連邦環境審査プロセスを大幅に変更するSPEED法案、下院で可決

連邦環境審査を大幅に変更する「経済開発の標準化・許認可・迅速化法案(Standardizing Permitting and Expediting Economic Development Act: SPEED Act)は、表決直前の内容変更によってクリーンエネルギーグループや民主党穏健派からの支持を失ったものの、12月18日に下院で可決された。ブルース・ウェスターマン下院議員(Bruce Westerman、アーカンソー選出共和党)が提出し、ジャレッド・ゴールデン下院議員(Jared Golden、メイン州選出共和党)が支持した同法案(221対196票で可決)、国家環境政策法(National Environmental Policy Act:NEPA)を改正するもので、その一例として、①NEPA審査を必要としない例外の創出、②審査対象はプロジェクトと直接関係する環境的影響に限定、等の変更が実施される。今後、上院で審議されるが、同法案の支持派と反対派がおり、先行きは不透明である。 ARS Technica “SPEED Act passes in House despite changes that threaten clean power projects” (12/24/25) https://arstechnica.com/tech-policy/2025/12/speed-act-passes-in-house-despite-changes-that-threaten-clean-power-projects/

国防総省、固体ロケットモーター部品の生産加速に3,270万ドル投資

国防総省(Department of Defense)は12月23日、去る9月30日に、固体ロケットモーター(solid rocket motor: SRM)の産業基盤拡大を目的として、国防生産法(Defense Production Act)第III章(Title III)により、3,270万ドルの投資を実施したと発表した(国防総省は政府閉鎖のため、発表が遅れたと説明している)。受益するのは、システィマ・テクノロジーズ社(Systima Technologies Inc.)(ワシントン州)とR・Eダーリング社(R.E. Daring Co., Inc.)(アリゾナ州)の2社である。前者は、同社がSRMのノズル生産能力の強化を目的として実施した投資を活用・発展させるもので、国防総省は同社に500万ドルを投資する。後者は、SRMのケース用断熱マテリアルの生産能力の拡充・現代化を目的として2,770万ドルが投資される。 Department of Defense “Department of War Invests $32.7M to Accelerate Solid Rocket Motor Component Production” (12/23/25) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4367608/department-of-war-invests-327m-to-accelerate-solid-rocket-motor-component-produ/

中国軍増強で米国本土の脆弱性が増す 国防総省年次報告

国防総省(Department of Defense)は12月24日に議会へ提出した年次報告の中で、「中国は歴史的な軍事強化を行っており、米国本土の脆弱性は増しつつある」と警告した。国防総省は、中国は2035年までに航空母艦を6隻追加し、合計保有数は9隻となると予想している。これは米国の11隻に次ぐ規模となる。また、中国の核弾頭備蓄数は2024年末時点で600発台前半となり、過去数年と比べると生産ペースは鈍化しているものの、2030年までに1,000発を超える見通しであるという。報告書によれば、中国軍の現代化は中国の防衛支出及び技術的進歩によって促進されており、習近平氏が総書記に就任して以来、国防予算はほぼ倍増し、軍事用人工知能(AI)やバイオテクノロジー、極超音速ミサイル等の軍事技術開発を加速し続けているという。 Department of Defense “Annual Report to Congress: Military and Security Developments Involving the People’s Republic of China 2025” (12/24/25) https://media.defense.gov/2025/Dec/23/2003849070/-1/-1/1/ANNUAL-REPORT-TO-CONGRESS-MILITARY-AND-SECURITY-DEVELOPMENTS-INVOLVING-THE-PEOPLES-REPUBLIC-OF-CHINA-2025.PDF 参考:Defense News “China’s military buildup makes US increasingly vulnerable, DOD says” (12/24/25) https://www.defensenews.com/news/pentagon-congress/2025/12/24/chinas-military-buildup-makes-us-increasingly-vulnerable-dod-says/

エネルギー省、インディアナ州の石炭発電所の稼働継続を命令 中西部での停電予防

クリス・ライト・エネルギー長官(Chris Wright)は12月24日、冬季へ向けて中西部地域の米国民が手頃な費用で信頼性の高い確実な電力を得られるようにするため、センターポイント・エナジー社(CenterPoint Energy)、ノーザン・インディアナ公共サービス社(Northern Indiana Public Service Company: NIPSCO)、ミッドコンチネント独立系統運用機関(Midcontinent Independent System Operator: MISO)に対して、インディアナ州にあるF・B・カリー発電所(F.B. Culley)及びR・M・シャーファー発電所(R.M. Schahfer)の特定の発電設備が運転可能な状況であるよう必要な措置を講じることを指示する緊急命令を発令した。石炭発電所の一部の発電設備は2025年末に閉鎖される予定であった。これらの石炭発電所による確実な電力供給は、地域の電力網の安定性を維持するために重要であるとエネルギー省は説明する。 Department of Energy “Energy Secretary Ensures Indiana Coal Plants Remain Open to Prevent Blackouts in Midwest” (12/24/25) https://www.energy.gov/articles/energy-secretary-ensures-indiana-coal-plants-remain-open-prevent-blackouts-midwest

国防総省、xAI社の最先端AIを「GenAI.mil」に統合

国防総省(Department of Defense)は12月22日、独自の人工知能(AI)基盤「GenAI.mil」に、エックスAI社(xAI)が政府機関向けに開発した最先端AI機能を組み込んだ、フロンティア級AIシステムを2026年初頭に展開すると発表した。グロック1(Grok-1)などxAI社のGrokファミリーモデルを基盤とした同機能は、同省の厳格なセキュリティ基準(影響レベル5: Impact Level 5)をクリアしており、同省全域で管理対象非機密情報 (Controlled Unclassified Information: CUI)などを安全に取り扱えるように設計されている。また、最近立ち上げられたばかりのGenAI.milとのシステム統合により、Xプラットフォーム上のリアルタイムな国際情報も利用できるようになり、情報優位性も確保できるという。同省は、インシデントに対する迅速な対応、セキュリティ強化に向け、AIエコシステムをさらに拡大していく計画で、今回の動きを国のAI革命を象徴するマイルストーンと位置付けている。 Department of Defense “The War Department to Expand AI Arsenal on GenAI.mil With xAI” (12/22/25) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4366573/the-war-department-to-expand-ai-arsenal-on-genaimil-with-xai/

海軍、新型戦艦の建造計画を発表

国防総省(Department of Defense)は12月22日、海軍の新たな主力艦「トランプ級戦艦(Trump-class battleship)」の建造計画を、トランプ大統領が承認したと発表した。過去最大の規模となる3万から4万トンの最新鋭超大型戦艦で、まずは2隻の建造を開始する。この新構想は、従来の次期駆逐艦「DDG(X)」計画を代替するもので、この大型艦を新たに提唱された「黄金の艦隊(Golden fleet)」の中核に据える狙いがある。1番艦となる「USSディファイアント(USS Defiant)」は2030年代初頭の建造開始を目指しており、極超音速兵器や電子レールガン、高出力レーザー兵器などの最新技術が搭載される予定であるという。ピート・ヘグセス国防長官(Pete Hegseth)は、この計画が「戦士の精神(warrior ethos)」の回復と抑止力の再構築に不可欠であると強調した。大統領は最終的には20から25隻の艦隊の保有を目指しているとし、全艦を国内で建造して、数千人規模の雇用創出を実現する意向を示している。 Department of Defense “Trump Announces New Class of Battleship” (12/22/25) https://www.war.gov/News/News-Stories/Article/Article/4366952/trump-announces-new-class-of-battleship/

NNSA、核科学・安全保障研究の大学コンソーシアム助成を更新

エネルギー省(Department of Energy)傘下の国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)は12月23日、カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)が主導し、大学・国立研究所が連携する「核科学安全保障コンソーシアム(Nuclear Science and Security Consortium: NSSC)」に対し、今後5年間で年間500万ドル、総額2,500万ドルを拠出すると発表した。核抑止と不拡散を含む国家安全保障目標の達成に向け、核科学・工学・安全保障分野の研究開発と人材育成継続を目的とする取り組みで、これで4回目の更新となる。コンソーシアムには、空軍工科大学(Air Force Institute of Technology)、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)など9大学が参加し、ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)などの6つの国立研究所と連携して、低エネルギー核物理や放射線検出科学などの重点分野を通じ、高度専門人材を育成する方針である。 Department of Energy “NNSA renews university consortium grant for research and development into nuclear science, engineering, and security” (12/23/25) https://www.energy.gov/nnsa/articles/nnsa-renews-university-consortium-grant-research-and-development-nuclear-science-0

中国レガシー半導体への関税、導入延期

ロイター通信(Reuters)は12月24日、トランプ政権による中国の旧世代(レガシー)半導体への追加関税の発動延期について報じた。導入は2027年6月からとし、関税率については通商代表部(Office of the U.S. Trade Representative: USTR)が導入の30日前に公表する。中国による半導体産業覇権の不当確保により「米国の商取引が阻害されている」とし、政府は中国への関税導入を発表していたが、レアアース輸出規制をめぐる交渉優先に伴い、対中緊張緩和に向け関税発動を先送りした。これと並行し、政府はブラックリスト企業の関連会社向け輸出規制の発効も遅らせ、エヌビディア社(Nvidia)製人工知能(AI)半導体チップの対中輸出を見直すための検証を開始した。今回の措置はバイデン前大統領が1年前に開始した不公正貿易慣行調査セクション301(Section 301)に基づくもので、レガシーチップの輸出慣行を不公正と認定するものであるが、中国大使館は「政治化や兵器化は供給網を不安定にし、米国にも逆効果」と反発し、対抗措置を取る構えである。 Reuters “US delays announcement of China chip tariffs until 2027” (12/24/25) https://www.reuters.com/world/china/us-impose-tariffs-chips-china-2025-12-23/

住宅のエネルギー効率改良でデータセンターの電力負担を一部相殺 アンディル社分析

エネルギー政策グループのアンディル社(AnnDyl)は12月1日に発表した予備分析で、「200メガワット(MW)のデータセンターは、低費用の住宅用エネルギー効率の改良に5,000万ドルを投資することでピークの電力需要の10%を相殺することが可能である」と発表した。これは、容量逼迫が懸念されるPJMインターコネクション(PJM Interconnection)の電力網地域で大規模なデータセンター市場が成長しつつあるオハイオ州を対象に、住宅の断熱・気密化・スマート温度調節器の導入がもたらす影響をモデル分析した結果である。更に、そのモデル分析によれば、最大で200名以上の雇用創出の可能性が見込まれ、データセンター周辺のコミュニティに的を絞ってエネルギー効率の改良が実施された場合、地元でそれだけの雇用創出が期待できるという。 Anndyl Policy Group “Measurable Energy Efficiency to Meet Data Center Growth” (12/01/25) https://anndyl.com/wp-content/uploads/2025/12/2025-12-01-AnnDyl-EE-Data-Center-Efficiency.pdf 参考:https://www.utilitydive.com/news/home-efficiency-data-center-loads/808572/

プリペイド型リースやデータセンター資金が2026年の分散型エネルギーの鍵

分散型エネルギー業界のアナリストや設備製造企業は、12月31日に連邦税控除が失効した後、2026年には住宅用太陽光発電及びエネルギー貯蔵市場は収縮すると広く予想している。こうした中、業界専門家は、第三者所有型の太陽光発電システムのシェア拡大を予想している。エネルギー技術企業のエンフェーズ社(Enphase)は、第三者所有型の資金提供事業者と協力し、新たな製品として、「プリペイド型リース」を展開していく計画である(顧客はシステムの初期費用を融資返済し、5年後に所有権を獲得する)。プリペイド型リースは、施工業者にとっても新たなマーケティングツールとなることから市場の押し上げに寄与する可能性もある。エンフェーズ社はまた、「技術企業やデータセンター開発業者は、分散型エネルギーの導入に資金を提供することで、自社事業運営のための電力網の容量をより確保できる」と分析している。 Utility Dive “Prepaid leases, data center dollars key for DERs in 2026: Enphase executive” (12/23/25) https://www.utilitydive.com/news/prepaid-leases-data-center-der-enphase/808619/