米国上院、パテント・トロール法案を棚上げ

いわゆる「パテント・トロール(特許を数多く取得しながら、製品を作る意思はなく、特許侵害訴訟によって収入を得ようとする企業)」対策を目的として、数ヶ月間にわたって議論されていた法案が、大学組織やバイオ企業の反対などを受けて、棚上げされることが決まった。2013年11月に「特許の透明性と改良法案(Patent Transparency and Improvements Act)」を提出したパトリック・リーヒー上院議員(Patrick Leahy、バーモント州選出民主党)は5月21日、翌日の司法委員会(Judiciary Committee)での議題から本法案を引き下げることを発表した。大学組織やバイオ企業は、法案で定められている一部の条項により、知的財産を保護することが非常に厳しくかつ高価なものとなる恐れがあると主張している。一方、法案を支持していたテクノロジー企業は上院での法案の遅れに失望を示している。 Science Insider “U.S. Senate Shelves Long-Debated ‘Patent Troll’ Bill” (5/22/14)

45名の米国上院議員がEPAの炭素規則案へのパブコメ提出期間の延長を要請

45名の米国上院議員は5月22日、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)のジーナ・マッカーシー長官(Gina McCarthy)に対して、6月2日に発表される炭素汚染排出削減規則案へのパブリックコメント提出期間を従来(通常は60日間)の2倍とするよう要請する書簡を送った。6月2日に発表される規則案には、国内の既存の発電所を対象とした炭素排出削減の義務付けが初めて盛り込まれる。書簡を送った上院議員らは、エネルギー集約州の選出議員で、「本規則及びそれが電力の信頼性や消費者の負担に及ぼす影響を分析するには更なる時間が必要である」と述べている。 Reuters “Forty-five U.S. senators seek extra time for input on EPA carbon rule” (5/22/14)

外国人技能労働者の増加は米国人労働者の賃金引き上げにつながるとの研究報告

カリフォルニア大学デイビス校(University of California, Davis)とコルゲート大学(Colgate University)の経済学者が、米国219都市で1990年から2010年の賃金データと移民の関係を調査した。その報告によれば、科学・技術・工学・数学(STEM)職で外国生まれの労働者が最も増加した地域においては現地(米国民)労働者の賃金も上昇したという。具体的には、STEM分野の外国人労働者の割合が1パーセンテージ・ポイント増加すると大学卒の現地労働者の賃金が7~8パーセンテージ・ポイント、高校卒の現地労働者の賃金は3~4パーセンテージ・ポイント増加したという。外国人STEM労働者の増加が最大だったテキサス州オースチン、ノースカロライナ州のローリー-ダーハム地域、アラバマ州ハンツビル、シアトルでは、大学卒の現地労働者の賃金が17~28%増加したという。一方、33の都市では外国人STEM労働者数の減少が見られ、そのうち25都市では大学卒労働者の賃金が下落したという。 Wall Street Journal “Skilled Foreign Workers a Boon to Pay, Study Finds” (5/22/14)

米国物理学戦略、緊縮予算に対応

エネルギー省(Department of Energy)の高エネルギー物理学諮問委員会の一部である「素粒子物理学プロジェクト優先順位付け委員会(Particle Physics Project Prioritization Pane: P5)」が5月22日に発表した報告書によれば、厳しい国内予算状況が続く中、米国の高エネルギー物理学者らは今後十年間の研究アジェンダとして、これまで以上に国際協力を重視する戦略を選択した。P5報告書は、スイスにある欧州素粒子物理学研究所CERNで進められている大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron Collider: LHC)の今後の開発で米国が鍵となるプレイヤーであり続けることの必要性や、LHCの後継機、国際リニアコライダー(International Linear Collider)を建設する世界的な計画を支援することの必要性を強調している。更に、フェルミ国立加速器研究所(Fermi National Accelerator Laboratory)で提案されているニュートリノ施設計画を見直し、国際的な資金による取り組みへと変更するよう提案するなどしている。 Nature News “US physics strategy collides with budget” (5/22/14)

IMD、2014年世界競争力年鑑を発表

スイスのグローバル・ビジネス・スクール、IMDは5月22日、「2014年 IMD世界競争力年鑑(IMD World Competitiveness Yearbook 2014)」を発表した。それによれば1位は昨年に続いて米国で、経済の柔軟性やより良い雇用数値、卓越した技術とインフラを反映している。2位も昨年と同じくスイスで、以下、シンガポール(2013年5位)、香港(同3位)、スウェーデン(同4位)となっている。欧州の状況は昨年より改善されている他、日本は円安が一因となって順位を引き続き上げた(昨年の24位から今年は21位)。一方、中国(21位→23位)やインド(40位→44位)、ブラジル(51位→54位)といった大手新興市場は経済成長や外国投資の鈍化、不十分なインフラなどが要因となり、それぞれ順位を下げた。 IMD “IMD releases its 2014 World Competitiveness Yearbook Ranking” (5/22/14)

NIH高官が未熟児を対象とした研究の調査に不適切な関与をしたとの批判

未熟児を対象とした連邦助成研究に関し、新たな批判が起こっている。これは、未熟児を対象とした連邦助成研究「サポート(SUPPORT)」をめぐり、厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)内の人体研究保護局(Office for Human Research Protections” OHRP)が昨年3月に、研究を行っていたアラバマ大学バーミンガム校(University of Alabama, Birmingham: UAB)に対して書簡を送り、インフォームド・コンセントの書類が不十分だとして処罰を課したことに端を発する。その後、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の高官やその他研究者がSUPPORTの擁護を行い、これを受けてOHPRは同年6月にUABに対して処罰を保留にする書簡を送った。この一件について、公益推進団体のパブリック・シチズン(Public Citizen)と生命倫理学者複数は5月20日、厚生省の監察官宛に書簡を送り、「NIHの高官はOHRPによる2通目の書簡の草案に関与していた」として批判し、監察官に本件を調査するよう要請した。本件に関して、一人の連邦下院議員も同様の書簡を監察官宛に送付している。 Science Insider “NIH Officials Accused of Improperly Influencing Investigation of Premature Infant Study” (5/20/14)

エネルギー長官、国立研究所の有効性審査委員会の委員を発表

エネルギー省(department of Energy)のアーネスト・モニツ長官(Ernest Moniz)は5月20日、2014年度総合歳出法(2014 Consolidated Appropriations Act)によって新設が義務付けられた「国立エネルギー研究所の有効性審査委員会(Commission to Review the Effectiveness of the National Energy Laboratories)」の委員を発表した。カーネギーメロン大学(Carnegie Mellon University)の名誉教授(土木・環境工学)であるジャレド・コーン氏(Jared Cohon)と、TJGエネルギー・アソシエイツ社(TJG Energy Associates, LLC)のT.J.グラウチエ氏(T.J. Glauthier)が共同委員長を務め、その他に7名の委員で構成される。委員会は、研究所の優先事項がエネルギー省のより広範な戦略的優先事項と合致しているかどうかを2段階で調査する。2015年2月1日に報告書の第一弾が発表される計画である。 Department of Energy “Secretary Moniz Announces Members to New Commission on National Labs” (5/20/14)

エネルギー省、コスト効果の高い集光型太陽熱発電システムの開発プロジェクトを発表

エネルギー省(Department of Energy)は5月21日、集光型太陽熱発電(concentrating solar power: CSP)の革新的技術を進展させる6件の新たな研究開発プロジェクトに1,000万ドルを提供すると発表した。これらのプロジェクトでは、熱化学によるエネルギー貯蔵システムの開発に取り組み、太陽熱エネルギーのより効率的な貯蔵を目指す。また同省は同日、米国における5件の主要CSP導入プロジェクトの進展を中心とした報告書「2014年:CSPの年(2014: The Year of Concentrating Solar Power)」を公表した。5件の主要CSP導入プロジェクトは米国南西部で今年中に全面稼働となり、合計1.26ギガワットの電力が提供される見通しであるという。 Department of Energy “Energy Department Announces Projects to Advance Cost-Effective Concentrating Solar Power Systems” (5/21/14)

オバマ大統領、米国への投資誘致の支援を企業に求める

オバマ大統領は5月20日に米国内外の企業幹部11名と会合し、米国への投資を誘致するために米国政府に何ができるかを語るよう求めた。なお、オバマ政権が推進する「セレクトUSA(SelectUSA)」プログラムによって、約500の企業が支援を受け、米国内に約180億ドルの新規事業投資がもたらされたという。また、大統領は、来年3月に第2回セレクトUSAサミットが開催される計画であることを明かしている。 USA Today “Obama asks businesses to help attract investment to U.S.” (5/20/14)

ナノ製造と米国競争力:課題と機会

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)が議会証言用に作成した報告書「ナノ製造と米国競争力:課題と機会(Nanomanufacturing and U.S. Competitiveness: Challenges and Opportunities)」によれば、GAOによるフォーラムの参加者は、「ナノ製造は新たな一連の展開であり、世界的なメガトレンドになるであろう」との見解を示したという。そして、ナノ製造は現在は形成段階であるが、今後数年のうちに急成長し、新たな機会やディスラプティブなイノベーション、雇用創出、様々な社会的恩恵をもたらすであろうと考えられている。報告書にはこのほかに、米国ナノ製造が直面している課題や、米国ナノ製造の競争力を強化するための鍵となる行動などが記述されている。 Government Accountability Office ” Nanomanufacturing and U.S. Competitiveness: Challenges and Opportunities” (5/20/14)