Category:その他
電力価格の上昇、ユーティリティ機関の信用リスクを押し上げ
ムーディーズ・インベスターズ・サービス社(Moody’s Investors Service)が9月11日に発表した報告によれば、電力価格の上昇は、規制対象となっているユーティリティ機関に対する「不利な規制もしくは政治的介入」のリスクを高め、ひいてはクレジットの質に悪影響を及ぼす可能性がある。ムーディーズ社は、「手頃な費用」は、規制対象のユーティリティ機関にとって主要なクレジット指標及び社会的リスクであるとする。その理由は、ユーティリティ機関の料金引き上げを審査する規制プロセスにおいて、規制担当官が「顧客への経済的負担が過度になる」と感じた場合に、ユーティリティ機関に不利なアウトカムにつながる可能性があるためである。「ユーティリティ機関が、能力強化の支払いや新たな投資費用を顧客に転嫁しようとする中、規制担当官は、自分達が承認する料金引き上げの規模に慎重になり続け、時として否定的なクレジットの結果につながる」と、ムーディーズ社は分析している。 Utility Dive “Rising power prices increase credit risk for utilities: Moody’s” (9/13/24)
米国は電力変圧器仮想備蓄を創設すべきとの提言
全国インフラ諮問評議会(National Infrastructure Advisory Council)は、最近発表した報告書の中で、「グリッドの重要なコンポーネントの製造能力を取り巻く試練が電気化の取り組みや必要な交換を遅らせないようにするため、連邦政府は電力変圧器の『戦略的仮想備蓄(strategic virtual reserve)』を確立すべきである」と提案した。仮想備蓄は、国内の製造事業者が注文の鈍化に直面した際に、最後の手段として連邦政府を購入者として確立するもの。近年、ユーティリティ機関が新たな変圧器を発注してから受領するまでの時間(リードタイム)は、設備の規模や複雑さによっては、倍増している。NIACはまた、業界と教育機関の間の労働力パートナーシップや、変圧器の供給者と購入者の間の長期契約の活用、連邦税クレジットなどを通じて生産を強化することを要請している。 Utility Dive “US should create ‘virtual’ electric transformer reserve amid shortage concerns: NIAC” (9/13/24)
ニューヨークの天然ガスシステムへの水素混合に電力48TWhが必要
環境防衛基金(Environmental Defense Fund: EDF)の委託を受けたシンクタンクのスイッチボックス社(Switchbox)が作成した報告書「水素と天然ガスの混合:ニューヨーカーにとって終点のない道(Blending Hydrogen & Natural Gas: A Road to Nowhere for New Yorkers)」によれば、水素を使って住宅の暖房を脱炭素化することは、実行可能な長期的戦略ではなく、エネルギー移行で水素混合が果たす役割に疑問が投じられている。ニューヨーク州の政策は、再生可能エネルギーと電気分解を用いて水から水素を生産するグリーン水素の使用に明確な優先性を示しているが、同州が現行の天然ガスシステムを、20%のグリーン水素と80%の天然ガスに置き換えようとする場合、新たに48テラワット時の再生可能エネルギーを構築することが必要になる。そして最終的に州の天然ガス供給を100%置換する場合、ニューヨーク州は2050年の再生可能エネルギー目標を4倍にする必要が生じる。「全ての天然ガスを水素と交換することは現実的に不可能となる可能性があり、暫定的な移行戦略として混合燃料を使用することは経済的に合理性がない」と、EDFは分析する。一方、混合燃料の代わりに、ヒートポンプを使うことで、電力の使用量は87.2%削減できる。 Utility Dive “Blending hydrogen in New York gas systems could require 48 TWh of electricity: EDF” (9/13/24)
連邦の研究公正局、不正に関する規則の変更点を撤回
連邦資金を受けるバイオメディカル科学者の研究不正について調査する研究公正局(Office of Research Integrity: ORI)(厚生省(Department of Health and Human Services)傘下)は、研究不正に関するポリシーについて、ここ20年間で初となる改訂版(最終版)を発表した。それによれば、従来、開示されていなかった大学による不正行為調査のファインディングをORIが公表できる権限が削除された。これは、多くの機関から、「過剰規制」といった批判を受けて決定されたもの。その他にも、①研究機関が不正の可能性に関する申し立てを初めて受けてから30日以内に調査を開始するという期限案を撤回した、②大学が、そうした不正行為は「真摯な誤り」の行為の結果であると判断した場合、完全な調査を省略できる権限を復活させた、③申し立ての初期レビューの間、入手した全ての声明を記録、書き起こすことを機関に求める義務付けを撤回した、といった点が挙げられている。 Science “Final U.S. misconduct rule drops controversial changes” (9/13/24)
2025年、ウーバー利用者はウェイモ社のロボタクシーが利用可能に
オースティン市とアトランタ市のウーバー利用者は、2025年初頭、ウーバー社(Uber)とウェイモ社(Waymo)の間のパートナーシップ拡大の一環として、ウェイモ社のロボタクシーを呼ぶことができるようになる。ウェイモ社のオートノマス車は、2023年10月からフェニックス市でウーバーのアプリを使って利用可能となっている。ウーバー社は、配車や配送企業との間で自動運転のパートナーシップを積極的に締結しており、先月にはGM社のクルーズ(Cruise)及び英国のウェイブ(Wayve)との提携を発表した。ウェイモ社は自社のオートノマス配車サービスとしてウェイモ・ワン(Waymo One)をサンフランシスコ、フェニックス、ロサンジェルスで実施しており、同社によれば毎週約10万件の利用があるという。同社は今年、アトランタ市でロボタクシーの試験を開始し、オースティン市で従業員向けのシャトルサービスを実施しており、これらはウェイモ社が新たな市場で配車サービスを提供し始める前の一般的な最初のステップである。ただし、ウェイモ社によれば、オースティン市とアトランタ市で、ウェイモ社の車両である「ジャガーI-PACE AV」の配車サービスを利用できるのは、ウーバーの利用者のみである。 Tech Crunch “Waymo robotaxis to become available on Uber in Austin, Atlanta in early 2025” (9/13/24)
エネルギー省、石油・天然ガス部門からのメタンガス排出削減に1,500万ドルを発表
エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)は9月13日、文書化されていない孤立した石油及び天然ガスの坑井からのメタンガス排出やその他の環境への有害な影響を軽減する一助となる研究開発(R&D)プロジェクトを支援するため、最大で1,500万ドルを提供する資金提供公募(FOA)を発表した。「文書化されていない孤立した坑井」とは、運用者が不明または破産者で使用されていない坑井と定義され、管轄の規制当局のインベントリに登録されていない、または文書化が不十分な坑井である。現在、文書化されていない孤立した数十万件の坑井からメタンガスが漏出していると試算されている。エネルギー省は、「文書化されていない孤立した坑井の特性評価と修復(Undocumented Orphaned Well Characterization and Remediation)」と題するFOAの下、文書化されていない孤立した坑井に関する、①掘削孔のための先端修復技法、②坑井の特性評価、③坑井の長期モニタリング、の分野に焦点を当ててプロジェクトを募集する。 Department of Energy “DOE Announces $15 Million to Reduce Methane Emissions From the Oil and Gas Sector ” (9/13/24)
国防総省、分散型バイオ産業製造プログラムで新たに12件のアワードを発表
国防総省(Department of Defense)は9月13日、分散型バイオ産業製造プログラム(Distributed Bioindustrial Manufacturing Program: DBIMP)を通じて新たに12件のアワードを発表した。これにより、DBIMPのアワード件数はこれまでに25件、アワード金額は4,200万ドルとなる。今回発表された受益機関は、エア・プロテイン社(Air Protein)(カリフォルニア州)、ブルーステム・バイオサイエンス社(Bluestem Biosciences)(ネブラスカ州)、C16バイオサイエンス社(C16 Biosciences)(ニューヨーク州)など12社。これらのアワードは、大統領令14081号(Executive Order 14081)「持続可能で安全でセキュアな米国バイオ経済のためのバイオテクノロジー及びバイオ製造イノベーションの進展(Advancing Biotechnology and Biomanufacturing Innovation for a Sustainable, Safe and Secure American Bioeconomy)」の一環として、予定されている30件以上のアワードの一部。残りの受益機関は今後発表される予定。 Department of Defense “DoD Releases 12 Awards for Distributed Bioindustrial Manufacturing Program” (9/13/24)
アイデアラボ・プロジェクト、歴史的に黒人向けの大学における研究能力を進展
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、米国内で歴史的に黒人向けの大学(historically Black colleges and universities: HBCU)における研究能力のニーズを評価し、これに対処し、研究施設へのアクセスを高め、人的資本を構築することに取り組む10件のアイデア・ラボ(Ideas Lab)プロジェクトに1,050万ドルを提供する。受益プロジェクトは、NSFの「アイデア・ラボ:探究とイノベーションを通じたHBCUにおける研究能力の進展(Advancing Research Capacity at HBCUs through Exploration and Innovation: ARC-HBCU)」プログラムの下で資金を受け、HBCUにおけるSTEMの学際的研究を促進する持続可能なネットワークの協調的な構築に取り組む。「初となるNSF ARC-HBCUアイデア・ラボは、HBCUにおける人材を結びつけ、研究ネットワークを構築することで、HBCUにおける最も重要な研究ニーズに関する統合的かつ協調的なビジョンを更に進展させる」と、NSFのセスラマン・パンチャナサン長官(Sethuraman Panchanathan)は語った。 National Science Foundation “Ideas Labs to advance research capacity at the nation’s historically Black colleges and universities” (9/12/24)
フォード社、サザン・カリフォルニア・エジソン社の緊急DRプログラムに参加
フォード自動車(Ford)の一部の電気自動車(EV)の所有者は、サザン・カリフォルニア・エジソン社(Southern California Edison: SCE)による緊急負荷軽減プログラム(Emergency Load Reduction Program: ELRP)に参加し、グリッドのピーク需要時の充電を削減することが可能となる。両社が9月10日に発表した。フォード社は、SCEによるELRPへの消費者参加を促す米主要自動車メーカーとしては初の参加となる。SCEの社長兼CEOのスティーブ・パウエル氏(Steve Powell)は、「電力業界は、自動車からグリッドへの統合の利点を活用するインフラ及びシステムの準備を進めており、あらゆる関係機関による多くの取り組みがそれを現実のものにしつつある。フォード社によるELRPへの支援は、EVがグリッドの対応力をどのように高めることができるかを示すであろう」と述べる。カリフォルニア州の規制当局は2021年に、輪番停電を回避する一助として新たな需要応答手法のパイロット・プログラムを開始した。州内の大手ユーティリティ機関3社がこれを管理し、エネルギー消費の削減に取り組む消費者にお金を支払う仕組みになっている。 Utility Dive “Ford is first US automaker to participate in Southern California Edison’s emergency DR program” (9/12/24)
米港湾で中国製の貨物設備がサイバーやスパイのリスクに
2つの下院委員会に所属する共和党議員が主導して1年にわたって行なわれた調査の結果、米国内の数多くの港湾で、中国の製造事業者由来の技術が含まれており、それらはスパイや妨害工作を実現する可能性があるという。調査報告書「我々の貨物の取り扱い:中国はどのようにして米国海事産業に戦略的投資を行っているか(Handling Our Cargo: How the People’s Republic of China Invests Strategically in the U.S. Maritime Industry)」によれば、中国のクレーン・メーカー、上海振華重工業有限公司(Shanghai Zhenhua Heavy Industries Company Limited: ZPMC)が、設備の監視と診断の一助になるとの理由から、港湾の運用事業者にシステムへの遠隔アクセスを提供するよう圧力をかけていることは「公然の秘密」となっている。また、スイスの多国籍エンジニアリング企業で米国防及び諜報機関と複数の契約を有するABB社がZPMCと提携していることは、こうしたリスクを悪化させる一因となっている。在米中国大使館の広報官は、報告書のこうしたファインディングを否定し、「米国は、サプライチェーンの安全保障リスクを悪化させている」と非難している。 Nextgov “Chinese-made cargo equipment enables cyber, espionage risks in US ports, congressional probe finds” (9/12/24)