国防総省、気候評価ツールを作成、同盟6カ国との気候協力を強化

2年前にバイデン大統領主導で行われた気候リーダー・サミット(Climate Leaders Summit)で、国防総省(Department of Defense)のロイド・オースティン長官(Lloyd J. Austin)は、国防総省気候評価ツール(DOD Climate Assessment Tool: DCAT)を同盟6カ国(豪、独、伊、日、韓、英)のために調整したものを作成すると約束した。ここ数か月間、国防総省のスタッフは同盟6カ国と協力し、ツールの開発と気候変動データの特定に取り組んできた。そして、米国は2023年4月20日、この気候コミットメントの約束を果たした。同盟6カ国との間でDCATの調整版を共有することで、同盟国の気候対応力を強化し、安全保障協力及び相互運用性を推進し、米国の国家安全保障を強化することができる。 Department of Defense ” DOD Produces Climate Assessment Tool, Strengthens Climate Cooperation With Six Allies” (4/20/23)

DARPA、微生物を用いたセンサーシステムを開発する「テルス」プログラム開始

現在の環境モニタリング手法は、分散型のセンサー・ネットワークと遠隔のセンサー・プラットフォーム(衛星など)の双方を頼りとして、人々や資産を守るための重要な情報を収集している。このような中、国防総省(Department of Defense)は、モニタリング能力を強化し、人員への潜在的リスクを大幅に削減するため、高い空間分解能と、電力及びロジスティックな面での負担が少ない形で環境をモニターする新たな補完的センサーの開発に関心を持っている。最近の研究で、バクテリアや菌類、微細藻類などの微生物に、科学的及び物理的現象の双方を含め、異なる種類の入力信号を検知できる有望性が認められている。微生物はまた、これらの入力信号の検知に対応する形で、科学的及び物理的な出力信号を生成することもできる。今回、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「テルス(Tellus)」プログラムを通じて、国防総省に関連する環境モニタリングを目的として、頑強で、機敏性と信頼性と耐久性のある微生物ベースの検知・応答機器の迅速な設計につながる、双方向型プラットフォーム手法の開発を模索する。 Defense Advanced Research Project Agency “Developing Agile, Reliable Sensing Systems with Microbes” (4/21/23)

エネルギー省、コロラド州内の連邦施設を2030年までに100%クリーンエネルギー化

エネルギー省(Department of Energy)とエクセル・エナジー社(Excel Energy)は4月21日、2030年までにコロラド州内の連邦施設に、100%の炭素汚染フリー電力(carbon pollution-free electricity: CFE)を供給することを目的とした覚書(memorandum of understanding: MOU)に署名した。政府が民間部門と協力して持続可能性に関する取り組みを示す中、こうしたパートナーシップはバイデン=ハリス政権下で2件目となる(最初のMOUは、一般調達局(General Services Administration: GSA)とエネルギー・アーカンソー社(Energy Arkansas LLC)の間で昨年11月に締結)。エネルギー省とエクセル・エナジー社は今後、3か月をかけて計画の策定に取り組み、それが実践されると、連邦顧客は2030年までに年間ベースで100%のCFE(一日当たり少なくとも50%のCFE)を供給される。コロラド州内のエクセル・エナジー社の事業地域には、国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory)の2つのキャンパス(ゴールデンとアーバダ)、デンバー連邦センター(Denver Federal Center)(レークウッド)が含まれる。 Department of Energy “DOE Announces New Effort to Power Colorado’s Federal Facilities with 100% Clean Energy by 2030” (4/21/23)

技術リーダー、AI研究の一時停止を要請

先端の人工知能(AI)システムの開発に一時停止を要請する公開書簡が発表され、研究者を二分している。テスラ社(Tesla)のイーロン・マスク最高経営責任者(Elon Musk)やアップル社(Apple)の共同創立者であるスティーブ・ウォズニアック氏(Steve Wozniak)などが署名し、4月上旬に公開された書簡は、AI企業や規制当局がAI技術の潜在的なリスクから社会を守るためのセーフガードを策定するため、6カ月間のモラトリアムを提唱している。昨年、マイクロソフト社(Microsoft)の支援を受けたオープンAI社(OpenAI)が画像生成のDALL-E2を発表して以来、AIは急速に進展している。公開書簡は、「フューチャー・オブ・ライフ・イニシアチブ(Future of Life Initiative)」という非営利組織が公開したもので、かなり推測的な有害性をかきたて、一部の研究者を苛立たせている。プライバシーやセキュリティの脅威などが指摘されているが、現在のAIモデルに内在する数多くの問題に対する簡単な解決策はないのが実情である。 Science “Alarmed tech leaders call for AI research pause” (4/11/23)

ジョアン・ヒューイット氏がブルックヘイブン国立研究所の所長に

ブルックヘイブン科学アソシエイツ(Brookhaven Science Associates: BSA)の理事会は、エネルギー省(Department of Energy)傘下のブルックヘイブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory)の次期所長及びBSAの会長として、理論物理学者のジョアン・ヒューイット氏(JoAnne Hewett)を任命した。BSAは、ストーニー・ブルック大学(Stony Brook University: SBU)とバテル社(Battelle)のパートナーシップで、ブルックヘイブン研究所の運営管理を行っている。同研究所の現所長であるドゥーン・ギブス氏(Doon Gibbs)は、2022年3月に、退任する意向を表明していた。ヒューイット氏は現在、カリフォルニア州にあるSLAC国立加速器研究所(SLAC National Accelerator Laboratory)のアソシエイト・ラボ・ディレクター(associate lab director)を務める他、SLAC/スタンフォード大学(SLAC/Stanford University)の教授(粒子物理学及び天体物理学)でもある。ヒューイット氏は、今夏にブルックヘイブン研究所に参加する予定である。現在のギブ所長は4月17日に退任予定で、ヒューイット氏の就任までの間は、トム・ダニエルス副所長(運営担当)(Tom Daniels)(Deputy Director for Operations)が暫定所長を務める。 Brookhaven National Laboratory “JoAnne Hewett Named Director of Brookhaven National Laboratory” (4/10/23)

DARPA、レガシー・コンピューティング・システムをセキュアにする鍵を模索

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、レガシー・ソフトウェアの抜本的変革を行い、サイバー攻撃者がシステムに侵入した際にただちにそれを阻止したいと考えている。サイバー攻撃を成功させるには、攻撃者は、最初のシステム・アクセスから一連の突破、権限昇格や横移動のステップを経て、最終的なターゲットまで到達する。例えば、かつてのソーラーウィンド社(SolarWInds)への攻撃は、ある従業員のEメール・アカウントへの侵入から始まった。DARPAは、「区画化及び特権管理(Compartmentalization and Privilege Management: CPM)」プログラムを通じて、ソフトウェア・システムを数多くの小さな「コンパートメント(区画)」(それぞれのコンパートメントは特定の機能を持ち、その目標を達成するには最少特権が必要となる)に自動的に再構成するツールの開発についてプロポーザルを募集している。最少特権のコンパートメントによるソフトウェアが稼働しているシステムは、サイバー攻撃への抵抗がより強い。CPMは4年間のプログラムで、技術開発に焦点を当てるフェーズ1と、拡張可能な能力の実証に焦点を当てるフェーズ2で構成される。 Defense Advanced Research Project Agency “The Key to Securing Legacy Computing Systems” (4/10/23)

労働省、良好なインフラ雇用のための公平な経路の開発・強化に8,000万ドルを発表

労働省(Department of Labor)は4月5日、「インフラ雇用のための経路構築グラント・プログラム(Building Pathways to Infrastructure Jobs Grant Program)」を通じて、8,000万ドルの資金が有用であると発表した。資金の有用性次第で、労働省は、インフラ雇用のための経路構築グラント・プログラムを通じて、合計約2億ドルを提供する意向である。グラントにより、官民部門のパートナーが、再生可能エネルギーや輸送、ブロードバンド・インフラ部門での先端製造や情報技術、専門家、科学及び技術サービス職の求職者向けに労働力訓練プログラムを開発及び拡大することができる。非営利組織や労働組合、公立及び州立の高等教育機関、経済・労働力事業体、州政府などの地方自治体が、50万ドル~500万ドルのグラントを申請できる。 Department of Labor “BIDEN-HARRIS ADMINISTRATION ANNOUNCES $80M IN FUNDING AVAILABLE TO DEVELOP, STRENGTHEN, SCALE EQUITABLE PATHWAYS TO GOOD INFRASTRUCTURE JOBS” (4/5/23)

マイクロン社とNSF、半導体労働力開発で協力

マイクロン・テクノロジー社(Micron Technology, Inc.)は4月10日、北東部大学半導体ネットワーク(Northeast University Semiconductor Network)の形成を発表した。同ネットワークは、米国半導体業界の次世代労働力を集合的に開発することに焦点を当てたパートナーシップで、半導体のエコシステム全般で学生が実体験型の学習を得る機会を増やすための新興の基礎研究を推進する。ニューヨーク州シラキュースで行われた記者発表では、上院多数党院内総務のチャールス・シューマー議員(Charles E. Schumer)と米国科学財団(National Science Foundation: NSF)のセスラマン・パンチャナサン長官(Sethuraman Panchanathan)がマイクロン社の幹部と共に、この新たなネットワークについて発表した。創立メンバーとして21の高等教育機関が参加する。また、マイクロン財団(Micron Foundation)とNSFが、合同で1,000万ドルを投資して大学の半導体カリキュラムを開発するパートナーシップの次なるステップとして、「科学コミュニティ宛ての書簡(Dear Colleague Letter)」を通じた公募も発表された。 Micron “Micron, National Science Foundation and Schumer Announce New Workforce Development Collaborations” (4/10/23)

エネルギー省、イノベーション研究所の更新を通じて複合製造の進展に更にコミット

エネルギー省(Department of Energy)のエネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)は、先端複合製造イノベーション研究所(Institute for Advanced Composites Manufacturing Innovation: IACMI)の資金提供を更新する決定を発表した。IACMIは、エネルギー省による既存(6件)のクリーンエネルギー製造イノベーション研究所(Clean Energy Manufacturing Innovation Institute)の一つ。IACMIは、5年度にわたって連邦資金を受益し、初年度は国内複合製造部門の技術的研究開発の進展と、商業化の加速を目的として600万ドルの投資を受ける。IACMIは、エネルギー省の初期研究所資金として7,000万ドルを、またIACMIの会員パートナーから1億8,000万ドル以上の資金を受益しており、今回の連邦資金はこれらの資金に続くものである。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Furthers Commitment to Advancing Composites Manufacturing Through Innovation Institute Renewal” (4/11/23)

DARPA、次世代アンテナのための革新的概念を模索

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「機密イノベーションを国防及び政府システムへもたらす(Bringing Classified Innovation to Defense and Government Systems: BRIDGES)」イニシアチブの下で発表される最初のトピックとして、中小企業及び非伝統的な国防契約事業者から、新規のアンテナの設計、マテリアル、製造、プロセスに関するディスラプティブなアイデアを募集する。トピック分野は、現状に比べてパフォーマンスが大幅に優れた、もしくは規模・重量・パワー・費用が大幅に削減された新たな設計を模索するものである。BRIDGESイニシアチブは、伝統的に米政府との共同作業に参加しない中小企業のイノベーションを国防総省(Department of Defense)の機密研究開発努力と結びつけることを狙いとし、具体的には、機密の範疇にある困難な問題とイノベーターを直接結びつけ、こうした問題へのソリューション開発の一助とすることを目標としている。 Defense Advanced Research Project Agency “Seeking Innovative Concepts for Next-Generation Antennas” (4/14/23)