特別競争研究プロジェクト(SCSP)、米中イノベーションに関する暫定報告を発表

特別競争研究プロジェクト(Special Competitive Studies Project: SCSP)は11月17日、第4次となる暫定委員会報告(interim panel report: IPR)(全6回)「イノベーションの新たな形状を育成する(Harnessing the New Geometry of Innovation)」を発表した。報告書は、技術-経済競争について研究したもので、技術がどのようにして国力という形態で示されるかについて議論し、米国と中国の対イノベーション手法を比較し、人工知能(AI)や次世代ネットワーク、半導体など主要な技術分野で米中間で浮上してきた溝に関する分析を行っている。IPRは、「米国は、世界の二大経済大国における競争で成功できるよう具体的な技術行動計画を構築するため、長期的な組織が維持管理する官民モデルのプロセスを作り上げ、『イノベーションの新たな形状』に適応する必要がある」と結論している。 Special Competitive Studies Project “SCSP’s Platform Panel Releases Interim Panel Report” (11/17/22)

アルゴンヌ国立研究所と商務省経済開発局が共同で全国経済研究センターを始動

エネルギー省(Department of Energy)傘下のアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)は商務省(Department of Commerce)の経済開発局(Economic Development Administration: EDA)と提携し、全国経済研究・対応力センター(National Economic Research and Resilience Center: NERRC)を設立する。NERRCは、連邦による経済開発の取り組みと継続的な研究及びデータ分析を結びつける公共資源となる。NERRCの使命の中核は、「コミュニティがEDAから資金を受益した場合、その支援は効果的か?」「コミュニティはどのようにしたら将来の試練への準備により対応力を備えることができるか?」といった基本的な質問に回答することであり、4つの分野(①データ・アクセスと分析、②研究と分析、③プログラム評価、④経済対応力の研究者と実践者による会合)に焦点が当てられる。アルゴンヌ国立研究所とEDAはこれまでにも、「全国経済対応力データ・エクスプローラ(National Economic Resilience Data Explorer: NERDE)」の発表や「経済開発能力指数(Economic Development Capacity Index: EDCI)」の作成で協力しており、今回はそうした共同作業に基づく新たな取り組みとなる。 Argonne National Laboratory “Argonne and Economic Development Administration partner to launch national economic research center” (11/17/22)

国立再生可能エネルギー研究所の「太陽電池効率チャート」がインタラクティブ版に

国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)が作成する、太陽電池の効率性に焦点を当てたチャート、「ベスト・リサーチ-太陽電池効率チャート(Best Research-Cell Efficiency Chart)」が新たにインタラクティブ版となって登場した。数十年に及ぶ研究データを引き出し、具体的な技術もしくは期間に焦点を当てた独自のチャートを作成することができる。更に、チャート上の多くの点の背後にあるデータを深く探り、効率性以外の点を探求することもできる。 National Renewable Energy Laboratory “Popular NREL Cell Efficiency Chart Shines in New Interactive Version” (11/18/22)

GAO、コネクテッド自動車について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は、「コネクテッド自動車:運輸省による追加の情報は、関係者が周波数帯の有用性に関する課題や新規則を管理する助けとなり得る(Connected Vehicles: Additional DOT Information Could Help Stakeholders Manage Spectrum Availability Challenges and New Rules)」と題する報告書を発表した。コネクテッド自動車技術によって、自動車やインフラ、道路利用者のパーソナル機器が無線通信することが可能になり、衝突事故の削減につながる可能性がある。連邦通信委員会(Federal Communications Commission: FCC)は2020年、こうした技術専用の無線周波数を60%削減することを決定した。運輸省(Department of Transportation: DOT)は現在、削減された周波数でこれらの技術を利用できるようにするための戦略を開発中である。GAOは、この戦略に関する更なる情報を共有することで、交通関係者による技術投資計画の助けとするよう勧告している。 Government Accountability Office “Connected Vehicles: Additional DOT Information Could Help Stakeholders Manage Spectrum Availability Challenges and New Rules” (11/22/22)

大統領府、連邦政府によるポスト量子暗号技術への移行推進を開始

行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)は、量子コンピュータの運用開始に先んずる形で、連邦機関がポスト量子暗号技術への移行を開始する必要性を概説したメモを通達した。デジタル・インフラを量子攻撃から防御するための政府全体の取り組みを開始する上でガイダンスとなる。新たなメモは、連邦機関が現行の暗号化ハードウェア及びソフトウェアの在庫管理を行う要件を確立し、追加のサイバーセキュリティ・プロトコルが必要とされる高価値資産及び高い影響力を持つシステムの重要性を強調している。連邦機関の上層部はその後、これらの情報を編纂してリスクがより高い情報資産及びシステムに関する要旨が盛り込まれた報告書を作成し、国家サイバー局長室(Office of the National Cyber Director)及びサイバーセキュリティ・インフラ安全保障局(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency: CISA)へ提出し、効果的なポスト量子暗号技術への移行について、予算、計画、実行の支援を求める。 Nextgov “White House Begins to Push Federal Post-Quantum Cryptography Migration” (11/18/22)

大統領府、米国の電力グリッドの高度化及び拡大に130億ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は11月18日、米国の電力グリッドの拡大と高度化を目的として、新たな資金提供機会(FOA)を発表した(合計130億ドル)。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から資金拠出を受けた「グリッド対応力革新的パートナーシップ(Grid Resilience Innovative Partnership: GRIP)」プログラムと「配電促進プログラム(Transmission Facilitation Program)」の2つで、重要な電力の移送及び流通インフラへの直接投資としては唯一最大規模となる。GRIPプログラムは、①グリッド対応力ユーティリティ及び業界グラント(Grid Resilience Utility and Industry Grant)(25億ドル)、②スマート・グリッド・グラント(Smart Grid Grant)(30億ドル)、③グリッド・イノベーション・プログラム(Grid Innovation Program)(50億ドル)の3つで構成されており、今回発表された第一次FOAは合計38億ドルとなっている(2022及び23年度)。また、配電促進プログラムは、グリッドの改良や構築が直面する経済的障害を克服する一助となる革新的な回転基金を確立するもので、エネルギー省は本プログラムを通じて超党派インフラ法から最高25億ドルを借り受けることができる。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $13 Billion To Modernize And Expand America’s Power Grid” (11/18/22)

エネルギー省、長時間のエネルギー貯蔵実証プロジェクトに約3億5,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は11月14日、長時間のエネルギー貯蔵実証に関する資金提供公募(FOA)を発表した。低コストで信頼性が高く、炭素フリーの電力グリッドを支援するため、10~24時間、もしくはそれ以上の電力供給が可能であることを実証する新興の長時間エネルギー貯蔵(Long-Duration Energy Storage: LDES)実証プロジェクトに約3億5,000万ドルを提供する。資金の一部はバイデン大統領の超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から拠出される。米国が炭素フリーの電力グリッドへと移行する中、十分な電力供給が長時間行われること、そして発電が制限されたり利用できない場合に十分な電力供給が行われるようにするため、信頼性の高いLDESのニーズは一層重要になりつつある。LDES実証プログラムは、クリーン・エネルギー実証局(Office of Clean Energy Demonstrations: OCED)が管理し、最高11件の実証プロジェクトに約3億5,000万ドルが提供される。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Accomplishes Cybersecurity Apprenticeship Sprint” (11/15/22)

DAPRA、拡張可能でタイムリーで正確な医療トリアージを促進するチャレンジを実施

大量の死傷者が出る事故(mass casualty incident: MCI)においては、数分の違いが生死を分けるが、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)が今回立ち上げたトリアージ・チャレンジ(DARPA Triage Challenge: DTC)は、複雑な軍事的及び非軍事的な状況でMCIが発生し、必要な医療資源が限定的な中、医療担当者が効果的に対応できるよう画期的なイノベーションを促進することを狙いとしている。具体的には、単独もしくは非侵襲的な接触型センサーで負傷の生理的な特徴を特定し、医療応答者が拡張的でタイムリーで正確なトリアージを実行する助けとなるような機会を想定している。チャレンジの参加者は、こうした生理学的特徴の特定とセンサー技術の開発を促進する一連の取り組みに参加する。DTCの賞金は総額700万ドルとなっている。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Challenge to Facilitate Scalable, Timely, Accurate Medical Triage” (11/16/22)

DARPA、精神衛生の向上と自殺の予防を目的とした新規の手法を模索

心的外傷のストレスは、精神疾患、薬物依存、家庭内暴力、自殺を含め、多くの兵士に様々な悲惨な影響をもたらす要因となっている。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の「神経可逆性の工学を通じた柔軟な心理と機敏な認識の強化(Strengthening Resilient Emotions and Nimble Cognition Through Engineering Neuroplasticity: STRENGTHEN)」プログラムは、最近の神経科学と臨床慣行の向上を基に、福利を高め、問題的行動や自殺傾向につながる心的外傷ストレスの影響を防止または軽減することを狙いとしている。 プログラムは、認識の柔軟性(cognitive flexibility)と感情制御(emotional regulation)の強化によってこれを実現することに取り組む。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Seeks Novel Approaches to Improve Mental Health, Prevent Suicide” (11/15/22)

ITIF、大西洋両側の地域イノベーション競争力指数を発表

ITイノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation: ITIF)は、ドイツ経済研究所(German Economic Institute)、競争力研究所(Institute for Competitiveness)などと共に、ドイツ、イタリア、米国、カナダにおける96の州及び地域を比較評価した「大西洋両側の地域イノベーション競争力指数(Transatlantic Subnational Innovation Competitiveness Index)」を発表した。その主要な考察点として、次のような点が挙げられている。①全てのレベルの政府が、技術及びイノベーション主導の世界経済で自分達の競争力を向上させるため、国及び地域のイノベーション能力を促進する戦略を発表している、②知識やグローバリゼーション、イノベーション能力に関する13の指標に基づく上位5州は、マサチューセッツ州、カリフォルニア州、バーデンウュルテンベルク州(ドイツ)、ベルリン、ワシントン州で、下位5州は、プッリャ州(イタリア)、ウェストバージニア州、シチリア島、カラブリア州(イタリア)、ミシシッピ州となっている、③ドイツの州は全体的に米国、カナダ、イタリアの州より良い成績を示しているが、上位5州のうち3州は米国である。 Information Technology & Innovation Foundation “The Transatlantic Subnational Innovation Competitiveness Index” (11/14/22)