サイエンス誌(Science)は9月15日、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)がヒト胎児組織を使用する可能性がある17の研究助成の更新を停止すると表明し、科学界から非難の声が上がっていると報じた。動物実験の廃止を目指す擁護団体「ホワイト・コート・ウェイスト・プロジェクト(White Coat Waste Project)」が公表した内容に基づいたリストについて、NIHは「人の命を尊重し、責任ある透明な研究実施にコミットする」と今回の決定について説明しているが、国際幹細胞学会(International Society for Stem Cell Research: ISSCR)は、ヒト胎児組織研究が脳の発達、小児がん、エイズ(HIV/AIDS)治療、そして狂犬病や水痘などのワクチン開発に不可欠であるとして、政治的圧力に屈しないようNIHに強く求めている。一部の研究は既に完了するなど、影響は限定的と見られるも、多くの科学者は、動物モデルでは再現できない重要な知見が得られる胎児組織研究の中断が、将来の医療発展を阻害すると懸念を表明している。
Science “Scientists decry NIH pledge to end some human fetal tissue research” (09/15/25)
https://www.science.org/content/article/scientists-decry-nih-pledge-end-some-human-fetal-tissue-research