イリノイ大学、ドイツの研究所から大型プラズマ/核融合施設を引き継ぐ

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(University of Illinois at Urbana-Champaign: UIUC)は今年初め、ドイツのマックス・プランク・プラズマ物理研究所(Max Planck Institute for Plasma Physics)から数百万ドル規模の「プラズマ/核融合WEGA(Wendelstein Experiment in Greifswald for Training)先端物理学研究施設」の贈与を受けた。これは、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の原子力・プラズマ・放射線工学(Nuclear, Plasma, and Radiological Engineering: NPRE)学部がドイツの研究所と築いた関係の結果として実現した。引き渡される施設は今後、「研究及び応用のためのハイブリッド・イリノイ機器(Hybrid Illinois Device for Research and Applications: HIDRA)」と改称される。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校は、プラズマ/核融合における研究や教育に関する重要な施設を備えた数少ない米国大学の一つとなる。 Engineering at Illinois “University of Illinois gains major plasma/fusion facility from German institute” (11/20/14)

市販化承認取得までの新薬開発費用は平均260億ドル

タフツ大学(Tufts University)のタフツ医薬品開発研究センター(Tufts Center for the Study of Drug Development)の研究によれば、新たな処方薬品の市販化承認を取得するまでの開発費用(10年以上を要することもしばしばある)は、25億5,800万ドルと試算されている。その内訳は、平均的な自己負担額が13億9,500万ドル、時間費用(time costs。医薬品が開発段階にある時に投資家が先だって負担する費用で、リターンが見込まれている)が11億6,300万ドルとなっている。更に、市販化承認後の研究開発費平均は3億1,200万ドルと試算されており、これも含めると承認医薬品1件当たりの製品ライフサイクル費用は合計28億7,000万ドルとなる。 Tufts Center for the Study of Drug Development “Cost to Develop and Win Marketing Approval for a New Drug Is $2.6 Billion” (11/18/14)

ゲイツ財団、論文の即時オープンアクセスを義務付けへ

ビル&メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)は、財団のグラントを受益する研究者に対して、研究論文は即時オープンアクセスの専門誌(出版と同時に誰もが無料で読める)にのみ掲載するよう求める計画である。本方針が適用されるのは、2017年1月以降で、それまでは受益研究者は従来通り、論文を購読専門誌に掲載することができる(ただし12か月以内に無償提供されることが条件)。しかし2017年1月以降は、即時オープンアクセスの専門誌で出版され、論文は自由に再利用、配信でき、論文を裏付けるデータは無償で利用可能とされなくてはならない。 Science Insider “Gates Foundation to require immediate free access for journal articles” (11/21/14)

EPA、バイオ燃料混合義務付け標準に関する決定を延期

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は11月21日、バイオ燃料を在来型の自動車燃料に混合する割合の義務付けに関して、年内にこの割合を決定することはできないと発表した。EPAによる本義務付けの提案は既に予定より大幅に遅れている。EPAの発表によれば、昨年にバイオ燃料義務付けの目標を低減する提案を発表した後、膨大なコメントと論争が発生したという。そしてこれらの問題に関する検討がまだ続いていることから、年内に合意に達することは不可能であるという。再生可能燃料の混合義務付けが法制化されて以降、状況は大きく変わっており、法律の見直しを求める声も出ている。 New York Times “E.P.A. Postpones Setting Standards for Biofuel Blends” (11/21/14)

NSF、クラウドベースでデータ集約型の先端コンピューティング・システム構築に1,600万ドルをコミット

スパコンがあらゆる分野の研究者の作業や進展にとって中核的存在となりつつある中、これを補完する形の新たなコンピューティング・リソースやより包含的な能力が求められている。こうした中、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は11月24日、オープンな科学コミュニティ向けに、二つの新たなスパコン調達プログラムへの支援を発表した。これらは、ピッツバーグ・スーパーコンピューティング・センター(Pittsburgh Supercomputing Center)に構築される「ブリッジ(Bridges)」と、インディアナ大学(Indiana University)のパーベイシブ技術研究所(Pervasive Technology Institute: PTI)及びテキサス大学オースティン校(University of Texas at Austin)に共同設置される「ジェットストリーム(Jetstream)」である。いずれも、既存のスパコンの能力を補完する形で、クラウドベースかつデータ集約型のシステムとなっており、2016年初期に稼働の予定である。 National Science Foundation “Innovative new supercomputers increase nation’s computational capacity and capability” (11/24/14)

MIT、サイバーセキュリティ政策の研究を実施

2011-2012年にオバマ大統領の副最高技術責任者(deputy chief technology officer)を務めたダニエル・ウェイツナー氏(Daniel Weitzner)が、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)の新しいサイバーセキュリティ政策イニシアチブを主導する。同氏は、「議員たちは、サイバーセキュリティへの対応が必要であると共通の認識の認識を持っているにもかかわらず、議会はここ数年、大規模なサイバーセキュリティ法案を可決していない」と話す。MITの取り組みは、ヒューレット財団(Hewlett Foundation)から4,500万ドルのグラントを受けて3つの大学で行われているより広範なサイバーセキュリティ対策の一環である。MITの他、スタンフォード大学(Stanford University)が信頼のおけるネットワークの構築に、カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)がサイバーセキュリティの長期的展望の研究にそれぞれ取り組む。 The Hill “MIT wants to set drone cybersecurity policy” (11/19/14)

NSFと連邦パートナー機関、協働ロボットの研究開発に3,150万ドルを提供

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は11月19日、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)、農務省(U.S. Department of Agriculture)、航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)とのパートナーシップの下、協働ロボット(co-robot。人と協調的な作業をするロボット)の開発と利用を促進することを狙いとして52件のプロジェクトに3,150万ドルを助成すると発表した。災害復旧から高齢者の在宅介護に至るまで、科学者や工学者は、人間のそばで安全かつ優れた対応力を持った形で重要な作業を行うことができるロボットの開発に取り組んでいる。今回発表されたアワードは、「先端製造パートナーシップ・イニシアチブ(Advanced Manufacturing Partnership Initiative)」の一環として行われている「米国ロボット工学イニシアチブ(National Robotics Initiative: NRI)」を通じて実施された3回目の助成である。受益プロジェクトは1~4年間の間に30万~180万ドルの助成を受ける。 National Science Foundation “From cognition to control: Fundamental research continues to advance cooperative robots” (11/19/14)

厚生省とNIH、臨床試験結果の透明性強化を狙いとしたステップを発表

厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)は11月19日、「提案規則に関する通知(Notice of Proposed Rulemaking)」を発表した。これは、2007年食品医薬品局改正法(Food and Drug Administration Amendments Act of 2007: FDAAA)の8章(VIII)の対象となる臨床試験の報告義務に関する規則提案で、臨床研究者がClinicalTrials.gov(国立医学図書館(National Library of Medicine:NLM)が運営する公的データベース)で臨床試験の登録と試験結果の要旨提出を行う際の義務を明確化している。 National Institutes of Health “HHS and NIH take steps to enhance transparency of clinical trial results” (11/19/14)

国勢調査局の経済データ、再生可能エネルギーを介した電力発電の増加を示す

国勢調査局(Census Bureau)は11月18日、風力/地熱/バイオマス/ソーラーによる電力発電に関する経済国勢調査のデータを初めて発表した。それによれば、再生可能エネルギー資源(水力、風力、地熱、バイオマス、ソーラー、その他の発電)を利用した電力発電の売上は、2007年の66億ドルから2012年には98億ドルに増加した。2007年の経済国勢調査では、風力、地熱、バイオマス、ソーラーは広範な「その他の電力発電業界」の一部であったが、2012年の調査では個別に分類され、「その他の電力発電業界」には、潮汐発電とその他の分類がなされない電力発電のみが含まれた。電力発電業界全体では、売上は2007年から2012年の間に1.2%減少した。 Department of Commerce “Census Bureau Economic Data Show Electric Power Generation Using Renewable Energy Growing” (11/18/14)

連邦政府の研究開発予算は2014年度に微増

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics)が発表した報告(予備データ)によれば、2014年度における連邦機関の研究開発及び研究開発施設に関する支出権限は前年度から32億ドル増加したという。ただしこれは、それより以前における一連の減少を部分的に相殺するにすぎない。報告によれば、連邦の研究開発及び研究開発施設に関する予算権限(2014年度)は前年度比2.4%の合計1,357億ドルであった。予算削減の多くは国防分野で実施されており、2014年度の国防関連の研究開発支出権限は707億ドルで、これは2010年度の868億から減少した。 National Science Foundation “Federal budget authority for R&D in FY 2014 rises slightly” (11/19/14)