Category:その他
米中間の科学的交流が激減
全米経済研究所(National Bureau of Economic Research: NBER)が発表した新たな報告書「科学の周囲に壁を作る:米中間の緊張が国際科学研究に及ぼす影響(Building a Wall Around Science: The effect of US-China tensions on international scientific research)」によれば、2016年にトランプ大統領が選出されて以来、米中間の科学協力は著しく減少している。報告書は、①STEM研修生のモビリティ(米国で博士課程を履修する中国人学生が、取得後も留まる可能性など)、②中国にいる中国人研究者が米国の科学研究を使用する(そしてその逆)可能性、③ピアレビュー論文の作成数に基づく科学的生産性、の3つの分野で量的データを調査した。調査結果は、ほぼ全てにおいて、「学術機関からの正式な追放や暴力的な戦争よりも遥かに低いレベルでの地政学的緊張が、科学者のモビリティに大きな変化をもたらす可能性がある」ことを示している。記事は、「反中感情」、「トランプ前大統領の『中国イニシアチブ』に関する議論」、「米国論文の引用」、「生産性への影響」、「今後の人材への影響」について論じている。 University World News “Study shows drastic decline in US-China scientific exchange” (7/11/24)
連邦資金を受けたR&DセンターのR&D支出は2023年度に13%増加
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics: NCSES)の発表によれば、全国で42件ある「連邦資金を受けた研究開発センター(federally funded research and development centers: FFRDCs)」の2023年度のR&D支出は293億ドルで、現在ドル(current dollars)で前年度比12.7%増となった。連邦政府が拠出したR&D資金は289億ドルで、同資金は前年度より12.8%増加した。2023年度は、2011-2013年度にR&D支出が減少して以来、10年連続の増加(名目)となる。実質ドル(constant dollars)(2017年を基準)で見ると、最近では、2021-2022年度に減少している。また、実質ドルで見ると、FFRDCによるR&D支出の合計は、2013-2023年度に年平均2.6%増加した。現在ドルでは同期間に年平均5.2%増加している。FFRDCによるR&D支出の98.5%は連邦資金で、非連邦による資金の内訳は、企業、非営利組織、州及び地方自治体、その他、となっている。連邦機関の中では、エネルギー省(Department of Energy: DOE)が56.7%、国防総省(Department of Defense)が20.7%を占めた。記事ではこの他に、具体的なFFRDCにおける支出のトレンド、R&Dの種別の支出について記述している。 National Center for Science and Engineering Statistics “Federally Funded R&D Centers Report 13% Increase in R&D Spending in FY 2023” (7/15/24)
オープンAI、ロス・アラモス国立研究所と提携
オープンAI(OpenAI)社とロス・アラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory)が提携し、研究所内での生成AIの使用に伴う恩恵とリスクに関する研究することが明らかになった。オオープンAI社とロス・アラモス国立研究所による最初の試みは、分子生物学のスキルがない人物が基礎的なバイオ医療タスクを実施することをAIを使って支援するというもの。オープンAI社は、「この種としては初の取り組みであり、生成AIシステムが最も助けとなる研究分野は何かという点を明らかにする助けとなり得る」とする。ロス・アラモス国立研究所の幹部は、「研究所内にAIを取り入れることは、技術が、ツール及び脅威の双方において果たし得る役割を理解する上で鍵となる」と語っている。 Axios “Exclusive: OpenAI partners with Los Alamos to study AI in the lab” (7/10/24)
ARPA-E、合成窒素肥料の利用減に向けた技術開発に3,600万ドル
エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)は7月11日、米国のエタノール生産に使用されるソルガムとトウモロコシの栽培から発生する亜酸化窒素(N2O)を50%低減する技術の開発に、最高3,600万ドルを提供すると発表した。この新たな「合成窒素の排出を修正及び抑制する技術(The Technologies to Emend and Obviate Synthetic Nitrogen’s Toll on Emissions: TEOSYNTE)」プログラムは、トウモロコシ及びソルガムの畑における合成窒素肥料の使用を低減する戦略に重点を置く。合成窒素肥料の使用を低減することで、温室効果ガス排出が削減され、農家は、収穫を維持しつつ、運用費用を大幅に低減することができる。TEOSYNTEプログラムで選出されたプロジェクトは、①米国農業における合成窒素肥料の使用を減らすことで、海外の合成窒素肥料の輸入を低減する、②米国農家の運用費用を数十億ドル節約して効率性を高め、エタノール及びエタノール由来の持続可能な航空燃料の炭素排出強度を低減する、③合成窒素肥料の生産で発生する二酸化炭素排出と、合成窒素肥料使用後の亜酸化窒素の排出を低減する、ことに取り組む。 Advanced Research Projects Agency-Energy “ARPA-E Announces $36 Million to Develop Technologies to Lower Greenhouse Gas Emissions from Ethanol Production, Reduce Operating Costs for American Farmers” (7/11/24)
DARPAのGRYPHONプログラムによる光通信の発見
無線周波(Radio frequency: RF)やマイクロ波の信号は、我々の日常生活を豊かにする技術情報を運ぶ重要な手段であり、各システムの中心にある単一周波数のRFまたはマイクロ波の源の安定性とスペクトル純度は重要である。これらの源は、正確な周波数で信号を生成するよう設計されているものの、実際にはコンポーネントの不完全性や環境的要素から生じる位相雑音によって曖昧になり、最終的にシステム・レベルのパフォーマンスが損なわれる可能性がある。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の「低ノイズのためのフォトニック発振器を用いた無線周波の生成(Generating Radio Frequency with Photonic Oscillators for Low Noise: GRYPHON)」プログラムは、こうした状況を変える可能性がある。同プログラムの第1フェーズで、研究者は、異なる光源手法を用いて、形状や仕様が著しく縮小された形態での高純度マイクロ波生成へ向けて重要な進展を示した。そのファインディングは最近、専門誌などで発表され、プログラムは現在、第2フェーズへ進んでいる。 Defense Advanced Research Project Agency “Everyday Life, Improved by Light: GRYPHON’s Photonic Discoveries” (7/10/24)
カリフォルニア州を筆頭に半導体企業R&Dの約90%が6州に集中
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics: NCSES)の発表によれば、米国内の半導体及びエレクトロニクス部品製造業界(NAICS3344)が実施した研究開発(R&D)は、2021年に474億ドルに達した。これは前年比9.8%増となる(現行ドル)。そのうち、455億ドルのR&Dは、企業が支出及び実施した。州別に見ると、企業が拠出した米半導体企業R&Dの中で圧倒的に多いのはカリフォルニア州で、230億ドル(全体の51%)となっている。次の5州(オレゴン、アリゾナ、テキサスを含む)が合計で38%のシェアを有する。 National Center for Science and Engineering Statistics “Six States Perform Around 90% of Semiconductor Business R&D, Led by California” (7/9/24)
バイデン政権、登録見習い制度への過去最大投資を発表
バイデン政権は7月11日、「米国への投資(Investing in America)」によって創出された良好賃金と米国民とを結びつけるための新たな措置を発表した。具体的に、大統領府国内政策補佐官(White House Domestic Policy Advisor)のニーラ・タンデン氏(Neera Tanden)と、労働省(Department of Labor)のジュリー・スー長官代理(Julie Su)がペンシルバニア州ウィリアムスポートで開催された会合で、成長中の米国産業における登録見習い制度(Registered Apprenticeship system)の現代化や多様化、拡大を目的として2億4,400万ドル以上を投資すると発表した。これは、登録見習い制度への連邦投資としては、米国史上最大規模になる。その後、両高官は、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)及び運輸省(Department of Transportation)の高官と共に、同州フィラデルフィアで、同市の「米国への投資労働力ハブ(Investing in America Workforce Hub)の初回会合を招集し、全ての労働者が良好賃金の雇用へ平等なアクセスを得られることを確実にするための新たな政策及びパートナーシップを発表した。 White House “FACT SHEET: Biden-Harris Administration Announces Record Federal Investments in Registered Apprenticeships, Holds Workforce Hub Convening in Philadelphia with New Commitments to Train and Hire Residents to Work on Major Infrastructure Projects” …
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電力不足が米国の主要データセンター市場における賃貸価格の上昇に
CBREが6月24日に発表した「2024年グローバル・データ・センター・トレンド(2024 Global Data Center Trends)」報告によれば、世界的に発生している継続的な電力不足が、世界のデータセンター市場の成長を大幅に阻害している一方で、豊富な電力を持つ二次市場は更なる投資を引き付ける見込みである。主要な市場で空室率が過去最低水準となり、北米やその他の地域において、電力の調達は優先事項の一つとなっている。企業はデータセンターの能力確保が次第に厳しくなっているにもかかわらず、北米におけるインベントリは2024年第1四半期に前年比で24.4%増加し、バージニア州北部、ダラス、シカゴ、シリコン・バレーにおける807.5メガワットの増加がそれを先導した。需要の増加に対処するため、地方自治体は、許認可を簡素化し、再生可能エネルギーをグリッドに統合するなどして、電力の制約を緩和しようとしているとCBREは報告している。 Utility Dive “Lack of power pushes rental price increases in major U.S. data center markets: report” (7/11/24)
ドミニオン・エネルギー社、ノース・アンナ原子力拠点に小型モジュール炉を建設することの実現可能性について見解を要請
ドミニオン・エネルギー社(Dominion Energy)の7月10日の発表によれば、バージニア州ルイサ郡にある同社のノース・アンナ原子力発電所(North Anna nuclear power station)に小型モジュール炉(small modular reactor: SMR)を建設することの実現可能性を評価するため、SMR業界を対象にプロポーザルの要請(closed request for proposals)を行った。同日に行われた記者会見で、バージニア州のグレン・ヤングキン知事(Glenn Youngkin)(共和党)は、SMR関連の開発費用について、ドミニオン社が州の規制当局から料金調整の承認を模索することを認める法案に署名して法制化した。「将来の電力需要に対応するため、バージニア州民に信頼性が高く、手頃な費用でクリーンなエネルギーへのアクセスを提供する新興技術を模索し続けることは我々にとって重要である」と知事は声明した。バージニア州ではデータ・センター業界のブームにより、電力需要の増加が見込まれている。 Utility Dive “Dominion Energy requests input on feasibility of building SMR at North Anna nuclear site” (7/12/24)
エネルギー省、国内の電池リサイクル強化に1,400万ドルを発表
エネルギー省(Department of Energy)は7月9日、消費者電池のリサイクルを強化し、より持続可能な国内電池サプライチェーンを創出することを目的として、1,400万ドルを提供すると発表した。資金はバイデン大統領の超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から拠出され、エネルギー省の製造及びエネルギー・サプライチェーン局(Manufacturing and Energy Supply Chains Office: MESC)がプロジェクトを管理する。受益プロジェクトは、米国内で消費者製品の使用済み電池の収集拠点として1,000か所以上を設置し、消費者が、古い電池や電池を含む機器をリサイクルできるようにし、E廃棄物を削減する。ステープルズ社(Staples U.S. Retail)と電池小売のバッテリーズ・プラス社(Batteries Plus)が受益企業として選出され、それぞれ700万ドル以上を受益し、各店舗でポータブル式の消費者向け電池リサイクル・ドロップオフ拠点を設置する。両社で合計1,000か所以上のドロップオフ地点が全国に設置され、その多くは社会的に不利なコミュニティに設置される。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $14 Million to Increase Domestic Battery Recycling” (7/9/24)