電力・公益機関のM&Aが急増 戦略的統合とインフラ需要が背景

PwC社が12月16日に発表した分析報告によれば、エネルギー部門の合併買収(M&A)は2024年11月~2025年11月に合計約1,420億ドルに達した。これは前年同期の280億ドル弱からの急増である。同社は、この急増は、M&Aの件数の増加ではなく、取引案件の規模と価値の増加によるものであると説明する(件数は2024年の30件に対し、2025年は35件)。また、急増の要因として、電気化及びデータセンターによる電力需要拡大の機会、規制対象となっている公益機関におけるポートフォリオの合理化、規制対象となっている大規模公益機関の統合の復活等を挙げている。PwC社では、こうした取引傾向は2026年も続くと予想している。 PwC “Power and utilities M&A surges on strategic consolidation and infrastructure demand” (12/16/25) https://www.pwc.com/us/en/industries/energy-utilities-resources/library/power-utilities-deals-outlook.html 参考:Utility Dive” Energy industry dealmaking soared in 2025 on large utility, IPP mergers” (12/23/25) https://www.utilitydive.com/news/energy-industry-utility-ipp-mergers-pwc/808228/

FCC、新たなドローン製品の輸入を禁止

連邦通信委員会(Federal Communications Commission: FCC)は12月22日、「米国の国家安全保障及び米国民の安全に容認しがたいリスクを呈するとされる通信機器・サービス」とされる対象リスト(Covered List)に、「海外で生産された無人航空システム(ドローン)及びその重要部品」を追加した。これにより最新のドローン製品の米国への輸入が禁止された。米国民は、既に所有している中国製ドローンを引き続き使用でき、過去にFCCに承認された外国製のドローン(中国のDJI社製品を含む)を購入することは可能であるが、米国に拠点を置かないドローン製造企業のいかなる新製品も今後は承認されない。FCCは、「今回の決定は、大統領府によって招集された国家安全保障の専門性を有する省庁間組織の審査を経て行われたものである」と説明する。 ARS Technica “FCC’s import ban on the best new drones starts today” (12/23/25) https://arstechnica.com/gadgets/2025/12/djis-new-drones-will-not-be-available-in-the-us-as-fcc-ban-takes-effect/

NSFが組織再編

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は12月15日、組織再編を発表した。それによれば、組織内の層を減らすことで効率性を高めるという。新たな組織図では、首席科学担当官(chief science officer)、首席スタッフ(chief of staff)、首席管理担当官(chief management officer)の3名が、NSF長官へ直接報告する立場として記載されている。また、NSF内の全ての局は、これらの役職3名のいずれかに報告する。従来、長官室(office of the director)内に位置していた役職(研究安全保障のトップや研究施設のトップ等)は今後、首席科学担当官へ報告する立場となる。NSFはまた、数学・物理科学局(Mathematical and Physical Sciences Directorate)内の5つの部門がセクションに再編されたことと、NSFのグラント審査プロセスの変更について説明する発表を別途行った。現行のグラント審査基準に変更はないが、プログラムの担当官には、それぞれの科学分野の具体的なニーズに対応・支援することができるよう、新たな柔軟性が認められるという。 AIP “NSF updating org structure” (12/22/25) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-dec-22-2025

トランプ政権、オフショア風力リースを一時停止 国家安全保障の懸念

内務省(Department of the Interior)は12月22日、国防総省(Department of Defense)による最近の機密報告書の中で国家安全保障上の懸念が指摘されたことから、建設中の全ての大型オフショア風力発電プロジェクトのリースを即時に一時停止すると発表した。今後、内務省、国防総省、その他の政府関連局が、リース所有者及び州のパートナーと共に、これらのプロジェクトが呈する国家安全保障リスクを軽減する可能性について評価するという。一時停止するのは、①ビニヤード・ウィンド1(Vineyard Wind 1)、②レボリューション・ウィンド(Revolution Wind)、③CVOW-コマーシャル(CVOW-Commercial)、④サンライズ・ウィンド(Sunrise Wind)、⑤エンパイア・ウィンド1(Empire Wind 1)の5件。運輸省は、「今回の措置は増加する国家安全保障リスクに対処するものであり、それには関連する敵対国技術の急速な進化や、東部海岸の人口が集中する地域に近い所にある大規模なオフショア風力プロジェクトがもたらすぜい弱性が含まれる」としている。 Department of the Interior “The Trump Administration Protects U.S. National Security by Pausing Offshore Wind Leases” (12/22/25) https://www.doi.gov/pressreleases/trump-administration-protects-us-national-security-pausing-offshore-wind-leases

国防総省、ゲルマニウム及びシリコン光学部品の生産拡大に1,850万ドル

国防総省(Department of Defense)は9月26日、国防生産法(Defense Production Act: DPA)第III章(Title III)に基づく資金1,850万ドルを、ラティス・マテリアルズ社(Lattice Materials)に投資した(政府閉鎖により、発表が遅れたとのこと)。この投資により、モンタナ州にある同社施設でのゲルマニウム及びシリコン結晶生産能力が強化される。これは光学部品のサプライチェーンに不可欠であり、納期の短縮や主要なプラットフォームに対する迅速な供給体制の構築につながる。本件は、DPA調達局(Purchases Office)による19件の投資の一つであり、2025年度には9億600万ドルの投資が実施された。 Department of Defense “Department of War Invests $18.5 Million to Expand Germanium and Silicon Optics Production” (12/22/25) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4366365/department-of-war-invests-185-million-to-expand-germanium-and-silicon-optics-pr/

国防総省、2026年度のAPFITプロジェクト初回受益者を発表

国防総省(Department of Defense)は12月22日、2026年度における「革新的技術の調達と配備の加速(Accelerate the Procurement and Fielding of Innovative Technologies: APFIT)」プロジェクトの初回選出受益者を発表した。APFITが中小及び非伝統的な国防契約業者にこれまでに提供した金額は10億ドルを超え、画期的な能力の加速、米国産業基盤の強化、兵士の準備体制の促進に繋がっている。今年度の初回選出は、APFITポートフォリオの規模と成熟度の拡大を反映しており、プロジェクト1件当たりの平均助成金額は3,000万ドル以上となっている。今後も2026年度のプロジェクトが選出され次第、順次発表される。 Department of Defense “The War Department Announces First Round of FY 2026 APFIT Projects, Surpassing $1 Billion Awarded to Small Businesses” (12/22/25) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4366313/the-war-department-announces-first-round-of-fy-2026-apfit-projects-surpassing-1/

NIST、製造及び重要インフラ向けAIセンターを始動

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、人工知能(AI)における米国リーダーシップを確実にする取り組みの一環として、非営利組織のマイター・コーポレーション(MITRE Corporation)との協力関係を拡大した。NISTは2,000万ドルを投資し、AIベースの技術ソリューションを進展させる2つのセンターを設立する。設立されるのは、「米国製造生産性のためのAI経済安全保障センター(AI Economic Security Center for U.S. Manufacturing Productivity)」と、「サイバー脅威から米国重要インフラを保護するAI経済安全保障センター(AI Economic Security Center to Secure U.S. Critical Infrastructure from Cyberthreats)」で、製造及び重要インフラのサイバーセキュリティという2つの国家安全保障優先分野でAI主導のツールまたはエージェントの開発と採用を促進する。本件は、NISTによる「21世紀における米国技術リーダーシップ戦略(Strategy for American Technology Leadership in the 21st Century)」の実践において重要な一歩となる。 NIST “NIST Launches Centers for AI in Manufacturing and Critical Infrastructure” (12/22/25) https://www.nist.gov/news-events/news/2025/12/nist-launches-centers-ai-manufacturing-and-critical-infrastructure

経済開発局、政権のAI行動計画を支援

商務省(Department of Commerce)の経済開発局(Economic Development Administration: EDA)は今般、「状況や技術の変化に伴い、コミュニティのニーズが進化する中、EDAも進化する必要がある」として、人々の生活や仕事に浸透しつつある人工知能(AI)の恩恵を、コミュニティや企業、労働者が得られるよう支援すべく、優先度の低いプログラムの資金を移転させることを発表した。具体的には、トランプ政権による「AI行動計画(Artificial Intelligence Action Plan)」への支援として2,500万ドルを労働者育成イニシアチブに充当する。EDAは、AIインフラ投資関連の労働力ニーズに対処する業界主導の訓練プログラムの必要性を認識し、これを支援するため、大学センター(University Center)、企業向け貿易調整援助(Trade Adjustment Assistance for Firms)、STEM人材パートナーシップ(STEM Talent Partnership)の各プログラムへの資金提供を打ち切りにした。 Economic Development Administration ”BLOG: EDA Support for the Administration’s AI Action Plan” (12/22/25) https://www.eda.gov/news/blog/2025/12/22/blog-eda-support-administrations-ai-action-plan

トランプ大統領、6G競争での勝利へ向け大統領覚書に署名

トランプ大統領は12月19日、6G開発を巡る競争で米国の主導権を確実にするための大統領覚書(Presidential Memorandum)に署名した。覚書は、現在7.125~7.4ギガヘルツ(GHz)の周波数帯を使用する連邦システムの移転計画策定を即時実施し、同周波数帯を全面的に商用 6G 利用のために確保するよう指示した。具体的に、これらの周波数帯に関し、国家安全保障上のミッションを保護しつつ、米国産業が利用できるように開放するため、現在利用中の連邦システムの移転計画を12カ月以内に提出する。大統領覚書はまた、商用6G利用を目的とした更なる周波数帯の開放へ向け、その他の2つの周波数帯(2.69~2.9GHz及び4.4~4.94GHz)に関する調査を即時行うこと、国務長官(Secretary of State)及びその他の閣僚に、外交的関与を通じて6Gにおける米国の主導権を推進することを指示している。 White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Takes Action to Win the 6G Race” (12/22/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/12/fact-sheet-president-donald-j-trump-takes-action-to-win-the-6g-race/

国防総省と対ドローン・タスクフォース、ミサイル防衛計画とデータ連携へ

ディフェンスニュース(DefenseNews)は12月23日、国防総省(Department of Defense)が主導する対ドローン組織の統合省庁間タスクフォース401(JIATF 401)が、より大型のドローン脅威に対抗するため、ミサイル防衛プロジェクトであるゴールデン・ドーム(Golden Dome)とデータ共有を行う計画であると報じた。共有対象は主に「グループ3」に分類される大型ドローンで、宇宙軍(United States Space Force: USSF)とデータをシームレスに共有することで、お互いの脅威の状況について把握することが可能になるとし、詳細について協議を進めているという。ピート・ヘグセス国防長官(Pete Hegseth)によって8月に設立された同組織は、センサーや戦闘管理システムを統合した多層的な防衛インフラの構築を目指しており、翌年のワールドカップを見据えた小型ドローン対策や、国境付近での監視強化に向けて、国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)や法執行機関との協力体制も強化していく方針を示している。 DefenseNews “Pentagon counter-drone task force plans Golden Dome link” (12/23/25) https://www.defensenews.com/unmanned/2025/12/22/pentagon-counter-drone-task-force-plans-golden-dome-link/