エネルギー省のINCITEプログラム、2024年のプロポーザルを模索

エネルギー省(Department of Energy)の「理論と実験への革新的かつ新規のコンピュテーショナル・インパクト(Innovative and Novel Computational Impact on Theory and Experiment: INCITE)」プログラムは現在、科学、工学、コンピュータ科学の広範な領域で、高インパクトで計算集約型の研究活動のプロポーザルを募集している。INCITEプログラムは、アルゴンヌ・リーダーシップ・コンピューティング施設(Argonne Leadership Computing Facility: ALCF)及びオーク・リッジ・リーダーシップ・コンピューティング施設(Oak Ridge Leadership Computing Facility: OLCF)での大幅なコンピュータ時間と支援的資源を通じて、科学技術の変革的な進展を追求する機会を研究者に提供する。世界中の学術機関、業界、政府機関の研究者が申請でき、エネルギー省のリーダーシップ・クラスのスパコンの配分可能な時間の最大60%をアワードとして授与する。 Argonne National Laboratory “U.S. Department of Energy’s INCITE program seeks proposals for 2024 to advance science and engineering at U.S. leadership computing facilities” (4/12/23)

アルゴンヌ国立研究所に量子情報研究を加速させるための新たなファウンドリー

エネルギー省(Department of Energy)傘下のアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)は、量子情報科学の進展を加速させるというミッションの一環として、アルゴンヌ量子ファウンドリー(Argonne Quantum Foundry)を建設した。ファウンドリーは、中西部独自の量子研究のためのマテリアル及びデータに関する国家資源であり、量子の機器及びシステム向けマテリアルの頑強なサプライ・チェーンを提供することで、量子科学の重要なニーズに対応する。ファウンドリーは、4月19日に正式に開設した。アルゴンヌ国立研究所のポール・カーンズ所長(Paul Kearns)は、「我々のファウンドリーは、量子情報科学技術の進展を促進し、国家の恩恵をもたらす」と述べる。アルゴンヌ量子ファウンドリーの創出は、Q-NEXT(アルゴンヌ国立研究所にある国家量子情報科学研究センター(National Quantum Information Science Research Center)で2020年に設立された)が主導した。 Argonne National Laboratory “New foundry to accelerate quantum information research at Argonne National Laboratory” (4/20/23)

イノベーティブ・ゲノミクス研究所、気候と医療を目的として微生物叢の編集に取り組み

4月17日にTED会議(TED Conference)で発表された「野心的プロジェクト(Audacious Project)」は、イノベーティブ・ゲノミクス研究所(Innovative Genomics Institute)のジェニファー・ダウドナ氏(Jennifer Doudna)とジル・バンフィールド氏(Jill Banfield)が主導するプロジェクトで、微生物という最小のツールを使って大きな夢を見るイニシアチブである。その研究イニシアチブ「CRISPRで微生物叢を工学し、気候と医療を向上させる(Engineering the Microbiome with CRSPR to Improve our Climate and Health)」は、寄付者から7,000万ドルの資金を受益する。本件には、カリフォルニア大学(University of California)の3つのキャンパス(バークレー校(UC Berkeley)のIGI、デイビス校(UC Davis)、サンフランシスコ校(UC San Francisco))が共同作業に関わることになる。ダウドナ氏は、CRISPRゲノム編集開発の取り組みで知られ、バンフィールド氏は、微生物コミュニティに関する研究を数十年続けており、ダウドナ氏にバクテリアのCRSPRシステムについて最初に紹介した人物である。両者は今回、それぞれの専門性を結集させ、CRISPRのゲノム編集を微生物コミュニティ(微生物叢)に適用させることで気候と人間の医療における世界的な問題に対処する新たなツールキットの開発に取り組む。 Innovative Genomics Institute “IGI’s ‘Audacious’ New Frontier for CRISPR: Editing Microbiomes for Climate and Health” (4/17/23)

国防イノベーション・ユニット、航空宇宙用地上設備プロジェクトに関して3社に契約発注

米軍の航空施設における航空宇宙用地上設備(Aerospace Ground Equipment: AGE)は、数百の異なる資産で構成され、そのサイズや形状、機能は様々である。AGEには、水圧試験スタンドやディーゼル発電機、ガスタービン発電機、空調ユニットなどが含まれる。現在、こうしたAGE資産のトラッキングを行うため、技術者が手作業でその位置情報を用紙に記入している。この作業は一日12~15回行われ、資産が事前の通知なく移動することがしばしばあることから、非効率的で時間がかかる。このような中、国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)のAGEプロジェクトは、手作業による位置情報記録プロセスの欠点を改善するため、リアルタイムでユーザーフレンドリーなグラフィック・インターフェースを用いてAGEの位置情報を更新する機器のプロトタイプ作成に取り組んでいる。「民間企業は、ブルートゥースやRFID、GPSなどの先端技術を積極的に使って資産のトラッキングを行っている。国防総省(Department of Defense)はこうした証明済みの既存技術を導入、統合して、我々の資産トラッキング能力を強化すべきである」とDIUの幹部は語っている。DIUは今般、LXグループ(LX Group)、クデルスキー社(Kudelski)、VOSシステムズ社(VOS Systems)にこのAGEプロジェクトの契約発注を決定した。 Defense Innovation Unit ” DIU Issues Contract Awards to 3 Vendors for Aerospace Ground Equipment (AGE) Project” (4/21/23)

エネルギー省、クリーンエネルギー雇用拡大支援に7,200万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は4月7日、エネルギー省の「産業評価センター(Industrial Assessment Center: IAC)プログラムのセンター・オブ・エクセレンスとして、5つの高等教育機関を選出したと発表した。選出されたのは、オクラホマ州立大学(Oklahoma State University)(グレートプレインズ)、ジョージア工科大学(Georgia Tech University)(南東部)、リーハイ大学(Lehigh University)(大西洋岸中部)、テキサスA&M大学(Texas A&M University)(メキシコ湾岸地域)、サンフランシスコ州立大学(San Francisco State University)(西部)でのセンター・オブ・エクセレンスで、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から合計,1,870万ドルの資金を受益する。エネルギー省はまた、IACプログラムをコミュニティ・カレッジや職業専門学校、労働組合訓練プログラムなどに拡大するため、また高等教育機関で新たに「訓練構築と評価センター(Building Training and Assessment Center: BTAC)」を設立するため、5,400万ドルの資金提供公募を発表した。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $72 Million to Expand Pathways to Clean Energy Jobs” (4/7/23)

エネルギー省傘下の国立エネルギー技術研究所のインフラ改良に1億5,000万ドル

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)は4月5日、エネルギー省傘下の国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)の研究拠点(全3か所)のインフラ及び研究施設の改良を支援するため、インフレ低減法(Inflation Reduction Act: IRA)から1億5,000万ドルが拠出されると発表した。NETLは、エネルギー省傘下の国立研究所の中で、唯一、政府が所有・運営する国立研究所である。今回の資金拠出を受け、ペンシルバニア州ピッツバーグ、ウェストバージニア州モーガンタウン、オレゴン州アルバニーにあるNETLの複合施設において、合金開発、コンピュテーション/データ/視覚化、プロセス開発の改良などが実施される。 Department of Energy “Inflation Reduction Act Invests $150 Million for Infrastructure Improvements at DOE’s National Energy Technology Laboratory” (4/5/23)

NETL、炭素貯留の許認可申請作成を加速させるためのデータ・ポータルを開始

国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)は、二酸化炭素を地下に貯留するための連邦掘削許認可申請プロセスを完了する上で必要な情報を提供するデータ・ポータルを新たに開始した。NETLが開発したのは、「クラスVIデータ・サポート・ツール地球データベース(Class VI Data Support Tool Geodatabase)」で、炭素貯留オープン・データベース(Carbon Storage Open Database)、エネルギー・データ・エクスチェンジ(Energy Data eXchange: EDX)、米国地質調査所(U.S. Geological Survey: USGS)などのデータを活用している。地球データベースは無料で一般市民が利用できる。クラスVIに分類される井戸は、温室効果ガスの恒久貯留を唯一の目的として、二酸化炭素を深い地下層へ注入するために使用される。クラスVIの許認可申請の作成準備を行う者は、地球データベースを使って、米国全体の空間データについて、質問、探査、ダウンロードすることができる。地球データベースは今後、更なる改良が計画されている。 National Energy Technology Laboratory “NETL DATA PORTAL TO ACCELERATE COMPLETION OF PERMIT APPLICATIONS FOR CARBON STORAGE” (4/12/23)

NETL、大規模な実地試験で新たなパイプライン・センサー技術を実証

国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)のパイプライン・センサー・チームは最近、天然ガス・パイプラインの監視を目的として、広範な光ファイバー・センサー及び表面弾性波技術の実地試験を無事に終了した。より安全でセキュアな天然ガス・パイプラインの利用と温室効果ガスであるメタンガスの軽減の一助とすることができる。パイプラインによる天然ガスの輸送は、船舶やトラック、鉄道による輸送よりも、安全かつ効率的で温室効果ガス(greenhouse gas: GHG)の排出も少ないが、GHGの漏出やその他の潜在的な問題を検知できる、より効果的な方法が継続的に必要とされている。NETLの研究者は、光ファイバー・センサー技術や表面弾性波技術を使ってパイプライン・ネットワークの安全性を確実にし、メタンガスの漏出を軽減するより良い手法の開発に取り組んでいる。 National Energy Technology Laboratory “NETL DEMONSTRATES NEW PIPELINE SENSOR TECHNOLOGIES IN A PILOT-SCALE FIELD TEST” (3/31/23)

エネルギー省、コミュニティソーラーの支援と加速を目的とした新たな投資を発表

エネルギー省(Department of Energy)は4月20日、「米国への投資(Investing in America)」議題の一環として、住宅の電気代を低減し、地元の汚染を削減することを目的とした複数の新たなソーラーエネルギー投資を発表した。具体的に、エネルギー省の国家コミュニティ・ソーラー・パートナーシップ(National Community Solar Partnership: NCSP)は、1,000万ドルのコミュニティ電力アクセラレータ・プライズ(Community Power Accelerator Prize)コンペに参加する25チームを選出した。同コンペは、米国内に強力なコミュニティ・ソーラー・プロジェクト・デベロッパーのネットワークを確立することを狙いとしている。優れたチームには、最大150メガワットのコミュニティ・ソーラーを米国内で導入できる可能性がある。エネルギー省はまた、「2023年公平なコミュニティ・ソーラーのためのサニー・アワード(2023 Sunny Awards for Equitable Community Solar)」を開始した。これは、公平なアクセスを拡大し、世帯の節約や良好賃金の雇用といった恩恵が購読者及びそのコミュニティに確実にゆきわたるようにするコミュニティ・ソーラー・プロジェクトもしくはプログラムに20万ドルの賞金を提供するものである。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces New Investments to Support and Accelerate Community Solar Across America” (4/20/23)

エネルギー省、国内ソーラー製造・リサイクルの増加と米国クリーンエネルギーグリッドの強化を目的として8,200万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)は4月20日、米国の国内ソーラー・サプライ・チェーンの強化を目的として、19件のプロジェクトに5,200万ドルを、そしてソーラーエネルギーをグリッドに統合する一助となる技術の資金として3,000万ドルを提供することを発表した。ソーラーパネルのリサイクル向上を目的として、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)に基づき、8件のプロジェクトがアワードの交渉対象として選出された。また、ソーラー製造インキュベーター・プログラム(Solar Manufacturing Incubator program)で選出された2件のプロジェクトは、米国のソーラー・サプライ・チェーンを後押しするための革新的な製品アイデアの商業化を加速させることに取り組む(1,600万ドル)。加えて、本プログラムの下、7件のプロジェクトが、新技術及び製造プロセスのリスク回避に取り組み、ソリューションのプロトタイプ段階への移行や商業化への道に取り組む(受益金額は各50~160万ドル)。更に、「PV研究開発資金プログラム(PV Research and Development funding program)」として、学術機関や業界、国立研究所の研究者による2件のチームが、ペロブスカイト太陽電池機器の耐久性や拡張性、効率性を制限する問題への対処に取り組む(合計1,800万ドル)。最後に、「将来の電力におけるインバーター・ベースの資源管理及び有用性に関する運用・計画ツール(Operation and Planning Tools for Inverter-based resource Management and Availability in Future Power: OPTIMA)」資金提供公募を通じて、グリッド計画の運用者及びエンジニアが新興の課題に対処して電力グリッドの将来を計画し、信頼性の高い日々の運用を維持する資金として3,000万ドルを提供する。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $82 Million Investment to Increase Domestic Solar Manufacturing and Recycling, Strengthen the American Clean Energy Grid” (4/30/23)