米国の地方クリーンエネルギー政策と雇用創出に関する報告書発表

米国の州・地方政府が雇用創出につながる環境・エネルギー政策を模索する中、レンセラー工科大学(Rensselaer Polytechnic Institute)のデイビッド・ヘス教授(David J. Hess)と大学院生8名は、全米の州や市などにおけるグリーンジョブやクリーンエネルギー推進政策について分析した報告書「クリーンエネルギー業界とグリーンジョブの確立(Building Clean-Energy Industries and Green Jobs)」を発表した。これによれば、グリーンジョブをもたらすクリーンエネルギー業界の確立につながる政策を実施している州・市は限られているが、カリフォルニア州、マサチューセッツ州、ミシガン州、オースチン市(テキサス州)、ボールダー市(コロラド州)、クリーブランド市(オハイオ州)などが有効な政策を有しているとして評価されている。 Clean Edge “New Study Analyzes U.S> Regional Clean-Energy Policy Strength and Job Creation Potential” (08/05/10)

大統領経済諮問委員会のローマー委員長が辞任へ

大統領府は8月5日夜、大統領経済諮問委員会(Council of Economic Advisers:CEA)のクリスティーナ・ローマー委員長(Christina D. Romer)が9月で同職を辞任すると発表した。発表によれば、ローマー氏は出身のカリフォルニア州に戻り、カリフォルニア大学バークレー校(University of California at Berkeley)で教鞭を取る予定という。ローマー委員長は、大統領や大統領の経済アドバイザートップらと毎日のように会合しており、政権の経済政策形成の一端を担ってきた。後任についてはまだ発表されていない。 The New York Times “Romer Leaves as Head of Council of Economic Advisers” (08/05/10)

CBインサイト社、ベンチャー創業者に関する調査発表

調査会社のCBインサイト社(CB Insights)は8月3日、スタートアップ企業のベンチャーキャピタル獲得額ではなく、ヒューマンキャピタル(人材資本)を調査した報告書を発表した。同報告書は起業初期段階にある165件のインターネット・ベンチャー(本年上半期にベンチャーキャピタルを獲得した企業)を対象に、人種や年齢、企業設立者の経験を調べたものである。これによると、ベンチャー企業設立者の87%が白人で、黒人はわずか1%、アジア人は12%となっており、ベンチャーキャピタル獲得額が最も高い経営陣の年齢層は35~54歳といったことが明らかになっている。 Fastcompany.com “Report: Is Human Capital the New Venture Capital?” (08/03/10)

アメレン社の炭素回収設備、米政府から10億ドルを受益

オバマ政権は、イリノイ州にある石炭火力発電所、アメレン社(Ameren Corp.)の炭素回収技術に対し、景気刺激資金の中から10億ドルを投じると発表した。これは石炭燃料をよりクリーンなものにするための米政府の努力としては最大の取組みとなる。今回資金提供を受ける「FutureGen2.0」プロジェクトは、ブッシュ前政権がイリノイ州マットーンに建設予定としていたクリーン・コール発電所に代わるもので、炭素燃焼から発生する二酸化炭素をパイプラインのネットワークを通じて同地域にある貯蔵施設に運搬するものである。同施設は近隣地域に所在する火力発電所の炭素貯蔵施設として機能する可能性もある。 Bloomberg Businessweek “Ameren Carbon-Capture Plant Gets $1 Billion From U.S.” (08/06/10)

FDA、510(k)プログラムと政策決定における科学の活用に関する評価を発表

FDAは8月4日、二つの報告書を発表した。一つ目は、医療機器・放射線保健センター(Center for Devices and Radiological Health:CDRH)による市場販売前審査プロセス(510(k)プログラム)の強化および明確化に関するものである。近年、510(k)プログラムに対する懸念がFDA内外から指摘されており、これに対処することを目的とした報告書となっている。もう一つは、CDRHにおける政策決定過程における科学の活用方法を評価したものである。これは、イノベーションに必要な予測可能な規制環境を維持しつつ新しい科学情報を取り入れていくことを狙いとしており、医療機器イノベーションの育成、予測可能な規制環境の強化、患者の安全性の強化といった面から様々な勧告を行っている。 U.S. Department of Health & Human Services “FDA Issues Assessments of the 510(k) Program and Use of Science in Decision-Making” (08/04/10)

米国研究論文の無料アクセス化により10億ドルの効果が生まれるとの試算

オーストラリアのビクトリア大学(Victoria University)のエコノミスト、ジョン・ホートン氏(John Houghton)が発表した経済分析報告によれば、公費で行われている科学研究の論文へのアクセスを無料にすることで、30年間で10億ドル以上の経済効果が米国にもたらされるという。国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)ではグラント受益者に対し、グラント研究成果をまとめた論文を一定期間後(12ヵ月後)に無料公開するよう義務付けており、議会は現在この方針を11の研究省庁に拡大すると共に、NIHグラント受給者の論文一般無料公開開始期間を、研究論文発表6ヶ月後に短縮することを検討している。ホートン氏による報告書はこの政策による影響を分析したもので、論文へのアクセスが無料になることで、論文を購入しなければならない場合に比べ、ダウンロードや引用が増えるとのビジネスモデルに基づいている。 ScienceInsider “Free Access to U.S. Research Papers Could Yield $1 Billion in Benefits” (08/04/10)

エネルギー省報告書、米国風力市場に光

エネルギー省(Department of Energy)のローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)が8月4日に発表した報告書「風力技術市場報告書(Wind Technologies Market Report)」によれば、2009年の風力世界市場で米国は中国に次いで2番目に成長した市場であったという。報告書ではその他のキーファインディングとして、「風力発電は全米各地で普及しつつある」「風力市場の成長は米国内に投資をもたらしている」「風力発電機器の米国内製造が成長している」などが挙げられている。 PhysOrg.com “New Study Sheds Light on U.S. Wind Power Market” (08/04/10)

会議:PCAST会議(9/2)

PCASTの次回会議が9月2日に開催されます。主なアジェンダとして、コンピューターサイエンス・IT、STEM教育、エネルギー技術イノベーション、製造業が予定されております。 詳しくはPCASTウェブサイトを参照。

GM、プラグイン・ハイブリッド自動車ベンチャーに投資

ゼネラル・モーターズ社(General Motors:GM)の新規ベンチャー投資部門は3日、同部門として初めて、インディアナ州のブライト・オートモーティブ社(Bright Automotive)に500万ドルの投資を行った。ブライト・オートモーティブ社はプラグイン・ハイブリッド式の商業配達用バンの生産に取り組んでいる。本投資により、GM社はブライト・オートモーティブ社の株式を取得する一方、ブライト・オートモーティブ社はGM社の広範な部品部門へのアクセスを得る。商業配達用の車輌には、①運行ルートが一定している、②大型駐車場で管理されるため、充電が容易、③初期コストは高いが運営コストは低いといった利点がある。ブライト・オートモーティブ社によるプライグン・ハイブリッド車の販売開始は、当初2012年の予定であったが、現在は2014年となっている。 Wired.com “General Motors Invests in a Bright Idea” (08/03/10)

ベンチャー企業が創出した雇用には長期的経済効果あり

ユーイング・マリオン・カウフマン財団(Ewing Marion Kauffman Foundation)の最近の研究報告「始動の後:ベンチャー企業による雇用創出はどれぐらい持続するか?(After Inception: How Enduring is Job Creation by Startups?)」によれば、ベンチャー企業によって創出された雇用の多くは、その企業の継続に伴い、より長期的な経済効果をもたらしていることが分かった。従来、ベンチャー企業は失敗する確率が高いことから、これらの企業による雇用はすぐに蒸発すると考えられていたが、実際には、多くのベンチャー企業が失敗し雇用が失われている一方、その他の企業は継続・繁栄し、雇用を創出し続けているという。ただし、数多くの不況にさらされることで、雇用に悪影響がもたらされるともしている。 Kauffman Foundation “Jobs Created by Startup Companies Have Long-Lasting Economic Impact” (08/02/10)