Category:その他
連邦R&D予算、2021年度から2年連続で実質減少見込み
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics: NCSES)の発表によれば、連邦政府による研究開発(R&D)予算(obligations)は2022年度に前年度の1,896億ドルから0.4%増加して1,904億ドルとなった。予備的試算によれば、2023年度は2.1%減少して1,864億ドルとなる見通しである。ただし、インフレ調整後の数字(2017年を1とした場合の恒常ドル)で見ると、2022年度のR&D予算は1,631億ドルとなり、前年度の高水準(1,738億ドル)から6.1%の減少となる。更に2023年度は6.4%下落して1,527億ドルとなる見込みである。これは、2021年度から12.1%の減少となる。 National Center for Science and Engineering Statistics “Inflation-Adjusted Federal R&D Obligations Expected to Decline for Second Year from FY 2021 High” (5/20/24)
エネルギー省、米国ソーラー製造事業・開発の進展に7,100万ドル
バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題の一環として、エネルギー省(Department of Energy)は5月16日、米国のソーラー・エネルギー・サプライチェーン全般における国内製造事業者ネットワークの拡大を目的として、研究・開発・実証プロジェクトに合計7,100万ドルの投資を行うと発表した。これには、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)からの1,600万ドルが含まれる。選出されたプロジェクトは、サプライチェーンにおける国内ソーラー製造能力の溝(設備、シリコン・インゴット及びウェハー、シリコン及び薄膜ソーラー電池製造など)に対処する他、太陽光発電(PV)の新たな用途につながるソーラー技術の新市場開拓も目指す。エネルギー省は、「シリコン・ソーラー製造及びデュアル・ユース太陽光発電インキュベーター資金プログラム(Silicon Solar Manufacturing and Dual-use Photovoltaics Incubator Funding Program)」の下、シリコン・ウェハー及び電池製造を国内に回帰させるための技術開発支援を目的として、3件のプロジェクトを、また、PV技術の新たな用途を進展させ、ビルの電気化や輸送部門の脱炭素化につながる可能性を育成する7件のプロジェクトを選出した。更に、「米国薄膜ソーラー太陽光発電進展資金プログラム(Advancing U.S. Thin-Film Solar Photovoltaics funding program)」の下、8件のプロジェクトを選出した。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $71 Million Investment to Advance American Solar Manufacturing and Development as Part of Investing in America Agenda” (5/16/24)
エネルギー省、使用済み核燃料のための暫定的統合貯蔵施設事業を推進
エネルギー省(Department of Energy)は、国内の商用使用済み核燃料の管理の助けとして、連邦による暫定的な統合貯蔵施設が必要であると判断している。同施設の設置場所は、総意に基づく立地プロセスを通じて選出され、その際にはコミュニティの関心が前面に置かれる。本プロジェクトを通じて、最終的に商用の使用済み核燃料の貯蔵地数が減少し、納税者の経済的負担の緩和につながると考えられている。エネルギー省は最近、連邦暫定統合貯蔵施設プロジェクトについて重要判断-0(Critical Decision-0: CD-0)を承認した。CD-0は、エネルギー省が資本資産プロジェクトを管理し、DOEのミッション上のニーズを判断するために使用するプロセスの最初のステップである。施設は、米原子力規制委員会(U.S. Nuclear Regulatory Commission)からのライセンス供与を受け、まずは1万5,000メトリック・トン前後の使用済み核燃料を貯蔵することを目的として建設され、同燃料の所有というエネルギー省の責務の完遂へ向けた大きなステップとなる。1950年代からこれまでに、米国内の原子炉による使用済み核燃料の生成量は、9万メトリック・トンとなり、これらは国内70か所以上の原子力発電所で安全かつセキュアに保管されている。 Department of Energy “Department of Energy Moves Forward with Consolidated Interim Storage Facility Project for Spent Nuclear Fuel” (5/15/24)
エネルギー省、大学原子力訓練施設へのアクセス拡大に700万ドル
エネルギー省(Department of Energy)は5月20日、原子力エネルギーのインフラ及び学習指導の強化を目的として、2件の資金提供公募(FOA)の下、7つの大学(6州)における8件のプロジェクトに合計740万ドルのアワードを提供すると発表した。資金は、大学の研究原子炉の改良とアップグレードや、小中高/専門学校/その他の大学に、大学研究原子炉へのアクセスを提供し、原子力科学/工学/技術への理解を促進することに充当される。一つは、「大学原子炉研究インフラの活性化(University Nuclear Research infrastructure Revitalization)」と題するFOAの下で1大学(パーデュー大学(Purdue University)が600万ドルを受益)に提供され、もう一つは「大学原子炉共有及びアウトリーチ・プログラム(University Reactor Sharing and Outreach Program)」の下で7大学(合計140万ドル)に提供された。 Department of Energy “DOE Awards More Than $7 Million for Greater Access to University Nuclear Training Facilities” (5/20/24)
NRELの電池サプライチェーン・データベース、北米製造基盤の現状を示す
米国がクリーンエネルギーへの移行を続ける中、重要マテリアルの有用性を高め、国内のサプライチェーンを強化することは、国内製造の拡大を実現する上で最重要である。国内を中心に、クリーンエネルギーのサプライチェーンを確実にするという焦点は、エネルギー移行を支援する国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)の研究の主要な部分である。電池を巡る状況をマップ化する継続的な取り組みの一環として、NAATBattインターナショナル(NAATBatt International)とNRELは、「リチウムイオン電池サプライチェーン・データベース(Lithium-Ion Battery Supply Chain Database)」を確立した。リチウムイオン電池の製造に携わる北米のあらゆる企業を特定することが目的である。2021年に初公開されたもので、NRELとNAATBattは最近、その最新版を発表した。新たな事業体が追加され、オンライン・インターフェースによって、数百の事業体のマップ化及びフィルター化が更に容易になり、サプライチェーンにおける企業やその施設、様々なセグメントの詳述が得られるようになっている。 National Renewable Energy Laboratory “NREL Battery Supply Chain Database Maps Out the State of North America’s Manufacturing Base” (5/14/24)
UCバークレー校、気候イノベーション拠点を新設
カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)は5月16日、地球の健康を改善し、気候変動の悪影響を逆行させる可能性がある発見を影響力のある気候ソリューションへと変換することに特化した新たなスペースを構築する計画を発表した。「ベイカー・クライメットエンジニュイティ・ハブ(Bakar ClimaEnginuity Hub)」がそれで、2027-2028学業年度に開設する予定。同ハブは、大学内のイノベーターに、急成長中の気候技術分野で起業を成功させるために必要な資源を提供する。現在は、大学ホール(University Hall)となっている所に、寄付金によって設立される。その施設には、再生可能エネルギーや炭素捕獲から環境に優しい建築マテリアルや農業環境など、多様な気候研究を支援するために調整された柔軟な拡張スペースとラボが含まれる。 Berkeley News “Bakar ClimatEnginuity Hub: Berkeley’s new home for climate innovation” (5/16/24)
米国内のソーラー設置件数が500万件を超える
ソーラーエネルギー業界協会(Solar Energy Industries Association: SEIA)とウッド・マッキンゼー社(Wood Mackenzie)が5月16日に発表したデータによれば、米国内で設置されたソーラー発電は500万件を正式に超え、クリーン・エネルギー移行における大きな達成を記した。米国内の設置件数が100万件に達したのは2016年で、その後わずか8年で達成したマイルストーンとなる。米国内でグリッド接続型のソーラー・システムが初めて設置されたのは1973年で、40年かかって100万件に達した。両社が発表したデータによれば、米国内に設置されたソーラーの半分以上は、2020年以降に稼働したもので、25%以上は20カ月前にインフレ低減法(Inflation Reduction Act)が法制化された後での稼働となっている。州別で見ると、10万件以上設置されている州は11州。首位はカリフォルニア州の200万件であるが、同州で最近決定された新たな政策は、屋根上ソーラー市場に悪影響をもたらしている。 Solar Energy Industries Association “America Exceeds Five Million Solar Installations Nationwide” (5/16/24)
大統領府、労働者をAIのリスクから保護するステップを発表
バイデン大統領による「安全でセキュアで信頼できる人工知能の開発と使用に関する大統領令(Executive Order on Safe, Secure, and Trustworthy Development and Use of Artificial Intelligence)」は、労働省(Department of Labor)に対し、労働者をAIのリスクから保護し、これらの技術がどのように開発、使用されるかを決定する際に労働者の声が聞かれるようにすることを確実にするため、一連の主要原則を確立することを指示した。そしてバイデン政権は5月16日、これらの原則を発表すると共に、マイクロソフト社(Microsoft)とインディード社(Indeed)がこれらの原則をそれぞれの職場で適切に採用することにコミットしたと発表した。職場におけるAIシステムの開発と導入に適用される原則には以下が含まれる。①労働者のエンパワーメントを中心に置く、③労働者を保護する形で倫理的にAIを開発する、③AIガバナンスと人間による監督を確立する、④AI使用の透明性を確実にする、⑤労働者と雇用の権利を保護する、⑥AIを使って労働者をエンパワーする、⑦AIの影響を受けた労働者を支援する、⑧労働者データの責任ある使用を確実にする。 White House “FACT SHEET: Biden-Harris Administration Unveils Critical Steps to Protect Workers from Risks of Artificial Intelligence” (5/16/24)
国家安全保障会議、AIのリスクと安全に関し米中協議実施
米大統領特別補佐官及び上級ディレクター(技術及び国家安全保障担当)(Special Assistant to the President and Senior Director for Technology and National Security)のタルン・チャブラ氏(Tarun Chhabra)と、国務省(Department of State)特使代理(重要新興技術担当)(Acting Special Envoy for Critical and Emerging Technology)のセス・センター氏(Seth Center)は、省庁間の米代表団を率いて、スイスのジュネーブにて5月14日、中国代表団と会合し、人工知能(AI)のリスクと安全について協議した。今回の協議は、バイデン大統領と習近平国家主席が2023年11月に首脳会議を行った際、両国の専門家を招集して先端AIシステムに関連するリスクに対処する必要性を確認したことに続くもの。率直かつ建設的な協議の中で、米中両国は、AIの安全とリスク管理へのそれぞれの手法に関する見解について意見交換し、米国は、開発途上国及び先進国共に持続可能な開発のためにAIの恩恵を育成することの重要性を繰り返した。米国はまた、AIの誤用を巡る懸念も指摘し、その対象には中国による誤用も含まれた。 White House “Statement from NSC Spokesperson Adrienne Watson on the U.S.-PRC Talks on AI Risk and Safety” (5/15/24)
パトリック・フィッチ氏、LANL副所長(科学技術工学担当)に選出
パトリック・フィッチ氏(J. Patric “Pat” Fitch)氏が、ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory: LANL)の次期副所長(科学技術工学担当)(deputy Laboratory director for Science, Technology and Engineering: DDSTE)に選出された。昨年後半にLANLを退任してSLAC国立加速器研究所(SLAC National Accelerator Laboratory)の所長に就任したジョン・サラオ氏(John Sarra)、及びサラオ氏の後任として暫定DDSTEを務めていたマーク・チャドウィック氏(Mark Chadwick)の後任となる。フィッチ氏は2018年からLANLのアソシエイト・ディレクター(化学/地球/生命科学担当)(associate Laboratory director for Chemical, Earth, and Life Sciences: ALDCELS)を務めている。LANLに参画する前は、バテル全米バイオディフェンス研究所(Battelle National Biodefense Institute, LLC)の社長を務めていた。 Los Alamos National Laboratory “J. Patrick Fitch selected as deputy Laboratory director for Science, Technology and Engineering” (5/16/24)