カリフォルニア気候投資イニシアチブ、2022年に総額約13億ドルを拠出

カリフォルニア州は4月17日、「カリフォルニア気候投資(California Climate Investments)」の年次報告を発表した。それによれば、2022年に行われた投資の74%(約10億ドル)が経済及び環境面でより大きな試練に直面しているコミュニティ及び世帯への支援に充当された。州全体で行われるカリフォルニア気候投資イニシアチブは、炭素ニュートラルでより公平な未来への移行を目指すものである。カリフォルニア気候投資は2022年に、13億ドルの資金を通じて約1万9,500件の新規プロジェクトを実施し、9億3,300万ドルが社会的に恵まれないコミュニティや低所得コミュニティ及び世帯(集合的に「優先層(priority populations)」と呼ばれる)へ直接的な恩恵をもたらした。カリフォルニア気候投資プロジェクトの一例として、①都市及び荒地で2,000万本以上を植樹、②89万1,000エーカー以上の土地の保護もしくは修復、③1万300件の手頃な費用の住宅ユニットへの資金提供、などがある。 California Air Resources Board “California Climate Investments reports nearly $1B in funding in 2022 to support communities facing the worst impacts of pollution, climate change” (4/17/23)

JASONプログラム、研究セキュリティの懸念を明確にする方法を提案

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、非営利の研究組織、MITREコーポレーション(MITRE Corporation)の科学諮問グループであるJASONに委託して作成した報告書を発表した。報告書のタイトルは、「研究セキュリティに関する研究プログラム(Research Program on Research Security)」。NSFは、JASONに、米国の研究システムの搾取を試みる海外政府の取り組みに関する研究に資金提供する新たなプログラムの土台作りを提示するよう委託した。報告書は、大きな課題の一つとして、研究者が、連邦機関及び大学による法規取り締まり措置について、匿名化されたデータにアクセスできることを確実にすることが重要であるとしている。また、「研究セキュリティ」への正当な脅威は存在するものの、それはしばしば、「研究完全性」の違反(プロフェッショナルとしての行動規則の違反など)と混同される点を強調している。JASONは、研究セキュリティに関する研究プログラムの産物は、民族的背景や出身国に基づいて個人を不利にするために使用されるべきではないこと、NSFの研究プログラムは、研究セキュリティに関する米国の懸念を共有する海外組織との協力による研究プロジェクトを奨励すること、などを勧告している。 National Science Foundation “Research Program on Research Security” (March 2023)

電気工学学位取得者の減少は、米国競争力低下にリスク

CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)により、今後数年間に、電気工学(electrical engineering: EE)の学位を必要とする雇用が数千件創出されるが、ITイノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation: ITIF)が発表した報告書「ショート・サーキット:米国における電気工学学位(Short Circuited: Electrical Engineering Degrees in the United States)」は、EEの学位を取得して卒業する学生の割合が減少していると警告する。例えば、2020年に米国大学が授与したEE学位はわずか2万9,860件(学士、修士、博士)で、同年に授与された全学位の1%となっている。また、1997年から2020年の間に授与されたEE学位はわずか37.5%増で、その他の全ての学問分野の授与数は81%増加した。報告書は、米国が競争力を維持することに真剣であるなら、政策策定者は、米国市民及び永住者のEEプログラムへの登録が増えるよう、大学にインセンティブを提供しつつ、EEプログラムの学生維持率を高めることに取り組む必要があると主張した。その上で、主要な政策勧告を提示している。 Information Technology & Innovation Foundation “Declining Electrical Engineering Degrees Risk Undermining U.S. Competitiveness, New ITIF Report Warns” (4/24/23)

EDA、新興の変革的イノベーション部門に優れたSTEM労働力を構築するため、450万ドルのSTEM人材チャレンジを開始

商務省(Department of Commerce)の経済開発局(Economic Development Administration: EDA)は、2023年度の「STEM人材チャレンジ(STEM Talent Challenge)」の応募受付を開始した。本チャレンジは、科学・技術・工学・数学(STEM)分野の人材を育成するプログラムを支援し、地域のイノベーション経済を促進することを目的とする。450万ドルのコンペで、航空宇宙や航空学、バイオテクノロジー、先端製造、サイバーセキュリティなど、新興かつ変革的な分野で優れたSTEM労働者を育成する一助となるプログラムに資金を提供する。申請者は、24か月間の労働力プログラムの実践に最高50万ドルを要請することができる。市、郡、州、部族国家、非営利組織、官民パートナーシップ、連邦研究所もしくは科学/研究パーク、高等教育機関、経済開発機関、コンソーシアムなどが応募できる。 Economic Development Administration “$4.5 Million STEM Talent Challenge Funding Opportunity Launched to Build a Robust STEM Workforce for Emerging and Transformative Innovation Sectors” (4/11/23)

EDA、技術ハブ・プログラムの情報を公開

商務省(Department of Commerce)の経済開発局(Economic Development Administration: EDA)は、「技術ハブ・プログラム・ファクト・シート(Tech Hubs Program Fact Sheet)」を発表した。技術ハブ・プログラムの方向性を示したものであるが、SSTIによれば、多くの疑問が回答されていない。本プログラムは、CHIPS及び科学法(CHIPS and Science Act)によって承認されたもので、これまでに5億ドルの資金を受け取っている。EDAは、戦略開発グラントに1,500万ドルを、残りの資金を少なくとも5件の実践のためのアワードに使用することを示唆している。申請者の優先付けや農村地域の適格性、タイムスケジュールに関する疑問は、EDAが示した情報の中で回答されておらず、SSTIはこうした点について説明を求めたが、記事の発表時点ではまだ回答を得ていない。 SSTI “Information on Tech Hubs programs released, key questions unanswered” (4/20/23)

PCAST、異常気象のリスクに対する予測を強化し、コミュニティを保護する報告書を発表

大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology: PCAST)は4月24日、大統領への報告書「変化する気候下での異常気象のリスク:予測の強化とコミュニティの保護(Extreme Weather Risk in a Changing Climate: Enhancing prediction and protecting communities)」を発表した。報告書には、米国民が異常気象のリスクについて理解し、準備することを助けるための勧告も含まれている。具体的には、①現在から21世紀半ばまでの間に、どこかの地点で、深刻な気象事象が生じるリスクを試算、②異常気象関連のリスクをより良く測定及び評価するために官民が質の高いツールを開発、③効果的で全てのコミュニティに公平となる政策を象徴する研究への資金提供を含め、全てのレベルで投資のガイドとなり、支援する国家計画を策定、を勧告している。 White House “PCAST Releases Report on Enhancing Prediction and Protecting Communities Against Extreme Weather Risk” (4/24/23)

米国電気通信情報局(NTIA)、AIの説明責任のある政策についてコメントを要請

商務省(Department of Commerce)傘下の米国電気通信情報局(National Telecommunications and Information Administration: NTIA)は4月13日、連邦広報(Federal Register)にて、「人工知能の説明責任のある政策についてコメントを要請(AI Accountability Policy Request for Comment)」と題する通達を行った。NTIAは、人工知能(AI)を使ったシステムが正当で効果的で倫理的で安全で、信頼に足るものであることを確実にする手法について、意見を募集している。寄せられた意見は、AIの説明責任ある政策について今後発表される報告書の情報提供となり、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)の「AIの権利章典のための計画(Blueprint for an AI Bill of Rights)」と、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)の「AIリスク管理枠組み(AI Risk Management Framework)」の強化に利用される。 Federal Register “AI Accountability Policy Request for Comment” (4/13/23)

バイデン大統領、全ての人の環境正義へ国のコミットメントを活性化する大統領令に署名

バイデン大統領は、現在も将来も、全てに人に、クリーンな大気で呼吸し、クリーンな水を飲み、健康なコミュニティで生活する権利があるとしており、大統領就任直後から最も野心的な環境正義議題に取り組んでいる。こうした中、大統領は4月21日、環境正義を連邦機関の活動に更に取り入れ、コミュニティが信頼できる現実的で測定可能な進展を実現することを目的とした大統領令(Executive Order)に署名した。大統領令「全ての人の環境正義へ国のコミットメントを活性化する(Revitalizing Our Nation’s Commitment to Environmental Justice for All)」により、次のようなことが行われる。①バイデン=ハリス政権による政府全体の環境正義へのコミットメントを深化させる、②過度の負担を強いられているコミュニティを汚染や環境害からより良く守る、③コミュニティとの関与を強化し、連邦機関を動員して既存及び伝統的な障害と不正義に対抗する。 White House “President Biden Signs Executive Order to Revitalize Our Nation’s Commitment to Environmental Justice for All” (4/21/23)

国土安全保障長官、AIや中国の脅威に対抗する新たな措置を発表

国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)のアレハンドロ・マヨルカス長官(Alejandro Mayorkas)は4月21日、初めてとなる「国土安全保障の現状(State of the Homeland Security)」講演の中で、新興の脅威に対抗することを目的とした2つの新たなイニシアチブを発表した。バイデン大統領が呼ぶところの「世界にとって決定的な十年」を形成する2つのトレンドに焦点を当てたもので、一つは生成人工知能(生成AI)がもたらす革命、もう一つは中国が呈する多角的脅威である。これに対してマヨルカス長官は、AI作業部会(AI Task Force)の設置と「中国の脅威に対抗する省全体の90日間スプリント(Department-wide 90-day sprint to Counter PRC Threats)」を発表した。前者は、DHSが初めて発表したAI専門の作業部会で、重要な国土安全保障ミッションを進展させるため、AIの具体的な活用を推進していく。後者は、①重要インフラの防衛、②中国が米国の合法な渡航システムを悪用して反体制派に嫌がらせをすることを防止する、など6つの分野で新興の脅威を評価し、リスクの低減につながる措置を早急に講じる。 Department of Homeland Security “Secretary Mayorkas Announces New Measures to Tackle A.I., PRC Challenges at First State of Homeland Security Address” (4/21/23)

国土安全保障省、国家気候対応力賞金コンペの新シリーズを開始

国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)は4月21日、停電時に重要なサービスが機能し続けるようクリーンエネルギー資源に焦点を当てた新たな賞金コンペを発表した。科学技術総局(Science and Technology Directorate: S&T)が賞金コンペを運営管理し、イノベーションをクラウドソースしながら、国土安全保障上重要な課題の解決へ向けて、米国一般市民の創造性を育成する。コンペ「数時間のクリーン電力チャレンジ(Clean Power for Hours Challenge)」では、停電時に、消防署や病院、シェルターなどの重要な施設が運営を継続できる助けとなる革新的な非常用電源のソリューションを模索する。環境に優しく、手頃な費用で、利用が簡単で、重要な施設の非常用電源を提供するソリューションが勝者として選出される。チャレンジは2段階で行われる。第一段階では、参加者は自分達のソリューションが審査基準にどのように合致するかを示した文書もしくは映像を提供する。最大15名の決勝進出者が選出され、1万ドルを受益した上で第二段階へと進む。第二段階では、最終的なソリューションを競い、最優秀(賞金40万ドル)、次点(同20万ドル)、佳作(5万ドル)が決定する。 Department of Homeland Security “DHS Launches New Series of National Climate Resilience Prize Competitions” (4/21/23)