環境防衛基金(Environmental Defense Fund: EDF)の委託を受けたシンクタンクのスイッチボックス社(Switchbox)が作成した報告書「水素と天然ガスの混合:ニューヨーカーにとって終点のない道(Blending Hydrogen & Natural Gas: A Road to Nowhere for New Yorkers)」によれば、水素を使って住宅の暖房を脱炭素化することは、実行可能な長期的戦略ではなく、エネルギー移行で水素混合が果たす役割に疑問が投じられている。ニューヨーク州の政策は、再生可能エネルギーと電気分解を用いて水から水素を生産するグリーン水素の使用に明確な優先性を示しているが、同州が現行の天然ガスシステムを、20%のグリーン水素と80%の天然ガスに置き換えようとする場合、新たに48テラワット時の再生可能エネルギーを構築することが必要になる。そして最終的に州の天然ガス供給を100%置換する場合、ニューヨーク州は2050年の再生可能エネルギー目標を4倍にする必要が生じる。「全ての天然ガスを水素と交換することは現実的に不可能となる可能性があり、暫定的な移行戦略として混合燃料を使用することは経済的に合理性がない」と、EDFは分析する。一方、混合燃料の代わりに、ヒートポンプを使うことで、電力の使用量は87.2%削減できる。