズで優秀点を獲得したソリューションのプライバシー保護能力を厳しく試験し、最終勝者を決める第3フェーズへの参加者募集も開始した。 National Science Foundation “Winners Announced in First Phase of U.S.-UK Privacy-Enhancing Technologies Prize Challenges” (11/10/22)

NSFとエネルギー省が地熱インターンシップの機会で提携

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)とエネルギー省(Department of Energy)のエネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)は、NSFのインターン(INTERN)プログラムを通じて、地熱エネルギーの分野での訓練機会を合同で提供する。地熱資源は全国的に存在するが、科学工学の障壁があり、地熱業界の成長が制限されている。NSFのインターン・プログラムは2017年に設立されたプログラムで、大学院生に6カ月間の経験的な学習機会を提供する。学生は、研究インターンシップを通じて専門家としての中核的なコンピテンシー及びスキルを習得する。インターン・プログラムは、学術機関における研究訓練を保管し、複数のキャリア進路へ向けた準備を強化し、STEM分野で少数派となっている大学院生の参加を奨励する。NSFとエネルギー省EEREによる地熱インターン・プログラムでは、毎年約10名のインターンシップに資金を提供し、学生一人につき6カ月間で最大5万5,000ドルを提供する。 National Science Foundation “NSF and DOE partner on geothermal internship opportunity” (11/15/22)

国立研究所、地熱と電気化学のエネルギー貯蔵が恩恵を活用するビル用コンソーシアムを立ち上げ

エネルギー省(Department of Energy)傘下のオークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)は、国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory)及びローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)と共に、ビルのエネルギー貯蔵に焦点を当て、貯蔵技術の成長、最適化、導入を加速させることを目的とした新たなコンソーシアム「Stor4Build」を開始した。再生可能電力、電気化、脱炭素の大規模な導入には、コスト効果の高いエネルギー貯蔵が必要とされており、地熱エネルギー貯蔵は、その有望性を示している。コンソーシアムの活動の根幹として、①マテリアルの最適化と製造、②モデリングと分析、③システムの最適化と統合、④市場と政策と公平性、の4つの研究分野が挙げられている。また、今後、技術及び市場の溝に対処し、市場の導入と、ビルにおけるエネルギー貯蔵技術に必要な変革を可能にするためのロードマップが発表される予定である。 Oak Ridge National Laboratory “National laboratories launch buildings consortium leveraging benefits of thermal and electrochemical energy storage for all Americans” (11/15/22)

エネルギー省、「死の谷」是正を望む

エネルギー省(Department of Energy)は11月7日、エネルギー省の研究開発インフラ強化について情報を求める「情報の要請(Request For Information: RFI)」を発表した。このRFIを通じて、人工知能(AI)や量子情報科学、データ分析、エネルギー効率といった新興技術を進展させたいと考えている。具体的には、この契約の機会は、潜在的な技術イノベーションが、技術製品の理論と実用的な応用の間にある、いわゆる「死の谷(valley of death)」に陥ることを防ぐことを模索するものである。エネルギー省の科学局(Office of Science)は、同省の研究開発プロセスを改良し、アイデアを市場化へつなげるより良い形を目指す助けとなる潜在的な業者について情報を求めており、国立研究所や学術機関、業界の学際的な科学者及び工学者で構成されるチームが、連邦資金を受益した研究が生産段階へと移行できるよう支援する形を想定している。 Nextgov “DOE Wants to Bridge Their ‘Valley of Death’” (11/7/22)

アマゾン社の新しい「プライム・エア」サービス、ドローンによる30分以内の配達を実施へ

アマゾン社(Amazon)は、ドローンによる新たな配達サービス、「プライム・エア(Prime Air)」を発表した。カリフォルニア州とテキサス州の2つの都市で年内にドローン配達を開始する。「MK27-2」と名付けられたドローン(直径5フィート半で重さ80パウンド)が、時速50マイルで飛行し、靴箱程度の大きさの箱に、地上12フィートから配達品を落下させる。配達可能な品物は重量5パウンド以下のものに限定される。アマゾン社のジェフ・ベゾス氏(Jeff Bezos)は、2013年にドローンによる配達を発表したが、実際にそのサービスが実施されたのはその3年後の1件のみであった。アマゾン社はまた、次世代配達ドローンとして、更に軽量かつ小型で騒音が少ないMK30も発表した。 Daily Mail.com “Amazon’s new Prime Air drone offers 30-minute deliveries, flies 50 mph and drops packages from TWELVE feet in the air – nearly a decade after Jeff Bezos first announced drone delivery” (11/14/22)

バイデン大統領、「米国は気候変動の世界的試練に立ち向かう」と発言

バイデン大統領は、エジプトで行われた国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)で演説し、「米国は温室効果ガス排出を削減するという約束に従う」と述べ、気候変動に対処する世界的リーダーとしての米国のイメージを支えようと努力した。米国は、2030年までに温室効果ガスを50~52%削減することを誓約しており、インフレ低減法(Inflation Reduction Act)の成立はその目標へ向けた大きな一歩となったが、為すべきことはまだ多くある。現在、米国の排出は2030年までに約39%削減される見通しである。バイデン大統領の演説は、COP27で主要な世界的問題点への対処で重要な進展が見られない中、行われた。 NPR “Biden says U.S. will rise to the global challenge of climate change” (11/11/22)

大統領府、非営利組織が重要なエネルギー改良を実施できるよう支援する5,000万ドルのプログラムを開始

エネルギー省(Department of Energy)は11月10日、非営利組織支援を目的としたエネルギー改良パイロット・プログラム(5,000万ドル)について一般からのコメントを募集する「情報の要請(Request for Information: RFI)」を発表した。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から資金拠出を受けて行われる「エネルギー効率マテリアル・プログラム(Energy Efficiency Materials Program)」により、電気代を低減させ、より健康なコミュニティ空間を創出し、商業ビルの炭素排出を削減する一助となるマテリアルの購入とビルの改良に取り組む非営利組織を支援する。エネルギー省によるこの種の投資は初めてで、非営利組織の財務健全性と長期的な持続可能性を後押しし、非営利組織がクリーン・エネルギーへの移行に参加するよう力添えする機会となる。エネルギー省は、同省のグラント・プログラムをこれまで受けたことがないような申請者がこのRFIに応答することを奨励している。寄せられた情報は、検討中の資金提供公募(FOA)を策定するために利用される。 Department of Energy “Biden- Harris Administration Launches First-Of-Its-Kind $50 Million Program to Help Nonprofits Make Critical Energy Upgrades” (11/10/22)

エネルギー省、先端原子炉向け高純度低濃縮ウラン(HALEU)の初となる国内生産へ向けたコスト分担型アワードを発表

エネルギー省(Department of Energy)は11月10日、高純度低濃縮ウラン(High-Assay Low-Enriched Uranium: HALEU)の国内生産能力を実証することを目的として、セントラス・エナジー社(Centrus Energy Corp.)の子会社であるアメリカン・セントリヒュージ・オペレーティング社(American Centrifuge Operating, LLC)に約1億5,000万ドルのコスト分担型アワードを提供すると発表した。HALEUは、米国内で先端原子炉を開発及び導入するために必要な重要マテリアルである。現在、国内のサプライヤーから商業規模で入手することはできず、米国の先端原子炉の開発及び導入に大きな影響をもたらす可能性がある。 Department of Energy “DOE Announces Cost-Shared Award for First-Ever Domestic Production of HALEU for Advanced Nuclear Reactors” (11/10/22)

国防諜報及び安全保障局(DCSA)による機密情報へのアクセスを承認された企業への脅威に関する報告書

国防諜報及び安全保障局(Defense Counterintelligence and Security Agency: DCSA)は今般、「米国技術を狙う:機密情報へのアクセスを承認された企業への脅威に関する報告(Targeting U.S. Technologies: A Report of Threats to Cleared Industry)」(2022年版)を発表した。本報告書は、米国の機密情報へのアクセスを承認された産業基盤(cleared industrial base)における機微もしくは機密の情報及び技術レジデントへの未承認のアクセスを取得しようとする海外の情報収集の試みをまとめたものである。DCSAは、2021年度に国家産業安全保障プログラム(National Industrial Security Program: NISP)の一環として運営されている施設(機密情報へのアクセスを承認されている)から、不審な問い合わせが約2万4,000件あったと報告を受けた。DCSAはそれらを点検し、諜報上の懸念があり、機密情報もしくは技術レジデントを不当に取得しようとした海外事業体が関与していると考えられる数千件の事例を特定した。2021年度は、エレクトロニクス、ソフトウェア、司令/制御/通信/コンピュータが、標的とされた米国技術の上位3つで、全ての報告の40%を占めた。また、地域別で見ると、東アジア及び太平洋、中近東の事業体が全報告の61%と最大の割合を占めた。更に、その手法として最も多かったのは履歴書の提出で、報告された全ての試みの約3分の1を占めた。 Homeland Security Today “Targeting U.S. Technologies: A Report of Threats to Cleared Industry” (11/4/22)