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大統領府報告書、米国研究インフラの厳しい状況を浮き彫りに

大統領府は局横断型の評価報告書「米国連邦研究開発インフラ:米国のグローバルな科学的リーダーシップと経済・国家安全保障の基盤(U.S. Federal Research and Development Infrastructure: A Foundation of the Nation’s Global Scientific Leadership and Economic and National Security)」を発表した。それによれば、多くの連邦研究施設が現在、40~50年と試算される耐用年数を過ぎており、約半分が、「不良(poor)」または「危機的状態(critical condition)」と評価されている。「米国の科学者、工学者が現在21世紀の研究開発活動を行う多くの施設は、1950年代に設計されたもので、現代の研究や、健康や安全に関するラボの現行の慣行を支えることができない」と報告書は述べている。報告書はこうした問題に対処するため、現行の予算と法的権限の範囲内で実施できる分野として、①戦略的計画、②米国研究コミュニティの長期的な連邦研究開発インフラのニーズの特定と優先付け、③国際的な研究開発インフラのベンチマーキングと共同作業の特定、④研究開発インフラ戦略の共有、の4点を挙げている。 White House “White House Report Paints Dire Picture of U.S. Research Infrastructure” (May 2024)

エネルギー省、革新的な貯蔵技術の実証に1,500万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)の電力局(Office of Electricity: OE)は5月15日、エネルギー対応力に関するニーズを支援する革新的な貯蔵技術の大規模実証を促進するため、コスト分担型の研究開発実証(RD&D)に1,500万ドルの資金提供機会(FOA)を発表する意向を通知した。このFOAを通じて、3つのプロジェクトが選出され、各最高500万ドルを受益する計画である。これらのRD&Dプロジェクトは、米国のエネルギー送配電システムが信頼性と対応力があり、セキュアで手頃な費用であることを確実にするために新技術を開発する上で重要である。エネルギー省は2024年8月末までにこのFOAを実施する計画である。 Department of Energy “Energy Department Announces $15M in Potential Funding for Innovative Storage Technology Demonstrations” (5/15/24)

エネルギー省、1,500万ドルを受益する貯蔵技術プロジェクトを選出

エネルギー省の電力局(Office of Electricity: OE)は5月15日、新たな長期エネルギー貯蔵(Long Duration Energy Storage: LDES)技術が現場で信頼性と費用効果に優れた形で作用することを示すため、1,500万ドルのアワードを受益するプロジェクトを選出したと発表した。LDESは、国内のクリーンで信頼性と効率性と費用効果に優れたエネルギーのニーズ増大に対応するため、電力グリッドに変革をもたらす。電力需要は常に変動し、ソーラーや風力による発電状況は、時としてグリッドの需要を遥かに上回る電力を提供する場合もある。余剰電力を貯蔵することで、電力グリッドは変化し続ける需要に対応し、曇りや無風の日でも米国家庭を暗くすることがないよう確実にすることができる。今回の資金提供公募(FOA)を通じて選出された3つの革新的な実証プロジェクトは、商業化につながるエネルギー貯蔵技術を進展させ、その費用や性能を現場で検証する。 Department of Energy “Energy Department Selects Projects to Receive $15M for Storage Technologies” (5/15/24)

エネルギー省、石油生産事業における天然ガスのフレアリングを排除

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)は5月16日、石油生産拠点における天然ガスのフレアリングを削減する一助となる技術の進展に取り組む4件の研究開発(R&D)プロジェクトに、約3,200万ドルを提供すると発表した。これらの拠点におけるガス・フレアリングは、大規模な温室効果ガス排出源であり、通常は廃棄の対象となるが、受益プロジェクトはこれらの天然ガスを変革して価値ある製品に転換することに取り組む。選出されたのは、M2Xエネルギー社(M2X Energy Inc.)、パイオニア・エネルギー社(Pioneer Energy)、ノースダコタ大学エネルギー及び環境センター(University of North Dakota, Energy & Environmental Research Center)などの4件で、天然ガス田で一般的に行われているフレアリングを排除することを狙いとしたソリューションを、現場で試験的に導入し、その効率性や費用効果を検証することに焦点を当て、実世界での用途に向けて商業化前の準備をする。 Department of Energy “DOE Invests $32 Million to Help Eliminate Natural Gas Flaring at Oil Production Operations” (5/16/24)

ARPA-H、医療ケア施設向けのサイバーセキュリティを強化及び自動化

医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)は5月20日、「オートノマス防衛のためのユニバーサル・パッチング及び修復(Universal PatchinG and Remediation for Autonomous DEfense: UPGRDE)」プログラムの始動を発表した。5,000万ドル以上を投資して情報技術(IT)チームのためのツールを創出し、病院の環境のより良い防衛に役立てるというサイバーセキュリティの取り組みである。デジタル医療における安全保障上の溝を是正するには、ITスタッフや医療機器製造事業者及びベンダー、医療提供者、人的要素を取り入れたエンジニア、サイバーセキュリティ専門家による専門性を基に、病院のサイバー対応力に適した、拡張可能な一連のソフトウェア開発が必要となる。UPGRADEのソフトウェア・プラットフォームにより、デジタル病院環境モデルでソフトウェアの脆弱性を調査し、潜在的な脆弱性を積極的に評価することが可能になる。脅威が検知されると、パッチなどの修復措置がモデル環境で自動的に調達、開発、試験され、最小限の混乱の中で、病院で使用される機器に導入される。 Advanced Research Projects Agency for Health “ARPA-H announces program to automate cybersecurity for health care facilities” (5/20/24)

エネルギー省、$1/1kgのクリーン水素計画の取り組みを強化

エネルギー省(Department of Energy)の水素及び燃料電池技術局(Hydrogen and Fuel Cell Technologies Office)は5月6日、「複数年プログラム計画(Multi-Year Program Plan)」を発表した。それによれば、同局は今後数年間、クリーン水素生産システムの効率性/耐久性/費用対効果を改善するプロジェクトの研究、開発、実証に焦点を当てる。計画は、DOEによる「水素ショット(Hydrogen Shot)」の目標(2031年までにクリーン水素の生産費用を1キログラム当たり1ドルに削減する)を中心に置いたもので、その他にも、電解槽システムの費用の削減(1キロワット当たり250~500ドルに)、大型輸送向け燃料電池システムの費用の削減(1キロワット当たり80ドルに)することなどを目指す。 Utility Dive “DOE doubles down on $1/kg clean hydrogen, sets sights on additional hydrogen cost targets” (5/9/24)

NSF、気候変動対策に取り組むケンタッキー州で新たなEPSCoRトラック1アワードを発表

ケンタッキー州は、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の「競争的研究を促進するための確立されたプログラム(Established Program to Stimulate Competitive Research: EPSCoR)」を通じて、2,000万ドルを受益する。EPSCoRプログラムは、歴史的に研究開発資金の受益が少ない州、準州を支援するのが狙い。ケンタッキー州は、EPSCoR研究インフラ改良プログラム(Research Infrastructure Improvement Program)のトラック1(Track-1)を通じて、5年間にわたって資金を受益し、気候変動が地元のコミュニティにどのような影響を及ぼしているのかについて研究する。また、研究者が、こうした課題に取り組む新たな方法を見つけること、将来の研究者に学習指導するためのコミュニティ教育やプログラム開発も可能となる。ケンタッキー大学研究財団(University of Kentucky Research Foundation)が受益者で、「学際的なビッグデータの学習、予測、応答システム構築を通じた気候対応力(Climate Resilience through Multidisciplinary Big Data Learning, Prediction & Building Response Systems: CLIMBS)」プロジェクトを通じて、気候科学分野や地質災害工学、災害管理を進展させ、持続可能性や気候変動への対応力を強化する。 National Science Foundation “NSF announces a new EPSCoR Track-1 award to combat climate change in Kentucky” (5/9/24)

CSET、中国とバイオテクノロジーとBGI社について分析報告

セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「中国とバイオテクノロジーとBGI:中国のハイブリッド経済がどのようにして競争を歪めるのか(China, Biotechnology, and BGI: How China’s Hybrid Economy Skews Competition)」と題する報告書を発表した。米政府が中国のゲノミクス企業への禁止措置を検討する中、「米国やその他の市場経済圏は、どのようにして中国の国家的取り組みに対応すべきか」という疑問が広く浮上している。本報告書は、ケーススタディとして中国企業の1社であるBGIグループ(BGI Group)について調査し、中国の産業政策がどのようにして中国や世界の技術発展に影響しているかを示している。報告書によれば、BGIグループの事業形態は、国際的な証券取引所で上場しているものの、世界的な市場標準には合致していない。同グループは、中国政府がハイブリッド経済モデル(官と民、軍事と民生の境界を曖昧にし、国家の目標到達を目指す)を大幅に活用しており、米国や同様の国々が技術開発で競争するなら新たな措置が必要であること、競争条件を平等にするために新たな手法が求められることを示している。また、米国や同盟国が講じることができるステップについて記述している。 Center for Security and Emerging Technology “China, Biotechnology, and BGI: How China’s Hybrid Economy Skews Competition” (May 2024)

NSF、STEMキャリアを目指す大学院生を支援する訓練生トラックを開始

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、「NSF研究訓練生プログラム(NSF Research Traineeship (NRT) program)」の新たなトラックを発表した。高度な研究活動が行われていない非R1高等教育機関の大学院生が、STEMの様々なキャリアを追求する上で必要なスキル、知識、能力を開発する一助となることを意図している。「NSF研究訓練生大学機関パートナーシップ・パイロット(NSF Research Traineeship Institutional Partnership Pilot: NRT-IPP)」は、新しいパートナーシップ手法を促進し、2022年CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act of 2022)で概説されている主要な技術分野で、業界が参加して、学生が業界に関連する経験を得られるようにする。NRTプログラムは、長きにわたって実施されており、大学院レベルで学生の効果的な訓練を形成及び支援することに特化している。NRT-IPPは、業界とSTEM内の特定の焦点分野に更なる重点を置きながらこれらのゴールを進展させる。 National Science Foundation “NSF launches trainee track to help prepare graduate students to enter STEM careers” (5/9/24)

パーデュー大学、シカゴ量子エクスチェンジに参加

パーデュー大学(Purdue University)は、量子情報の科学及び工学を進展させ、未来の量子労働力を構築し、米国の量子経済を促進する協調的な取り組みとして、シカゴ量子エクスチェンジ(Chicago Quantum Exchange: CQE)に参加する。CQEは、中西部が量子技術における米国のリーダーシップの中心的ドライバーとなるよう先導する知的ハブで、その新しいメンバーとなるパーデュー大学は、シカゴ大学(University of Chicago)、エネルギー省(Department of Energy)傘下のアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)、フェルミ国立加速器研究所(Fermi National Accelerator Laboratory)などが中心となって行なわれる学際的な研究活動に参加する。CQEは、シカゴ大学のプリツカー分子工学スクール(Pritzker School of Molecular Engineering)を拠点とし、約50の企業、国際、非営利、地域パートナーが参加している。 HPC wire “Purdue University Joins Chicago Quantum Exchange” (5/10/24)